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公開番号2024117357
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-08-29
出願番号2023023416
出願日2023-02-17
発明の名称汚染土壌の原位置浄化方法
出願人清水建設株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類B09C 1/06 20060101AFI20240822BHJP(固体廃棄物の処理;汚染土壌の再生)
要約【課題】本発明は、加熱効率をより高められる汚染土壌の原位置浄化方法を目的とする。
【解決手段】外管10と、外管10の内部に設けられた絶縁性ヒーター30とを有する加熱井戸1を用いて、汚染物質で汚染された汚染土壌が存在する処理対象領域Aの少なくとも一部を加熱して汚染土壌を浄化する汚染土壌の原位置浄化方法であって、外管10と絶縁性ヒーター30との空隙に粒状又は粉状の低融点金属40を充填する充填工程と、低融点金属40を融解して処理対象領域Aの少なくとも一部を加熱する加熱工程と、を有する、汚染土壌の原位置浄化方法。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
外管と、前記外管の内部に設けられた絶縁性ヒーターとを有する加熱井戸を用いて、汚染物質で汚染された汚染土壌が存在する処理対象領域の少なくとも一部を加熱して汚染土壌を浄化する汚染土壌の原位置浄化方法であって、
前記外管と前記絶縁性ヒーターとの空隙に粒状又は粉状の低融点金属を充填する充填工程と、
前記低融点金属を融解して前記処理対象領域の少なくとも一部を加熱する加熱工程と、を有する、汚染土壌の原位置浄化方法。
続きを表示(約 420 文字)【請求項2】
前記加熱井戸が、前記外管の内部に位置する内管をさらに有し、
前記内管は、前記外管の管軸方向に延び、前記絶縁性ヒーターと接触している、請求項1に記載の汚染土壌の原位置浄化方法。
【請求項3】
前記低融点金属の0.1MPaにおける融点が200℃~300℃である、請求項1又は2に記載の汚染土壌の原位置浄化方法。
【請求項4】
前記低融点金属が、錫及び錫の合金から選ばれる1種以上である、請求項1又は2に記載の汚染土壌の原位置浄化方法。
【請求項5】
前記加熱工程の後に、前記外管と前記絶縁性ヒーターとの空隙に粒状又は粉状の前記低融点金属を充填する追加充填工程をさらに有する、請求項1又は2に記載の汚染土壌の原位置浄化方法。
【請求項6】
前記外管の開口部に蓋体を設けて前記外管を閉塞する閉塞工程をさらに有する、請求項5に記載の汚染土壌の原位置浄化方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、汚染土壌の原位置浄化方法に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
揮発性有機化合物(VOC)等で汚染された汚染土壌を浄化する方法としては、掘削して除去する方法(掘削除去法)が知られている。
しかし、掘削除去法では、汚染土壌を大量に搬出、運搬しなければならず、膨大なコストを要していた。
【0003】
こうした問題に対し、例えば、特許文献1には、汚染物質を含む処理対象領域に熱を加え、汚染物質の一部を気化させてこれを吸引し、処理対象領域から除去する、汚染土壌の原位置浄化方法が提案されている。特許文献1の発明によれば、原位置の加熱及び蒸気抽出により汚染物質の除去効率を高めることが図られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許第4509558号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の加熱用井戸(加熱井戸)は、スリーブ管(外管)の内部にヒーターとして電熱線を配し、外管と電熱線とは、空気によって絶縁されている。高温(例えば、100℃以上)に加熱した電熱線の熱は、放射(輻射)により処理対象領域に伝達される。輻射による熱伝達は、伝導による熱伝達に比べて熱伝達の効率(加熱効率)が劣る。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、加熱効率をより高められる汚染土壌の原位置浄化方法を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明は以下の態様を有する。
[1]外管と、前記外管の内部に設けられた絶縁性ヒーターとを有する加熱井戸を用いて、汚染物質で汚染された汚染土壌が存在する処理対象領域の少なくとも一部を加熱して汚染土壌を浄化する汚染土壌の原位置浄化方法であって、
前記外管と前記絶縁性ヒーターとの空隙に粒状又は粉状の低融点金属を充填する充填工程と、
前記低融点金属を融解して前記処理対象領域の少なくとも一部を加熱する加熱工程と、を有する、汚染土壌の原位置浄化方法。
[2]前記加熱井戸が、前記外管の内部に位置する内管をさらに有し、
前記内管は、前記外管の管軸方向に延び、前記絶縁性ヒーターと接触している、[1]に記載の汚染土壌の原位置浄化方法。
[3]前記低融点金属の0.1MPaにおける融点が200℃~300℃である、[1]又は[2]に記載の汚染土壌の原位置浄化方法。
[4]前記低融点金属が、錫及び錫の合金から選ばれる1種以上である、[1]~[3]のいずれかに記載の汚染土壌の原位置浄化方法。
[5]前記加熱工程の後に、前記外管と前記絶縁性ヒーターとの空隙に粒状又は粉状の前記低融点金属を充填する追加充填工程をさらに有する、[1]~[4]のいずれかに記載の汚染土壌の原位置浄化方法。
[6]前記外管の開口部に蓋体を設けて前記外管を閉塞する閉塞工程をさらに有する、[1]~[5]のいずれかに記載の汚染土壌の原位置浄化方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明の汚染土壌の原位置浄化方法によれば、加熱効率をより高められる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明の一実施形態に係る充填工程を概略的に示す断面図である。
本発明の一実施形態に係る絶縁性ヒーターの構成を概略的に示す断面図である。
図2のC-C線の断面図である。
本発明の一実施形態に係る充填工程終了後の加熱井戸の構成を概略的に示す断面図である。
本発明の一実施形態に係る加熱工程及び追加充填工程を概略的に示す断面図である。
本発明の一実施形態に係る閉塞工程を概略的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
≪汚染土壌の原位置浄化方法≫
本発明の汚染土壌の原位置浄化方法は、汚染物質で汚染された汚染土壌が存在する処理対象領域を、加熱井戸を用いて加熱して、汚染物質を揮発あるいは昇温により汚染物質の粘性を低減させることで流動性を大きくし、吸引処理を容易にさせ(以下、「揮発等」ともいう。)、土壌を浄化する方法である。
本発明の汚染土壌の原位置浄化方法は、充填工程と、加熱工程とを有する。
以下、本発明の汚染土壌の原位置浄化方法の一実施形態について、図面を参照して説明する。
(【0011】以降は省略されています)

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