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公開番号2025018027
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-02-06
出願番号2023121411
出願日2023-07-26
発明の名称難燃性コーティング組成物、耐火断熱層、および耐火断熱シート
出願人住友理工株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類C09D 133/00 20060101AFI20250130BHJP(染料;ペイント;つや出し剤;天然樹脂;接着剤;他に分類されない組成物;他に分類されない材料の応用)
要約【課題】 耐寒性および耐膨潤性に優れ、加熱時に難燃性および断熱性を発揮する塗膜を形成することができる難燃性コーティング組成物を提供する。耐寒性および耐膨潤性に優れ、加熱時に難燃性および断熱性を発揮する耐火断熱層および耐火断熱シートを提供する。
【解決手段】 難燃性コーティング組成物は、アクリル樹脂エマルションと、ウレタン樹脂エマルションと、イントメッセント系難燃剤と、分散剤と、を有する。該アクリル樹脂エマルションを構成するアクリル樹脂のガラス転移点は-40℃以下であり、該ウレタン樹脂エマルションを構成するウレタン樹脂はカーボネート結合およびエーテル結合の少なくとも一方を有し、該アクリル樹脂エマルションの固形分質量と、該ウレタン樹脂エマルションの固形分質量と、の比率は、2:1~1:2である。耐火断熱層は、難燃性コーティング組成物から形成される。耐火断熱シートは、耐火断熱層を備える。
【選択図】 なし
特許請求の範囲【請求項1】
アクリル樹脂エマルションと、ウレタン樹脂エマルションと、イントメッセント系難燃剤と、分散剤と、を有し、
該アクリル樹脂エマルションを構成するアクリル樹脂のガラス転移点は-40℃以下であり、
該ウレタン樹脂エマルションを構成するウレタン樹脂はカーボネート結合およびエーテル結合の少なくとも一方を有し、
該アクリル樹脂エマルションの固形分質量と、該ウレタン樹脂エマルションの固形分質量と、の比率は、2:1~1:2であることを特徴とする難燃性コーティング組成物。
続きを表示(約 490 文字)【請求項2】
前記ウレタン樹脂エマルションを構成する前記ウレタン樹脂の吸水率は、20%以下である請求項1に記載の難燃性コーティング組成物。
【請求項3】
前記イントメッセント系難燃剤は、ポリリン酸アンモニウムおよびポリリン酸メラミンの少なくとも一方を有する請求項1に記載の難燃性コーティング組成物。
【請求項4】
前記分散剤は、カルボン酸塩、硫酸エステル塩、スルホン酸塩、およびリン酸エステル塩から選ばれる一種以上を有する請求項1に記載の難燃性コーティング組成物。
【請求項5】
さらに、多価アルコールを有する請求項1に記載の難燃性コーティング組成物。
【請求項6】
さらに、無機系補強材を有する請求項1に記載の難燃性コーティング組成物。
【請求項7】
さらに、発泡剤を有する請求項1に記載の難燃性コーティング組成物。
【請求項8】
請求項1に記載の難燃性コーティング組成物から形成される耐火断熱層。
【請求項9】
請求項8に記載の耐火断熱層を備える耐火断熱シート。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、イントメッセント系難燃剤を有する難燃性コーティング組成物、耐火断熱層、および耐火断熱シートに関する。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
建築分野においては、鉄骨、壁材などの建材に発泡性耐火塗料を塗布するなどして、火災時の火炎や熱から建築物を保護している。発泡性耐火塗料の塗膜は、加熱されると発泡し、それにより膨張した不燃性の炭化層が形成されることにより、耐火断熱性能を発現する。この種の塗料としては、省資源、環境負荷低減の観点から、溶剤ではなく水を使用した水系塗料が望まれる。例えば、特許文献1には、合成樹脂エマルション(A)、リン化合物(B)、多価アルコール(C)、およびポリオキシアルキレン鎖を有するアニオン性分散剤(D)を必須成分とする水系の発泡性耐火塗料が記載されている。また、車両のシートやフロアマットなどの内装材に難燃性を付与するためのコーティング剤についても、樹脂エマルションを使用した水系組成物が開発されている。例えば、特許文献2には、合成樹脂エマルションと、リンおよび窒素を含有するノンハロゲン系難燃剤粒子表面を疎水性無機酸化物微粒子で被覆したノンハロゲン系難燃剤と、を有するコーティング組成物が記載されている。特許文献3には、樹脂エマルション(a)、ポリリン酸アンモニウム(b)、吸水性多孔質材(c)、および低分子量分散剤(d)を含有する難燃性樹脂組成物が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2008-19394号公報
特開2007-186686号公報
特開2017-105928号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
発泡性耐火塗料などのコーティング剤は、適用する対象物の最表層に配置されることが多いため、水、油、酸、アルカリ、光、温度などの様々な環境要因に晒される。よって、塗膜には、使用環境に応じた耐久性が要求される。例えば、水系のコーティング剤は、水との親和性が高い。このため、水分が存在する環境に晒されると、塗膜が水分を吸収して膨潤しやすい。塗膜が膨潤すると、剥がれや、外観不良が生じるおそれがある。塗膜が剥がれると、そこから水分が浸入して、対象物の劣化が進行するおそれがある。また、寒冷地などでの使用を考慮すると、低温下においても塗膜の柔軟性が維持されることが望ましい。
【0005】
上記特許文献1~3において、樹脂エマルションとしてアクリル樹脂エマルションが記載されているように、コーティング剤のバインダー成分としては、アクリル樹脂が知られている。アクリル樹脂は、耐加水分解性、耐薬品性などに優れるが、比較的吸水率が高い。このため、アクリル樹脂をバインダー成分とする塗膜においては、特に水分の吸収による膨潤が問題になる。
【0006】
本開示は、このような実情に鑑みてなされたものであり、耐寒性および耐膨潤性に優れ、加熱時に難燃性および断熱性を発揮する塗膜を形成することができる難燃性コーティング組成物を提供することを課題とする。また、耐寒性および耐膨潤性に優れ、加熱時に難燃性および断熱性を発揮する耐火断熱層、およびそれを備える耐火断熱シートを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)上記課題を解決するため、本開示の難燃性コーティング組成物は、アクリル樹脂エマルションと、ウレタン樹脂エマルションと、イントメッセント系難燃剤と、分散剤と、を有し、該アクリル樹脂エマルションを構成するアクリル樹脂のガラス転移点は-40℃以下であり、該ウレタン樹脂エマルションを構成するウレタン樹脂はカーボネート結合およびエーテル結合の少なくとも一方を有し、該アクリル樹脂エマルションの固形分質量と、該ウレタン樹脂エマルションの固形分質量と、の比率は、2:1~1:2であることを特徴とする。
【0008】
本開示の難燃性コーティング組成物においては、バインダー成分として、アクリル樹脂エマルションおよびウレタン樹脂エマルションの両方を使用する。ウレタン樹脂は、アクリル樹脂と比較して、吸水率が低い。よって、ウレタン樹脂を加えることにより、塗膜が、水分が存在する環境に晒されても、膨潤しにくくなる。結果、塗膜の剥がれや、外観不良が生じにくくなる。また、アクリル樹脂のガラス転移点は、-40℃以下である。これにより、塗膜を柔軟にすることができ、低温下においても柔軟性を維持することができる。よって、建材、タンクなどの曲面にも適用しやすく、寒冷地などにおいても良好な状態を維持することができる。さらに、アクリル樹脂は、耐加水分解性、耐薬品性などに優れるため、塗膜の耐久性は高い。また、使用するウレタン樹脂は、カーボネート結合およびエーテル結合の少なくとも一方を有する。カーボネート結合、エーテル結合は、エステル結合と比較して加水分解しにくい。よって、ウレタン樹脂を含んでいても、塗膜の耐久性を低下させにくい。
【0009】
本開示の難燃性コーティング組成物においては、アクリル樹脂エマルションの固形分質量と、ウレタン樹脂エマルションの固形分質量と、の比率を、2:1~1:2とする。すなわち、塗膜におけるアクリル樹脂とウレタン樹脂との質量比率を、2:1~1:2とする。アクリル樹脂とウレタン樹脂との質量比率を当該範囲にすることにより、アクリル樹脂を用いる利点と、ウレタン樹脂を用いる利点と、を最大限に生かすことができる。本明細書において、比率などの数値の範囲を示す「~」は、前後に記載された数値を含む。このように、本開示の難燃性コーティング組成物によると、アクリル樹脂の利点を生かしつつ、塗膜の吸水率を低下させて、膨潤を抑制することができる。結果、塗膜の剥がれや外観不良を抑制することができる。また、塗膜側からの水分の浸入を抑制し、適用する対象物の劣化を抑制することができる。
【0010】
本開示の難燃性コーティング組成物は、イントメッセント系難燃剤を有する。イントメッセント系難燃剤は、加熱されると分解してガスを発生する。このガスが、バインダー樹脂などの有機化合物が燃焼により炭化した炭化層を膨張させて、膨張不燃層を形成する。これにより、優れた難燃効果と断熱効果とが発揮される。以上より、本開示の難燃性コーティング組成物によると、耐寒性および耐膨潤性に優れ、加熱時に難燃性および断熱性を発揮する塗膜を形成することができる。
(【0011】以降は省略されています)

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