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公開番号2024121804
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-06
出願番号2024024190
出願日2024-02-21
発明の名称出没式筆記具
出願人ぺんてる株式会社
代理人
主分類B43K 24/08 20060101AFI20240830BHJP(筆記用または製図用の器具;机上付属具)
要約【課題】特許文献1に開示されている出没式筆記具は、カム筒の縮径部に切り欠き部が設けられている。出没式筆記具を組み立てる工程で、回転子をカム筒に挿入する際に、回転子の回転側カム部と縮径部との干渉を避けるため、回転側カム部が切り欠き部を通過するように周方向に位置合わせする必要があり、組み立てにくいという問題があった。本発明は、組み立てやすい出没式筆記具を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、少なくとも作動突起の側壁後方がカム突起に接触可能かつ係止不可能である出没式筆記具出没式筆記具を要旨とする。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
軸筒内部に、前後動可能な筆記具本体と、カム筒と、が少なくとも配置された出没式筆記具であって、
筆記具本体の外壁面には、作動突起と係止突起とが形成され、
カム筒には、前後に貫通し、筆記具本体が挿通して配置される貫通孔が形成され、
カム筒の内壁面には、カム突起が形成され、
筆記具本体の前進に伴い、作動突起の側壁前方とカム突起の側壁後方とが接触し、カム筒は筆記具本体外周の周方向に回動可能であり、
筆記具本体の後退に伴い、係止突起の側壁後方とカム突起の側壁前方とが接触し、カム筒は筆記具本体外周の周方向に回動可能であり、
少なくとも作動突起の側壁後方がカム突起に接触可能かつ係止不可能である、
出没式筆記具。
続きを表示(約 1,700 文字)【請求項2】
前記係止突起の側壁後方の少なくとも一部が、前記作動突起の最大周方向幅の範囲を軸方向に沿って前方に延ばした領域の外側に位置し、
少なくとも前記作動突起の側壁前方が前記カム突起の側壁後方に係止可能である、
請求項1に記載の出没式筆記具。
【請求項3】
前記作動突起の側壁前方の少なくとも一部が、前記係止突起の最大周方向幅の範囲を軸方向に沿って後方に延ばした領域の外側に位置する、
請求項2に記載の出没式筆記具。
【請求項4】
軸筒内部に、前後動可能な筆記具本体と、カム筒と、が少なくとも配置された出没式筆記具であって、
筆記具本体の外壁面には、作動突起と係止突起とが形成され、
カム筒には、前後に貫通し、筆記具本体が挿通して配置される貫通孔が形成され、
カム筒の内壁面には、カム突起が形成され、
カム突起は、カム突起基部と、カム突起基部の側壁から前方に延び、カム突起基部よりカム筒内壁面からの径方向内側への高さが低いカム突起前方端部と、で少なくとも構成され、
筆記具本体の前進に伴い、作動突起の側壁前方とカム突起の側壁後方とが接触し、カム筒は筆記具本体外周の周方向に回動可能であり、
筆記具本体の後退に伴い、係止突起の側壁後方と、カム突起基部の側壁前方又はカム突起前方端部の側壁前方とが接触し、カム筒は筆記具本体外周の周方向に回動可能であり、
少なくとも作動突起の側壁後方が、カム突起基部の側壁前方に接触可能かつカム突起基部及びカム突起前方端部に係止不可能である、
出没式筆記具。
【請求項5】
前記係止突起の側壁後方の少なくとも一部が、前記作動突起の最大周方向幅の範囲を軸方向に沿って前方に延ばした領域の外側に位置し、
少なくとも前記作動突起の側壁前方が前記カム突起の側壁後方に係止可能である、
請求項4に記載の出没式筆記具。
【請求項6】
前記作動突起の側壁前方の少なくとも一部が、前記係止突起の最大周方向幅の範囲を軸方向に沿って後方に延ばした領域の外側に位置する、
請求項5に記載の出没式筆記具。
【請求項7】
軸筒内部に、前後動可能な筆記具本体と、カム筒と、が少なくとも配置された出没式筆記具であって、
筆記具本体の外壁面には、作動突起と係止突起とが形成され、
作動突起は、作動突起基部と、作動突起基部の側壁から後方に延び、作動突起基部より筆記具本体外壁面からの径方向外側への高さが低い作動突起後方端部と、で少なくとも構成され、
カム筒には、前後に貫通し、筆記具本体が挿通して配置される貫通孔が形成され、
カム筒の内壁面には、カム突起が形成され、
カム突起は、カム突起基部と、カム突起基部の側壁から前方に延び、カム突起基部よりカム筒内壁面からの径方向内側への高さが低いカム突起前方端部と、で少なくとも構成され、
筆記具本体の前進に伴い、作動突起の側壁前方とカム突起の側壁後方とが接触し、カム筒は筆記具本体外周の周方向に回動可能であり、
筆記具本体の後退に伴い、係止突起の側壁後方と、カム突起基部の側壁前方又はカム突起前方端部の側壁前方とが接触し、カム筒は筆記具本体外周の周方向に回動可能であり、
少なくとも作動突起後方端部の側壁後方が、カム突起基部の側壁前方に接触可能かつカム突起基部及びカム突起前方端部に係止不可能である、
出没式筆記具。
【請求項8】
前記係止突起の側壁後方の少なくとも一部が、前記作動突起の最大周方向幅の範囲を軸方向に沿って前方に延ばした領域の外側に位置し、
少なくとも前記作動突起の側壁前方が前記カム突起の側壁後方に係止可能である、
請求項7に記載の出没式筆記具。
【請求項9】
前記作動突起の側壁前方の少なくとも一部が、前記係止突起の最大周方向幅の範囲を軸方向に沿って後方に延ばした領域の外側に位置する、
請求項8に記載の出没式筆記具。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、軸筒内部に、前端に筆記部を有する筆記具本体が前後動可能に配置され、筆記具本体を軸筒内部で前後に異なる位置で係止させることで、筆記部の、軸筒前端開口部からの突出及び没入を可能とした、所謂出没式筆記具に関するものである。筆記部が軸筒前端開口部から突出して筆記可能になった状態を突出状態、筆記部が軸筒内部に没入した状態を没入状態とする。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
出没式筆記具の出没機構として、所謂カム機構が採用されているものが知られている。出没式筆記具におけるカム機構では、筆記具本体に係止突起と作動突起とを設け、筆記具本体の前後動に伴いそれぞれの側壁がカム部に接触することで、筆記具本体の任意の位置での係止と、係止先の切り替えを可能としている。
【0003】
例えば特許文献1(特開2019-155908号公報)には、カム筒内壁面のカム突起の側壁後方に回転子外壁面の作動突起の側壁前方が、カム筒前端面に回転子外壁面の係止突起の側壁後方が、それぞれ接触してカム機構が作動する出没式筆記具が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2019-155908号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示されている出没式筆記具では、カム筒の縮径部に切り欠き部が設けられている。出没式筆記具を組み立てる工程で、回転子をカム筒に挿入する際に、回転子の回転側カム部と縮径部との干渉を避けるため、回転側カム部が切り欠き部を通過するように周方向に位置合わせする必要があり、組み立てにくいという問題があった。
【0006】
本発明は、組み立てやすい出没式筆記具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、軸筒内部に、前後動可能な筆記具本体と、カム筒と、が少なくとも配置された出没式筆記具であって、筆記具本体の外壁面には、作動突起と係止突起とが形成され、カム筒には、前後に貫通し、筆記具本体が挿通して配置される貫通孔が形成され、カム筒の内壁面には、カム突起が形成され、筆記具本体の前進に伴い、作動突起の側壁前方とカム突起の側壁後方とが接触し、カム筒は筆記具本体外周の周方向に回動可能であり、筆記具本体の後退に伴い、係止突起の側壁後方とカム突起の側壁前方とが接触し、カム筒は筆記具本体外周の周方向に回動可能であり、少なくとも作動突起の側壁後方がカム突起に接触可能かつ係止不可能である出没式筆記具を要旨とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明の出没式筆記具は、カム筒の貫通孔前方から筆記具本体を挿通させる際に、作動突起の側壁後方がカム突起に意図せず係止しないため周方向の位置合わせをする必要がなく、組み立てやすい出没式筆記具とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
ボールペン1の縦断面図
摺動子7の外観図
カム筒9の外観斜視図
カム筒9の縦断面斜視図
作動突起7aの側壁後方がカム突起9bの側壁前方と接触する場合を示した図
図5の状態から摺動子7を後退させた図
図6の状態から摺動子7を後退させた図
作動突起7aの側壁後方がカム突起9bの側壁前方とは接触しない場合を示した図
ボールペンリフィル6及び摺動子7の結合部分近傍拡大断面図
図2のA部分拡大図
図7の状態から摺動子7を後退させた図
図11の状態から摺動子7を後退させた図
図12の状態から摺動子7を前進させた図
図13の状態から摺動子7を前進させた図
カム筒15の外観斜視図
カム筒15の縦断面斜視図
後方案内面14acと後方作動突起案内面15cbとが接触する場合を示した図
図17の状態から摺動子14を後退させた図
図18の状態から摺動子14を後退させた図
図19の状態から摺動子14を後退させた図
前方案内面14abと没入案内面15caとが接触する場合を示した図
図20の状態から摺動子14を後退させた図
図22の状態から摺動子14を後退させた図
図23の状態から摺動子14を前進させた図
図24の状態から摺動子14を前進させた図
作動突起20aの側壁後方がカム突起21bの側壁前方と接触する場合を示した図
図26の状態から摺動子20を後退させた図
図27の状態から摺動子20を後退させた図
作動突起20aの側壁後方がカム突起21bの側壁前方とは接触しない場合を示した図
摺動子20外観の図10相当図
図28の状態から摺動子20を後退させた図
図31の状態から摺動子20を後退させた図
図32の状態から摺動子20を前進させた図
図33の状態から摺動子20を前進させた図
ボールペン22の縦断面図
摺動子28の外観図
作動突起後方端部28cの側壁後方がカム突起30bの側壁前方と接触する場合を示した図
図37の状態から摺動子28を後退させた図
図38の状態から摺動子28を後退させた図
作動突起後方端部28cの側壁後方がカム突起30bの側壁前方とは接触しない場合を示した図
ボールペンリフィル27及び摺動子28の結合部分近傍拡大断面図
図39の状態から摺動子28を後退させた図
図42の状態から摺動子28を後退させた図
図43の状態から摺動子28を前進させた図
図44の状態から摺動子28を前進させた図
筆記具本体26が軸筒23内部において最も後退した状態を示した図
図46の状態から筆記具本体26を前進させた図
図47の状態から筆記具本体26を前進させた図
図48の状態から筆記具本体26を後退させた図
図49の状態から筆記具本体26を後退させた図
図50の状態から筆記具本体26を前進させた図
図36のB‐B’線断面矢視図
摺動子28の外観斜視図
摺動子28の軸方向視図
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明は、ボールペン、シャープペンシル、筆ペン、フェルトペン、マーキングペンなどの筆記具であって、ボールペンチップなどの筆記部を軸筒前端開口部から出没可能な出没式筆記具として実施することができる。以降、図面を適宜参照しつつ、本発明に係る各実施形態について説明する。本発明の技術的範囲は各実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
(【0011】以降は省略されています)

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