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公開番号2024144866
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-15
出願番号2023057017
出願日2023-03-31
発明の名称ウレタン発泡成形体
出願人住友理工株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類C08G 18/00 20060101AFI20241004BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】 熱伝導性および難燃性に優れたウレタン発泡成形体を提供する。
【解決手段】 ウレタン発泡成形体は、ポリウレタンフォームからなる基材と、該基材中に配向して含有されている複合粒子と、を有する。該複合粒子は、膨張化黒鉛粒子と、該膨張化黒鉛粒子の表面にバインダーにより接着された磁性粒子と、を有する第一複合粒子と、膨張黒鉛粒子と、該膨張黒鉛粒子の表面にバインダーにより接着された磁性粒子と、を有する第二複合粒子と、を有する。ウレタン発泡成形体における該基材中の該膨張化黒鉛粒子および該膨張黒鉛粒子の合計質量を100質量%とした場合、該膨張化黒鉛粒子の含有量は20質量%以上80質量%以下である。
【選択図】 なし
特許請求の範囲【請求項1】
ポリウレタンフォームからなる基材と、該基材中に配向して含有されている複合粒子と、を有し、
該複合粒子は、
膨張化黒鉛粒子と、該膨張化黒鉛粒子の表面にバインダーにより接着された磁性粒子と、を有する第一複合粒子と、
膨張黒鉛粒子と、該膨張黒鉛粒子の表面にバインダーにより接着された磁性粒子と、を有する第二複合粒子と、
を有し、
該基材中の該膨張化黒鉛粒子および該膨張黒鉛粒子の合計質量を100質量%とした場合、該膨張化黒鉛粒子の含有量は20質量%以上80質量%以下であることを特徴とするウレタン発泡成形体。
続きを表示(約 820 文字)【請求項2】
前記膨張化黒鉛粒子の平均粒子径は、100μm以上3000μm以下である請求項1に記載のウレタン発泡成形体。
【請求項3】
前記膨張化黒鉛粒子の純度は、99%以上である請求項1に記載のウレタン発泡成形体。
【請求項4】
前記膨張黒鉛粒子の平均粒子径は、100μm以上3000μm以下である請求項1に記載のウレタン発泡成形体。
【請求項5】
前記複合粒子の含有量は、ウレタン発泡成形体の体積を100体積%とした場合の5体積%以上50体積%以下である請求項1に記載のウレタン発泡成形体。
【請求項6】
前記第一複合粒子および前記第二複合粒子を構成する前記バインダーは、水溶性高分子である請求項1に記載のウレタン発泡成形体。
【請求項7】
前記水溶性高分子は、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルアルコール、デンプンから選ばれる一種以上である請求項6に記載のウレタン発泡成形体。
【請求項8】
前記第一複合粒子および前記第二複合粒子を構成する前記磁性粒子の含有量は、前記基材中の前記膨張化黒鉛粒子および前記膨張黒鉛粒子の合計質量を100質量%とした場合の20質量%以上80質量%以下である請求項1に記載のウレタン発泡成形体。
【請求項9】
前記第一複合粒子および前記第二複合粒子を構成する前記磁性粒子は、鉄粒子および鉄系合金粒子から選ばれる一種以上を有する請求項1に記載のウレタン発泡成形体。
【請求項10】
前記第一複合粒子および前記第二複合粒子の少なくとも一方は、前記膨張化黒鉛粒子または前記膨張黒鉛粒子の表面にバインダーにより接着された絶縁性無機粒子を有する請求項1に記載のウレタン発泡成形体。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、熱伝導性が高いウレタン発泡成形体に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
自動車などの車両においては、車外や車室に漏れる騒音を低減するために、エンジン、トランスミッションなどから発生する騒音の低減対策が講じられている。電気自動車(EV)やハイブリッド電気自動車(HEV)においては、インバータ、モータ、ギアボックスなどからなる電動パワートレインの駆動音も低減の対象である。騒音対策としては、例えば、ポリウレタンフォームなどの発泡体からなる防音材が用いられる。発泡体は、内部に多数のセル(気泡)を有するため熱伝導率が小さい。このため、発熱を伴う騒音源の周囲に配置した場合、熱が蓄積され不具合を生じるおそれがある。
【0003】
発泡体を用いた防音材の放熱性を向上させるという観点から、例えば特許文献1には、ポリウレタンフォーム中に、熱伝導性粒子、磁性粒子、および絶縁性無機粒子が複合化した複合粒子を配向させて配置して、その配向方向に熱の伝達経路を形成することにより放熱性を向上させたウレタン発泡成形体が記載されている。熱伝導性粒子としては、膨張黒鉛などが記載されている。特許文献2には、熱伝導性フィラーを含有するポリウレタンフォームが記載されている。熱伝導性フィラーとしては、膨張黒鉛、膨張化黒鉛などが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
国際公開第2013/042611号
特開2022-72896号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
防音材には、用途により、熱伝導性に加えて難燃性も要求される。例えば、難燃性が付与されているポリウレタンフォームは、炎に晒されても火種を落下させて延焼を抑制するドロッピング作用を有する。特許文献1に記載されているウレタン発泡成形体においては、熱伝導性が比較的大きい粒子(熱伝導性粒子)を配向させるため、当該粒子の表面に磁性粒子を接着させて造粒した複合粒子が用いられる。ポリウレタンフォームに磁性粒子が配合されると、ドロッピング作用が損なわれ、自己消火性が低下するおそれがある。したがって、難燃性を考慮すると、熱伝導性粒子としては、鱗片状の黒鉛の層間に加熱によりガスを発生する物質が挿入され難燃効果を有する膨張黒鉛が好適である。このように、複合粒子の熱伝導性粒子として膨張黒鉛を使用することにより、ウレタン発泡成形体の難燃性は向上する。しかしながら、近年、防音材には、より高い熱伝導性が要求される。この場合、膨張黒鉛の熱伝導率は十分に大きいとはいえず、膨張黒鉛を用いるだけでは、熱伝導性の向上には限界がある。
【0006】
この点、特許文献2によると、熱伝導性フィラーとして、膨張黒鉛、膨張化黒鉛が挙げられている。膨張化黒鉛は、膨張黒鉛を加熱して膨張させた後、微細化して製造されるものであり、層間物質が消失しているため純度が高い。このため、膨張化黒鉛の熱伝導率は膨張黒鉛のそれより大きい。しかしながら、特許文献2においては、段落[0006]に記載されているように、発泡成形を磁場をかけないで行うことを目的としている。よって、ポリウレタンフォーム中の熱伝導性フィラーは配向しておらず、熱伝導性フィラーとして膨張黒鉛、膨張化黒鉛を用いたとしても、これらは単体で分散しているに過ぎない。本発明者の検討によると、ポリウレタンフォームに膨張化黒鉛を単に分散させるだけでは、熱伝導性の向上効果は小さいことがわかっている。
【0007】
本開示は、このような実情に鑑みてなされたものであり、熱伝導性および難燃性に優れたウレタン発泡成形体を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)上記課題を解決するため、本開示のウレタン発泡成形体は、ポリウレタンフォームからなる基材と、該基材中に配向して含有されている複合粒子と、を有し、該複合粒子は、膨張化黒鉛粒子と、該膨張化黒鉛粒子の表面にバインダーにより接着された磁性粒子と、を有する第一複合粒子と、膨張黒鉛粒子と、該膨張黒鉛粒子の表面にバインダーにより接着された磁性粒子と、を有する第二複合粒子と、を有し、該基材中の該膨張化黒鉛粒子および該膨張黒鉛粒子の合計質量を100質量%とした場合、該膨張化黒鉛粒子の含有量は20質量%以上80質量%以下であることを特徴とする。
【0009】
本開示のウレタン発泡成形体は、少なくとも第一、第二の二種類の複合粒子を有する。いずれの複合粒子も、核となる粒子の表面にバインダーにより磁性粒子が接着されている。第一複合粒子の核粒子は、膨張黒鉛粒子よりも熱伝導率が大きい膨張化黒鉛粒子であり、主にウレタン発泡成形体の熱伝導率向上に寄与する。第二複合粒子の核粒子は、難燃効果を発揮する膨張黒鉛粒子であり、主にウレタン発泡成形体の難燃性向上に寄与する。これらの複合粒子は、ポリウレタンフォームからなる基材中に配向して配置される。複合粒子が連なって配向することにより、基材中に熱の伝達経路が形成される。これにより、熱が複合粒子に伝達されやすくなり、膨張化黒鉛粒子、膨張黒鉛粒子が、各々単体で含有される形態と比較して、各々の効果が発揮されやすい。また、膨張化黒鉛粒子、膨張黒鉛粒子はいずれも黒鉛系の材料であり、熱伝導異方性を有し、ポリウレタンとの親和性も高い。
【0010】
本開示のウレタン発泡成形体は、作用が異なる膨張化黒鉛粒子、膨張黒鉛粒子を、別々に独立した複合粒子として含有する。これにより、互いの作用を阻害することなく、各々の効果を十分に発揮させることができる。結果、所望の熱伝導性と難燃性とを実現することができる。但し、本開示のウレタン発泡成形体においては、膨張化黒鉛粒子と膨張黒鉛粒子とが一体化した粒子の表面に磁性粒子が接着された複合粒子を含む形態が排除されるものではない。
(【0011】以降は省略されています)

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