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公開番号2024129796
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-27
出願番号2024015960
出願日2024-02-05
発明の名称化学増幅型ポジ型感光性組成物、鋳型付き基板の製造方法、及びめっき造形物の製造方法
出願人東京応化工業株式会社
代理人個人,個人
主分類G03F 7/004 20060101AFI20240919BHJP(写真;映画;光波以外の波を使用する類似技術;電子写真;ホログラフイ)
要約【課題】表面に金属層を備える基板上にめっき造形物を作成するプロセスの鋳型となるパターンを形成する化学増幅型ポジ型感光性組成物であって、低温でも大きなアンダーカットが形成された断面形状を有し且つ基板への密着性に優れるレジストパターンを形成しやすい化学増幅型ポジ型感光性組成物を提供すること。
【解決手段】活性光線又は放射線の照射により酸を発生する酸発生剤(A)と酸の作用によりアルカリに対する溶解性が増大する樹脂(B)と基板の金属層に対して配位し得る硫黄原子を含む含硫黄化合物(E)と酸拡散抑制剤(F)と有機溶剤(S)とを含み、含硫黄化合物(E)が、メルカプト基を有する含窒素複素環化合物、又はその互変異性体を含む化学増幅型ポジ型感光性組成物であって、特定の工程1)~4)によって求められる酸発生剤(A)の分解率(%)が10超である化学増幅型ポジ型感光性組成物を用いる。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
表面に金属層を備える基板上にめっき造形物を作成するプロセスの鋳型となるパターンを形成する化学増幅型ポジ型感光性組成物であって、
活性光線又は放射線の照射により酸を発生する酸発生剤(A)と、酸の作用によりアルカリに対する溶解性が増大する樹脂(B)と、前記金属層に対して配位し得る硫黄原子を含む、含硫黄化合物(E)と、酸拡散抑制剤(F)と、有機溶剤(S)と、を含み、
前記含硫黄化合物(E)が、メルカプト基を有する含窒素複素環化合物、又は前記メルカプト基を有する含窒素複素環化合物の互変異性体を含み、
以下の[要件1]を満たす、化学増幅型ポジ型感光性組成物。
[要件1]
以下の工程1)~4)によって求められる、酸発生剤(A)の分解率(%)が、10超である。
1)前記化学増幅型ポジ型感光性組成物を、表面にスパッタリング法により形成された銅層を有する基板に塗布することで、厚さ8.5μmの樹脂膜を形成する。
2)前記樹脂膜が形成された前記基板を、140℃で300秒間加熱する。
3)前記加熱後の前記樹脂膜の一部を削り取り、削り取った樹脂膜を、固形分濃度が20質量%となるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに溶解させた後、削り取った樹脂膜の質量の15倍の質量のアセトニトリルを加え、沈殿物を除いた液を、試験液とする。
4)前記化学増幅型ポジ型感光性組成物を固形分濃度が20質量%となるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートで希釈した後、前記化学増幅型ポジ型感光性組成物の固形分の質量の15倍の質量のアセトニトリルを加え、沈殿物を除いた液と、前記試験液とを、それぞれ液体クロマトグラフィーで分析することにより、下記式(a)で表される酸発生剤(A)の分解率(%)を求める。
酸発生剤(A)の分解率(%)=(1-(x/y))×100 ・・・(a)
(式(a)中、xは、樹脂膜中の酸発生剤(A)の含有量(質量%)であり、
yは、化学増幅型ポジ型感光性組成物の固形分中の酸発生剤(A)の含有量(質量%)である。)
続きを表示(約 650 文字)【請求項2】
前記酸発生剤(A)が、置換基を有していてもよいクマリン骨格に、-CO-NR
a1
-OSO

-R
a2
(R
a1
は水素原子又は炭化水素基を表し、R
a2
は有機基を表す)が結合したクマリン系化合物を含む、請求項1に記載の化学増幅型ポジ型感光性組成物。
【請求項3】
前記工程1)~4)によって求められる、酸発生剤(A)の分解率(%)が、25以上である、請求項1に記載の化学増幅型ポジ型感光性組成物。
【請求項4】
前記樹脂(B)は、ポリヒドロキシスチレン樹脂(B2)を含む、請求項1に記載の化学増幅型ポジ型感光性組成物。
【請求項5】
表面に金属層を備える基板上に、請求項1~4のいずれか1項に記載の化学増幅型ポジ型感光性組成物からなる感光性層を積層する工程と、
前記感光性層を、60℃以上130℃以下で加熱する工程と、
前記加熱後の前記感光性層に、活性光線又は放射線を位置選択的に照射する工程と、
前記照射後の前記感光性層を現像して、パターン形状を有する、めっき造形物を形成するための鋳型を作成する工程と、を含む、鋳型付き基板の製造方法。
【請求項6】
請求項5に記載の方法により製造される前記鋳型付き基板にめっきを施して、前記鋳型内にめっき造形物を形成する工程を含む、めっき造形物の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、化学増幅型ポジ型感光性組成物と、当該化学増幅型ポジ型感光性組成物を用いる鋳型付き基板の製造方法と、当該鋳型付き基板を用いるめっき造形物の製造方法とに関する。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
現在、ホトファブリケーションが精密微細加工技術の主流となっている。ホトファブリケーションとは、ホトレジスト組成物を被加工物表面に塗布してホトレジスト層を形成し、ホトリソグラフィー技術によってホトレジスト層をパターニングし、パターニングされたホトレジスト層(ホトレジストパターン)をマスクとして化学エッチング、電解エッチング、又は電気めっきを主体とするエレクトロフォーミング等を行って、半導体パッケージ等の各種精密部品を製造する技術の総称である。
【0003】
また、近年、電子機器のダウンサイジングに伴い、半導体パッケージの高密度実装技術が進み、パッケージの多ピン薄膜実装化、パッケージサイズの小型化、フリップチップ方式による2次元実装技術、3次元実装技術に基づいた実装密度の向上が図られている。このような高密度実装技術においては、接続端子として、例えば、パッケージ上に突出したバンプ等の突起電極(実装端子)や、ウェーハ上のペリフェラル端子から延びる再配線と実装端子とを接続するメタルポスト等が基板上に高精度に配置される。
【0004】
上記のようなホトファブリケーションにはホトレジスト組成物が使用される。ホトレジスト組成物としては、酸発生剤を含む化学増幅型ホトレジスト組成物が知られている(特許文献1、2等を参照)。化学増幅型ホトレジスト組成物は、放射線照射(露光)により酸発生剤から酸が発生する。露光後の加熱処理により、発生した酸の拡散が促進される。その結果、組成物中のベース樹脂等に対し酸触媒反応が起こり、組成物のアルカリ溶解性が変化する。
【0005】
このような化学増幅型ポジ型ホトレジスト組成物は、パターン化された絶縁膜や、エッチング用マスクの形成の他、例えばめっき工程によるバンプ、メタルポスト、及びCu再配線のようなめっき造形物の形成等に用いられている。具体的には、まず、化学増幅型ホトレジスト組成物を用いて、金属基板(表面に金属層を備える基板)のような支持体上に所望の膜厚のホトレジスト層が形成される。次いで、ホトレジスト層が、所定のマスクパターンを介して露光される。露光されたホトレジスト層が現像され、めっきにより銅等が充填される部分が選択的に除去(剥離)される。このようにして、めっき造形物形成用の鋳型として使用されるホトレジストパターンが形成される。鋳型中の、現像により除去された部分(非レジスト部)に銅等の導体をめっきによって埋め込んだ後、その周囲のホトレジストパターンを除去することにより、バンプ、メタルポスト、及びCu再配線を形成することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開平9-176112号公報
特開平11-52562号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
バンプ、メタルポスト、配線等のめっき造形物を形成した後、基板表面をリンス液でリンスしたり、乾燥の目的等で基板表面にガスが吹き付けられたり、エッチング等の化学的な処理がなされたり、基板上に他部材を設ける目的で他部材を形成するための材料が基板上に塗布や充填されたりする。この場合、基板上のめっき造形物に、種々の力等の負荷がかかる。特に微細なめっき造形物に負荷がかけられると、めっき造形物が倒れてしまう懸念がある。このため、めっき造形物にかかる負荷が変動しても、めっき造形物が倒れにくいことが望ましい。すなわち、倒れマージンに優れるめっき造形物が望ましい。
【0008】
倒れマージンに優れるめっき造形物を形成するためには、めっき造形物がフッティング形状を有するようにすることで、めっき造形物を倒れにくくすることが考えられる。「めっき造形物がフッティング形状を有する」とは、めっき造形物と基板との接触面側において、めっき造形物が、めっき造形物が形成されていない領域側に張り出すことである。めっき造形物の断面形状がフッティング形状である場合、例えば、めっき造形物の基板との接触面側(ボトム)の幅が、基板との接触面側とは反対側(トップ)の幅よりも広い。そして、このような、めっき造形物におけるめっき造形物が形成されていない領域側への張り出しが大きいと、すなわち、めっき造形物のフッティングが大きいと、めっき造形物は、より倒れにくいと考えられる。
めっき造形物がフッティング形状を有するためには、めっき造形物の鋳型となるレジストパターン(レジスト部2及び非レジスト部3)は、図1に示すように、アンダーカット形状を有することが望ましい。「レジストパターンがアンダーカット形状を有する」とは、レジストパターンの非レジスト部3が、基板1表面側においてレジスト部2の内側に食い込んでいることである。レジストパターンの断面形状がアンダーカット形状である場合、例えば、レジストパターンのレジスト部2の基板1との接触面側(ボトム)の幅が、基板1との接触面側とは反対側(トップ)の幅よりも狭い。そして、このように、基板表面近傍において非レジスト部のレジスト部の内側への食い込みを大きくすることで、めっき造形物のフッティングを大きくし、めっき造形物を、より倒れにくくすることができると考えられる。なお、図1は、レジストパターンの基板の厚さ方向と平行な断面を模式的に示す図である。
したがって、種々の力が加わっても倒れにくい、倒れマージンに優れるめっき造形物を形成するためには、めっき造形物の鋳型となるレジストパターンの断面形状において、大きなアンダーカットが形成されることが望ましい。
【0009】
また、レジストパターンが形成される基板への密着性に優れることが望ましい。基板への密着性に優れることにより、現像時やめっき時のレジストパターンの剥がれが抑制され、所望の形状のめっき造形物を製造することができる。
さらに、レジストパターンを形成する基板等への悪影響を避けるため、低温でレジストパターンを形成できることが望ましい。
【0010】
しかし、特許文献1、2等に開示されるような、従来から知られる化学増幅型ポジ型ホトレジスト組成物を用いた場合、低温で、大きなアンダーカットが形成された断面形状を有し且つ基板への密着性に優れるレジストパターンを、しばしば形成しにくい。
(【0011】以降は省略されています)

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