TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2024088628
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-02
出願番号2023223883
出願日2023-12-19
発明の名称ポリイミド多孔膜
出願人株式会社スリーダムアライアンス
代理人
主分類C08J 9/26 20060101AFI20240625BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】最大応力を従来と同等かそれ以上に維持しつつ、さらに伸びや弾性も従来と同等以上を有するポリイミド多孔膜を提供する。
【解決手段】微粒子を除去して連通孔を形成するポリイミド多孔膜において、テトラカルボン酸二無水物をモル比でBPDA80%超にし、ODPAを20%未満にすることを特徴とする。特にBPDA85%以上に対してODPAを15%以下にすることが望ましい。また、微粒子は樹脂粒子であることが好ましい。また、本発明のポリイミド多孔膜はリチウムイオン電池やリチウム金属電池、リチウムイオンキャパシタなどの蓄電デバイス向けのセパレータとして用いることが望ましい。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
テトラカルボン酸二無水物とジアミンとの共重合体で構成され、微粒子を除去して形成された多数の連通孔を有するポリイミド多孔膜において、
前記テトラカルボン酸二無水物を、モル比でBPDA(ビフェニルテトラカルボン酸二無水物)70%超にし、ODPA(オキシジフタル酸二無水物)を30%未満にしたことを特徴とするポリイミド多孔膜。
続きを表示(約 110 文字)【請求項2】
前記BPDA85%以上に対して前記ODPAを15%以下にしたことを特徴とする請求項1に記載のポリイミド多孔膜。
【請求項3】
前記微粒子が樹脂粒子である請求項1に記載のポリイミド多孔膜

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリイミド多孔膜に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
近年、リチウムイオン電池やキャパシタなどの蓄電デバイスが普及している。中でも黒鉛を負極とするリチウムイオン電池、リチウムイオンキャパシタ、金属リチウムを負極とするリチウム金属電池などの技術が著しく発展している。これら蓄電デバイスは、正極、セパレータ、負極が順に積層配置され電解液が満たされ、セパレータによって正極と負極とが絶縁された構造を有しており、これらの負極としては、例えば金属リチウム、リチウムと他の金属との合金、カ-ボンやグラファイト等がよく用いられる。
【0003】
特に耐熱性の比較的高いポリイミド多孔膜を絶縁用のセパレータとして用いることが検討されているが、ポリオレフィン多孔膜と比較してポリイミド多孔膜の作製には手間や時間を要するため生産性の向上が課題となっている。
これに対し、特許文献1では樹脂粒子を用いることで従来の方法と比較してより簡便で生産性の高いポリイミド多孔膜の製法を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【】
特許6358663号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ポリオレフィン多孔膜と比較するとポリイミド多孔膜の強度はいまだ十分ではなく、さらなる改善が必要とされている。本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、ポリイミド多孔膜の生産性を損なうことなく、かつポリイミド多孔膜の機械物性を従来よりも高めることを目的とするものである。特に最大応力を従来と同等かそれ以上に維持しつつ、さらに伸びや弾性も従来と同等以上を有するポリイミド多孔膜を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のポリイミド多孔膜は上述した目的を達成するために以下の[1]~[3]の構成を有する。
【0006】
[1]
テトラカルボン酸二無水物とジアミンとの共重合体で構成され、微粒子を除去して形成された多数の連通孔を有するポリイミド多孔膜において、
このテトラカルボン酸二無水物を、モル比でBPDA(ビフェニルテトラカルボン酸二無水物)70%超に対して、ODPA(オキシジフタル酸二無水物)を30%未満にしたことを特徴とする。
後述するが、ODPAをBPDAに対して30%以上の割合で混合すると製膜時の収縮が大きくなり、このために膜厚やガーレ値の標準偏差など多孔膜の品質が低下してしまう。このような事態を回避するにはODPAの混合比率を30%未満にする必要がある。
特に、テトラカルボン酸二無水物について、モル比で、BPDA80%超に対してODPAを20%未満にしたことを特徴とする。BPDA80%超に対してODPAを20%未満にすることで製膜品質を保持しつつ、ポリイミド多孔膜の伸びを向上させることができる。
【0007】
[2]
また、テトラカルボン酸二無水物を、モル比でBPDA85%以上にし、ODPAを15%以下にしたことを特徴とする。
テトラカルボン酸二無水物をBPDAに対してODPAをモル比で15%以下の混合比率とすることで最大応力、伸び、破断エネルギーをすべて両立させつつ、製膜性も損なうことがなく多孔膜の品質を良好にできる。
特にBPDA87%以上に対してODPAを13%以下にした場合では、方形状に切り出した試験片を電解液(EC:EMC:DMC=1:1:1)に48時間浸漬した場合における寸法変化率(膨潤度)を1%以下に抑えながら、かつ膜厚の変化率(膨潤度)を2%以下に抑えることができる。
【0008】
[3]
上述の微粒子は樹脂粒子であることが好ましい。
また、本発明のポリイミド多孔膜はリチウムイオン電池やリチウム金属電池、リチウムイオンキャパシタなどの蓄電デバイス用セパレータとして用いることができる。
蓄電デバイス向けのセパレータとして用いる場合は、本発明のポリイミド多孔膜の空孔率を少なくとも50%超にするとよく、好ましくは55%以上、さらに好ましくは60%以上、最も好ましくは65%以上にするとよい。
ただし、ODPAを用いる場合で空孔率を高めるときは製膜時の収縮が大きくなる傾向が認められ、このためODPAを用いる場合はBPDAとともに用いることで製膜時の収縮を抑えるとよい。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、最大応力を従来と同等かそれ以上に維持しつつ、さらに従来と同等以上の伸びを有するポリイミド多孔膜を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明のポリイミド多孔膜について説明する。本発明の、テトラカルボン酸二無水物とジアミンとの共重合体で構成されたポリイミド多孔膜はリチウムイオン電池やリチウム金属電池あるいはキャパシタなどの蓄電デバイス用のセパレータとして用いてもよいし、その他の用途に用いてもよく、用途に制限はない。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

ユニチカ株式会社
シート
3日前
東ソー株式会社
ゴム組成物
2か月前
東ソー株式会社
ゴム組成物
1か月前
株式会社ナリス化粧品
構造体
2か月前
株式会社日本触媒
樹脂組成物
8日前
株式会社日本触媒
硬化性組成物
29日前
三洋化成工業株式会社
複合粒子
1か月前
株式会社ラボ
離型フィルム
1か月前
ユニチカ株式会社
ポリアミドイミド
1か月前
東ソー株式会社
ソールゴム用改質剤
2か月前
東レ株式会社
ポリエステルフィルム
10日前
大同化成株式会社
樹脂組成物
9日前
東レ株式会社
ポリエステルフィルム
1か月前
花王株式会社
乳化組成物
1か月前
三洋化成工業株式会社
成形用樹脂組成物
1か月前
アイカ工業株式会社
ホットメルト組成物
2か月前
大同化成株式会社
軟質樹脂組成物
9日前
三菱ケミカル株式会社
成形体
2か月前
積水フーラー株式会社
硬化性組成物
22日前
松本油脂製薬株式会社
樹脂粒子及びその用途
2か月前
アキレス株式会社
塩化ビニル系樹脂フィルム
1か月前
グンゼ株式会社
導電性フィルム
1か月前
株式会社クラベ
耐摩耗性絶縁組成物及び電線
25日前
松本油脂製薬株式会社
樹脂粒子及びその用途
2か月前
東レ株式会社
二軸配向ポリプロピレンフィルム
24日前
三水株式会社
中空粒子の製造方法
29日前
株式会社スギノマシン
ゴム複合物
1か月前
日本エステル株式会社
ポリエステル樹脂組成物
15日前
東レ株式会社
二軸配向ポリプロピレンフィルム
1か月前
NOK株式会社
クロロプレンゴム組成物
22日前
三井化学株式会社
シートまたはフィルム
1か月前
東レ株式会社
二軸配向ポリプロピレンフィルム
1日前
東ソー株式会社
廃プラスチックのリサイクル方法
1か月前
東ソー株式会社
両親媒性ポリマー溶液の調液方法
2か月前
松本油脂製薬株式会社
ポリマー粒子及びその用途
2か月前
トヨタ自動車株式会社
海藻資源化システム
1か月前
続きを見る