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公開番号
2024172021
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-12-12
出願番号
2023089432
出願日
2023-05-31
発明の名称
断熱材
出願人
住友理工株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
主分類
F16L
59/02 20060101AFI20241205BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約
【課題】 多孔質構造体を用いて、高温下においても高い断熱性を有し、圧縮に対する柔軟性および復元性に優れる断熱材を提供する。
【解決手段】 断熱材は、複数の粒子が連結して骨格をなし、該骨格間に細孔を有する多孔質構造体と、赤外線遮蔽粒子と、有機中空粒子と、を有する。断熱材における該赤外線遮蔽粒子の含有量は、断熱材の質量を100質量%とした場合の10質量%以上30質量%以下であり、該有機中空粒子の含有量は、断熱材の質量を100質量%とした場合の5質量%以上30質量%以下である。
【選択図】 なし
特許請求の範囲
【請求項1】
複数の粒子が連結して骨格をなし、該骨格間に細孔を有する多孔質構造体と、赤外線遮蔽粒子と、有機中空粒子と、を有する断熱材であって、
該赤外線遮蔽粒子の含有量は、断熱材の質量を100質量%とした場合の10質量%以上30質量%以下であり、
該有機中空粒子の含有量は、断熱材の質量を100質量%とした場合の5質量%以上30質量%以下であることを特徴とする断熱材。
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【請求項2】
前記多孔質構造体の平均粒子径は、1μm以上1000μm以下である請求項1に記載の断熱材。
【請求項3】
前記赤外線遮蔽粒子の平均粒子径は、0.3μm以上22μm以下である請求項1に記載の断熱材。
【請求項4】
前記有機中空粒子の平均粒子径は、1μm以上1000μm以下である請求項1に記載の断熱材。
【請求項5】
前記有機中空粒子の弾性率は、1MPa以上30MPa以下である請求項1に記載の断熱材。
【請求項6】
前記有機中空粒子は、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン-ブタジエンゴム、エチレン-プロピレン-ジエンゴム、クロロプレンゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、エチレン-酢酸ビニルゴム、エピクロルヒドリンゴム、アクリルゴム、スチレン系熱可塑性エラストマー、塩化ビニル系熱可塑性エラストマー、オレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル、ポリアクリルニトリル架橋体、ポリメタクリル酸メチル架橋体、ポリメタクリル酸ブチル架橋体から選ばれる一種以上からなる請求項1に記載の断熱材。
【請求項7】
前記赤外線遮蔽粒子は、炭化ケイ素、カオリナイト、モンモリロナイト、酸化チタン、窒化ケイ素、マイカ、アルミナ、窒化アルミニウム、炭化ホウ素、酸化鉄、酸化マグネシウム、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化タンタル、マンガンフェライト、酸化マンガン、酸化ニッケル、ニッケル、酸化銀、銀、酸化ビスマス、カーボンブラック、グラファイト、チタン、酸化鉄チタン、ジルコニウム、ジルコニア、ケイ酸ジルコニウム、チタン酸バリウム、二酸化マンガン、酸化クロム、炭化チタン、炭化タングステン、酸化タングステン、酸化ニオブ、酸化インジウムスズ、酸化セリウムから選ばれる一種の粒子、およびこれらから選ばれる二種以上の混合物の粒子の少なくとも一方を有する請求項1に記載の断熱材。
【請求項8】
前記多孔質構造体は、複数のシリカ粒子が連結して骨格をなすシリカエアロゲルを有する請求項1に記載の断熱材。
【請求項9】
さらに、加工助剤、無機繊維の少なくとも一方を有する請求項1に記載の断熱材。
【請求項10】
前記有機中空粒子は、前記多孔質構造体と該多孔質構造体との間に不連続に存在する請求項1に記載の断熱材。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は、エアロゲルなどの多孔質構造体を用いた断熱材に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)
【背景技術】
【0002】
車載部品、住宅用建材、産業機器などには、従来より熱流制御を目的として種々の断熱材が使用されている。断熱材の材料としては、熱伝導率が小さいシリカエアロゲルなどが知られている。例えば、ハイブリッド自動車や電気自動車などに搭載されるバッテリーパックにおいては、隣り合うバッテリーセル間などに断熱材が配置される。この種の断熱材には、バッテリーセルが異常に発熱した場合に熱の伝達を抑制し、熱暴走を抑制することができるよう、特に高温下における高い断熱性が要求される。また、バッテリーパックにおいては、複数のバッテリーセルが積層されてなるバッテリーモジュールが、積層方向の両側から締結部材により固定された状態で筐体内に収容される。バッテリーセルは、充放電に伴い膨張、収縮する。したがって、バッテリーセル間に配置される断熱材には、外部からの押圧やバッテリーセルの膨張、収縮に追従して変形し、断熱性を維持できることが望ましい。
【0003】
例えば、特許文献1には、断熱性および柔軟性を有するエアロゲル複合体として、エアロゲル成分および中空シリカ粒子を含有するエアロゲル複合体が記載されている。特許文献2には、ナノ多孔質粒子と中空ラテックス粒子とを含み、該中空ラテックス粒子が互いに直接結合して連続マトリックスを形成し、該ナノ多孔質粒子が該中空ラテックス粒子の連続マトリックス中に分散している製品が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
国際公開第2017/038646号
特表2013-543036号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1に記載されているエアロゲル複合体によると、エアロゲル成分に中空シリカ粒子を追加することにより柔軟性を向上させている。しかしながら、中空シリカ粒子は、中空構造を有するが硬質の無機材料からなる。このため、得られる柔軟性は十分ではない。また、特許文献1においては、エアロゲルの取り扱い性を向上させるという目的で、柔軟性を付与しているにすぎないため、エアロゲル複合体は、外部からの押圧などにより圧縮変形が可能だとしても、除荷後に元の形状に戻る復元性を有しているとはいえない。また、特許文献1においては、高温下における断熱性は考慮されていない。
【0006】
他方、特許文献2に記載されている中空ラテックス粒子は、ポリマーからなり、ナノ多孔質粒子同士を結着するバインダーとしての役割を果たしている。特許文献2に記載されているように、中空ラテックス粒子は、互いに直接結合して連続的な網目構造(マトリックス)を形成しており、ナノ多孔質粒子は、中空ラテックス粒子の連続マトリックス中に分散している。よって、特許文献2に記載されている製品においては、連続した中空ラテックス粒子が熱の伝達経路となり、断熱性の低下を招く。加えて、当該製品を高温下で使用すると、マトリックスが分解、劣化するなどして消失し、形状が保持できないおそれがある。また、特許文献2の段落[0044]には、赤外減衰剤、反射粒子などの「追加の添加剤の濃度は、製品の総重量に対して5wt%以下である」と記載されている。仮に、追加の添加剤として赤外線遮蔽粒子を配合したとしても、製品全体の5質量%以下という少量では輻射熱を遮断する効果は乏しく、高温下における断熱性は十分ではない。
【0007】
本開示は、このような実情に鑑みてなされたものであり、多孔質構造体を用いて、高温下においても高い断熱性を有し、圧縮に対する柔軟性および復元性に優れる断熱材を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)上記課題を解決するため、本開示の断熱材は、複数の粒子が連結して骨格をなし、該骨格間に細孔を有する多孔質構造体と、赤外線遮蔽粒子と、有機中空粒子と、を有する断熱材であって、該赤外線遮蔽粒子の含有量は、断熱材の質量を100質量%とした場合の10質量%以上30質量%以下であり、該有機中空粒子の含有量は、断熱材の質量を100質量%とした場合の5質量%以上30質量%以下であることを特徴とする。
【0009】
多孔質構造体によると、熱移動の三形態(伝導、対流、輻射)のうちの主に伝導および対流が抑制されることにより、高い断熱効果を得ることができる。ここで、輻射は、電磁波により熱が移動する現象であり、温度が高いほど放出される輻射エネルギーが大きくなる。このため、高温雰囲気においては、輻射が熱移動の主要因になる。よって、高温になると、多孔質構造体だけでは所望の断熱性を得ることは難しく、輻射による熱移動を抑制できる赤外線遮蔽粒子を併用することが有効になる。しかしながら、赤外線遮蔽粒子を多量に配合した場合、赤外線遮蔽粒子同士が連結して熱の伝達経路が形成されるため、伝導による熱移動が大きくなり、断熱性の低下を招くおそれがある。本開示の断熱材によると、赤外線遮蔽粒子の含有量を特定することにより、輻射および伝導の両方の熱移動を抑制して、常温下では勿論、500℃以上の高温下においても高い断熱性を実現することができる。
【0010】
本開示の断熱材は、赤外線遮蔽粒子に加えて有機中空粒子を有する。有機中空粒子は、有機材料から形成され内部に空孔を有する粒子である。有機中空粒子により、圧縮荷重に対して変形可能な柔軟性と、除荷後の復元性と、が付与される。有機中空粒子は、多孔質無機粒子と多孔質無機粒子との間に配置される。本開示の断熱材においては、有機中空粒子の含有量が比較的少ないため、有機中空粒子は互いに繋がりにくく、その多くは不連続に配置される。このように、本開示の断熱材においては、多孔質構造体がマトリックスを形成し、有機中空粒子は多孔質構造体間に点在している。このため、本開示の断熱材は、有機成分である有機中空粒子を含んでいても、熱の伝達経路が形成されにくい。よって、高温下においても有機中空粒子が消失しにくく、高い断熱性を維持することができる。
(【0011】以降は省略されています)
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