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公開番号2024129720
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-27
出願番号2023039091
出願日2023-03-13
発明の名称フロントフォーク
出願人カヤバモーターサイクルサスペンション株式会社
代理人個人
主分類F16F 9/32 20060101AFI20240919BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】本発明は、操作部の周囲に必要なスペースを最小限にできるとともに、操作部を視認できない状態であっても、懸架ばねのイニシャル荷重を所望の大きさに容易に調整可能なフロントフォークの提供を目的とする。
【解決手段】本発明は、車体側チューブ1と車体側チューブ1に対して軸方向へ移動可能な車軸側チューブ2とを有するチューブ部材Tと、チューブ部材T内に収容されてチューブ部材Tを伸長方向へ付勢する懸架ばねSと、車体側チューブ1内に収容されて懸架ばねSの一端を支持するとともに周方向の回転によって段階的に軸方向に移動する環状のカム部材31を有するカム装置3と、車体側チューブ1内に周方向へ回転可能に挿入されて下端がカム部材31に連結されるとともに上端が車体側チューブ1外に突出するシャフト4と、シャフト4の下端側に設けられて車体側チューブ1外に配置される手動操作可能なダイヤル5とを備える。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
車体側チューブと、前記車体側チューブに対して軸方向へ移動可能な車軸側チューブとを有する伸縮部材と、
前記伸縮部材内に収容されるとともに前記車体側チューブと前記車軸側チューブとを離間させる方向へ付勢する懸架ばねと、
前記車体側チューブ内に収容されて前記懸架ばねの一端を支持するとともに周方向の回転によって段階的に軸方向に移動する環状のカム部材を有するカム装置と、
前記車体側チューブ内に周方向へ回転可能に挿入されて一端側が前記カム部材に連結されるシャフトと、
前記シャフトの他端側に設けられて前記車体側チューブ外に配置される手動操作可能な操作部とを備える
ことを特徴とするフロントフォーク。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記カム装置は、前記車体側チューブ内に不動に収容される環状のカムフォロア部材と、前記カムフォロア部材と前記懸架ばねとの間に介装される前記カム部材とを有し、
前記カム部材は、周方向に軸方向高さが異なる複数の突起を有し、
前記カムフォロア部材は、周方向に軸方向高さが異なって前記突起と嵌合可能な複数の凹部を有する
ことを特徴とする請求項1に記載のフロントフォーク。
【請求項3】
前記カム部材は、前記複数の突起を有して周方向に沿って配置される複数の突起群を有し、
前記カムフォロア部材は、前記複数の凹部を有して前記各突起群と軸方向でそれぞれ対向する位置に配置される前記突起群と同数の凹部群を有し、
前記複数の突起群と前記複数の凹部群のうちで一の突起群と一の凹部群は、他の突起群と他の凹部群と互いに同じ数の前記突起と前記凹部とが嵌合される
ことを特徴とする請求項2に記載のフロントフォーク。
【請求項4】
前記カム装置が合成樹脂により形成される
ことを特徴とする請求項1に記載のフロントフォーク。
【請求項5】
前記複数の突起は前記操作部側から見て周方向の一方向で軸方向高さが段階的に低くなるように配置され、
前記複数の凹部は前記操作部側から見て周方向の前記一方向で軸方向高さが段階的に高くなるように配置され、
前記シャフトの外周又は前記車体側チューブの内周には、最も軸方向高さが高い前記突起が最も軸方向高さが高い前記凹部に嵌合した状態の前記カム部材が前記カムフォロア部材に対して最大限離間するまでの間で、前記カム部材の前記懸架ばね側端に当接して前記カム部材の前記懸架ばね側への移動を規制するストッパが設けられる
ことを特徴とする請求項2に記載のフロントフォーク。
【請求項6】
前記車体側チューブ内に挿入されつつ前記車体側チューブの車体側開口を閉塞する筒状のキャップを備え、
前記シャフトは、前記キャップを軸方向の移動を規制しつつ相対回転可能に保持しており、
前記カム装置は、前記キャップの一端に相対回転不能に連結されて前記車体側チューブ内に不動に収容されるカムフォロア部材と、前記カムフォロア部材と前記懸架ばねとの間に介装される前記カム部材とを有し、
前記シャフトの外周に、前記キャップと前記カムフォロア部材と前記カム部材の内側に前記シャフトが挿通された状態で、前記カム部材の前記シャフトからの抜けを防止するストッパが設けられる
ことを特徴とする請求項1に記載のフロントフォーク。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、フロントフォークに関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
従来、フロントフォークは、車両における車体に連結される車体側チューブと、前輪の車軸に連結されて車体側チューブに対して軸方向へ移動可能な車軸側チューブとを有する伸縮部材と、伸縮部材内に収容されるとともに車体側チューブと車軸側チューブとを離間させる方向へ付勢する懸架ばねとを備え、車両の前輪を懸架するのに利用されている。
【0003】
このようなフロントフォークの中には、伸縮部材内に軸方向へ移動可能に挿入されるとともに下端に取付けられたばね受を介して懸架ばねの一端を支持するロッドと、ロッドの上端外周に設けられた螺子溝に螺合された有底筒状の操作部とを備え、操作部を回転操作することで送り螺子の要領でロッドを軸方向へ移動させて懸架ばねのイニシャル荷重を調節できるものがある(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2016-200257号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のフロントフォークの操作部は、ロッドの上端外周に設けられた螺子溝に螺合されているため、工具を使って操作部を回転操作する必要がある。ところが、フロントフォークが搭載される車両が、例えば、スクーターのようにフロントフォークの上端を全て覆うカウルを備える車両である場合には、工具で操作部を操作するスペースを確保できない場合がある。
【0006】
また、従来のフロントフォークでは、操作部をロッドの上端外周の螺子溝に螺合することで、ロッドを送り螺子の要領で軸方向へ移動させるものであるから、懸架ばねのイニシャル荷重を所望する大きさに設定するためには、作業者は操作部を何回転させたかを把握しておく必要がある。しかしながら、上述したように、フロントフォークの上端がカウル等で覆われて操作部を視認できない状態では、操作部を何回転させたかを把握しておくことが難しく、懸架ばねのイニシャル荷重を所望する大きさに調整するのは難しい。
【0007】
そこで、本発明は、操作部の周囲に必要なスペースを最小限にできるとともに、操作部を視認できない状態であっても、懸架ばねのイニシャル荷重を所望する大きさに容易に調整可能なフロントフォークの提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前述の課題を解決するため、本発明のフロントフォークは、車体側チューブと車軸側チューブとを有する伸縮部材と、伸縮部材内に収容されるとともに車体側チューブと車軸側チューブとを離間させる方向へ付勢する懸架ばねと、車体側チューブ内に収容されて懸架ばねの一端を支持するとともに周方向の回転によって段階的に軸方向に移動する環状のカム部材を有するカム装置と、車体側チューブ内に周方向へ回転可能に挿入されて一端側がカム部材に連結されるシャフトと、シャフトの他端側に設けられて車体側チューブ外に配置される手動操作可能な操作部とを備えることを特徴とする。この構成によると、懸架ばねのイニシャル荷重を調整する手動操作可能な操作部が、フロントフォークの上部に配置されているため、操作部を操作するために必要な操作部の周囲のスペースは、手を入れられる大きさがあれば足りる。また、操作部を回転操作することでカム部材を段階的に軸方向に移動させられるようになっており、懸架ばねのイニシャル荷重を段階的に調整できるようになっているため、懸架ばねのイニシャル荷重の調整量を段数で把握できるとともに、懸架ばねのイニシャル荷重の段数が切り換わるときに、操作部を回転操作する作業者にはシャフトと操作部を通じてクリック感が伝わり、作業者は懸架ばねのイニシャル荷重の段数が切り換わったことを操作部を見ることなく知覚できる。
【0009】
また、本発明のフロントフォークでは、カム装置は、車体側チューブ内に不動に収容される環状のカムフォロア部材と、カムフォロア部材と懸架ばねとの間に介装されるカム部材とを有し、カム部材は、周方向に軸方向高さが異なる複数の突起を有し、カムフォロア部材は、周方向に軸方向高さが異なって突起と嵌合可能な複数の凹部を有してもよい。この構成によると、カム装置において、複数の突起と複数の凹部とが、それぞれ複数箇所で嵌合するため、複数の突起と複数の凹部とが、それぞれ複数箇所で嵌合するため、カム部材とカムフォロア部材の接触面積が大きくなる。よって、懸架ばねのばね力によってカム部材とカムフォロア部材に作用する圧力を低減できる。
【0010】
また、本発明のフロントフォークでは、カム部材は、複数の突起を有して周方向に沿って配置される複数の突起群を有し、カムフォロア部材は、複数の凹部を有して各突起群と軸方向でそれぞれ対向する位置に配置される突起群と同数の凹部群を有し、複数の突起群と複数の凹部群のうちで一の突起群と一の凹部群は、他の突起群と他の凹部群と互いに同じ数の突起と凹部とが嵌合されてもよい。この構成によると、突起群と凹部群の数に応じて、突起と凹部の嵌合数が増加するため、カム部材とカムフォロア部材の接触面積がより大きくなる。よって、懸架ばねのばね力によってカム部材とカムフォロア部材に作用する圧力をより低減できる。
(【0011】以降は省略されています)

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