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公開番号2025054982
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-08
出願番号2023164248
出願日2023-09-27
発明の名称接触検知装置
出願人住友理工株式会社
代理人個人,個人
主分類H03K 17/955 20060101AFI20250401BHJP(基本電子回路)
要約【課題】温度変化によって静電容量型センサの出力値が大きく変動することがあっても、レンジオーバーさせることなく静電容量の計測を可能とする。
【解決手段】接触検知装置1は、静電容量型センサ2と位相成分算出部10と接触検知部とを含む。接触検知部は、温度検出部5と、中温領域での接触検知に用いる基準レンジと、高温領域に対応して基準レンジを変更させる第1オフセット値と、低温領域に対応して基準レンジを変更させる第2オフセット値とを記憶する記憶部11と、温度検出部5により検出される環境温度に基づいて温度領域を推定し、高温領域又は低温領域であると推定した場合に基準レンジを第1又は第2オフセット値の分だけ変更するレンジ変更部12と、直交位相成分の所定の基準値からの変化量と所定の閾値とに基づいて手の接触の有無を判定する接触判定部13とを備える。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
導体の接触を検知する静電容量型センサと、
前記静電容量型センサの出力値に基づいて位相成分を算出する位相成分算出部と、
前記位相成分に基づいて導体の接触を検知する接触検知部と、を含み、
前記接触検知部は、
環境温度を検出する温度検出部と、
前記位相成分の上下限範囲を規定するレンジであって、所定の基準環境温度領域である第1温度領域での接触検知に用いる基準レンジと、前記第1温度領域と異なる所定の第2温度領域に対応して前記基準レンジを変更させるための変更量である第1オフセット値と、を記憶する記憶部と、
前記温度検出部により検出される環境温度に基づいて温度領域を推定し、前記温度領域が前記第2温度領域であると推定した場合に、前記基準レンジを前記第1オフセット値の分だけ変更するレンジ変更部と、を備える接触検知装置。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記温度検出部は、前記第1温度領域に対応して設けられた第1コンデンサと、前記第2温度領域に対応して設けられた第2コンデンサとの少なくとも何れか一方により構成され、
前記記憶部は、前記第1温度領域の温度と前記第1コンデンサの容量値との対応関係を予め規定する第1温度テーブルと、前記第2温度領域の温度と前記第2コンデンサの容量値との対応関係を予め規定する第2温度テーブルとの少なくとも一方を記憶しており、
前記レンジ変更部は、前記第1コンデンサの容量値及び前記第1温度テーブルと、前記第2コンデンサの容量値及び前記第2温度テーブルとの少なくとも一方に基づいて前記温度領域を推定する請求項1に記載の接触検知装置。
【請求項3】
前記温度検出部は、前記第1コンデンサと前記第2コンデンサとの両方により構成され、
前記記憶部は、前記第1温度テーブルと前記第2温度テーブルとの両方を記憶しており、
前記レンジ変更部は、前記第1コンデンサの容量値及び前記第1温度テーブルと、前記第2コンデンサの容量値及び前記第2温度テーブルとの両方に基づいて前記温度領域を推定する請求項2に記載の接触検知装置。
【請求項4】
前記温度検出部は、前記第1温度領域及び前記第2温度領域と異なる所定の第3温度領域に対応して設けられた第3コンデンサをさらに備え、
前記記憶部は、前記第3温度領域に対応して前記レンジを変更させるための変更量である第2オフセット値と、前記第3温度領域の温度と前記第3コンデンサの容量値との対応関係を予め規定する第3温度テーブルと、を記憶しており、
前記レンジ変更部は、少なくとも前記第3コンデンサの容量値及び前記第3温度テーブルに基づいて前記温度領域を推定し、前記温度領域が前記第3温度領域であると推定した場合に、前記基準レンジを前記第2オフセット値の分だけ変更する請求項3に記載の接触検知装置。
【請求項5】
前記レンジ変更部は、前記第1コンデンサの容量値及び前記第1温度テーブルと、前記第2コンデンサの容量値及び前記第2温度テーブルと、前記第3コンデンサの容量値及び前記第3温度テーブルと、に基づいて前記温度領域を推定する請求項4に記載の接触検知装置。
【請求項6】
前記位相成分は、直交位相成分である請求項1乃至5の何れかに記載の接触検知装置。
【請求項7】
前記接触検知部は、前記位相成分の所定の基準値からの変化量と所定の閾値とに基づいて前記導体の接触の有無を判定する接触判定部をさらに備える請求項1乃至5の何れかに記載の接触検知装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、静電容量型センサを用いて人を含む導体の接触を検知する接触検知装置に関する。
続きを表示(約 3,800 文字)【背景技術】
【0002】
車両等には、人の手指による接触を静電容量型センサで検知する接触検知装置を用いた機器が搭載されている。静電容量型センサは、手指の接触又は接近に伴って静電容量を変化させるもので、この静電容量の変化(出力)に基づいてECU(Electronic Control Unit)が接触の有無を判断し、機器の制御を行う。
しかし、静電容量型センサは、周辺温度による精度への影響が大きいため、検知精度を維持するためには温度変化を考慮した手当を行う必要がある。そこで、例えば特許文献1には、カーナビゲーション等の操作入力装置に静電容量式のタッチセンサを採用すると共に、車載機器の動作経過時間とタッチセンサの温度との関係を定めた補正テーブルを記憶し、現在の動作経過時間からタッチセンサの温度を推定してその推定温度に対する補正係数を取得し、当該補正係数に基づいてタッチセンサの感度を補正する車両用操作入力装置の発明が開示されている。
また、特許文献2には、ハンドルに、接触状態を検知する接触センサを設けて、接触センサの出力が所定の閾値以上の場合には接触状態と判定し、閾値より小さい場合には非接触状態と判定すると共に、温度検出部で周辺温度を検出し、検出した周辺温度に応じて閾値を変更するようにした接触判定処理装置の発明が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2012-48290号公報
特開2017-87883号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
静電容量型センサを用いた場合、所定の計測レンジ内での出力値の変化を監視して接触の有無を判定することになる。
しかし、環境温度の変化によって出力値が大きく変動すると、計測レンジをオーバーすることがある。この場合、感度や閾値を変更しても計測不能となったり誤検知したりするおそれがあった。
【0005】
そこで、本開示は、温度変化によって静電容量型センサの出力値が大きく変動することがあっても、レンジオーバーさせることなく静電容量の計測が可能となり、精度の高い接触検知が可能となる接触検知装置を提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本開示は、接触検知装置であって、
導体の接触を検知する静電容量型センサと、
静電容量型センサの出力値に基づいて位相成分を算出する位相成分算出部と、
位相成分に基づいて導体の接触を検知する接触検知部と、を含み、
接触検知部は、
環境温度を検出する温度検出部と、
位相成分の上下限範囲を規定するレンジであって、所定の基準環境温度領域である第1温度領域での接触検知に用いる基準レンジと、第1温度領域と異なる所定の第2温度領域に対応して基準レンジを変更させるための変更量である第1オフセット値と、を記憶する記憶部と、
温度検出部により検出される環境温度に基づいて温度領域を推定し、温度領域が第2温度領域であると推定した場合に、基準レンジを第1オフセット値の分だけ変更するレンジ変更部と、を備えることを特徴とする。
本開示の別の態様は、上記構成において、温度検出部は、第1温度領域に対応して設けられた第1コンデンサと、第2温度領域に対応して設けられた第2コンデンサとの少なくとも何れか一方により構成され、
記憶部は、第1温度領域の温度と第1コンデンサの容量値との対応関係を予め規定する第1温度テーブルと、第2温度領域の温度と第2コンデンサの容量値との対応関係を予め規定する第2温度テーブルとの少なくとも一方を記憶しており、
レンジ変更部は、第1コンデンサの容量値及び第1温度テーブルと、第2コンデンサの容量値及び第2温度テーブルとの少なくとも一方に基づいて温度領域を推定することを特徴とする。
本開示の別の態様は、上記構成において、温度検出部は、第1コンデンサと第2コンデンサとの両方により構成され、
記憶部は、第1温度テーブルと第2温度テーブルとの両方を記憶しており、
レンジ変更部は、第1コンデンサの容量値及び第1温度テーブルと、第2コンデンサの容量値及び第2温度テーブルとの両方に基づいて温度領域を推定することを特徴とする。
本開示の別の態様は、上記構成において、温度検出部は、第1温度領域及び第2温度領域と異なる所定の第3温度領域に対応して設けられた第3コンデンサをさらに備え、
記憶部は、第3温度領域に対応してレンジを変更させるための変更量である第2オフセット値と、第3温度領域の温度と第3コンデンサの容量値との対応関係を予め規定する第3温度テーブルと、を記憶しており、
レンジ変更部は、少なくとも第3コンデンサの容量値及び第3テーブルに基づいて温度領域を推定し、温度領域が第3温度領域であると推定した場合に、基準レンジを第2オフセット値の分だけ変更することを特徴とする。
本開示の別の態様は、上記構成において、レンジ変更部は、第1コンデンサの容量値及び第1温度テーブルと、第2コンデンサの容量値及び第2温度テーブルと、第3コンデンサの容量値及び第3温度テーブルと、に基づいて温度領域を推定することを特徴とする。
本開示の別の態様は、上記構成において、位相成分は、直交位相成分であることを特徴とする。
本開示の別の態様は、上記構成において、接触検知部は、位相成分の所定の基準値からの変化量と所定の閾値とに基づいて導体の接触の有無を判定する接触判定部をさらに備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、温度検出部により検出される環境温度に基づいて温度領域を推定し、温度領域が基準レンジで監視できる第1温度領域と異なる第2温度領域であると推定した場合に、レンジ変更部が基準レンジを第1オフセット値の分だけ変更するので、温度変化によって静電容量型センサの出力値が大きく変動することがあっても、レンジオーバーさせることなく静電容量の計測が可能となり、精度の高い接触検知が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
接触検知装置の機能ブロック図である。
コンデンサの温度特性を示すグラフである。
静電容量型センサの出力値と基準レンジとの関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、接触検知装置の一例を示す機能ブロック図である。ここでの接触検知装置1は、車両内のハンドルに対し、導体である人の手の接触(把持)を検知するために設けられて、運転支援機能の一部を担っている。
接触検知装置1は、静電容量型センサ2と、計測ECU3とを備えている。計測ECU3は、静電容量IC4と、温度検出部5と、位相成分算出部10と、記憶部11と、レンジ変更部12と、接触判定部13とを備えている。本実施形態では、温度検出部5と、記憶部11と、レンジ変更部12と、接触判定部13とが本開示の接触検知部を構成している。
静電容量型センサ2は、ハンドルに設けられ、交流電源(不図示)から所定の周波数の交流電源が印加され、人の手の接触(把持)に応じて静電容量を変化させる。
静電容量IC4は、静電容量型センサ2の静電容量に応じた出力値(電圧値又は電流値)を計測ECU3に出力する。
温度検出部5は、静電容量IC4に接続された3つのコンデンサC1~C3からなる。コンデンサC1~C3は、容量値を静電容量IC4に出力する。静電容量IC4は、容量値に応じた出力値(電圧値又は電流値)を出力する。
【0010】
但し、コンデンサC1~C3は、温度領域が互いに異なっている。図2は、温度t1~温度t3を含む温度領域において、コンデンサC1~C3の容量値から算出される、後述する直交位相成分をそれぞれ示している。
図2において、中央のコンデンサC1では、変化が計測可能な温度レンジが、温度t1~温度t3を含む中温領域となっている。コンデンサC1は、本開示の第1コンデンサの一例であり、中温領域は、本開示の第1温度領域の一例である。
右側のコンデンサC2では、変化が計測可能な温度レンジが、温度t2から温度t3を含んで温度t3よりも高い高温領域となっている。コンデンサC2は、本開示の第2コンデンサの一例であり、高温領域は、本開示の第2温度領域の一例である。
左側のコンデンサC3では、変化が計測可能な温度レンジが、温度t2から温度t1を含んで温度t1よりも低い低温領域となっている。コンデンサC3は、本開示の第3コンデンサの一例であり、低温領域は、本開示の第3温度領域の一例である。
(【0011】以降は省略されています)

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