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公開番号2025052862
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-07
出願番号2023161827
出願日2023-09-26
発明の名称積層ホースのゴム層用ゴム組成物、積層ホース、及び自動車用積層ホース
出願人住友理工株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類F16L 11/08 20060101AFI20250331BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】層間接着性に優れ、シール性に優れている積層ホースを提供する。
【解決手段】下記(A)~(D)成分を含有する、内側ゴム層1及び/又は外側ゴム層3用のゴム組成物。
(A)エチレン-プロピレン-ジエン三元共重合体。
(B)芳香族系モノマー由来の構成単位を含む粘着付与剤。
(C)ビスマレイミド化合物。
(D)加硫剤。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
下記(A)~(D)成分を含有する、積層ホースのゴム層用ゴム組成物。
(A)エチレン-プロピレン-ジエン三元共重合体。
(B)芳香族系モノマー由来の構成単位を含む粘着付与剤。
(C)ビスマレイミド化合物。
(D)加硫剤。
続きを表示(約 700 文字)【請求項2】
上記(B)成分が、芳香族系モノマー由来の構成単位を20質量%以上含む粘着付与剤である、請求項1記載のゴム層用ゴム組成物。
【請求項3】
上記(B)成分及び(C)成分の合計含有量(B+C)が、(A)成分100質量部に対して2.5~20質量部である、請求項1又は2記載のゴム層用ゴム組成物。
【請求項4】
上記(C)成分に対する(B)成分の質量比(B/C)が、0.25~1.5である、請求項1又は2記載のゴム層用ゴム組成物。
【請求項5】
上記(C)成分が、芳香族系ビスマレイミド化合物である、請求項1又は2記載のゴム層用ゴム組成物。
【請求項6】
上記(B)成分が、更に、脂肪族系モノマー由来の構成単位を含む粘着付与剤である、請求項1又は2記載のゴム層用ゴム組成物。
【請求項7】
上記積層ホースが、ゴム層と、樹脂層とを積層してなる積層構造を含む積層ホースである、請求項1又は2記載のゴム層用ゴム組成物。
【請求項8】
上記樹脂層が、ポリアミド糸、ポリエチレンテレフタレート糸、及びポリビニルアルコール糸からなる群より選ばれる少なくとも一つを含む補強糸からなる補強糸層である、請求項7記載のゴム層用ゴム組成物。
【請求項9】
請求項1又は2記載のゴム層用ゴム組成物の加硫物からなるゴム層と、樹脂層とを積層してなる積層構造を含む、積層ホース。
【請求項10】
上記樹脂層が、補強糸層である、請求項9記載の積層ホース。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴム層を有する積層構造を含む積層ホースに関するものであり、具体的には、自動車等におけるエンジンとラジエーターとの接続に用いられるラジエーターホース、エンジンとヒーターコアとの接続に用いられるヒーターホース等のエンジン冷却系ホース、クーラー用冷媒輸送ホース、メタノール燃料ホース、水素燃料ホース等の燃料電池車用ホース、ガソリン燃料ホース等の自動車用積層ホース等であって、ゴム層と補強層等の樹脂層とを積層してなる積層構造を含む積層ホースに関するものである。
続きを表示(約 3,100 文字)【背景技術】
【0002】
従来、自動車等の車両に用いられる積層ホース、例えば、エンジンとラジエーターとの接続に用いられるラジエーターホースや、エンジンとヒーターコアとの接続に用いられるヒーターホース等のエンジン冷却系ホースとしては、内側ゴム層の外周面に補強糸層等が形成され、更にその外周面に外側ゴム層が形成されてなる3層構造(内側ゴム層/補強糸層/外側ゴム層)のホースが用いられている。
このような構造のホースは、例えば、内側ゴム層用材料を押出成形して内側ゴム層を形成し、内側ゴム層の外周面に接着剤を塗布した後、その外周面にナイロン糸(ポリアミド糸)やアラミド糸等の補強糸を編み組みして補強糸層を形成し、補強糸層の外周面に外側ゴム層用材料を押出成形して外側ゴム層を形成し、これらを架橋することにより製造されるか(例えば、特許文献1等参照)、又は、例えば、内側ゴム層用材料を押出成形して内側ゴム層を形成し、内側ゴム層の外周面にナイロン糸(ポリアミド糸)やアラミド糸等の補強糸を編み組みして補強糸層を形成した後、その補強糸層の外周面に接着剤を塗布し、外側ゴム層用材料を押出成形して外側ゴム層を形成し、これらを架橋することにより製造されている。また、補強糸としては、接着剤にてディップ処理したディップ糸が用いられる場合もある。
【0003】
しかしながら、本発明者らの検討によれば、上述のような接着剤の塗布処理やディップ処理を行うと、塗布ムラや含浸ムラに起因して、積層ホースにおける良好な層間接着性を均一に確保することが困難であり、例えば、自動車用ホース等に要求される高度なシール性を確保できないという問題がある。
また、接着剤は、通常、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン等の危険物第4類に属する溶媒に接着成分が溶解されたものであるため、製造工程において揮発性有機化合物(VOC)が発生し、地球環境の悪化につながるといった問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
国際公開第2012/133385号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであり、接着剤を用いなくとも、層間接着性に優れており、シール性に優れている積層ホースの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究を重ねた。その研究の過程で、積層ホースのゴム層を構成するゴム組成物として、(A)エチレン-プロピレン-ジエン三元共重合体、(B)芳香族系モノマー由来の構成単位を含む粘着付与剤、(C)ビスマレイミド化合物、及び(D)加硫剤を含有するゴム組成物とすれば、ゴム層と被接着層との層間接着性が良好になり、その結果、シール性に優れた積層ホースを提供し得ることを見い出した。
【0007】
すなわち、本発明者らは、層間接着性に優れる積層ホースの研究の過程において、各種の粘着付与剤を配合することを検討したが、ゴム層用ゴム組成物中に各種の粘着付与剤を配合しただけでは、層間接着性を十分に高めることは困難であった。本発明者らは、粘着付与剤の検討と共に、ゴム成分と他の配合成分の親和性、及び各配合成分の相互作用等に着目して更なる研究を鋭意重ねた結果、各種ゴムの中でもエチレン-プロピレン-ジエン三元共重合体を用いると共に、各種配合剤の中でも特定の粘着付与剤とビスマレイミド化合物とを併用することによって、積層ホースにおける層間接着性が高まることを見出し、本発明に到達した。
【0008】
すなわち、本発明は、以下の[1]~[12]を、その要旨とする。
[1]
下記(A)~(D)成分を含有する、積層ホースのゴム層用ゴム組成物。
(A)エチレン-プロピレン-ジエン三元共重合体。
(B)芳香族系モノマー由来の構成単位を含む粘着付与剤。
(C)ビスマレイミド化合物。
(D)加硫剤。
[2]
上記(B)成分が、芳香族系モノマー由来の構成単位を20質量%以上含む粘着付与剤である、[1]記載のゴム層用ゴム組成物。
[3]
上記(B)成分及び(C)成分の合計含有量(B+C)が、(A)成分100質量部に対して2.5~20質量部である、[1]又は[2]記載のゴム層用ゴム組成物。
[4]
上記(C)成分に対する(B)成分の質量比(B/C)が、0.25~1.5である、[1]~[3]のいずれかに記載のゴム層用ゴム組成物。
[5]
上記(C)成分が、芳香族系ビスマレイミド化合物である、[1]~[4]のいずれかに記載のゴム層用ゴム組成物。
[6]
上記(B)成分が、更に、脂肪族系モノマー由来の構成単位を含む粘着付与剤である、[1]~[5]のいずれかに記載のゴム層用ゴム組成物。
[7]
上記積層ホースが、ゴム層と、樹脂層とを積層してなる積層構造を含む積層ホースである、[1]~[6]のいずれかに記載のゴム層用ゴム組成物。
[8]
上記樹脂層が、ポリアミド糸、ポリエチレンテレフタレート糸、及びポリビニルアルコール糸からなる群より選ばれる少なくとも一つを含む補強糸からなる補強糸層である、[7]記載のゴム層用ゴム組成物。
[9]
[1]~[6]のいずれかに記載のゴム層用ゴム組成物の加硫物からなるゴム層と、樹脂層とを積層してなる積層構造を含む、積層ホース。
[10]
上記樹脂層が、補強糸層である、[9]記載の積層ホース。
[11]
[1]~[6]のいずれかに記載のゴム層用ゴム組成物の加硫物からなる第1ゴム層と、補強糸層と、(A)成分及び(D)成分を含有するゴム層用ゴム組成物の加硫物からなる第2ゴム層とをこの順で積層してなる積層構造を含む、自動車用の積層ホース。
すなわち、下記(A)~(D)成分を含有するゴム層用ゴム組成物の加硫物からなる第1ゴム層と、下記(A)成分及び(D)成分を含有するゴム層用ゴム組成物の加硫物からなる第2ゴム層とをこの順で積層してなる積層構造を含む、自動車用の積層ホースである。
(A)エチレン-プロピレン-ジエン三元共重合体。
(B)芳香族系モノマー由来の構成単位を含む粘着付与剤。
(C)ビスマレイミド化合物。
(D)加硫剤。
[12]
上記第2ゴム層が、更に(B)成分及び/又は(C)成分を含有するゴム層用ゴム組成物の加硫物からなるゴム層である、[11]記載の自動車用の積層ホース。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、特に接着剤を用いなくとも、層間接着性に優れており、シール性に優れる積層ホースを提供することができる。
【0010】
また、本発明の一実施形態によれば、揮発性有機化合物(VOC)を削減することができ、地球環境の保全に貢献することができる。更に、本発明の一実施形態によれば、多層ホースの製造工程における接着剤塗布工程等の削減が可能となるため、製造コスト的に非常に有利である。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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