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公開番号2024146456
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-15
出願番号2023059359
出願日2023-03-31
発明の名称熱伝導シート
出願人日本ゼオン株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C08J 5/18 20060101AFI20241004BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】熱抵抗が低く且つ面精度の高い熱伝導シートを提供する。
【解決手段】樹脂及び窒化ホウ素を含む、厚みが500μm以下の熱伝導シートを形成するにあたり、窒化ホウ素がシート主面に対して60°以上90°以下の角度範囲で配向させるとともに、熱伝導シートにおいて、樹脂として常温常圧下で固体のアクリル樹脂及び重量平均分子量が2500以上の常温常圧下で液体の樹脂を所定の比率で含み、さらに窒化ホウ素の含有割合がシートの60体積%以上となるようにする。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
樹脂及び窒化ホウ素を含む、厚みが500μm以下の熱伝導シートであって、
前記熱伝導シートの主面に対する前記窒化ホウ素の配向角度が60°以上90°以下であり、
前記熱伝導シートにおける前記窒化ホウ素の含有割合が60体積%以上であり、
前記樹脂は、常温常圧下で固体のアクリル樹脂と、該常温常圧下で固体のアクリル樹脂とは異なる常温常圧下で液体の樹脂を含み、
前記常温常圧下で液体の樹脂の重量平均分子量が2500以上であり、
前記樹脂における前記常温常圧下で液体の樹脂の割合が10質量%以上80質量%以下である、
熱伝導シート。
続きを表示(約 240 文字)【請求項2】
厚みの標準偏差が、3.15μm以下である、請求項1に記載の熱伝導シート。
【請求項3】
前記アクリル樹脂のガラス転移温度が-42.0℃以上-9.0℃以下である、請求項1に記載の熱伝導シート。
【請求項4】
粘着力が1.4N・mm以上である、請求項1に記載の熱伝導シート。
【請求項5】
前記常温常圧下で液体の樹脂が、常温常圧下で液体のニトリルブタジエンゴムである、請求項1~4の何れかに記載の熱伝導シート。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、熱伝導シートの製造方法に関するものである。具体的には、本発明は樹脂および窒化ホウ素を含む熱伝導シートに関するものである。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
近年、パワー半導体(IGBTモジュール等)および集積回路(IC)チップ等の電子部品は、高性能化に伴って発熱量が増大している。その結果、電子部品を用いた電子機器では、電子部品の温度上昇による機能障害対策を講じる必要が生じている。
【0003】
電子部品の温度上昇による機能障害対策としては、一般に、電子部品等の発熱体に対し、金属製のヒートシンク、放熱板、放熱フィン等の放熱体を取り付けることによって、放熱を促進させる方法が採られている。そして、放熱体を使用する際には、発熱体から放熱体へと熱を効率的に伝えるために、発熱体と放熱体との間に熱伝導性が高いシート状の部材(以下、「熱伝導シート」ともいう。)を用いる。
【0004】
熱伝導シートとして、樹脂中に窒化ホウ素粒子を充填した熱伝導シートが提案されている。例えば、特許文献1には、板状窒化ホウ素粒子がシートの厚み方向に対しその長軸方向で配向している熱伝導シートの製造方法が開示されている。かかる製造方法では、板状窒化ホウ素粒子として平均粒径10μm超60μm以下の板状窒化ホウ素粒子(A)と、50℃以下のガラス転移温度(Tg)を有する有機高分子化合物(B)とを用意し、これらを混合し、板状窒化ホウ素粒子(A)の含有量が45体積%~75体積%である組成物を調製してから、得られた組成物を用いて、板状窒化ホウ素粒子(A)が主たる面に対してほぼ平行な方向に配向した一次シートを形成しさらに、これを積層して多層構造を有する成形体を形成し、この成形体をその主面から出る法線に対して0度~30度の角度でスライスして、熱伝導シートを得ている。この際、組成物に配合する高分子化合物としては、アクリルゴム、シリコーン樹脂、及びイソプレンゴム等が例示列挙されており、さらに、添加成分としての難燃剤としてリン酸エステル系難燃剤を配合することが提案されている。また、例えば特許文献2では、フッ素樹脂と、窒化ホウ素粒子を含有する熱伝導性フィラーと、を含む熱伝導シートが開示されている。ここで、特許文献2に開示の熱伝導シートにおいては、シートの厚み方向に対し窒化ホウ素粒子がその長軸方向で配向しており熱伝導性に優れる。さらに、かかる熱伝導シートは、常温常圧下で液体のフッ素樹脂を含み、0.05MPa加圧下での熱抵抗値が0.90℃/W以下である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
国際公開第2010/047278号
特開2018-203857号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここで、上述した従来の熱伝導シートには、熱抵抗及び面精度の点で一層の改善の余地があった。そこで、本発明は、熱抵抗が低く且つ面精度の高い熱伝導シートを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、前記課題を解決することを目的として鋭意検討を行った。そして、本発明者は、樹脂及び窒化ホウ素を含む、厚みが500μm以下の熱伝導シートを形成するにあたり、窒化ホウ素がシート主面に対して60°以上90°以下の角度範囲で配向させるとともに、熱伝導シートにおいて、樹脂として常温常圧下で固体のアクリル樹脂及び重量平均分子量が2500以上の常温常圧下で液体の樹脂を所定の比率で含み、さらに窒化ホウ素の含有割合がシートの60体積%以上となるようにすることで、熱抵抗が低く且つ面精度が高い熱伝導シートが得られることを新たに見出し、本発明を完成させた。
【0008】
即ち、この発明は、上記課題を有利に解決することを目的とするものであり、[1]本発明の熱伝導シートは、樹脂及び窒化ホウ素を含む、厚みが500μm以下の熱伝導シートであって、前記熱伝導シートの主面に対する前記窒化ホウ素の配向角度が60°以上90°以下であり、前記熱伝導シートにおける前記窒化ホウ素の含有割合が60体積%以上であり、前記樹脂は、常温常圧下で固体のアクリル樹脂と、該常温常圧下で固体のアクリル樹脂とは異なる常温常圧下で液体の樹脂を含み、前記常温常圧下で液体の樹脂の重量平均分子量が2500以上であり、前記樹脂における前記常温常圧下で液体の樹脂の割合が30質量%以上80質量%以下であることを特徴とする。このような熱伝導シートは、熱抵抗が低く且つ面精度が高い。
なお、本明細書において、熱伝導シートの主面に対する窒化ホウ素の配向角度は、実施例に記載の方法により測定することができる。なお、熱伝導シートの「主面」は、当該熱伝導シートにおける最大面積を有する面および当該面に対向する面を意味する。また、本明細書において、「常温」とは23℃を指し、「常圧」とは、1atm(絶対圧)を指す。そして、常温常圧下で液体の樹脂の重量平均分子量は、本明細書の実施例に記載の方法に従って測定することができる。
【0009】
[2]ここで、上記[1]の熱伝導シートは、厚みの標準偏差が、3.15μm以下であることが好ましい。厚みの標準偏差が上記以下である熱伝導シートは、シート表面が平滑であることから、平滑な躯体に対する密着性に優れる。なお、厚みの標準偏差は、本明細書の実施例に記載の方法に従って測定することができる。
【0010】
[3]また、上記[1]又は[2]の熱伝導シートは、前記アクリル樹脂のガラス転移温度が-42.0℃以上-9.0℃以下であることが好ましい。ガラス転移温度が上記範囲内であるアクリル樹脂を含む熱伝導シートは、粘着性が適度に高く且つ面精度に優れる。なお、アクリル樹脂のガラス転移温度は、実施例に記載の方法に従って測定することができる。
(【0011】以降は省略されています)

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