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公開番号2024065380
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-15
出願番号2022174217
出願日2022-10-31
発明の名称塩化ビニル系樹脂フィルム
出願人アキレス株式会社
代理人
主分類C08J 5/18 20060101AFI20240508BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】 本発明は、フィルム成形時に打粉することなく、運搬時や保管時の期間や環境に関係なくフィルム同士の粘着を抑制できる塩化ビニル系樹脂フィルムを提供することを課題とする。
【解決手段】 塩化ビニル系樹脂と可塑剤とアクリル系微粒子を含有する塩化ビニル系樹脂フィルムであって、前記アクリル系微粒子は、平均粒子径が5μm以上50μm以下であり、縦200mm、横150mm、厚さ0.3mmにカットした前記塩化ビニル系樹脂フィルムを2枚重ねて厚さ3mmのガラス板で挟み、5kgの荷重を加えた状態で60℃のオーブンで24時間加熱した後、当該フィルムを重ねたまま縦30mm、横70mmにカットし、万能試験機を用いて、当該フィルムの端部を1cmめくって各々をつかみ具に固定し、上下方向に引きはがし速度200mm/minで引きはがしたときの剥離強度が、0.50N以下であることを特徴とする。
【選択図】 なし
特許請求の範囲【請求項1】
塩化ビニル系樹脂と可塑剤とアクリル系微粒子を含有する塩化ビニル系樹脂フィルムであって、
前記アクリル系微粒子は、平均粒子径が5μm以上50μm以下であり、
縦200mm、横150mm、厚さ0.3mmにカットした前記塩化ビニル系樹脂フィルムを2枚重ねて厚さ3mmのガラス板で挟み、5kgの荷重を加えた状態で60℃のオーブンで24時間加熱した後、当該フィルムを重ねたまま縦30mm、横70mmにカットし、万能試験機を用いて、当該フィルムの端部を1cmめくって各々をつかみ具に固定し、上下方向に引きはがし速度200mm/minで引きはがしたときの剥離強度が、0.50N以下であることを特徴とする塩化ビニル系樹脂フィルム。
続きを表示(約 190 文字)【請求項2】
前記アクリル系微粒子の含有量は、塩化ビニル系樹脂100質量部に対し、0.3質量部以上1.0質量部以下であることを特徴とする請求項1に記載の塩化ビニル系樹脂フィルム。
【請求項3】
さらに脂肪酸アミドを、塩化ビニル系樹脂100質量部に対し、0.01質量部以上2.00質量部以下含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の塩化ビニル系樹脂フィルム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、フィルム同士の密着性が抑制された塩化ビニル系樹脂フィルムに関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
塩化ビニル系樹脂フィルムは、透明性に優れると共に機械的強度も高く、しかも安価であり、従来から農業用、ブックカバー用、各種ファイル用、定期入れ用、あるいはパスポートや車等の免許書入れ用、その他各種の分野において広く使用されている。
その一方で、塩化ビニル系樹脂フィルムは、柔軟性を付与するために添加されている可塑剤が経時でフィルム表面に移行しやすく、そのため、塩化ビニル系樹脂フィルム同士は粘着しやすい。特に、塩化ビニル系樹脂フィルムを裁断、印刷、溶着等の二次加工する場合において、塩化ビニル系樹脂フィルムを成形時に巻き取られたロールから巻き出す際(解反時)や、枚葉にカットされた塩化ビニル系樹脂フィルムを積層した状態から一枚ずつフィルムを取り出す際など、粘着したフィルム同士を剥がすのに手間がかかっていた。
【0003】
そこで、従来、塩化ビニル系樹脂フィルムの成形に際して、フィルム同士を滑りやすくするために、該樹脂にタルク、シリカ等の無機質充填剤やアクリル系微粒子を配合したり、成形時に打粉をしたり、あるいは成形後のフィルム表面に上記の無機質充填剤やアクリル系微粒子を配合した塗料を塗布して、該フィルムに上記無機質充填剤やアクリル系微粒子による凹凸を付与するなどして、フィルム表面のスリップ性を確保していた。
【0004】
このようにスリップ性を有する塩化ビニル系樹脂フィルムであれば、当該フィルムを二次加工する際の、裁断工程、印刷工程、溶着工程等の各工程におけるフィルムの扱いが容易となり、粘着したフィルム同士を剥がす手間が軽減できる。
しかしながら、運搬時や保管時の期間や環境によってはスリップ性を発揮できず、フィルム同士が粘着してしまう虞があった。例えば、当該フィルムを成形した後は、直ちに次の加工工程に供されることもあるが、別の加工先に運搬されることや倉庫などに保管されたのち加工工程に供される場合、フィルム同士を重ねて、或いはロール状に巻き取った状態のまま、すなわち積層されたフィルムに荷重が加わっている状態のままであると、運搬時や保管時の温度が高いことが相まって、フィルム同士の粘着を誘引されることが想定される。
【0005】
また、フィルム成形時に打粉をしてスリップ性を付与したフィルムであれば、フィルム同士の粘着を抑制しやすいが、その一方で、まんべんなく均一に打粉することは困難であるため、粉の付着が少ない箇所はべたつきが発生し、粉の付着が多い箇所では外観が劣るなどのばらつきが生じてしまうと、その部分を除外して良品を確保しなくてはならなかった。さらに、二次加工時において、例えば溶着加工の際、粉がガイドロールに蓄積し衝撃等で生地に落下(ボタ落ち)することがあり、その除去のための検品に手間がかかっていた。このように、フィルム成形時に打粉をしてスリップ性を付与したフィルムでは、フィルム成形時の歩留まり向上や二次加工時における手間の軽減が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開平4-226138号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、フィルム成形時に打粉することなく、運搬時や保管時の期間や環境に関係なくフィルム同士の粘着を抑制できる塩化ビニル系樹脂フィルムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、塩化ビニル系樹脂と可塑剤とアクリル系微粒子を含有する塩化ビニル系樹脂フィルムであって、
前記アクリル系微粒子は、平均粒子径が5μm以上50μm以下であり、
縦200mm、横150mm、厚さ0.3mmにカットした前記塩化ビニル系樹脂フィルムを2枚重ねて厚さ3mmのガラス板で挟み、5kgの荷重を加えた状態で60℃のオーブンで24時間加熱した後、当該フィルムを重ねたまま縦30mm、横70mmにカットし、万能試験機を用いて、当該フィルムの端部を1cmめくって各々をつかみ具に固定し、上下方向に引きはがし速度200mm/minで引きはがしたときの剥離強度が、0.50N以下であることを特徴とする。
【0009】
前記アクリル系微粒子の含有量は、塩化ビニル系樹脂100質量部に対し、0.3質量部以上1.0質量部以下であることが好ましい。
【0010】
さらに脂肪酸アミドを、塩化ビニル系樹脂100質量部に対し、0.01質量部以上2.00質量部以下含有することが好ましい。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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