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公開番号
2024124790
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-09-13
出願番号
2023032698
出願日
2023-03-03
発明の名称
寄生虫によって惹起される疾患の予防剤又は治療剤
出願人
国立大学法人北海道国立大学機構
,
国立大学法人 長崎大学
,
株式会社ミトコンドリア研究所
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
A61K
36/062 20060101AFI20240906BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約
【課題】アスコフラノンの投与量又はグリセロールの投与量を減らすことができる寄生虫によって惹起される疾患の予防剤又は治療剤、医薬品、飲食品、飼料、及び医薬組成物を提供する。
【解決手段】自らが生産したアスコフラノンを含有するアスコフラノン生産菌体を有効成分として含む、寄生虫によって惹起される疾患の予防剤又は治療剤。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
自らが生産したアスコフラノンを含有するアスコフラノン生産菌体を有効成分として含む、寄生虫によって惹起される疾患の予防剤又は治療剤。
続きを表示(約 550 文字)
【請求項2】
前記寄生虫が、トリパノソ-マ・コンゴレンス(Trypanosoma congolense)である、請求項1に記載の予防剤又は治療剤。
【請求項3】
前記寄生虫が、トリパノソーマ・エバンシ(Trypanosoma evansi)である、請求項1に記載の予防剤又は治療剤。
【請求項4】
前記疾患が、トリパノソーマ症である、請求項1に記載の予防剤又は治療剤。
【請求項5】
前記アスコフラノン生産菌体が、Acremonium属微生物の菌体である、請求項1に記載の予防剤又は治療剤。
【請求項6】
前記アスコフラノン生産菌体が、アスコクロリンを生産しない菌体である、請求項1に記載の予防剤又は治療剤。
【請求項7】
グリセロールを含む、請求項1に記載の予防剤又は治療剤。
【請求項8】
経口投与用である、請求項1に記載の予防剤又は治療剤。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか1項に記載の予防剤又は治療剤を含有する、医薬品。
【請求項10】
請求項1~8のいずれか1項に記載の予防剤又は治療剤を含有する、飲食品。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、寄生虫によって惹起される疾患の予防剤又は治療剤に関するものである。
続きを表示(約 2,400 文字)
【背景技術】
【0002】
寄生虫によって惹起される疾患としては、例えば、原虫を病原体とするアフリカ睡眠病(ヒトアフリカトリパノソーマ症)やナガナ病(動物アフリカトリパノソーマ症)、シャーガス病(アメリカトリパノソーマ症)、リーシュマニア症などや、蠕虫を病原体とするエキノコックス症などが知られている。
【0003】
アスコフラノンは、Trypanosoma bruceiやTrypanosoma vivax等のトリパノソーマ科・トリパノソーマ属に分類されるアフリカトリパノソーマ原虫によって惹起される疾患の予防・治療薬として有効であり、Trypanosoma bruceiにおいてはグリセロールと併用することにより、その有効性が増強されることが報告されている(例えば、特許文献1及び2、非特許文献1~3参照)。Trypanosoma bruceiやTrypanosoma vivax等のトリパノソーマ属原虫は哺乳類体内に侵入すると、主にグリコソーム内の解糖系でATP合成を行い、これにはトリパノソーム・オルターネイティブ・オキシダーゼ(TAO)が触媒するNADHの再生が必要であるところ、アスコフラノンはこのTAOの働きを低濃度で阻害するために高い抗トリパノソーマ作用を有する。また、アスコフラノンは、シャーガス病やリーシュマニア症、エキノコックス症にも有効である可能性が示されている(特許文献3、非特許文献4参照)。
【0004】
アスコフラノンの実用化に際しては工業的規模で安定供給できることが求められるが、化学的全合成が困難であるため、微生物を用いてアスコフラノンを大量に生産させる方法が研究開発されている(例えば、特許文献4及び5参照)。また、アスコフラノンの精製方法に関しては、特許文献6に記載されているが、Ascochyta属微生物(後に、本菌はAcremonium egyptiacumであることが判明している)の70Lもの培養液から、シリカゲルカラムによる精製では5g、再結晶法による精製では3gと、わずかなアスコフラノンしか精製できず、アスコフラノンの安定供給に向けては収率を向上させる必要性があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開平9-165332号公報
特許第4468638号公報
特許第4606841号公報
国際公開第2018/207928号
特開2019-103400号公報
特公昭56-25310号公報
【非特許文献】
【0006】
“Oral and intraperitoneal treatment of Trypanosoma brucei brucei with a combination of ascofuranone and glycerol in mice”,Parasitology International, 1998, 47, p.131-137
“The efficacy of ascofuranone in a consecutive treatment onTrypanosoma brucei brucei in mice”, Parasitology International, 2003, 52, p.155-164
“Chemotherapeutic efficacy of ascofuranone in Trypanosoma vivax-infected mice without glycerol”, Parasitology International, 2006, 55, p.39-43
Enkai S, et al., “Medical treatment of Echinococcus multilocularis and new horizons for drug discovery: Characterization of mitochondrial complex II as a potential drug target”, Echinococcosis, ed Inceboz T (IntechOpen, London), 2017, p.49-70
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
アスコフラノンは、単独投与でもアフリカトリパノソーマ症モデルマウスの治療を行うことが可能であるが、治療効果を有するためにはアスコフラノンを大量に投与しなければならない。ウシやウマ等の大型動物の治療を想定した場合、大量投与が困難であるため、アスコフラノンの投与量を減らす必要がある。
【0008】
また、グリセロールと併用することにより、アスコフラノンの有効性が増強され、アスコフラノンの投与量を減らすことが可能であるが、アスコフラノンの有効性を高めるためにはグリセロールを大量に投与しなければならない。グリセロールの中毒症状の緩和するため、グリセロールの投与量を減らす必要がある。
【0009】
したがって、アスコフラノンの投与量又はグリセロールの投与量を減らすことができる寄生虫によって惹起される疾患の予防剤又は治療剤が望まれていた。
【0010】
本発明の目的は、アスコフラノンの投与量又はグリセロールの投与量を減らすことができる寄生虫によって惹起される疾患の予防剤又は治療剤、医薬品、飲食品、飼料、及び医薬組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)
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