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公開番号2024122263
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-09
出願番号2023029709
出願日2023-02-28
発明の名称全固体電池および全固体電池の製造方法
出願人三桜工業株式会社
代理人弁理士法人筒井国際特許事務所
主分類H01M 10/052 20100101AFI20240902BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】固体電解質層と電極層との接触状態を改善し、全固体電池の使用時に圧力を加えなくても、充放電を可能とする全固体電池およびその製造方法を提供する。
【解決手段】集電体11と、集電体上に設けられた電極層12と、電極層12と接触するように積層された固体電解質層13と、を有し、電極層12と固体電解質層13との接触界面に複数の間隙が形成されており、間隙に電解液を有する、全固体電池10。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
集電体と、
前記集電体上に設けられた電極層と、
前記電極層と接触するように積層された固体電解質層と、を有し、
前記電極層と前記固体電解質層との接触界面に複数の間隙が形成されており、前記間隙に電解液を有する、全固体電池。
続きを表示(約 1,700 文字)【請求項2】
請求項1に記載の全固体電池において、前記電解液を有する前記接触界面が、少なくとも負極層と前記固体電解質層との接触界面を含む、全固体電池。
【請求項3】
請求項1に記載の全固体電池において、前記電解液が、エチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、およびプロピレンカーボネートのいずれかを含む溶媒に、六フッ化リン酸リチウム(LiPF

)、ホウフッ化リチウム(LiBF

)、過塩素酸リチウム(LiClO

)、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム(LiTFS)、リチウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(LiTFSI)、リチウム ビス(フルオロスルホニル)イミド(LiFSI)、リチウム ビス(パーフルオロエチルスルホニル)イミド(LiBETI)、リチウム ビスオキサレートボラート(LiBOB)、リチウム トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロホスフェート(LiFAP)、およびLiC(SO

CF



、から選ばれる少なくとも1種の電解質を含有する、全固体電池。
【請求項4】
請求項1に記載の全固体電池において、前記電極層は、その原料として、電極活物質、導電助剤、バインダーおよび固体電解質を含み、前記電極活物質、前記導電助剤、前記バインダーおよび前記固体電解質に関し、質量基準における含有比率を、電極活物質:導電助剤:バインダー:固体電解質=x:y:z:vで表したとき、これら含有比率(質量%)が、50≦x≦92.5、2.5≦y≦45、2.5≦z≦45、2.5≦v≦45の範囲である、全固体電池。
【請求項5】
電極板を電解液に浸漬させる工程と、
前記電解液に浸漬した電極板を、板状の固体電解質および集電体と積層する工程と、
を有する、全固体電池の製造方法。
【請求項6】
請求項5に記載の全固体電池の製造方法において、前記全固体電池は、前記電極板と前記板状の固体電解質との接触界面に複数の間隙が形成されており、前記間隙に電解液を有する、全固体電池の製造方法。
【請求項7】
請求項5に記載の全固体電池の製造方法において、前記電解液に浸漬して形成される前記電極板が負極板を含む、全固体電池の製造方法。
【請求項8】
請求項5に記載の全固体電池の製造方法において、前記電解液が、エチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、およびプロピレンカーボネートのいずれかを含む溶媒に、六フッ化リン酸リチウム(LiPF

)、ホウフッ化リチウム(LiBF

)、過塩素酸リチウム(LiClO

)、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム(LiTFS)、リチウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(LiTFSI)、リチウム ビス(フルオロスルホニル)イミド(LiFSI)、リチウム ビス(パーフルオロエチルスルホニル)イミド(LiBETI)、リチウム ビスオキサレートボラート(LiBOB)、リチウム トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロホスフェート(LiFAP)、およびLiC(SO

CF



、から選ばれる少なくとも1種の電解質を含有する、全固体電池の製造方法。
【請求項9】
請求項5に記載の全固体電池の製造方法において、前記電極板は、その原料として、電極活物質、導電助剤、バインダーおよび固体電解質を含有し、前記電極活物質、前記導電助剤、前記バインダーおよび前記固体電解質に関し、質量基準における含有比率を、電極活物質:導電助剤:バインダー:固体電解質=x:y:z:vで表したとき、これら含有比率(質量%)が、50≦x≦92.5、2.5≦y≦45、2.5≦z≦45、2.5≦v≦45の範囲である、全固体電池の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、全固体電池および全固体電池の製造方法に係り、特に、電極層と固体電解質層との接触状態を改善した全固体電池および全固体電池の製造方法に関する。
続きを表示(約 1,400 文字)【背景技術】
【0002】
電気を駆動源とする車両等に搭載される電源やパソコンおよび携帯端末等の電気製品等に搭載される電源として、リチウムイオン二次電池等の比較的高い出力と高い容量が実現できる二次電池が使用されている。この二次電池のなかでも、特に、リチウムイオン二次電池は、軽量で高エネルギー密度が得られ、電気自動車(EV)、プラグインハイブリッド自動車(PHV)、ハイブリッド自動車(HV)等の車両の駆動用高出力電源として好ましく、今後ますます需要が拡大することが予想される。
【0003】
また、近年、二次電池の一形態として、液状の電解質(電解液)に代えて、粉末状、ペレット形状、焼結により成形されたプレート形状等の固体電解質を使用する形態の電池、いわゆる全固体電池とも呼称される形態の二次電池、が実用化に向けて、種々研究、開発されている。
【0004】
全固体電池は、電極間の接触を確保するために液状の電解質(特に非水電解液)を使用しないため、非水電解液等の有機溶媒を取り扱う場合の煩雑な処理を行うことなく、正極層、負極層および固体電解質層からなる積層構造の積層電極体を容易に構築することができる。
【0005】
また、電解液を使用しないことから電極体の構造がシンプルとなり、電池の単位体積あたりの電池容量の向上にも寄与し得る。さらに、電解液を使用しないことから、安全性が高い。
【0006】
ところで、全固体電池は、上記のように固体電解質層を有するものであり、電池の構成材料が全て固体であることから、その構成材料間の接触や接合が不十分となることがあり、その接触や接合に関する改良技術が鋭意検討されている。例えば、特許文献1には、集電体層とそれに接して形成される活物質層との間での接合強度が不十分になりやすいことから、これを改良しようとする技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特許第6992802号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
また、全固体電池の固体電解質層と電極層は、これら部材をそれぞれ別々に作製してから、得られた平板状の固体電解質と電極とを互いに接触させるように積層して製造され、この製造方法は、全固体電池の一般的な製造方法である。
【0009】
ところが、このようにして得られる全固体電池は、その積層状態のままでは充放電を十分に行うことができない場合が多い。したがって、通常、上記のように製造された全固体電池は、固体電解質層と電極層との接触状態を改善するために、使用時に、積層方向に加圧したり、加圧に加えて加熱を行ったりしている。このように加圧や加熱をすることにより、各部材の接触状態は改善するが、この場合、その状態を保持しながら、全固体電池の充放電を行わなければならない。
【0010】
したがって、従来公知の全固体電池は、その使用時の条件によって充放電を十分に行うことができない場合がある。そのため、全固体電池への加圧状態を保持するための特別な構成(例えば、全固体電池を適切に加圧するための部材、そのための加圧手段や充電池を収容するための筐体(パッケージ)等)が必要となる。
(【0011】以降は省略されています)

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