TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2024103507
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-08-01
出願番号2024076700,2020073641
出願日2024-05-09,2020-04-16
発明の名称セルロース繊維乾燥体及びその製造方法、並びに樹脂複合体の製造方法
出願人旭化成株式会社
代理人個人,個人,個人,個人,個人
主分類C08B 3/06 20060101AFI20240725BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】樹脂との混合時に、黒点等の欠点の原因となる凝集物を形成し難く、成形加工時のスクリーンメッシュ交換頻度を低減することで生産性に優れ、高靭性でかつ外観に優れる樹脂複合体を与えることができるセルロース繊維乾燥体、及び当該セルロース繊維乾燥体と樹脂とを含む樹脂複合体の提供。
【解決手段】セルロース繊維を含み、安息角40°~60°、差角10°以下、ゆるめ嵩密度0.01g/cm3~0.40g/cm3、あつめ嵩密度0.1g/cm3~0.55g/cm3、及び圧縮度20%~40%を有し、粒径710μm以下の粒子成分の含有率が50質量%~90質量%である、セルロース繊維乾燥体。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
セルロース繊維を含み、安息角40°~60°、差角10°以下、ゆるめ嵩密度0.01g/cm
3
~0.40g/cm
3
、あつめ嵩密度0.1g/cm
3
~0.55g/cm
3
、及び圧縮度20%~40%を有し、粒径710μm以下の粒子成分の含有率が50質量%~90質量%である、セルロース繊維乾燥体。
続きを表示(約 690 文字)【請求項2】
粒径710μm超1000μm以下の粒子成分の含有率が10質量%~30質量%である、請求項1に記載のセルロース繊維乾燥体。
【請求項3】
粒径1000μm超の粒子成分の含有率が1質量%~10質量%である、請求項1又は2に記載のセルロース繊維乾燥体。
【請求項4】
前記セルロース繊維の数平均繊維径が2nm~1000nmである、請求項1~3のいずれか一項に記載のセルロース繊維乾燥体。
【請求項5】
前記セルロース繊維の平均繊維長(L)/繊維径(D)比が30~5000である、請求項1~4のいずれか一項に記載のセルロース繊維乾燥体。
【請求項6】
前記セルロース繊維が、重量平均分子量(Mw)100000以上、及び重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)比6以下を有する、請求項1~5のいずれか一項に記載のセルロース繊維乾燥体。
【請求項7】
前記セルロース繊維の結晶化度が60%以上である、請求項1~6のいずれか一項に記載のセルロース繊維乾燥体。
【請求項8】
前記セルロース繊維のアルカリ可溶多糖類含有率が、20質量%以下である、請求項1~7のいずれか一項に記載のセルロース繊維乾燥体。
【請求項9】
前記セルロース繊維が化学修飾されている、請求項1~8のいずれか一項に記載のセルロース繊維乾燥体。
【請求項10】
前記化学修飾が、エステル化である、請求項9に記載のセルロース繊維乾燥体。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、セルロース繊維乾燥体及びその製造方法、並びにセルロース繊維と樹脂とを含む樹脂複合体の製造方法に関する。
続きを表示(約 3,400 文字)【背景技術】
【0002】
樹脂材料は、軽く、加工特性に優れるため、自動車部材、電気・電子部材、事務機器ハウジング、精密部品等の多方面に広く使用されているが、樹脂単体では、機械特性、寸法安定性等が不十分である場合が多いことから、樹脂と各種フィラーとをコンポジットしたものが一般的に用いられている。近年、このようなフィラーとして、セルロースナノファイバー(CNF)等のナノ繊維を使用することが検討されている。CNFをはじめとしたナノ繊維は、乾燥状態では凝集し易いという性質があるため、安定分散が可能な分散液として製造される。例えば、セルロースナノファイバーを各種用途に適用する際には、上記分散液を一旦乾燥した後、分散媒中に分散し、又は乾燥体のままで、マトリクス樹脂中に再分散させる場合がある。しかしセルロースナノファイバーにおいて、セルロース分子間の水素結合による凝集は極めて強固であることから、従来、乾燥工程におけるセルロースナノファイバーの凝集を抑制するための手法が種々提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1は、(A)粉末状のナノファイバーに対し、(B)分散剤を固形分換算で1~40重量%配合してなり、かつ嵩密度が90~200g/Lであることを特徴とする粉末状ナノファイバーを記載する。また、特許文献2は、有機溶媒の存在下、セルロースナノファイバーをホモジナイズ処理した後、有機溶媒を除去し、水分含有量0~1質量%の乾燥した微小繊維を製造する方法を記載する。また、特許文献3は、セルロースナノファイバーと溶媒との混合物を、真空乾燥装置を用いて乾燥することを含む、セルロースナノファイバー乾燥固形物の製造方法を記載する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2017-210596号公報
特開2012-224960号公報
国際公開第2019/189318号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1~3に記載される技術はいずれも、セルロースナノファイバーの乾燥時の凝集を低減することで、乾燥後のセルロースナノファイバーを分散媒中又はマトリクス樹脂中に良好に再分散させようとするものであるが、これら技術によっても、一旦乾燥されたセルロースナノファイバーの再分散性は十分ではなく、特に、セルロースナノファイバーを乾燥状態のまま樹脂と混合した際にも当該セルロースナノファイバーを樹脂中に良好に分散できるような技術は確立されていなかった。したがって、従来の技術では、セルロースナノファイバーによる樹脂の物性向上効果が満足できるレベルでは発現できず、加えて量産時にはスクリーンメッシュを通過しない凝集塊が存在するために、スクリーンメッシュの交換頻度が非常に多く、量産が困難であるという課題があった。
【0006】
本発明の一態様は、上記の課題を解決し、樹脂との混合時に、黒点等の欠点の原因となる凝集物を形成し難く、成形加工時のスクリーンメッシュ交換頻度を低減することで生産性に優れ、高靭性でかつ外観に優れる樹脂複合体を与えることができるセルロース繊維乾燥体、及び当該セルロース繊維乾燥体と樹脂とを含む樹脂複合体の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、以下の態様を包含する。
[1] セルロース繊維を含み、安息角40°~60°、差角10°以下、ゆるめ嵩密度0.01g/cm
3
~0.40g/cm
3
、あつめ嵩密度0.1g/cm
3
~0.55g/cm
3
、及び圧縮度20%~40%を有し、粒径710μm以下の粒子成分の含有率が50質量%~90質量%である、セルロース繊維乾燥体。
[2] 粒径710μm超1000μm以下の粒子成分の含有率が10質量%~30質量%である、上記態様1に記載のセルロース繊維乾燥体。
[3] 粒径1000μm超の粒子成分の含有率が1質量%~10質量%である、上記態様1又は2に記載のセルロース繊維乾燥体。
[4] 前記セルロース繊維の数平均繊維径が2nm~1000nmである、上記態様1~3のいずれかに記載のセルロース繊維乾燥体。
[5] 前記セルロース繊維の平均繊維長(L)/繊維径(D)比が30~5000である、上記態様1~4のいずれかに記載のセルロース繊維乾燥体。
[6] 前記セルロース繊維が、重量平均分子量(Mw)100000以上、及び重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)比6以下を有する、上記態様1~5のいずれかに記載のセルロース繊維乾燥体。
[7] 前記セルロース繊維の結晶化度が60%以上である、上記態様1~6のいずれかに記載のセルロース繊維乾燥体。
[8] 前記セルロース繊維のアルカリ可溶多糖類含有率が、20質量%以下である、上記態様1~7のいずれかに記載のセルロース繊維乾燥体。
[9] 前記セルロース繊維が化学修飾されている、上記態様1~8のいずれかに記載のセルロース繊維乾燥体。
[10] 前記化学修飾が、エステル化である、上記態様9に記載のセルロース繊維乾燥体。
[11] 前記エステル化が、アセチル化である、上記態様10に記載のセルロース繊維乾燥体。
[12] 前記セルロース繊維の平均置換度(DS)が0.1~1.2である、上記態様9~11のいずれかに記載のセルロース繊維乾燥体。
[13] 水分率が30質量%以下である、上記態様1~12のいずれかに記載のセルロース繊維乾燥体。
[14] 分散剤を更に含み、
前記分散剤が、HLB値0.1以上、8.0未満、融点80℃以下、及び数平均分子量1000~50000を有する化合物である、上記態様1~13のいずれかに記載のセルロース繊維乾燥体。
[15] 上記態様1~14のいずれかに記載のセルロース繊維乾燥体の製造方法であって、
セルロース繊維と水性媒体とを含むスラリーを調製するスラリー調製工程、及び
前記スラリーを、乾燥速度10%/分~10000%/分の条件下で乾燥させてセルロース繊維乾燥体を形成する乾燥工程、
を含む、方法。
[16] 前記乾燥工程を、乾燥温度20℃~200℃での滞留時間が0.01分間~10分間である連続プロセスで行う、上記態様15に記載の方法。
[17] セルロース繊維と樹脂とを含む樹脂複合体の製造方法であって、
上記態様1~16のいずれかに記載のセルロース繊維乾燥体と、樹脂とを混合することを含み、
前記樹脂複合体の引張破断伸度が、8%以上である、方法。
[18] 前記樹脂が熱可塑性樹脂である、上記態様17に記載の方法。
[19] 前記熱可塑性樹脂がポリアミド系樹脂である、上記態様18に記載の方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一態様によれば、樹脂との混合時に、黒点等の欠点の原因となる凝集物を形成し難く、成形加工時のスクリーンメッシュ交換頻度を低減することで生産性に優れ、高靭性でかつ外観に優れる樹脂複合体を与えることができるセルロース繊維乾燥体、及び当該セルロース繊維乾燥体と樹脂とを含む樹脂複合体が提供され得る。
【図面の簡単な説明】
【0009】
IRインデックス1730及びIRインデックス1030の算出法の説明図である。
熱分解開始温度(T
D
)及び1%重量減少温度(T
1%
)の測定法の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の例示の態様について以下具体的に説明するが、本発明はこれらの態様に限定されるものではない。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する
Flag Counter

関連特許

日本化薬株式会社
樹脂微粒子
10日前
三菱ケミカル株式会社
フィルム
7日前
三菱ケミカル株式会社
フィルム
7日前
第一工業製薬株式会社
熱可塑性樹脂組成物
7日前
積水フーラー株式会社
硬化性組成物
10日前
三井化学ファイン株式会社
樹脂シート
10日前
三菱ケミカル株式会社
樹脂構造体
10日前
三菱ケミカル株式会社
樹脂構造体
10日前
株式会社コバヤシ
組成物及びその製造方法
8日前
三菱ケミカル株式会社
組成物、硬化物及び積層体
9日前
積水化学工業株式会社
放熱樹脂シート
10日前
三菱ケミカル株式会社
樹脂組成物
10日前
サンユレック株式会社
ポリウレタン樹脂組成物
7日前
グンゼ株式会社
樹脂の回収方法及び装置
1日前
三菱ケミカル株式会社
樹脂組成物
10日前
グンゼ株式会社
樹脂の回収方法及び装置
1日前
東ソー株式会社
ポリウレタン樹脂組成物、及び塗料組成物
10日前
住友理工株式会社
ウレタン発泡成形体
10日前
株式会社大阪ソーダ
アクリルゴム組成物およびその架橋物
10日前
味の素株式会社
樹脂組成物
7日前
日本ゼオン株式会社
熱伝導シート
10日前
味の素株式会社
樹脂組成物
7日前
ナミックス株式会社
エポキシ樹脂組成物
8日前
三井化学ファイン株式会社
樹脂シートおよび生地積層体
10日前
株式会社大阪ソーダ
エピハロヒドリン系ゴムおよびゴム組成物
10日前
東レ株式会社
ポリアミドオリゴマー組成物およびその製造方法
9日前
住友ベークライト株式会社
重合性組成物および樹脂組成物
9日前
住友ベークライト株式会社
ポリマーおよび物品の製造方法
8日前
株式会社カネカ
生分解性樹脂組成物、その製造方法および成形体
10日前
出光興産株式会社
タイヤ用ゴム組成物
14日前
グンゼ株式会社
フィルムの製造方法及び再生樹脂原料
1日前
旭化成株式会社
ポリアセタールの製造方法
10日前
タキロンシーアイ株式会社
延伸フィルム
10日前
東ソー株式会社
高分子型紫外線吸収剤を含むポリエチレン樹脂組成物
7日前
三菱ケミカル株式会社
樹脂組成物、成形体
10日前
日本ゼオン株式会社
樹脂組成物および成形体
10日前
続きを見る