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公開番号2024127874
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-20
出願番号2024035449
出願日2024-03-08
発明の名称オキシリピン含有組成物を製造する方法
出願人日本フイルター株式会社
代理人個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人
主分類C12N 1/12 20060101AFI20240912BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】オキシリピン含有材料からのオキシリピンの収量を向上させる手段を提供する。
【解決手段】オキシリピン含有材料の破砕物のゲルを、溶媒で抽出する。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
オキシリピン含有組成物を製造する方法であって、
オキシリピン含有材料の破砕物のゲルを、溶媒で抽出する工程を含む、製造方法。
続きを表示(約 550 文字)【請求項2】
ゲルが、アルギン酸ゲル又はアガロースゲルである、請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
ゲルがアルギン酸ゲルである、請求項1に記載の製造方法。
【請求項4】
ゲルにおけるオキシリピン含有材料の破砕物の含量が、5~30%(w/v)である、請求項1に記載の製造方法。
【請求項5】
ゲルの形状が、糸状又は球状である、請求項1に記載の製造方法。
【請求項6】
抽出工程の前に、オキシリピン含有材料の破砕物のゲルを調製する工程を更に含む、請求項1に記載の製造方法。
【請求項7】
オキシリピン含有材料の破砕物とゲル化剤とを含むゲル原液を、多価金属イオン化合物の水溶液へ滴下することによりゲルを調製する、請求項6に記載の製造方法。
【請求項8】
ゲル化剤がアルギン酸ナトリウムである、請求項7に記載の製造方法。
【請求項9】
多価金属イオン化合物が塩化カルシウムである、請求項7に記載の製造方法。
【請求項10】
塩化カルシウムの水溶液における塩化カルシウム濃度が2.5~20%(w/v)である、請求項9に記載の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、オキシリピン含有組成物を製造する方法に関する。
続きを表示(約 3,200 文字)【背景技術】
【0002】
オキシリピンは、微生物(藻類等)、植物や動物等の多種の生物が含有する物質であり、様々な生理活性を有することが知られている。オキシリピンは、原料物質である脂肪酸から産生される。
オキシリピンを製造する手段として、ナンノクロロプシス属藻類の破砕物を水で抽出する技術が知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2021-136959号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明者は、特許文献1の水抽出物を藻類破砕物から分離するためにクエン酸添加により藻類破砕物を凝集させたところ、オキシリピンの収量が低下することを初めて見いだした。具体的には、藻類破砕物の凝集を経て取得した水抽出物に含まれる15-HEPE(オキシリピンの一種)の量が、水抽出前の藻類破砕物に含まれていた15-HEPE量の10%程度であったことを見出した。
そこで、藻類破砕物を凝集する工程を用いることなくオキシリピンを製造する手段の提供を課題として設定した。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記の課題を鋭意検討したところ、本発明者は、藻類破砕物をゲル化して溶媒抽出に供すると、藻類破砕物を凝集させることなくオキシリピン含有組成物を取得できることを見いだした。本発明は、これらの知見に基づいてなされたものである。
【0006】
すなわち、本発明は、以下の〔1〕~〔19〕に関するものである。
〔1〕オキシリピン含有組成物を製造する方法であって、
オキシリピン含有材料の破砕物のゲルを、溶媒で抽出する工程を含む、製造方法。
〔2〕ゲルが、アルギン酸ゲル又はアガロースゲルである、前記〔1〕に記載の製造方法。
〔3〕ゲルがアルギン酸ゲルである、前記〔1〕に記載の製造方法。
〔4〕ゲルにおけるオキシリピン含有材料の破砕物の含量が、5~30%(w/v)である、前記〔1〕に記載の製造方法。
〔5〕ゲルの形状が、糸状又は球状である、前記〔1〕に記載の製造方法。
〔6〕抽出工程の前に、オキシリピン含有材料の破砕物のゲルを調製する工程を更に含む、前記〔1〕に記載の製造方法。
〔7〕オキシリピン含有材料の破砕物とゲル化剤とを含むゲル原液を、多価金属イオン化合物の水溶液へ滴下することによりゲルを調製する、前記〔6〕に記載の製造方法。
〔8〕ゲル化剤がアルギン酸ナトリウムである、前記〔7〕に記載の製造方法。
〔9〕多価金属イオン化合物が塩化カルシウムである、前記〔7〕に記載の製造方法。
〔10〕塩化カルシウムの水溶液における塩化カルシウム濃度が2.5~20%(w/v)である、前記〔9〕に記載の製造方法。
〔11〕オキシリピン含有材料が植物(藻類に分類されるものを除く)である、前記〔1〕に記載の製造方法。
〔12〕オキシリピン含有材料が藻類である、前記〔1〕に記載の製造方法。
〔13〕オキシリピン含有材料がナンノクロロプシス(Nannochloropsis)属藻類である、前記〔1〕に記載の製造方法。
〔14〕オキシリピンが、8-HEPE、11-HEPE、15-HEPE、18-HEPE、11-HETE、及び15-HETEからなる群より選ばれる、前記〔1〕に記載の製造方法。
〔15〕溶媒が、水、アルコール又はその水溶液、及び炭化水素からなる群より選ばれ、かつ、
オキシリピンが、8-HEPE、15-HEPE、及び18-HEPEからなる群より選ばれる、前記〔1〕に記載の製造方法。
〔16〕溶媒が水であり、かつ、
オキシリピンが、8-HEPE、15-HEPE、及び18-HEPEからなる群より選ばれる、前記〔1〕に記載の製造方法。
〔17〕溶媒が水であり、かつ、
オキシリピンが15-HEPEである、前記〔1〕に記載の製造方法。
〔18〕抽出を連続的に行なう、前記〔1〕に記載の製造方法。
〔19〕抽出物を、pH2.5~5.0でのカラム精製に供する工程を更に含む、前記〔1〕に記載の製造方法。
【発明の効果】
【0007】
後述の実施例で示されるように、本発明に従うと、藻類破砕物を凝集させることなくオキシリピン含有組成物で製造できる。したがって、本発明は、従来技術にはない利点を持つオキシリピンの製造手段を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1は、実施例2(ゲル中の破砕物含量及びゲル形状の抽出への影響)の結果を示す。
図2は、実施例3(ゲル化の際の塩化カルシウム溶液の濃度の検討)の結果を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
〔オキシリピン〕
本発明におけるオキシリピンとは、エイコサペンタエン酸(EPA)又はアラキドン酸(AA)を原料物質として生物によって産生される物質をいう。
エイコサペンタエン酸(EPA)を原料物質とするオキシリピンとしては、8-ヒドロキシエイコサペンタエン酸(8-HEPE)、11-ヒドロキシエイコサペンタエン酸(11-HEPE)、15-ヒドロキシエイコサペンタエン酸(15-HEPE)、18-ヒドロキシエイコサペンタエン酸(18-HEPE)、17,18-ジヒドロキシエイコサペンタエン酸(Resolvin E3)やプロスタグランジンG3(PGG3)等が挙げられる。
アラキドン酸(AA)を原料物質とするオキシリピンとしては、11-ヒドロキシエイコサテトラエン酸(11-HETE)、15-ヒドロキシエイコサテトラエン酸(15-HETE)やプロスタグランジンG2(PGG2)等が挙げられる。
これらのなかでも、8-HEPE、11-HEPE、15-HEPE、18-HEPE、11-HETE、及び15-HETEの製造に対して好適に本発明を適用できる。
オキシリピン含有材料が複数種類のオキシリピンを含む場合、当該複数種類のオキシリピンを含有する組成物を本発明に従い製造できる。
【0010】
〔オキシリピン含有材料〕
本発明では、オキシリピンを含有する生物由来の材料を特に制限なく使用できる。
オキシリピンを含有する生物としては、藻類、微生物(藻類に分類されるものを除く)、植物(藻類に分類されるものを除く)や動物が挙げられる。
藻類としては、ナンノクロロプシス属藻類、クロレラ属藻類や、ユーグレナ属藻類等が挙げられる。
微生物(藻類に分類されるものを除く)としては、ラビリンチュラ、クサレケカビや、酵母等が挙げられる。
植物(藻類に分類されるものを除く)としては、エゴマ、アマや、チア等が挙げられる。
動物としては、マグロ、イワシや、オキアミ等が挙げられる。
オキシリピン含有材料は、好ましくは藻類又は植物(藻類に分類されるものを除く)、より好ましくは藻類、さらに好ましくはナンノクロロプシス属藻類に由来する。
オキシリピン含有材料は、微生物寄託機関や市場から入手可能であり、自然界から単離してもよい。
本発明は、1種類以上のオキシリピン含有材料を用いて実施できる。
以下、ナンノクロロプシス属藻類について詳述する。
(【0011】以降は省略されています)

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