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公開番号
2025059970
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-04-10
出願番号
2023170411
出願日
2023-09-29
発明の名称
油吸着材用不織布及び油吸着材用積層体
出願人
ユニチカトレーディング株式会社
代理人
主分類
D04H
1/425 20120101AFI20250403BHJP(組みひも;レース編み;メリヤス編成;縁とり;不織布)
要約
【課題】繊維の脱落や飛散を抑えた油吸着材用不織布であって、吸油性能に優れることに加えて、吸着した油を保持する性能にも優れ、環境への負荷も少ない油吸着材用不織布を提供する。
【解決手段】カポック繊維、綿繊維およびポリ乳酸繊維を含む不織布であって、前記カポック繊維、綿繊維およびポリ乳酸繊維が、ポリオレフィン樹脂または低融点のポリエステル樹脂の少なくとも一方により接着されている油吸着材用不織布。油吸着材用不織布の表面または裏面の少なくとも一方の面に、さらに不織布が積層されてなる油吸着材用積層体が好ましい。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
カポック繊維、綿繊維およびポリ乳酸繊維を含む不織布であって、
前記カポック繊維、綿繊維およびポリ乳酸繊維が、ポリオレフィン樹脂または低融点のポリエステル樹脂の少なくとも一方により接着されてなる油吸着材用不織布。
続きを表示(約 150 文字)
【請求項2】
不織布の全質量を100質量%とするとき、カポック繊維と綿繊維の合計含有量が30質量%以上である、請求項1に記載の油吸着材用不織布。
【請求項3】
請求項1に記載の油吸着材用不織布の表面または裏面の少なくとも一方の面に、さらに不織布が積層されてなる油吸着材用積層体。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、カポック繊維、綿繊維およびポリ乳酸繊維を含む油吸着材用不織布に関するものである。
続きを表示(約 2,800 文字)
【背景技術】
【0002】
海上での船舶事故、又は工場での油漏れなどで流出した油分を吸収するための不織布が知られている。また、飲食店の調理場又は業務用厨房においては、排水に含まれる油脂(グリース)を分離除去するためのグリース阻集器(グリーストラップ)の設置が義務付けられており、こうしたグリーストラップにおける油分を回収するための不織布が知られている。
【0003】
従来からこれらの不織布の構成についてはカポック繊維を用いたものが検討されている。ここで、特許文献1にはカポック繊維について、ボンバセアエ(Bombaceae)科に属する植物の種子繊維であり、セルロースを主体とする天然繊維でありながら、そのもの自体に撥水性を有すること、また、カポック繊維自身が一つの細胞を構成し、細胞壁は薄いがルーメンは厚く、その中に気泡を有しているため比重が極めて小さいものであり、自重の20~40倍まで水に浮上する性質があること、また、繊維1gに対して約50倍程度の高い吸油性能を備えることが記載されている。
【0004】
また、カポック繊維と綿繊維やポリエステル繊維、ポリプロピレン繊維などが混用されたものも様々に検討されている。例えば、特許文献2には、カポック繊維と熱可塑性高分子繊維とが混繊された複合不織布を用いることで、カポック繊維のみを使用した場合よりもカポック繊維の脱落や飛散を抑えることが可能となり、形態安定性および流水分離性能に優れた流水分離フィルター用濾材を得られることが記載されている。また、特許文献3には、カポック繊維および木綿繊維がポリプロピレンまたはポリエステルからなる熱融着繊維により接着、固定されているシート状油吸着材が開示されており、木綿繊維を用いることで原料コストを抑えられ、また繊維同士の絡み合いが良好となり、ポリプロピレンまたはポリエステルからなる熱融着繊維により接着、固定することでカポック繊維の飛散を防ぎ、吸油性と加工性に優れたシート状油吸着材とできることが記載されている。
【0005】
一方、近年、マイクロプラスチックによる海洋汚染が世界的な社会問題となっている状況下、汎用の非生分解性合成繊維の繊維屑がマイクロプラスチックの発生源の内の一つとして問題視されている。したがって、環境保全の観点から、油吸着材として非生分解性合成繊維を含まないものが望まれている。そのような油吸着材として、特許文献4には、セルロース繊維の反毛綿をニードルパンチングして所定厚みの不織布とし、これを所定濃度の撥水加工剤溶液に浸漬することでシート状の油吸着材とすることが記載されている。
しかしながら、特許文献3のシート状油吸着材は吸着した油を保持する性能が不十分なものであった。また、特許文献4の油吸着材は熱融着繊維を使用せずにニードルパンチングによってシートを形成するものであり、強度と浮力を確保するために単糸長の長い特殊な超長綿繊維綿や綿繊維以外の単糸長の長いセルロース繊維(例えばレーヨン繊維)を使用したり、また、単糸長の短い綿繊維を用いる場合には、綿繊維をニードルパンチしてシート状不織布を得た後、さらにセルロース不織布をニードルパンチによって上下に積層させる必要があるなど、製造工程が複雑となりコスト的に不利なものであった。また、カポック繊維とセルロース繊維のみを使用しているため、油の吸着性能や保持する性能が不十分なものであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開昭52-138081号公報
韓国公開特許第10-2015-0092506号公報
特開平4-161289号公報
特開2022-74353号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上記の問題点を解決するものであり、カポック繊維の脱落や飛散を抑えた油吸着材用不織布であって、吸油性能に優れることに加えて、吸着した油を保持する性能に優れ、環境への負荷も少ない油吸着材用不織布及び該油吸着材用不織布を用いた油吸着材用積層体を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記の課題を解決するために、鋭意検討した結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、次の(イ)~(ハ)を要旨とするものである。
(イ) カポック繊維、綿繊維およびポリ乳酸繊維を含む不織布であって、前記カポック繊維、綿繊維およびポリ乳酸繊維が、ポリオレフィン樹脂または低融点のポリエステル樹脂の少なくとも一方により接着されてなる油吸着材用不織布。
(ロ) 不織布の全質量を100質量%とするとき、カポック繊維と綿繊維の合計含有量が30質量%以上である、(イ)に記載の油吸着材用不織布。
(ハ) (イ)に記載の油吸着材用不織布の表面または裏面の少なくとも一方の面に、さらに不織布が積層されてなる油吸着材用積層体。
【発明の効果】
【0009】
本発明の油吸着材用不織布は、カポック繊維、綿繊維およびポリ乳酸繊維を含み、ポリオレフィン樹脂または低融点のポリエステル樹脂の少なくとも一方により接着されていることにより、吸油性能に優れるとともに、吸着した油の保持性能にも優れる。また生分解性繊維であるポリ乳酸繊維を含むことから環境への負荷も少なく、環境保全の観点からも好ましいものである。
また、本発明の油吸着材用積層体は、油吸着材用不織布の表面または裏面の少なくとも一方の面に、さらに不織布を積層することにより、強力や形態安定性を向上させることができ、様々な用途に使用することが可能となるものである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の油吸着材用不織布(以下、本発明不織布と称することがある。)はカポック繊維、綿繊維およびポリ乳酸繊維を含む不織布であり、カポック繊維、綿繊維およびポリ乳酸繊維が不織布を構成する主体繊維であり、ポリオレフィン樹脂または低融点のポリエステル樹脂の少なくとも一方により接着されているものである。すなわち、前記主体繊維であるカポック繊維、綿繊維およびポリ乳酸繊維は、不織布の製造工程における熱処理加工により、ポリオレフィン樹脂または低融点のポリエステル樹脂の少なくとも一部が軟化または溶融することにより接着された状態となっていることが好ましい。
(【0011】以降は省略されています)
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