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公開番号2024121791
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-06
出願番号2024012638
出願日2024-01-31
発明の名称オレフィン製造方法およびオレフィン製造装置
出願人東レ株式会社
代理人
主分類B01D 71/02 20060101AFI20240830BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約【課題】
本発明のオレフィン製造方法によれば、従来の蒸留法と対比して省エネルギーな分離方法を、長期間安定して提供することを可能とする。
【解決手段】
オレフィン、パラフィン混合流体を90℃以上に加熱する工程と、オレフィン、パラフィンの分離係数が5以上のガス分離膜を介してオレフィンを高濃度化する工程とをそれぞれ有し、ガス分離膜が炭素原子を90%以上含有する無機膜であるオレフィン製造方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
オレフィンとパラフィンの混合流体を90℃以上に加熱する工程と、オレフィンとパラフィンの分離係数が5以上のガス分離膜を介して該オレフィンを高濃度化する工程とをそれぞれ有し、該ガス分離膜を構成する分離機能層が炭素原子を90原子%以上含有する無機膜からなるオレフィン製造方法。
続きを表示(約 800 文字)【請求項2】
該オレフィンとパラフィンの分離係数が5以上のガス分離膜において、該分離機能層が炭素原子を95原子%以上含む請求項1に記載のオレフィン製造方法。
【請求項3】
該オレフィンとパラフィンの分離係数が5以上のガス分離膜において、ガス分離膜全体が炭素原子を90原子%以上含む請求項1または2に記載のオレフィン製造方法。
【請求項4】
該オレフィンがプロピレンを主体とする請求項1記載のオレフィン製造方法。
【請求項5】
該オレフィンとパラフィンの混合流体に対して、担体と複合化された金属化合物を接触させる工程を有する請求項1記載のオレフィン製造方法。
【請求項6】
該担体と複合化された金属化合物を該混合流体と接触させる工程が、該加熱する工程後、該オレフィンを高濃度化する工程よりも前に実施される請求項5記載のオレフィン製造方法。
【請求項7】
該担体と複合化された金属化合物を該混合流体と接触させる工程が、該オレフィンを高濃度化する工程よりも後に実施される請求項5記載のオレフィン製造方法。
【請求項8】
該担体が炭素を90原子%以上含有するものである請求項5~7のいずれかに記載のオレフィン製造方法。
【請求項9】
オレフィンとパラフィンの混合流体を加熱する装置と、オレフィンとパラフィンの分離係数が5以上のガス分離膜を介して該オレフィンを高濃度化する装置とをそれぞれ有し、該ガス分離膜を構成する分離機能層が炭素原子を90原子%以上含有する無機膜からなるオレフィン製造装置。
【請求項10】
該オレフィンとパラフィンの混合流体に対して、担体と複合化された金属化合物を接触させる装置を有する請求項9記載のオレフィン製造装置。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、高効率なオレフィン製造方法およびオレフィン製造装置に関するものである。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
さまざまな基礎化学品を安定的に供給する石油化学工業は、産業の発展に寄与してきた。なかでもオレフィンは、分子内に不飽和結合を持つ炭化水素として、様々な化学品の原料のほか、近年ではプラスチックの原料として欠かすことができない素材となっている。一方で従来の蒸留法では、オレフィンとパラフィンの物理化学的性状の差がわずかであることから、混合物からオレフィンだけを分離して、プラスチックの重合に必要な濃度を得るためには、非常に巨大な蒸留塔が必要である他、加熱や冷却といったエネルギーコストが非常にかかってしまうことが課題であった。
【0003】
これを解決する手段の一つとして膜分離法が挙げられる。膜分離法は、特にオレフィン、パラフィンの物理化学的性状ではなく、その最小断面積に由来すると考えられる気体状態での分子サイズによって小さな分子、特にオレフィン側を優先的に透過させて分離する分子ふるい膜が有望とされ、高分子やゼオライトを素材とした気体分離膜が近年検討されてきた(特許文献1および特許文献2)。オレフィン、パラフィンを気体のままで分離するためには、圧力条件により加熱する必要があるが、加熱されたオレフィン、パラフィンは、単位膜面積当たりの透過量を拡大する効果があるため、膜分離法として有利な条件である。しかしながら従来の高分子膜は、熱による可塑化効果によってオレフィンとパラフィンを十分に分離できる能力が低下してしまう課題があった。またゼオライト膜は、高温での安定性に優れるものの、オレフィン、パラフィンの混合物中に含まれる微量のジエン類が、ゼオライト膜の化学構造内に存在する酸点によって膜表面で重合してしまうことから、細孔を閉塞して長期間安定して運転することが難しい課題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
国際公開2004/050590号
特開2017-213488号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1には特定構造を持つポリイミドからなる高分子膜によって、パラフィンとの混合物からオレフィンを分離する方法が開示されている。しかしながら実際のパラフィンとオレフィンの混合物を気体状で高効率に分離するためには、高圧、高温の環境が必要である。鎖状の分子鎖を基本骨格とする高分子は、その分子間が熱振動によって間隔が広がる特性を持つことから、特に高温環境では、いわゆる可塑化の問題が発生してガスの分離特性を安定的に発揮することが困難な場合があった。
【0006】
また、特許文献2にはFAU型ゼオライトを主体としてAgを含有したゼオライト膜によるオレフィン高純度化に関する開示がある。Agを含有するゼオライト膜は、高圧、高温環境でも良好なガス分離特性を示すが、実際のオレフィン製造方法中で混入する場合がある化学的な反応性の高いジエン類が、ゼオライトの構造内に持つ酸点の作用によって重合してしまい、長期間の運転ではゼオライト膜の細孔が閉塞していくことから、安定した運転を達成することが難しい課題があった。
【0007】
そこで本発明では、長期間安定して効率よくオレフィン、パラフィンの分離を達成するオレフィン製造方法およびオレフィン製造装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の課題を解決するため、本発明は以下の構成を有する。
(1) オレフィン、パラフィン混合流体を90℃以上に加熱する工程と、オレフィン、パラフィンの分離係数が5以上のガス分離膜を介して該オレフィンを高濃度化する工程とをそれぞれ有し、該ガス分離膜を構成する分離機能層が炭素原子を90%以上含有する無機膜であることを特徴とするオレフィン製造方法。
(2) オレフィンとパラフィンの混合流体を加熱する装置と、オレフィンとパラフィンの分離係数が5以上のガス分離膜を介して該オレフィンを高濃度化する装置とをそれぞれ有し、該ガス分離膜を構成する分離機能層が炭素原子を90原子%以上含有する無機膜からなるオレフィン製造装置。
【発明の効果】
【0009】
本発明のオレフィン製造方法およびオレフィン製造装置によれば、長期間安定して効率よくオレフィン、パラフィンの分離を達成する手段を提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明は、オレフィンとパラフィンの混合流体を90℃以上に加熱する工程と、オレフィンとパラフィンの分離係数が5以上のガス分離膜を介して該オレフィンを高濃度化する工程とをそれぞれ有し、該ガス分離膜を構成する分離機能層が炭素原子を90原子%以上含有する無機膜からなるオレフィン製造方法である。
(【0011】以降は省略されています)

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