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公開番号2025025262
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-02-21
出願番号2023129881
出願日2023-08-09
発明の名称ウレタン発泡成形体およびそれを用いた放熱構造体
出願人住友理工株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類H01L 23/373 20060101AFI20250214BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】 柔軟で熱伝導性に優れ、熱伝導材として使用することができるウレタン発泡成形体、およびそれを用いた放熱構造体を提供する。
【解決手段】 ウレタン発泡成形体は、ポリウレタンフォームからなる基材と、該基材に含有され、熱伝導性粒子と、該熱伝導性粒子の表面にバインダーにより接着された磁性粒子と、を有する複合粒子と、を有する。ウレタン発泡成形体において、該複合粒子は熱伝導方向に配向している。ウレタン発泡成形体は、熱伝導方向に圧縮率5%以上65%以下で圧縮された圧縮部を有する。発熱体の熱を放熱させる放熱構造体は、放熱体と、該ウレタン発泡成形体と、を備え、該ウレタン発泡成形体の圧縮部が、該発熱体と該放熱体との間に配置される。
【選択図】 図1
特許請求の範囲【請求項1】
ポリウレタンフォームからなる基材と、
該基材に含有され、熱伝導性粒子と、該熱伝導性粒子の表面にバインダーにより接着された磁性粒子と、を有する複合粒子と、
を有し、該複合粒子は熱伝導方向に配向しているウレタン発泡成形体であって、
該熱伝導方向に圧縮率5%以上65%以下で圧縮された圧縮部を有することを特徴とするウレタン発泡成形体。
続きを表示(約 590 文字)【請求項2】
前記複合粒子の含有量は、ウレタン発泡成形体の体積を100体積%とした場合の5体積%以上50体積%以下である請求項1に記載のウレタン発泡成形体。
【請求項3】
前記圧縮部以外の部分の空孔率は、ウレタン発泡成形体の体積を100体積%とした場合の4体積%以上40体積%以下である請求項1に記載のウレタン発泡成形体。
【請求項4】
前記熱伝導性粒子は薄片状または繊維状を呈し、前記圧縮部における該複合粒子の配向度は0.2以上である請求項1に記載のウレタン発泡成形体。
【請求項5】
前記熱伝導性粒子は、膨張黒鉛粒子を有する請求項1に記載のウレタン発泡成形体。
【請求項6】
さらに、前記基材中に分散している絶縁性無機粒子を有する請求項1に記載のウレタン発泡成形体。
【請求項7】
前記圧縮部は、発熱体と放熱体との間に配置される請求項1に記載のウレタン発泡成形体。
【請求項8】
全体が前記圧縮部からなる請求項1に記載のウレタン発泡成形体。
【請求項9】
発熱体の熱を放熱させる放熱構造体であって、
放熱体と、請求項1に記載のウレタン発泡成形体と、を備え、
該ウレタン発泡成形体の前記圧縮部が、該発熱体と該放熱体との間に配置される放熱構造体。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、熱伝導材として用いられるウレタン発泡成形体、およびそれを用いた放熱構造体に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
電気自動車に搭載されるバッテリーパック、電子機器などにおいては、使用中に発生する熱を外部に放熱するために、ヒートシンクや冷却プレートなどの放熱体が用いられる。発熱体と放熱体の間には、サーマルインターフェースマテリアル(TIM)と呼ばれる熱伝導性材料が配置され、発熱体と放熱体との間の熱抵抗を低減して放熱性を高めている。例えば、特許文献1、2に記載されているように、熱伝導性材料としては、グリース、ゲル、相変化材料(PCM)、シート状の成形体など、適用対象に応じて種々の材料が開発されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2020-88108号公報
特開2022-121447号公報
国際公開第2013/042611号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
熱伝導性材料のうち、熱伝導性グリースを用いる場合には、液だれの他、塗布された部材の変形によりグリースが部材間から外へ押し出されるポンプアウトが問題になる。ポンプアウトにより、グリースと部材との間にボイドが発生すると、両者の密着性が低下して熱抵抗が大きくなる。液だれやポンプアウトを回避する材料として、熱伝導性シートなどの固体状の材料が挙げられる。上記特許文献2には、シリコーンマトリックスと炭化水素系化合物の混合物であるバインダー成分に、熱伝導性充填材が分散されてなる熱伝導性シートが記載されている。バッテリーパックに収容されるバッテリーセルは、充放電に伴い膨張、収縮を繰り返す。電子機器における電子部品にも、発熱、冷却を繰り返すことで反りなどの変形が生じる場合がある。したがって、固体状の熱伝導性材料においては、発熱体などの変形に追従できるような柔軟性が要求される。しかしながら、特許文献2に記載されている熱伝導性シートのように、ソリッドの高分子マトリックス(基材)に熱伝導性充填材を配合した材料は、柔軟性に乏しい。また、熱伝導率を大きくするためには、熱伝導性充填材の含有量は多い方がよいが、含有量を多くすると柔軟性が損なわれ、質量が増加してしまう。
【0005】
柔軟な材料としては、ポリウレタンフォームなどの発泡体が知られている。しかしながら、発泡体は、内部に多数の気泡を有しており熱伝導率が小さい。この点、特許文献3には、ポリウレタンフォーム中に、熱伝導性粒子と磁性粒子とが複合化した複合粒子を配向させて配置して、その配向方向に熱の伝導経路を形成することにより放熱性を向上させたウレタン発泡成形体が記載されている。しかしながら、当該ウレタン発泡成形体は、吸音材として開発されたものであるため、放熱を主目的とした熱伝導材としては熱伝導率が十分とはいえず、そのままでは適用することが難しい。この場合、複合粒子の含有量を多くすれば、熱伝導率を大きくすることができるかもしれないが、含有量を多くすると、柔軟性が低下して、質量が増加してしまう。また、ポリウレタンフォームの発泡硬化反応に影響したり、成形性を阻害したりするおそれもある。
【0006】
本開示は、このような実情に鑑みてなされたものであり、柔軟で熱伝導性に優れ、熱伝導材として使用することができるウレタン発泡成形体、およびそれを用いた放熱構造体を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)上記課題を解決するため、本開示のウレタン発泡成形体は、ポリウレタンフォームからなる基材と、該基材に含有され、熱伝導性粒子と、該熱伝導性粒子の表面にバインダーにより接着された磁性粒子と、を有する複合粒子と、を有し、該複合粒子は熱伝導方向に配向しているウレタン発泡成形体であって、該熱伝導方向に圧縮率5%以上65%以下で圧縮された圧縮部を有することを特徴とする。
【0008】
本開示のウレタン発泡成形体は、熱伝導方向に5%以上65%以下という特定の圧縮率で圧縮された圧縮部を有する。ウレタン発泡成形体が圧縮されると、気泡が潰れる。これにより、熱伝導率を大きくすることができる。ウレタン発泡成形体の圧縮方向は、熱伝導方向であり、これは複合粒子の配向方向でもある。すなわち、複合粒子が配向して線状に連なることにより、基材中に熱の伝導経路が形成される。よって、ウレタン発泡成形体が熱伝導方向に圧縮されると、複合粒子の配向状態を維持したまま、複合粒子同士が接近し、複合粒子同士が接触しやすくなる。これにより、熱伝導率を大きくすることができる。このように、本開示のウレタン発泡成形体によると、複合粒子の含有量を増加させなくても、気泡および複合粒子による作用により、圧縮部において大きな熱伝導率を実現することができる。複合粒子の含有量が増加しないため、柔軟性の低下や質量の増加を回避することができる。また、ポリウレタンフォームの発泡硬化反応や成形性に対する影響もない。
【0009】
本開示のウレタン発泡成形体の基材は、気泡を有する発泡体である。このため、基材がソリッドの高分子材料である従来の成形体と比較して、柔軟で軽量である。また、気泡によるクッション性を有するため、適用する部材が変形してもポンプアウトしにくい。このように、本開示のウレタン発泡成形体は、柔軟で比較的軽量であり、圧縮部における高い熱伝導性を利用して、熱伝導材として使用することができる。
【0010】
(2)上記構成において、前記複合粒子の含有量は、ウレタン発泡成形体の体積を100体積%とした場合の5体積%以上50体積%以下である構成としてもよい。本構成によると、ウレタン発泡成形体の軽量化を実現することができる。また、発泡硬化反応、成形性への影響を少なくしつつ、複合粒子による熱伝導性向上の効果を得ることができる。
(【0011】以降は省略されています)

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