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公開番号
2025018581
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-02-06
出願番号
2023122420
出願日
2023-07-27
発明の名称
加硫ゴムの分解方法
出願人
住友理工株式会社
,
独立行政法人国立高等専門学校機構
代理人
弁理士法人酒井国際特許事務所
主分類
C08J
11/18 20060101AFI20250130BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約
【課題】本発明の目的は、加硫ゴムの分解を安価に実現することのできる、複合微生物系の分解方法を提供することである。
【解決手段】未加硫ポリイソプレン分解菌を含む複合微生物群を未加硫ポリイソプレンに接触させて順化し、順化複合微生物群を得る順化工程、及び、順化複合微生物群を加硫ゴムに接触させ加硫ゴムを分解する加硫ゴム分解工程、を含む、加硫ゴムの分解方法であり、好ましくは、順化工程は未加硫ポリイソプレン分解菌を含む天然ゴム廃水を未加硫ポリイソプレンに接触させて順化する処理工程であり、より好ましくは、順化工程における複合微生物群と未加硫ポリイソプレンの接触は、好気条件で行う方法、並びに、未加硫ポリイソプレン分解菌を含む複合微生物群を未加硫ポリイソプレンに接触させて順化することを含む、加硫ゴム分解能を有する複合微生物群の生産方法。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
未加硫ゴム分解菌を含む複合微生物群を含有する、懸濁液、分散液又は溶液を、未加硫ゴムに接触させて順化し、順化複合微生物群を含む処理液を得る順化工程、及び、
順化複合微生物群を含む処理液を加硫ゴムに接触させ加硫ゴムを分解する加硫ゴム分解工程、
を含む、加硫ゴムの分解方法。
続きを表示(約 710 文字)
【請求項2】
懸濁液、分散液、又は溶液は、天然ゴムラテックスをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
懸濁液、分散液、又は溶液は、酸及び/又はアンモニアをさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
懸濁液、分散液、又は溶液は、天然ゴム廃水である、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
未加硫ゴム分解菌は、ノカルディア属、ストレプトマイセス属、ゴルドニア属、ロドコッカス属、又はキサントモナス属に属する未加硫ゴム分解菌である、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
複合微生物群は、マイクロバクテリウム属細菌をさらに含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
未加硫ゴムは、天然ゴム廃水中のゴム凝集塊である、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
加硫ゴム分解工程開始時において、複合微生物群は、スピロソーマ属、ペドバクター属、パウシバクター属、エリザベトキンギア属、ブラディリゾビウム属、フラビソリバクター属、及びプロステコバクター属細菌から選ばれる1種以上の菌をさらに含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
加硫ゴム分解工程は、50日以上の期間実施する、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
未加硫ゴム分解菌を含む複合微生物群を含有する、懸濁液、分散液又は溶液を、未加硫ゴムに接触させて順化することを含む、加硫ゴム分解能を有する複合微生物群の生産方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、加硫ゴムの分解方法に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)
【背景技術】
【0002】
ゴム製品は、一般に製造時にポリイソプレンなどの高分子を硫黄などで共有結合による架橋を形成させる工程を含む。また、補強材、架橋反応形成のための促進剤、加工性を改善する可塑剤など、多くの配合剤を添加することで製品の機能・性能を実現させるため、ゴム材料中には共有結合・反応中間体を含む複雑な相互作用が存在する。上記材料中の複雑な相互作用により、ゴムはマテリアルリサイクル、ケミカルリサイクルを含む再利用が困難である。タイヤを含むゴム材料の多くは、回収後はサーマルリサイクルとして焼却されているのが実情である。一部物理化学的に分子をせん断することでリサイクル材も市場に存在するが、上記バージン材と比較して機能・性能が劣るため、使用できる製品や配合量が限定される。
【0003】
一方、ゴム分解能を有する微生物(ゴム分解菌)の存在が報告されている。例えば、特許文献1には、Nocardia Takedensisに帰属する放線菌BS-GS2株を、培地の炭素源として加硫ゴムを添加して前培養することで、その後の培養において天然ゴム分解能を確認できたことが記載されている。非特許文献1には、天然ゴム廃水処理システム中に蓄積したゴム塊表面には天然ゴム分解菌が蓄積することから、これらのゴム塊が天然ゴム分解細菌の植種源として使用可能であることが記載されている。特許文献2には、Nocardia属の放線菌BS-HA1株の培養液を遠心分離して得られる上澄み液を、ポリイソプレンゴム(IR)のクロロホルム溶液(未加硫ポリイソプレン)に添加し培養すると、ゴムの分子量が培養後に低下したことが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2009-247241号公報
特開2009-13284号公報
【非特許文献】
【0005】
谷川ほか(2022)環境バイオテクノロジー学会2022年度大会、O-01
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1~2に記載の技術は、単一微生物種の培養による技術であり、主に食品や医薬品の製造に用いられてはいるものの、コストへの課題から廃棄物の分解処理では実用化が困難である。また、単一微生物種を用いた技術は、コンタミを避けながら正常な培養を行うことが求められるため、制御のための操作が煩雑である。
【0007】
一般に、廃棄物の処理として産業レベルで用いられる微生物技術としては、活性汚泥など環境中で増殖する複合微生物系が用いられている。非特許文献1に記載の技術は複合微生物系ではあるものの、本報告で確認されたのは、未加硫のポリイソプレン分解能であり、加硫ゴムに関しては何ら言及がない。
従って、本発明の目的は、加硫ゴムの分解を安価に実現することのできる、複合微生物系の分解方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、以下の〔1〕~〔10〕を提供する。
〔1〕未加硫ゴム分解菌を含む複合微生物群を含有する、懸濁液、分散液又は溶液を、未加硫ゴムに接触させて順化し、順化複合微生物群を含む処理液を得る順化工程、及び、順化複合微生物群を含む処理液を加硫ゴムに接触させ加硫ゴムを分解する加硫ゴム分解工程、を含む、加硫ゴムの分解方法。
〔2〕懸濁液、分散液、又は溶液は、天然ゴムラテックスをさらに含む、〔1〕に記載の方法。
〔3〕懸濁液、分散液、又は溶液は、酸及び/又はアンモニアをさらに含む、〔2〕に記載の方法。
〔4〕懸濁液、分散液、又は溶液は、天然ゴム廃水である、〔1〕~〔3〕のいずれか1項に記載の方法。
〔5〕未加硫ゴム分解菌は、ノカルディア属、ストレプトマイセス属、ゴルドニア属、ロドコッカス属、又はキサントモナス属に属する未加硫ゴム分解菌である、〔1〕~〔4〕のいずれか1項に記載の方法。
〔6〕複合微生物群は、マイクロバクテリウム属細菌をさらに含む、〔1〕~〔5〕のいずれか1項に記載の方法。
〔7〕未加硫ゴムは、天然ゴム廃水中のゴム凝集塊である、〔1〕~〔6〕のいずれか1項に記載の方法。
〔8〕加硫ゴム分解工程開始時において、複合微生物群は、スピロソーマ属、ペドバクター属、パウシバクター属、エリザベトキンギア属、ブラディリゾビウム属、フラビソリバクター属、及びプロステコバクター属細菌から選ばれる1種以上の菌をさらに含む、〔1〕~〔7〕のいずれか1項に記載の方法。
〔9〕加硫ゴム分解工程は、50日以上の期間実施する、〔1〕~〔8〕のいずれか1項に記載の方法。
〔10〕未加硫ゴム分解菌を含む複合微生物群を含有する、懸濁液、分散液又は溶液を、未加硫ゴムに接触させて順化することを含む、加硫ゴム分解能を有する複合微生物群の生産方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、特定環境中で順化された微生物叢を用いることによって、単一微生物種ではなく、複合微生物群による硬質ゴムの分解方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1は、実施例で用いたゴム廃水処理システムの模式図である。
図2は、実施例および比較例における溶解性CODの経時変化を示すグラフである。図2中、白丸、黒ひし形、黒四角、白四角は、それぞれ実施例1、比較例1、2、3の結果を示す。
図3は、実施例1における培養60日目の加硫ゴムシートの断面のSEM観察による写真図である。
図4は、比較例1における培養60日目の加硫ゴムシートの断面のSEM観察による写真図である。
図5は、実施例1における培養132日目の加硫ゴムシートの断面のSEM観察による写真図である。
図6は、比較例1における培養132日目の加硫ゴムシートの断面のSEM観察による写真図である。
図7は、実施例1、比較例2の細菌叢解析結果及びその経時変化を示すグラフである。図7中、Day0,60,168は、それぞれ、実施例1における培養開始時、60日目、168日目の結果である。また、Day60(C)は、比較例1における培養60日目の結果である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
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