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公開番号
2024106206
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-08-07
出願番号
2023010388
出願日
2023-01-26
発明の名称
モールドパウダー
出願人
品川リフラクトリーズ株式会社
代理人
個人
,
個人
主分類
B22D
11/108 20060101AFI20240731BHJP(鋳造;粉末冶金)
要約
【課題】 凝固シェルとモールドとの間の潤滑を確保しつつ、浸漬ノズルの溶損速度を低減することができる塩基度の高いモールドパウダーを提供すること。
【解決手段】 モールドパウダーは、SiO
2
とCaOとを主成分として含み、T.CaO(ただし、T.CaOとは、含まれるCaをすべてCaOに換算したもの)のSiO
2
に対する質量比(T.CaO/SiO
2
)が1.7以上2.0以下であり、Al
2
O
3
の含有量が10.0質量%以下(ゼロを除く)であり、MgOの含有量が5.0質量%以上15.0質量%以下であり、Na
2
Oの含有量が10.0質量%以下(ゼロを除く)であり、Fの含有量が5.0質量%以上15.0質量%以下である。
【選択図】 なし
特許請求の範囲
【請求項1】
SiO
2
とCaOとを主成分として含み、
T.CaO(ただし、T.CaOとは、含まれるCaをすべてCaOに換算したもの)のSiO
2
に対する質量比(T.CaO/SiO
2
)が1.7以上2.0以下であり、
Al
2
O
3
の含有量が10.0質量%以下(ゼロを除く)であり、
MgOの含有量が5.0質量%以上15.0質量%以下であり、
Na
2
Oの含有量が10.0質量%以下(ゼロを除く)であり、
Fの含有量が5.0質量%以上15.0質量%以下であることを特徴とするモールドパウダー。
続きを表示(約 280 文字)
【請求項2】
請求項1に記載のモールドパウダーにおいて、
Li
2
Oの含有量が4.0質量%以下(ゼロを除く)であることを特徴とするモールドパウダー。
【請求項3】
請求項1に記載のモールドパウダーにおいて、
SrOの含有量が10.0質量%以下(ゼロを除く)であることを特徴とするモールドパウダー。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載のモールドパウダーにおいて、
1300℃における粘度が0.04Pa・s以上0.20Pa・s以下であることを特徴とするモールドパウダー。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、鋼の連続鋳造に好適なモールドパウダーに関する。
続きを表示(約 1,700 文字)
【背景技術】
【0002】
鋼の連続鋳造では、タンディッシュに貯留された溶鋼を、浸漬ノズルを介してモールドに流し込んで冷却、凝固させながら、凝固したシェル(凝固シェル)をロールを用いてモールドの下方向に連続的に引き抜くことにより、スラブ、ブルーム、ビレット等の各種形状の鋳片を連続的に製造する。モールド内の溶鋼の表面には、粉末状又は顆粒状のモールドパウダーが投入される。モールドパウダーは溶鋼の熱によって溶融して(以下、溶融状態のモールドパウダーを「パウダースラグ」という)溶鋼の表面を覆い、パウダースラグは凝固シェルとモールドとの間に流入して消費される。投入から消費までの間のモールドパウダーの主な役割は以下のとおりである。
(1)溶鋼表面の保温及び酸化防止
(2)溶鋼から浮上する非金属介在物の吸収及び溶鋼の清浄化
(3)凝固シェルとモールドとの間の潤滑の確保
(4)凝固シェルからモールドへの熱流束の制御
【0003】
凝固シェルとモールドとの間の潤滑を確保するためには、パウダースラグは低粘度の方が好ましい。パウダースラグを低粘度にするには、フラックス成分の含有量を増やす方法や、モールドパウダーの塩基度(CaOのSiO
2
に対する質量比(CaO/SiO
2
))を高める方法がある。いずれの方法も浸漬ノズルのパウダーライン部の溶損速度が早く、浸漬ノズルの交換頻度が多くなる。交換作業中は連続鋳造を止めなければならず、生産性が低下する。
【0004】
特許文献1は、特定の組成の浸漬ノズルを用いることにより、塩基度の高いモールドパウダーを使用しても溶損速度を低減できることを開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2016-159342号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1に開示された特定の組成の浸漬ノズルを使用しなくても浸漬ノズルの溶損速度を低減することができ、かつ、塩基度の高いモールドパウダーが要求されている。
【0007】
本開示は上記実状を鑑みてなされたものであり、その目的は、凝固シェルとモールドとの間の潤滑を確保しつつ、浸漬ノズルの溶損速度を低減することができる塩基度の高いモールドパウダーを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)本開示の一の態様は、
SiO
2
とCaOとを主成分として含み、
T.CaO(ただし、T.CaOとは、含まれるCaをすべてCaOに換算したもの)のSiO
2
に対する質量比(T.CaO/SiO
2
)が1.7以上2.0以下であり、
Al
2
O
3
の含有量が10.0質量%以下(ゼロを除く)であり、
MgOの含有量が5.0質量%以上15.0質量%以下であり、
Na
2
Oの含有量が10.0質量%以下(ゼロを除く)であり、
Fの含有量が5.0質量%以上15.0質量%以下であることを特徴とするモールドパウダーに関する。本開示のモールドパウダーを用いると、高い塩基度によって凝固シェルとモールド間の潤滑を確保しつつ、浸漬ノズルの溶損速度を低減することができる。
【0009】
(2)本開示の一の態様では、
Li
2
Oの含有量が4.0質量%以下(ゼロを除く)であることが好ましい。Li
2
Oを添加するとパウダースラグの粘度を調整しやすい。
【0010】
(3)本開示の一の態様では、
SrOの含有量が10.0質量%以下(ゼロを除く)であることが好ましい。SrOを添加するとノズルの溶損が低減する。
(【0011】以降は省略されています)
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