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公開番号
2024125453
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-09-19
出願番号
2023030405
出願日
2023-02-28
発明の名称
発泡シート、発泡シートの製造方法、及び成型体
出願人
株式会社リコー
代理人
個人
,
個人
,
個人
主分類
C08J
9/04 20060101AFI20240911BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約
【課題】成型性、耐熱性、断熱性、及び生分解性に優れる発泡シートを提供すること。
【解決手段】ポリ乳酸樹脂を含有する組成物からなる発泡シートであって、前記ポリ乳酸樹脂は、該ポリ乳酸樹脂の構成モノマー単位である乳酸のD体又は乳酸のL体のいずれか一方が該ポリ乳酸樹脂中98モル%以上であり、前記発泡シートにおける有機物の総量に対する前記ポリ乳酸樹脂の含有量が98質量%以上であり、前記発泡シートのかさ密度が0.063g/cm
3
以上0.250g/cm
3
以下であり、前記発泡シートの厚み方向かつTD方向の断面から見た、該発泡シートの少なくとも一方の表面のTD方向の形状について、JIS B 0601:2013に準拠して算出した算術平均粗さRaと、JIS B 0601:2013に準拠して算出した粗さ曲線要素の平均長さRSmとの比[Ra/RSm]が0.050以下である発泡シートである。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
ポリ乳酸樹脂を含有する組成物からなる発泡シートであって、
前記ポリ乳酸樹脂は、該ポリ乳酸樹脂の構成モノマー単位である乳酸のD体又は乳酸のL体のいずれか一方が該ポリ乳酸樹脂中98モル%以上であり、
前記発泡シートにおける有機物の総量に対する前記ポリ乳酸樹脂の含有量が98質量%以上であり、
前記発泡シートのかさ密度が0.063g/cm
3
以上0.250g/cm
3
以下であり、
前記発泡シートの厚み方向、かつ、前記発泡シートの押出方向に直行する方向の断面から見た、前記発泡シートの少なくとも一方の表面の、前記発泡シートの押出方向に直行する方向の形状について、JIS B 0601:2013に準拠して算出した算術平均粗さRaと、JIS B 0601:2013に準拠して算出した粗さ曲線要素の平均長さRSmとの比[Ra/RSm]が0.050以下であることを特徴とする発泡シート。
続きを表示(約 660 文字)
【請求項2】
前記比[Ra/RSm]が0.030以下である、請求項1に記載の発泡シート。
【請求項3】
前記発泡シートのかさ密度が0.063g/cm
3
以上0.125g/cm
3
以下である、請求項1又は2に記載の発泡シート。
【請求項4】
前記発泡シートがエポキシ基を有する化合物を含有し、
前記エポキシ基を有する化合物のエポキシ当量が250以上350以下であり、
前記エポキシ基を有する化合物の重量平均分子量(Mw)が10,000以上20,000以下である、請求項1に記載の発泡シート。
【請求項5】
前記発泡シートの発泡径がメジアン径で800μm以下である、請求項1に記載の発泡シート。
【請求項6】
前記発泡シートは冷結晶化エンタルピーが20J/g以上である、請求項1に記載の発泡シート。
【請求項7】
請求項1に記載の発泡シートを熱成型してなることを特徴とする成型体。
【請求項8】
請求項1に記載の発泡シートの製造方法であって、
ポリ乳酸樹脂を含有する組成物を、該ポリ乳酸樹脂を含有する組成物100質量部に対して、2質量部以上5質量部以下の発泡剤の存在下で混練する工程と、
前記ポリ乳酸樹脂を含有する組成物から前記発泡剤を気化して前記ポリ乳酸樹脂を含有する組成物を発泡させる工程と、
を含むことを特徴とする発泡シートの製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、発泡シート、発泡シートの製造方法、及び成型体に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)
【背景技術】
【0002】
プラスチックは、袋、容器など様々な製品形状に加工され広く流通している。しかし、プラスチック製品は、自然界で分解されにくい性質を有しているため、使用後の廃棄処理が問題となっている。近年、環境意識の高まりから、プラスチック製品について、自然界で分解されにくい非生分解性プラスチックから、自然界で分解されやすい生分解性バイオマスプラスチックへ置き換えるための材料開発が盛んに行われている。
【0003】
生分解性バイオマスプラスチックの中でもポリ乳酸樹脂は、プラスチックとして従来使用されているポリスチレンなどと性質が似ていることから、非分解性プラスチックの代替材料として注目されている。ポリスチレンの利用形態の1つに、ポリスチレンを発泡させることで、軽量性、緩衝性、断熱性等の機能を付与した発泡ポリスチレンがあり、広く用いられている。このような発泡ポリスチレンの環境に配慮した代替素材として、生分解性プラスチックであるポリ乳酸樹脂を用いた発泡ポリ乳酸も提案されている(例えば、特許文献1~4参照)。
【0004】
一般に、ポリ乳酸樹脂はガラス転移温度(約60℃)が低いことに起因して、ポリ乳酸樹脂を食品用容器に適用する場合、耐熱性が低いことが指摘されているが、成型過程でポリ乳酸樹脂の結晶化度を高めることで耐熱性を向上することが確認されている(特許文献5及び6参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、成型性、耐熱性、断熱性、及び生分解性に優れる発泡シートを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するための手段としての本発明の発泡シートは、ポリ乳酸樹脂を含有する組成物からなる発泡シートであって、前記ポリ乳酸樹脂は、該ポリ乳酸樹脂の構成モノマー単位である乳酸のD体又は乳酸のL体のいずれか一方が該ポリ乳酸樹脂中98モル%以上であり、前記発泡シートにおける有機物の総量に対する前記ポリ乳酸樹脂の含有量が98質量%以上であり、前記発泡シートのかさ密度が0.063g/cm
3
以上0.250g/cm
3
以下であり、前記発泡シートの厚み方向、かつ、前記発泡シートの押出方向に直行する方向の断面から見た、前記発泡シートの少なくとも一方の表面の、前記発泡シートの押出方向に直行する方向の形状について、JIS B 0601:2013に準拠して算出した算術平均粗さRaと、JIS B 0601:2013に準拠して算出した粗さ曲線要素の平均長さRSmとの比[Ra/RSm]が0.050以下であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、成型性、耐熱性、断熱性、及び生分解性に優れる発泡シートを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1は、本発明の発泡シートの断面のTD方向の最表面形状を説明する概略模式図である。
図2は、本発明の発泡シートの製造方法に用いる連続式混練装置の一例を示す概略説明図である。
図3は、本発明の発泡シートの製造方法に用いるタンデム型の連続式発泡シート製造装置の一例を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の発泡シート、発泡シートの製造方法、及び成型体について詳細に説明する。なお、本発明は、以下に示す実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態、追加、修正、又は削除などの当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用及び効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
【0010】
(発泡シート)
本発明の発泡シートは、ポリ乳酸樹脂を含有する組成物(以下、「ポリ乳酸樹脂組成物」と称することがある)からなる発泡シートであって、前記ポリ乳酸樹脂は、該ポリ乳酸樹脂の構成モノマー単位である乳酸のD体又は乳酸のL体のいずれか一方が該ポリ乳酸樹脂中98モル%以上であり、前記発泡シートにおける有機物の総量に対する前記ポリ乳酸樹脂の含有量が98質量%以上であり、前記発泡シートのかさ密度が0.063g/cm
3
以上0.250g/cm
3
以下であり、前記発泡シートの厚み方向、かつ、前記発泡シートの押出方向に直行する方向の断面から見た、前記発泡シートの少なくとも一方の表面の、前記発泡シートの押出方向に直行する方向の形状について、JIS B 0601:2013に準拠して算出した算術平均粗さRaと、JIS B 0601:2013に準拠して算出した粗さ曲線要素の平均長さRSmとの比[Ra/RSm]が0.050以下である。
(【0011】以降は省略されています)
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