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公開番号2024126341
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-20
出願番号2023034651
出願日2023-03-07
発明の名称トロピリウム化合物及びそれを用いた蛍光色素
出願人国立大学法人東海国立大学機構
代理人弁理士法人三枝国際特許事務所
主分類C07D 495/04 20060101AFI20240912BHJP(有機化学)
要約【課題】高いモル吸光係数(ε)、大きなStokesシフトを併せもつ化合物の提供。
【解決手段】
<com:Image com:imageContentCategory="Drawing"> <com:ImageFormatCategory>TIFF</com:ImageFormatCategory> <com:FileName>2024126341000047.tif</com:FileName> <com:HeightMeasure com:measureUnitCode="Mm">40</com:HeightMeasure> <com:WidthMeasure com:measureUnitCode="Mm">170</com:WidthMeasure> </com:Image>
[式中、Y1及びY2は硫黄原子、酸素原子、酸素原子又は2価の窒素含有基を示す。R1はそれぞれ置換されていてもよく、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、又はヘテロアリール基を示す。R2、R3、R4及びR5はそれぞれ置換されていてもよく、水素原子、アルキル基、アルケニル基、又はアリール基を示す。R6及びR7はそれぞれ置換されていてもよく、アリーレン基及び/又はヘテロアリーレン基を示す。R2とR3、R4とR5、R2とR6、R3とR6、R4とR7、及びR5とR7の少なくとも1つは一緒になって、隣接する窒素原子とともに環を形成してもよい。]で表されるカチオンを含有する、トロピリウム化合物。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
一般式(1):
TIFF
2024126341000040.tif
41
170
[式中、


及びY

は同一又は異なって、硫黄原子、酸素原子、酸素原子又は2価の窒素含有基を示す。


は水素原子、置換若しくは非置換アルキル基、置換若しくは非置換アルケニル基、置換若しくは非置換アルキニル基、置換若しくは非置換アリール基、又は置換若しくは非置換ヘテロアリール基を示す。


、R

、R

及びR

は同一又は異なって、水素原子、置換若しくは非置換アルキル基、置換若しくは非置換アルケニル基、又は置換若しくは非置換アリール基を示す。


及びR

は同一又は異なって、置換若しくは非置換アリーレン基及び/又は置換若しくは非置換ヘテロアリーレン基を示す。


とR

、及び/又はR

とR

は一緒になって、隣接する窒素原子とともに環を形成してもよい。


とR

、R

とR

、R

とR

、及びR

とR

の少なくとも1つは一緒になって、隣接する窒素原子とともに環を形成してもよい。]
で表されるカチオンを含有する、トロピリウム化合物。
続きを表示(約 850 文字)【請求項2】
一般式(1A):
TIFF
2024126341000041.tif
43
170
[式中、Y

、Y

、R

、R

、R

、R

、R

、R

及びR

は前記に同じである。X

はアニオンを示す。]
で表される、請求項1に記載のトロピリウム化合物。
【請求項3】
前記Y

及びY

がいずれも硫黄原子である、請求項1に記載のトロピリウム化合物。
【請求項4】
前記R

及びR

が同一又は異なって、置換若しくは非置換アリーレン基である、請求項1に記載のトロピリウム化合物。
【請求項5】
前記R

が置換若しくは非置換アリール基である、請求項1に記載のトロピリウム化合物。
【請求項6】
前記R

、R

、R

及びR

が同一又は異なって、置換若しくは非置換アルキル基、又は置換若しくは非置換アリール基である、請求項1に記載のトロピリウム化合物。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1項に記載のトロピリウム化合物を含有する、蛍光色素。
【請求項8】
請求項1~6のいずれか1項に記載のトロピリウム化合物を含有する、ソルバトクロミック蛍光色素。
【請求項9】
請求項1~6のいずれか1項に記載のトロピリウム化合物を含有する、近赤外吸収材料。
【請求項10】
薄膜である、請求項9に記載の近赤外吸収材料。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、トロピリウム化合物及びそれを用いた蛍光色素に関するものである。
続きを表示(約 1,400 文字)【背景技術】
【0002】
有機化合物を基盤とする色素は、古くから染料として、また最近では光エネルギー変換デバイス(太陽電池等)における光吸収材料、バイオイメージング用色素等に用いられており、応用例は多岐にわたる。これらはいずれも可視光領域に光吸収をもつことを利用したものである。一方、紫外領域や近赤外領域等不可視な(肉眼で見えない)波長領域に光吸収をもつ化合物は、セキュリティインクやセンサー材料等、従来の色素材料とは異なる新たな用途が見込まれる。特に、生体への毒性の低さや高い透過性を考慮すると、近赤外領域に強い光吸収をもつ色素は魅力的である。
【0003】
近赤外領域はヘモグロビンや水の吸収が弱く、細胞組織透過性が高いことから生体の窓と呼ばれている。そのため、生体蛍光イメージングや光線力学療法、光熱療法等をはじめとする様々な分野で、その領域の光を吸収及び発光する分子が非常に注目されている。従来の近赤外色素は、希土類金属を含むナノ粒子や、鉛、カドミウム等を含む量子ドット、イリジウムをはじめとするレアメタルを含む金属錯体等が知られている。これらに対し、有機物からなる蛍光色素は、柔軟、軽量、安価、重金属を含まないことに由来する毒性の低減等の優位性を期待できる。
【0004】
近赤外領域に吸収及び蛍光特性を示す有機色素の例は限られており、その代表例は以下に示すシアニン化合物やベンゾビス(チアジアゾール)化合物である。
【0005】
TIFF
2024126341000001.tif
62
170
【0006】
シアニン型蛍光色素は、モル吸光係数(ε)が高い一方でStokesシフト(吸収波長λ
abs
と蛍光波長λ
em
の差、Δν)は極端に小さい。反対に、ベンゾビス(チアジアゾール)化合物は、モル吸光係数(ε)が小さい一方でStokesシフトは大きい。高いモル吸光係数(ε)と大きなStokesシフトとを併せもつ化合物を提供することができれば、輝度が高く、励起光と区別しやすい蛍光が得られるため、生体イメージングにおいては標的物の像が不鮮明になる問題を解決することができる。
【0007】
ところで、トロピリウム塩は、1891年に初めて合成(例えば、非特許文献1参照)されて以来、安定性と特異な反応性を兼ね備えたユニークな化学種として様々な研究がなされてきた。しかしながら、蛍光色素の主骨格として利用された例は非常に少ない。
【0008】
トロピリウムイオンを安定な化合物として単離し、色素として使用した例としては、例えば、非特許文献2に開示されている。しかしながら、吸収極大波長は400~580nm、蛍光極大波長は600~670nmであり、いずれも近赤外領域に達していない。
【0009】
TIFF
2024126341000002.tif
23
170
【0010】
また、シクロヘプタトリエノールとフルオレンとの共重合体も知られている(例えば、非特許文献3参照)。非特許文献3では、酸を加えた際の色調の変化の要因として、ジチエノトロピリウムイオンの発生が提案されている。しかしながら、得られるトロピリウム化合物は単離できる蛍光色素ではなく、また、近赤外領域での吸収や蛍光特性も見られなかった。
(【0011】以降は省略されています)

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