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公開番号2024050416
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-10
出願番号2023118036
出願日2023-07-20
発明の名称束ねばね
出願人個人,個人,個人
代理人個人
主分類F16F 3/04 20060101AFI20240403BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】 ばねのひずみを分散させ、ばねの特定箇所にひずみが集中しにくく、ばねが破損したり割れたりしにくいばねユニットを提供する。
【解決手段】 個々の独立した完品の圧縮コイルばね110を複数個束ねた、束ねばね体100を形成する「束ねばね体形成工程」と、当該工程を用いて形成した「束ねばね体」である。個々の圧縮コイルばね110が、両端の座巻部111と、それら両端の座巻部111に挟まれている有効巻部112を備えており、それぞれの有効巻部112の螺旋形状が同形状である。束ねばね体100における個々の圧縮コイルばね110同士の有効巻部112の螺旋形状同士を沿わせて重ねることにより束ねられ、座巻同士111を上下方向に沿わせて重ねることにより、多重螺旋構造を備えた構造とする。
【選択図】 図1
特許請求の範囲【請求項1】
独立した個々の圧縮コイルばねを複数本束ねた多重螺旋体の束ねばね体を製造する束ねばね体形成工程であって、
コイリング処理およびテンパー処理が完了している独立した圧縮コイルばねであって、少なくともコイル径、巻数、ピッチ、高さの仕様が揃っている圧縮コイルばねを必要な複数本取り揃える圧縮コイルばね用意工程と、
前記圧縮コイルばね用意工程により準備した複数本の前記圧縮コイルばねを重ね合わせる工程であって、各々の上座巻部同士と、中央の螺旋形状の有効巻部同士と、下座巻部同士とを重ねて束ねた多重螺旋体を得る多重螺旋体形成工程と、
前記多重螺旋体形成工程により形成された前記多重螺旋体の重なりが解けないように前記多重螺旋体の表面を帯体で巻き張りするか合成樹脂で被覆する多重螺旋体安定化工程を備えた束ねばね体形成工程。
続きを表示(約 590 文字)【請求項2】
複数本の前記圧縮コイルばねの線材径がすべて同一であることを特徴とする請求項1に記載の束ねばね体形成工程。
【請求項3】
複数本の前記圧縮コイルばねのコイルピッチがすべて同一であり、前記コイルピッチが前記線材径よりも10倍以上であることを特徴とする請求項2に記載の束ねばね体形成工程。
【請求項4】
複数本の前記圧縮コイルばねの線材径が、少なくとも複数種類あることを特徴とする請求項1に記載の束ねばね体形成工程。
【請求項5】
複数本の前記圧縮コイルばねのコイルピッチがすべて同一であり、前記コイルピッチが複数種類ある前記線材径のうち最も太い線材径よりも10倍以上であることを特徴とする請求項4に記載の束ねばね体形成工程。
【請求項6】
請求項1から5のいずれかに記載の束ねばね体形成工程により製造された多重螺旋体の束ねばね体。
【請求項7】
内部に圧縮コイルばねを使用している機械装置において、
前記圧縮コイルばねに代えて請求項6に記載の束ねばね体を適用したことを特徴とする機械装置。
【請求項8】
内部に圧縮コイルばねを使用している構造物において、
前記圧縮コイルばねに代えて請求項6に記載の束ねばね体を適用したことを特徴とする構造物。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、独立した個々の圧縮コイルばねを複数本束ねた多重螺旋体の束ねばね体を製造する束ねばね体形成工程、および、その形成工程により製作された束ねばね体に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
弾性体の機械的要素として、「ばね」は様々な用途で幅広く使用されている。弾性体とは、外力が加わると変形して外力を取り除くと元に戻るという性質を有する物体である。
ばねの形状や材質は様々で、各種機械、健康運動器具、自動車、電車、電気製品、建築物、橋梁に至るまで、非常に多岐にわたって使用される。ばねの種類も多様にあり、圧縮コイルばね、板ばね、つる巻ばね、トーションバー、皿ばねがある。ばねの材料には金属、特に鉄鋼が広く用いられているが、用途に応じてゴム、プラスチック、セラミックスといった非金属材料も用いられている。また空気の圧縮と反発復元力を利用した空気ばねなどもある。
【0003】
このように多様な分野、多様な用途で用いられるばねであるが、シンプルな圧縮コイルばねは古くから用いられている。
圧縮コイルばねはシンプルな構造であり、形状において、両端部に座巻部があり、その座巻部の間に中心要素である螺旋状の有効巻部がある。
圧縮コイルばねの弾性力の強さを制御する要素(変数)としては、ばねの材料(横弾性係数)、ばねの線材径、コイル(有効巻部)の径、有効巻部の巻き数、有効巻部の螺旋長さなどがある。
【0004】
このように、圧縮コイルばねの弾性力を細かく調整することは可能であるが、細かい圧縮コイルばねの設計、細かい製造上の制約、製造時に生じる圧縮コイルばねの個体差などが影響するため、理想的な圧縮コイルばねを製作することは困難である。
他の種類のばねにおいても、弾性力の強さを制御する要素(変数)は様々あり、それらの要素を制御して適切な弾性力をもつばねを製造、調達することは難しい。
【0005】
また、単体のばねでは繰り返し使用していると線材の一部が破断したり、割れたりすることもあり得る。単体のばねが破断したり、割れたりすれば、修理交換が必要となりその手間やコストが発生する上、場合によってはばね破断や割れにより機械装置全体の不具合が発生したり、安全性に問題が生じたりする場合があり得る。
【0006】
そこで、従来技術において、複数のばねを組み合わせて適切な弾性力を持つ「ばねユニット」を製造する工夫がなされてきた。
以下、従来技術における特許文献1から特許文献8、さらに、特許文献9のものについて示す。
図17の特許文献1(特開2009-138893号公報)に示すシンプルな圧縮コイルばねを複数個上下に並べて直列に組み合わせたばねユニットが知られている。
図17の例では、単体のばね50が上下に3セット直列に組み合わされたばねユニットが示されている。図17の例は免震装置における積層コイルの例であるが、図17の例のように、複数のばねを上下直列に並べるものは免震装置に限らず、多様な製品の多様な用途で用いられている。
【0007】
次に、図18の特許文献2(特開2007-46723号公報)に示すように、橋梁を左右対称に持たせた特殊な圧縮コイルばねを複数個上下に並べて直列に組み合わせたばねユニットが知られている。
図18の例では、単体のばね2aが上下に2セット直列に組み合わされたばねユニット2が示されている。図18の例は医療用試薬分析装置における積層コイルの例であるが、図18の例のように、複数のばねを上下直列に並べるものは、医療用試薬分析装置に限らず、多様な製品の多様な用途で用いられている。
【0008】
次に、図19の特許文献3(特開平7-243464号公報)に示すように、シンプルな圧縮コイルばね(弦巻ばね)を複数個並列に並べて組み合わせたばねユニットが知られている。
図19の例では、単体の弦巻ばね3が1つの台座1上に4セット並列に組み合わされたばねユニットが示されている。図19の例は寝具ベッドにおけるクッションの例であるが、図19の例のように、複数のばねを並列に並べるものは寝具ベッドに限らず、多様な製品の多様な用途で用いられている。
【0009】
次に、図20の特許文献4(特開2009-510354号公報)に示すように、シンプルな引張コイルばねを複数個並列に並べて組み合わせたばねユニットが知られている。
図20の例では、単体の引張コイルばね840が台座810の中に4セット並列に組み合わされたばねユニットが示されている。図20の例は携帯電話内の部材における弾性体の例であるが、図20の例のように、複数の引張ばねを並列に並べるものは多様な製品の多様な用途で用いられている。
【0010】
次に、圧縮コイルばねや引張コイルばね以外のばねでも複数個組み合わせて使用する「ばねユニット」は知られている。
図21の特許文献5(実用新案登録第3157352号公報)に示すように、シンプルな楕円板ばねを上下複数個直列に並べて組み合わせたばねユニットが知られている。
図21の例では、単体の楕円板ばね1が台座22の上に4セット直列に組み合わされたばねユニットが示されている。図21の例は制振装置における弾性体の例であるが、制振装置に限られず、図21の例のように、複数の楕円板ばねを直列に並べるものは多様な製品の多様な用途で用いられている。
(【0011】以降は省略されています)

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