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公開番号2024113177
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-08-21
出願番号2024094763,2020091970
出願日2024-06-12,2020-05-27
発明の名称水添ブロック共重合体、水添ブロック共重合体組成物、及び成形体
出願人旭化成株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C08F 297/04 20060101AFI20240814BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】ポリオレフィンとの樹脂組成物としたとき、優れた耐摩耗性、及び高いMFRを与える水添ブロック共重合体を得る。
【解決手段】(1)~(7)の要件を満たす水添ブロック共重合体。
(1):(b)ビニル芳香族化合物単量体単位と共役ジエン単量体単位とからなる水添共重合体ブロックを少なくとも1個含有する。
(2):(a)ビニル芳香族化合物単量体単位を主体とする重合体ブロックの含有量が、40質量%以下である。
(3):Mwが20万以下である。
(4):水添率が20%以上である。
(5):GPC曲線において、分子量が1万~100万の範囲の面積に対する、分子量が1万~15万の範囲の面積の割合が50%を超える。
(6):ビニル結合量が20質量%以上である。
(7):(b)ブロック中のビニル芳香族化合物単量体単位の含有量が30質量%以上79質量%以下である。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
ビニル芳香族化合物単量体単位と共役ジエン単量体単位とを含む、ブロック共重合体の水添物であって、
下記(1)~(7)の要件を満たす、水添ブロック共重合体。
(1):(b)ビニル芳香族化合物単量体単位と共役ジエン単量体単位とからなる水添共重合体ブロックを、少なくとも1個含有する。
(2):(a)ビニル芳香族化合物単量体単位を主体とする重合体ブロックを有し、当該(a)ビニル芳香族化合物単量体単位を主体とする重合体ブロックの含有量が、40質量%以下である。
(3):重量平均分子量(Mw)が20万以下である。
(4):共役ジエン単量体単位の二重結合の水素添加率が20%以上である。
(5):ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定で求められる水添ブロック共重合体の分子量曲線において、分子量が1万~100万の範囲の面積に対する、分子量が1万~15万の範囲の面積の割合が50%を超える。
(6):水添ブロック共重合体中のビニル結合量が、20質量%以上である。
(7):前記(b)水添共重合体ブロック中の、ビニル芳香族化合物単量体単位の含有量が30質量%以上79質量%以下である。
続きを表示(約 930 文字)【請求項2】
水添ブロック共重合体中のビニル結合量が、30質量%以上である、請求項1に記載の水添ブロック共重合体。
【請求項3】
前記(b)水添共重合体ブロック中の、
ビニル芳香族化合物単量体単位の含有量が、45質量%以上79質量%以下である、
請求項1又は2に記載の水添ブロック共重合体。
【請求項4】
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定で求められる水添ブロック共重合体の分子量曲線において、分子量が1万~100万の範囲の面積に対する、
分子量が20万~100万の範囲の面積の割合が10%以上である、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の水添ブロック共重合体。
【請求項5】
全ビニル芳香族化合物単量体単位の含有量が、40質量%以上80質量%以下である、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の水添ブロック共重合体。
【請求項6】
前記(a)ビニル芳香族化合物単量体単位を主体とする重合体ブロックの含有量が、1質量%以上20質量%以下である、
請求項1乃至5のいずれか一項に記載の水添ブロック共重合体。
【請求項7】
(c)共役ジエン単量体単位を主体とする水添重合体ブロックを1質量%以上含む、
請求項1乃至6のいずれか一項に記載の、水添ブロック共重合体。
【請求項8】
粘弾性測定チャートにおけるtanδのピークが、0℃以上30℃以下に、少なくとも1つ存在する、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の水添ブロック共重合体。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれか一項に記載の水添ブロック共重合体(イ):1質量%以上95質量%以下と、
少なくとも1種類のオレフィン系樹脂(ロ):5質量%以上99質量%以下と、
を、含有する、水添ブロック共重合体組成物。
【請求項10】
前記オレフィン系樹脂(ロ)が、
少なくとも1種類のポリプロピレン系樹脂を含む、
請求項9に記載の水添ブロック共重合体組成物。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、水添ブロック共重合体、水添ブロック共重合体組成物、及び成形体に関する。
続きを表示(約 3,100 文字)【背景技術】
【0002】
従来から、自動車の内装用材料には、耐摩耗性及び機械的強度のバランスが要求されている。このような材料としては主にオレフィン系樹脂が使用されている。
一方において、自動車用部品の軽量化、リサイクル性、及び易焼却性等の環境問題のニーズ、並びに、耐熱性、耐寒性、耐熱老化性、耐光性、低臭気性を実現しつつ、見た目の安物感等の解消を図るため、近年、スチレン系熱可塑性エラストマー材料(以下、単に「TPS材料」と略記する場合がある。)が実用に供されている。
【0003】
さらに、近年、カーシェアリングや自動運転車の需要の高まりに伴い、自動車の内装用材料には、高い水準の耐摩耗性を維持しつつ、良質な触感(低硬度)や機械強度を実現できるようなTPS材料が求められている。
このような要求に対して、例えば、特許文献1には、ビニル芳香族炭化水素含有量が40質量%以上95質量%未満のランダム共重合体スチレン系エラストマーと、ポリプロピレン樹脂との組成物及び当該組成物の成形体が提案されており、当該成形体は耐摩耗性に優れていることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
国際公開第03/035705号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載のランダム共重合体スチレン系エラストマーは、ポリプロピレン樹脂に対する分散性が低いことから、ポリプロピレン樹脂との組成物とした場合、十分な加工性が得られないという問題点を有している。また、押し出し時にストランドがすぐ切れてしまうため、押し出し成形性も、十分ではないという問題点を有している。
さらに、近年、前述したカーシェアリングや自動運転車の需要の高まりに伴い、自動車内装用材料には高いデザイン性が求められており、かかるデザイン性に鑑み、複雑な形状の成形体の作製が要求されている。
複雑な形状の成形体は射出成形により作製する方法が主流であるが、この場合、成形体の材料には高いメルトフローレート(以後、MFRとする)が必要となる。そのため、耐摩耗性能等の要求性能を維持しつつ、より高いMFRの樹脂組成物が求められている。
【0006】
本発明においては、耐摩耗性に優れ、MFRが高い樹脂組成物を提供し得る水添ブロック共重合体、当該水添ブロック共重合体を含有する樹脂組成物、及び成形体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上述した従来技術の課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、特定の構造を有する水添ブロック共重合体であって、ビニル芳香族化合物単量体単位を主体とする重合体ブロックの含有量、重量平均分子量、水添率、特定範囲の分子量のGPC曲線における面積、ビニル結合量、及び特定の重合体ブロック中のビニル芳香族化合物単量体単位の含有量を特定した水添ブロック共重合体により、耐摩耗性、及びMFRが改善した樹脂組成物を提供し得ることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は下記の通りである。
【0008】
〔1〕
ビニル芳香族化合物単量体単位と共役ジエン単量体単位とを含む、ブロック共重合体の水添物であって、
下記(1)~(7)の要件を満たす、水添ブロック共重合体。
(1):(b)ビニル芳香族化合物単量体単位と共役ジエン単量体単位とからなる水添共重合体ブロックを、少なくとも1個含有する。
(2):(a)ビニル芳香族化合物単量体単位を主体とする重合体ブロックを有し、当該(a)ビニル芳香族化合物単量体単位を主体とする重合体ブロックの含有量が、40質量%以下である。
(3):重量平均分子量(Mw)が20万以下である。
(4):共役ジエン単量体単位の二重結合の水素添加率が20%以上である。
(5):ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定で求められる水添ブロック共重合体の分子量曲線において、分子量が1万~100万の範囲の面積に対する、分子量が1万~15万の範囲の面積の割合が50%を超える。
(6):水添ブロック共重合体中のビニル結合量が、20質量%以上である。
(7):前記(b)水添共重合体ブロック中の、ビニル芳香族化合物単量体単位の含有量が30質量%以上79質量%以下である。
〔2〕
水添ブロック共重合体中のビニル結合量が、30質量%以上である、前記〔1〕に記載の水添ブロック共重合体。
〔3〕
前記(b)水添共重合体ブロック中の、ビニル芳香族化合物単量体単位の含有量が、45質量%以上79質量%以下である、前記〔1〕又は〔2〕に記載の水添ブロック共重合体。
〔4〕
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定で求められる水添ブロック共重合体の分子量曲線において、分子量が1万~100万の範囲の面積に対する、
分子量が20万~100万の範囲の面積の割合が10%以上である、前記〔1〕乃至〔3〕のいずれか一に記載の水添ブロック共重合体。
〔5〕
全ビニル芳香族化合物単量体単位の含有量が、40質量%以上80質量%以下である、前記〔1〕乃至〔4〕のいずれか一に記載の水添ブロック共重合体。
〔6〕
前記(a)ビニル芳香族化合物単量体単位を主体とする重合体ブロックの含有量が、1質量%以上20質量%以下である、前記〔1〕乃至〔5〕のいずれか一に記載の水添ブロック共重合体。
〔7〕
(c)共役ジエン単量体単位を主体とする水添重合体ブロックを1質量%以上含む、
前記〔1〕乃至〔6〕のいずれか一に記載の、水添ブロック共重合体。
〔8〕
粘弾性測定チャートにおけるtanδのピークが、0℃以上30℃以下に、少なくとも1つ存在する、前記〔1〕乃至〔7〕のいずれか一に記載の水添ブロック共重合体。
〔9〕
前記〔1〕乃至〔8〕のいずれか一に記載の水添ブロック共重合体(イ):1質量%以上95質量%以下と、
少なくとも1種類のオレフィン系樹脂(ロ):5質量%以上99質量%以下と、
を、含有する、水添ブロック共重合体組成物。
〔10〕
前記オレフィン系樹脂(ロ)が、少なくとも1種類のポリプロピレン系樹脂を含む、前記〔9〕に記載の水添ブロック共重合体組成物。
〔11〕
前記〔9〕又は〔10〕に記載の水添ブロック共重合体組成物の成形体。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ポリオレフィンとの樹脂組成物としたとき、優れた耐摩耗性、及び高いMFRを与える水添ブロック共重合体が得られる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」と言う。)について詳細に説明する。なお、以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではなく、本発明はその要旨の範囲内で種々変形して実施できる。
(【0011】以降は省略されています)

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