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公開番号
2024126940
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-09-20
出願番号
2023035720
出願日
2023-03-08
発明の名称
微細化ニトロセルロース及びその製法
出願人
国立研究開発法人産業技術総合研究所
,
旭化成株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
D04H
1/425 20120101AFI20240912BHJP(組みひも;レース編み;メリヤス編成;縁とり;不織布)
要約
【課題】従来の天然綿繊維由来のNC繊維に比べ、燃焼速度が高いにも拘わらず、落つい感度が低く、かつ、乾燥されたNC繊維集合体、並びに該乾燥されたNC繊維集合体の、低コスト、かつ、安全な製法の提供。
【解決手段】平均径が3μm以上30μm以下であり、かつ、BET比表面積が10m
2
/g以上100m
2
/g以下である、羽毛状の乾燥されたニトロセルロース(NC)繊維集合体、及び天然綿繊維に由来するNC繊維をスラリー状態で微細化する工程を含む該NC繊維集合体の製法。
【選択図】図2
特許請求の範囲
【請求項1】
平均径が3μm以上30μm以下であり、かつ、BET比表面積が10m
2
/g以上100m
2
/g以下である、羽毛状の乾燥されたニトロセルロース(NC)繊維集合体。
続きを表示(約 1,100 文字)
【請求項2】
前記NC繊維集合体が凍結乾燥体である、請求項1に記載のNC繊維集合体。
【請求項3】
前記NC繊維集合体の落つい感度が6級以上である、請求項1に記載のNC繊維集合体。
【請求項4】
前記NC繊維集合体の落つい感度が6級以上である、請求項2に記載のNC繊維集合体。
【請求項5】
前記NC繊維集合体の摩擦感度が6級以上であり、かつ、燃焼速度が20cm/s以上である、請求項1~4のいずれか1項に記載のNC繊維集合体。
【請求項6】
以下の工程:
セルロースとしての天然綿繊維に由来するニトロセルロース(NC)繊維に、当該NC繊維の非溶媒を加え、これを混合してスラリーを調製する工程;
前記天然綿繊維に由来するNC繊維をスラリー状態で微細化して、微細化NC繊維を含むスラリーを調製する工程;及び
得られた微細化NC繊維を含むスラリーから非溶媒を除去して、乾燥されたNC繊維集合体を得る乾燥工程;
を含む、乾燥されたNC繊維集合体の製造方法。
【請求項7】
前記微細化NC繊維を含むスラリーを調製する工程において、ディスクミル粉砕機を用い、所定のクリアランス、及び時間に亘る段階的な所定回数(パス数)に供して、適宜、該非溶媒を添加しながら、乾燥後の微細化NC繊維において、平均径が3μm以上30μm以下であり、かつ、BET比表面積が10m
2
/g以上100m
2
/g以下となるように、前記天然綿繊維由来のNC繊維をスラリー状態で摩砕する、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記天然綿繊維に由来するNC繊維は、平均繊維径が160μm~200μmであり、繊維径が30μm~500μmの範囲内に80%分布し、かつ、BET比表面積が10m
2
/g未満であり、
前記乾燥されたNC繊維集合体に含まれる前記微細化NC繊維は、平均径が3μm以上30μm以下であり、かつ、BET比表面積が10m
2
/g以上100m
2
/g以下であり、かつ、
前記非溶媒が水である、請求項6又は7に記載の方法。
【請求項9】
前記乾燥工程が、微細化NC繊維を含むスラリーを遠心分離により上澄み液を捨て、炭素数1~4程度の低級アルコールを加えつつ、水を炭素数1~4程度の低級アルコールで置換したものを、凍結乾燥する工程であり、かつ、得られる乾燥されたNC繊維集合体が羽毛状である、請求項8に記載の方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、微細化ニトロセルロース(以下、「NC」ともいう。)、及びその製法に関する。より詳しくは、本発明は、従来の天然綿繊維由来のNC繊維に比べ、落つい感度が低く、かつ、乾燥されたNC繊維集合体、並びに該乾燥されたNC繊維集合体の、低コスト、かつ、安全な製法に関する。
続きを表示(約 3,100 文字)
【背景技術】
【0002】
NCは、危険物第5類に指定され、無煙火薬(砲弾や銃器の発射薬)として使用されるほか、塗料、医薬、接着剤、セルロイド等の用途分野においても広く使用されている。
【0003】
従来のNC繊維は、セルロースとしての天然綿繊維に硝酸と硫酸からなる混酸を反応させて製造するのが通常である。その際、セルロースを構成するグルコースは1単位分子当たり最大3ヵ所で硝酸エステル化(ニトロ化、硝化)される。硝化反応は極めて速く、生成したNCは、洗浄して酸を除去した後、真空乾燥や空気乾燥により乾燥させる。硝化により製造されたNCは、窒素の含有量により、13重量%以上のものを強綿薬、10重量%未満のものを脆綿薬、それらの間のものを弱綿薬と称せられる。市販されているNCとしては、例えば、本願実施例に用いたNC-13.17((株)ダイセル製、窒素量13.17±0.05重量%)とNC-12.6(旭化成(株)製、窒素量12.6±0.05重量%)が挙げられる。
【0004】
このように、従来のNC繊維は、セルロースとして天然の綿繊維を、ニトロ化して製造されているため、一般に、市場から入手できるNC繊維の繊維径は、原料である天然の綿繊維の繊維径と同等であるか又はそれよりやや細く、その平均繊維径(粒度分布計による評価)は凡そ160μm~200μmの範囲内にあり、繊維径は凡そ30μm~500μmの範囲内に80%分布し、かつ、BET比表面積は凡そ10m
2
/g未満である。
尚、ここで記載した繊維径は、後述する粒度分布装置(計)で測定した値を示している。粒度分布計は媒体中でのサンプルの粒径分布を迅速に測定することが可能である。セルロースの繊維径と直線的な比例関係は無いが、セルロース繊維の粒度分布が解繊前後で変化することが知られている。この測定方法はサンプル中にあるセルロース繊維の粒度分布を、乾燥工程を経ることなく、水分散状態で分析することができるため、解繊処理の評価に用いられている。パルプ由来セルロース繊維の解繊度合いを調べた論文(KUMAGAI ET. AL. JPN.TAPPI J 2019,73,461)では、解繊前には10μm未満から100μm以上まで分布していた粒径が、解繊処理を繰り返すことで約10μmに収斂し、その際の平均繊維径(SEM画像より算出)は0.1μmまで減少していたと報告されている。そのため、本明細書中、NC繊維の解繊度合いの迅速な評価法として後述する粒度分布装置(計)で測定した粒度分布を採用した。
【0005】
そこで、以下の特許文献1では、従来のものよりも繊維径が小さく、かつ、比表面積の高いNCが得られれば、燃焼性能が高まり、煙火等に使用される割薬、打揚薬への応用展開が可能となるとの認識の下、ニトロ化前の原料として、ナノセルロースゲル(以下、「n-Cゲル」ともいう。)、すなわち、繊維径を予め凡そ3nm~100nmのナノサイズまで小さくしいたものを用いて、硫酸での処理後に、硝酸と硫酸との混酸でニトロ化処理を施して燃焼性能を高めた、繊維径凡そ14nm~30nm、BET比表面積凡そ50~900m
2
/gの繊維状ナノニトロセルロース(n-NC)を得ている。
【0006】
また、以下の非特許文献1には、既存のNCをエチルメトルケトン(EMK)溶媒に溶かして、エレクトロスピニング法(電界紡糸法)により、径が90nm~150nm、400nm~500nmなどのナノファイバー状のNCを製造したことが開示されている(同書、3.Results and Discussion参照)。
【0007】
また、以下の非特許文献2には、THF、MeOH、EtOH、DMFなどの有機溶媒に溶かしたNCをガラス基板上に滴下、乾燥して、粒径(Particle size)200nm~900nm、300nm~800nm、0.5~4μmの粒子状NCを製造したことが開示されている(同書、Table 1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特許第6845499号公報
【非特許文献】
【0009】
M.R.Sovizi,et al.,”Effect of particle size on thermal decomposition of nitrocellulose”,Journal of Hazardous Materials 168(2009)1134-1139
Xin Zhang,et al.,”Preparation of sub-micron nitrocellulose particles for improved combustion behavior”,Journal of Hazardous Materials 268(2014)224-228
「セルロースナノファイバーCNF利用促進のための原料評価書(概要)」、NEDO委託事業WEB公開資料、2020年3月、[2023年2月21日検索]、インターネット<url: https://www.aist.go.jp/Portals/0/chugoku/images/event/2020fy/0326/cnf_hyoukasyo_gaiyou.pdf>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本願発明者らは、前述した先行技術文献に記載の技術は以下の点に配慮が必要であることを見出した。
特許文献1に記載の技術では、n-NCゲルを開示する特許第5206947号公報等から一般に知られるように、セルロースナノファイバーへの解繊のためには、解繊溶媒の選定や機械的粉砕の最適化を含む技術的困難性が伴い、また、得られるセルロースナノファイバーには水分が多く含まれるため製造効率が悪く、乾燥された集合体を得るためには、遠心分離などの煩雑な工程を経る必要がある。それゆえ、特許文献1に開示された微細化NC繊維の製造方法は、製造コストや生産性の観点から、微細化NC繊維を工業的規模で大量生産の点で問題がある。
非特許文献1では、エレクトロスピニング法を用いており、NCを一旦溶媒に溶解させる必要があるため、溶媒の選択やニトロセルロースの窒素含有量に依存する溶解度の制約や、高電圧を印加して紡糸するため、危険物であるNCの工業的製造法としての安全性に欠けるという問題がある。
また、非特許文献2に開示された方法も、非特許文献1と同様、NCを一旦溶媒に溶解させる必要があるため、溶媒の選択やニトロセルロースの窒素含有量に依存する溶解度の制約や、NCの量産化のための工業的製造法としての適格性に欠けるという問題がある。
前記した従来技術の水準に鑑み、本発明が解決しようとする課題は、従来の天然綿繊維由来のNC繊維に比べ、燃焼速度が高いにも拘わらず、落つい感度が低く、かつ、乾燥されたNC繊維集合体、並びに該乾燥されたNC繊維集合体の、低コスト、かつ、安全な製法を提供することである。尚、天然綿繊維の実際の繊維径は、凡そ12μm~28μmであることが知られている。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)
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