TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2024149703
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-18
出願番号2024129817,2020218297
出願日2024-08-06,2020-12-28
発明の名称光学フィルム
出願人日本ゼオン株式会社
代理人弁理士法人酒井国際特許事務所
主分類G02B 5/30 20060101AFI20241010BHJP(光学)
要約【課題】正の固有複屈折を有する結晶性重合体を含む樹脂で形成され、厚み方向の複屈折が小さい光学フィルムを提供する。
【解決手段】正の固有複屈折を有する結晶性重合体を含む樹脂で形成された光学フィルムであって、前記光学フィルムの厚み方向の複屈折Rth/dが、-14.0×10-3以下である、光学フィルム。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
正の固有複屈折を有する結晶性重合体を含む樹脂で形成された光学フィルムであって、
前記光学フィルムの厚み方向の複屈折Rth/dが、-14.0×10
-3
以下である、光学フィルム。
続きを表示(約 190 文字)【請求項2】
前記結晶性重合体が、脂環式構造を含有する、請求項1に記載の光学フィルム。
【請求項3】
X線回折法で測定した前記結晶性重合体の結晶化度が、10%以上である、請求項1又は2に記載の光学フィルム。
【請求項4】
前記光学フィルムの面内レターデーションReが10nm以下である、請求項1~3のいずれか一項に記載の光学フィルム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、光学フィルム及びその製造方法、並びに、当該光学フィルムを用いた延伸フィルムの製造方法に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
従来から、樹脂を用いたフィルムの製造技術が提案されている(特許文献1及び2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
国際公開第2020/066899号
国際公開第2017/065222号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
樹脂を用いて、屈折率に異方性を有する光学フィルムを製造することがある。このように屈折率に異方性を有する光学フィルムは、複屈折を有しうる。複屈折を有する光学フィルムは、例えば、反射抑制フィルム、視野角補償フィルムなどのフィルムとして表示装置に設けられうる。
【0005】
光学フィルムを表示装置に設ける場合、厚み方向の複屈折と、この厚み方向に垂直な面内方向の複屈折とのバランスを適切に調整することが求められる。厚み方向の複屈折と面内方向の複屈折とのバランスは、光学フィルムのNZ係数によって表すことができる。例えば、NZ係数が1.0未満の光学フィルムが得られれば、その光学フィルムによって、表示装置の視野角、コントラスト、画質等の表示品質の改善が可能になる。
【0006】
NZ係数が1.0未満の光学フィルムを薄くしようとする場合、当該光学フィルムの厚み方向の複屈折を小さくすることが望ましい。詳細には、厚み方向の複屈折を負の値とし、更に、その絶対値を大きくすることが望ましい。ところが、正の固有複屈折を有する重合体を用いて製造される光学フィルムでは、厚み方向の複屈折を小さくすることが難しい。そのため、正の固有複屈折を有する重合体を用いて、-11.5×10
-3
以下の厚み方向の複屈折を有する光学フィルムを得ることは、未だ実現できていない。
【0007】
本発明は、前記の課題に鑑みて創案されたもので、正の固有複屈折を有する結晶性重合体を含む樹脂で形成され、厚み方向の複屈折が小さい光学フィルム及びその製造方法;並びに、前記光学フィルムを用いた延伸フィルムの製造方法;を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、前記の課題を解決するべく鋭意検討した結果、正の固有複屈折を有する結晶性重合体を含む樹脂で形成された樹脂フィルムを、溶媒に接触させて、厚み方向の複屈折を変化させる工程を含む方法により、前記の課題を解決できることを見い出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、下記のものを含む。
【0009】
〔1〕 正の固有複屈折を有する結晶性重合体を含む樹脂で形成された光学フィルムであって、
前記光学フィルムの厚み方向の複屈折Rth/dが、-11.5×10
-3
以下である、光学フィルム。
〔2〕 前記結晶性重合体が、脂環式構造を含有する、〔1〕に記載の光学フィルム。
〔3〕 X線回折法で測定した前記結晶性重合体の結晶化度が、10%以上である、〔1〕又は〔2〕に記載の光学フィルム。
〔4〕 〔1〕~〔3〕のいずれか一項に記載の光学フィルムの製造方法であって、
正の固有複屈折を有する結晶性重合体を含む樹脂で形成された樹脂フィルムを用意する工程(i)と、
前記樹脂フィルムを、溶媒に接触させて、厚み方向の複屈折を変化させる工程(ii)と、を含む、光学フィルムの製造方法。
〔5〕 前記工程(ii)の後で、樹脂フィルムを乾燥して、厚み方向の複屈折を変化させる工程(iii)を含む、〔4〕に記載の光学フィルムの製造方法。
〔6〕 〔1〕~〔3〕のいずれか一項に記載の光学フィルムを延伸することを含む、延伸フィルムの製造方法。
〔7〕 前記延伸フィルムの厚みが、20μm以下である、〔6〕に記載の延伸フィルムの製造方法。
〔8〕 前記延伸フィルムが、0.0以上1.0未満のNZ係数を有する、〔6〕又は〔7〕に記載の延伸フィルムの製造方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、正の固有複屈折を有する結晶性重合体を含む樹脂で形成され、厚み方向の複屈折が小さい光学フィルム及びその製造方法;並びに、前記光学フィルムを用いた延伸フィルムの製造方法;を提供できる。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する
Flag Counter

関連特許