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公開番号2025061558
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-10
出願番号2025008667,2020163730
出願日2025-01-21,2020-09-29
発明の名称粒子分散長繊維交絡集合体
出願人関西電子株式会社
代理人弁理士法人むつきパートナーズ
主分類D04H 3/007 20120101AFI20250403BHJP(組みひも;レース編み;メリヤス編成;縁とり;不織布)
要約【課題】 メルトブロー法により延伸され機能性粒子を分散させたポリオレフィン系樹脂長繊維の交絡集合体及びその製造方法の提供。
【解決手段】 樹脂長繊維は10μm以下の平均断面径dに延伸されているとともに、機能性粒子を樹脂長繊維に沿って表面に分散させて含む分散部分とこれを含まない非分散部分とを有する。また、その製造方法は、押出機で溶融されたポリオレフィン系樹脂に機能性粒子を分散させて樹脂吐出口から吐出し、近傍に与えられたガス噴出口から高速ガス流を水平に噴出させて、樹脂を高速ガス流で冷却しながら延伸しつつ空中に放出する。10μm以下の平均断面径dに延伸された樹脂長繊維からなる交絡集合体を与えるにあたり、樹脂吐出口の径を500μm以上とし機能性粒子の平均粒径D50を1μm以上とする。
【選択図】図1



特許請求の範囲【請求項1】
メルトブロー法により延伸され無機酸化物からなる粒子を分散させたポリオレフィン系樹脂長繊維の交絡集合体であって、
前記樹脂長繊維は10μm以下の平均断面径dに延伸されているとともに、平均粒径D50を1μm以上とする前記粒子を起点に複数の前記樹脂長繊維に分裂させつつ延伸されており、前記粒子を複数含む分枝部と、前記樹脂長繊維に沿って前記粒子を表面から露出させて含む繊維部と、を含むことを特徴とする粒子分散長繊維交絡集合体。
続きを表示(約 240 文字)【請求項2】
前記繊維部は、前記樹脂長繊維に沿って前記粒子の分布密度の偏りを有し、前記分布密度の低い部分の径を小さくすることを特徴とする請求項1記載の粒子分散長繊維交絡集合体。
【請求項3】
前記粒子は平均粒径D50をd~d/10とすることを特徴とする請求項2記載の粒子分散長繊維交絡集合体。
【請求項4】
前記粒子は、焼成したアパタイトを粉砕した粉体からなることを特徴とする請求項1乃至3のうちの1つに記載の粒子分散長繊維交絡集合体。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、メルトブロー法により延伸され機能性粒子を分散させたポリオレフィン系樹脂長繊維の交絡集合体及びその製造方法に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
ポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)といったポリオレフィン系樹脂からなる不織布が広く用いられている。ここで、このような熱可塑性樹脂を溶融させて押出機から吐出させるとともに高速気流で延伸して不織布及び原反を製造する方法が知られている(例えば、特許文献1)。かかるメルトブロー法による製造方法は、連続且つ高速で不織布等を製造でき、ミクロン径からサブミクロン以下のナノ径の細線まで線径を制御して得られることから、農業用、工業用及び医療用など、各種用途の製品製造への適用を期待されている。
【0003】
ところで、メルトブロー法により得られる樹脂繊維に機能性粒子を分散させ複合化させる方法として、機能性粒子を混練したペレットを押出機に投入し、メルトブロー(溶融、延伸)させる方法がある。かかる方法では、樹脂繊維を細線化するに伴って、押出機に取り付けられる樹脂吐出ノズルの径を細くするため、粒子粉体が詰まり易くなってしまう。また、粒子が細線を分断し、延伸を良好に行うことができないといった問題も生じる。
【0004】
例えば、特許文献2では、メルトブロー法により、ナノ銀粒子を含む極細繊維からなる抗菌性不織布を得る方法を開示している。ここでは、無機又は有機銀化合物とPP樹脂とを押出機内で加熱溶融させ、その過程で平均粒子径10~100nmの範囲のナノ銀粒子をPP樹脂内に生成せしめたナノ銀マスターバッチを作成している。これに高流動性のニートPP樹脂をブレンド混合し、メルトブロー法により平均2~10μmの繊維径の不織布を得ている。樹脂中の銀粒子についてナノ化して分散させることで、繊維紡出時の樹脂吐出ノズル(直径0.3~1.0mmの円孔)の目詰まり、糸切れ、フライなどを防止できるとしている。
【0005】
一方、例えば、特許文献3では、メルトブロー法による不織布の製造方法において、押出機に取り付けられた樹脂吐出ノズル及びブローガスノズルの配置、及び樹脂吐出量やガス量などを制御することで、得られる繊維径に比べ、比較的大なる径の樹脂吐出ノズルを用い得ることを開示している。例えば、ナノ径のファイバをミリ径の樹脂吐出ノズルによって得られるとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開平01-139864号公報
特開2013-142215号公報
特許第6171072号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
メルトブロー法による不織布の製造方法において、得られる繊維径に比べ、比較的大なる径の樹脂吐出ノズルを用いることで、機能性粒子を混練したペレットを用いたとしても、樹脂吐出ノズルにおける粒子粉体の目詰まりを防止できる。これによれば、ポリオレフィン系樹脂単独では得られない機能を有する、ポリオレフィン系樹脂繊維に機能性粒子を複合化させた交絡集合体からなる機能性不織布を得ることができる。
【0008】
ここで、メルトブロー法により得られるポリオレフィン系樹脂繊維に機能性粒子を分散させ複合化させるにあたって、機能性粒子の機能を高めるように樹脂繊維に対する粒子粉体の割合を高めると、繊維に延伸できなくなり、又、仮に繊維に延伸できたとしてもゴワついて風合いを損ねてしまう。そこで、粒子粉体の割合を高めずとも、機能性粒子の機能を効率よく発揮させる方法が求められた。
【0009】
本発明は以上のような状況に鑑みてなされたものであって、その目的は、メルトブロー法により延伸された長繊維に機能性粒子を分散させ、該機能性粒子による機能を良好に発現し得るポリオレフィン系樹脂長繊維の交絡集合体及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本願発明者は、樹脂長繊維の芯部よりも表面に分散する機能性粒子の方がその機能を樹脂に阻害されることなく良好に発現できることに着目し、メルトブロー法により延伸され機能性粒子を分散させたポリオレフィン系樹脂長繊維の交絡集合体において、機能性粒子を長繊維の表面に集中させて分散させる方法を鋭意試みた。その結果、延伸される繊維の中心部にある粒子は延伸時には延伸方向にしか移動しないが、延伸される繊維を引き裂きつつ延伸すれば、粒子を引き裂いた繊維の表面に配置させてから延伸すれば粒子を表面に集中させることが出来ることに想到した。つまり、樹脂吐出口から吐出された樹脂を分裂させて延伸することでそれぞれの樹脂長繊維の表面に機能性粒子を分散できることを見いだしたものである。
(【0011】以降は省略されています)

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