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公開番号
2025087142
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-06-10
出願番号
2023201586
出願日
2023-11-29
発明の名称
水分解用光触媒固定部材およびその製造方法
出願人
住友理工株式会社
,
国立大学法人東海国立大学機構
代理人
個人
,
個人
,
個人
主分類
B01J
35/39 20240101AFI20250603BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約
【課題】 水の分解効率が高く、耐久性に優れる水分解用光触媒固定部材およびその製造方法を提供する。
【解決手段】 水分解用光触媒固定部材は、金属多孔質体と、該金属多孔質体に固定される複合めっき皮膜と、を備える。該複合めっき皮膜は、金属成分とめっき用光触媒粒子とを含むめっき液を用いためっき処理により形成され、該金属成分の金属を含む皮膜部と、該めっき処理において共析した該めっき用光触媒粒子を有する水分解用光触媒粒子と、を有する。水分解用光触媒固定部材の製造方法は、金属成分とめっき用光触媒粒子とを含むめっき液を調製するめっき液調製工程と、調製した該めっき液を用いて、金属多孔質体を電解めっき処理または無電解めっき処理することにより、該めっき用光触媒粒子を共析させるめっき処理工程と、を有する。
【選択図】 なし
特許請求の範囲
【請求項1】
金属多孔質体と、該金属多孔質体に固定される複合めっき皮膜と、を備え、
該複合めっき皮膜は、金属成分とめっき用光触媒粒子とを含むめっき液を用いためっき処理により形成され、該金属成分の金属を含む皮膜部と、該めっき処理において共析した該めっき用光触媒粒子を有する水分解用光触媒粒子と、を有することを特徴とする水分解用光触媒固定部材。
続きを表示(約 1,900 文字)
【請求項2】
前記水分解用光触媒粒子のうちの少なくとも一部の粒子は、前記皮膜部で被覆されない露出部を有する請求項1に記載の水分解用光触媒固定部材。
【請求項3】
前記水分解用光触媒粒子は、水素発生用光触媒粒子と酸素発生用光触媒粒子とを有し、 前記めっき液は、各々の粒子を構成する前記めっき用光触媒粒子を有する請求項1に記載の水分解用光触媒固定部材。
【請求項4】
前記水素発生用光触媒粒子を構成する前記めっき用光触媒粒子は、ロジウムドープチタン酸ストロンチウム(SrTiO
3
:Rh)、クロムおよびタンタルドープチタン酸ストロンチウム(SrTiO
3
:Cr,Ta)、クロムおよびタンタルドープアナターゼ型酸化チタン(TiO
2
:Cr,Ta)、ランタンおよびロジウムドープチタン酸ストロンチウム(SrTiO
3
:La,Rh)、カーボンナイトライド(C
3
N
4
)、ジルコニアを修飾した酸窒化タンタル(ZrO
2
/TaON)、MgTa
2
O
6-y
N
x
修飾した酸窒化タンタル(MgTa
2
O
6-y
N
x
/TaON)、窒化ガリウム(GaN)、BaZrO
3
―BaTaO
2
N固溶体、CuGaS
2
―ZnS固溶体、CuLi
1/3
Ti
2/3
O
2
、Sm
2
Ti
2
S
2
O
5
、Y
2
Ti
2
S
2
O
5
、CuGaS
2
、およびLaMg
1/3
Ta
2/3
O
2
Nから選ばれる一種類以上を有する請求項3に記載の水分解用光触媒固定部材。
【請求項5】
前記酸素発生用光触媒粒子を構成する前記めっき用光触媒粒子は、バナジウム酸ビスマス(BiVO
4
)、モリブデンドープバナジウム酸ビスマス(BiVO
4
:Mo)、ルチル型酸化チタン(TiO
2
)、窒素およびタンタルドープルチル型酸化チタン(TiO
2
:N,Ta)、三酸化タングステン(WO
3
)、ロジウムおよびアンチモンドープチタン酸ストロンチウム(SrTiO
3
:Rh,Sb)、酸窒化タンタル(TaON)、窒化タンタル(Ta
3
N
5
)、AgNbO
3
、Bi
2
MoO
6
、H
2
WO
4
、Bi
4
NbO
8
Cl、Bi
6
NbWO
14
Clから選ばれる一種類以上を有する請求項3に記載の水分解用光触媒固定部材。
【請求項6】
前記水分解用光触媒粒子は、前記めっき用光触媒粒子と、該めっき用光触媒粒子に担持される助触媒粒子と、を有する請求項1に記載の水分解用光触媒固定部材。
【請求項7】
前記複合めっき皮膜の厚さは、0.5μm以上2μm以下である請求項1に記載の水分解用光触媒固定部材。
【請求項8】
前記複合めっき皮膜の単位面積あたりの前記水分解用光触媒粒子の含有量は、10g/m
2
以上100g/m
2
以下である請求項1に記載の水分解用光触媒固定部材。
【請求項9】
前記めっき用光触媒粒子の平均粒子径は、0.5μm以上10μm以下である請求項1に記載の水分解用光触媒固定部材。
【請求項10】
請求項1に記載の水分解用光触媒固定部材の製造方法であって、
前記金属成分と前記めっき用光触媒粒子とを含む前記めっき液を調製するめっき液調製工程と、
調製した該めっき液を用いて、前記金属多孔質体を電解めっき処理または無電解めっき処理することにより、該めっき用光触媒粒子を共析させるめっき処理工程と、
を有することを特徴とする水分解用光触媒固定部材の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は、太陽光により水を分解することができる水分解用光触媒粒子が基材に固定された部材およびその製造方法に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)
【背景技術】
【0002】
地球温暖化の抑制、化石資源依存からの脱却の観点から、太陽光などの再生可能エネルギーを利用したエネルギーシステムの構築が不可欠である。水素は燃やしても二酸化炭素を放出しないため、クリーンな燃料として知られているが、製造時にも二酸化炭素を放出しない水素エネルギーシステムを実現するためには、再生可能エネルギーを利用した水素製造技術の実用化が求められる。
【0003】
太陽光を利用した水素製造技術として、光触媒を用いて水を分解することにより水素と酸素とを製造する方法がある。例えば、特許文献1には、水の供給装置を必要とせずに水素を発生させることが可能な部材として、吸水性ポリマーを含有する多孔質の基材に、水素発生用光触媒粒子と酸素発生用光触媒粒子とが担持された光触媒粒子付き基材が記載されている。特許文献2には、ナノファイバーに水分解用光触媒が固定化された水分解用光触媒固定化物が記載されている。特許文献3には、セラミクス質繊維に水分解用光触媒が保持された複合部材が記載されている。特許文献4、5には、基材と該基材に固定化された光触媒層とを有する光触媒材が記載されている。当該光触媒材における光触媒層は、水素発生用光触媒粒子、酸素発生用光触媒粒子、および導電性粒子を含み、導電性粒子は、水素発生用光触媒粒子と酸素発生用光触媒粒子との間に配置され、両者を接続している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
国際公開第2019/188199号
特開2023-106202号公報
特開2023-106689号公報
特開2017-124393号公報
特開2021-074706号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
光触媒を用いた水素製造技術における第一の課題は、水の分解効率が低いという点である。二種類以上の光触媒を用いた場合、水の分解効率を高めるためには、光触媒の粒子間で正孔や電子が移動できる導電パスの形成が重要になるが、特許文献1~3に記載されているように、セルロース繊維、セラミクス質繊維などに光触媒を担持させる方法では、導電パスの形成は十分ではない。また、特許文献4、5に記載の光触媒材においては、導電性粒子を用いて光触媒同士を接続させているが、光触媒の他に導電性粒子が必要でありコスト高になる。また、光触媒を平板状の基材に担持すると、水と光触媒との接触面積が小さいため、水の分解効率を高めにくい。第二の課題は、光触媒を基材に担持して水の分解を実施した場合、耐久性が低いという点である。すなわち、従来は基材への光触媒の固定化が十分ではないため、光触媒を担持させた部材に水を流したり、部材を水中に長時間浸漬したりすると、基材から光触媒粒子が脱落するおそれがあった。
【0006】
本開示は、このような実状に鑑みてなされたものであり、水の分解効率が高く、耐久性に優れる水分解用光触媒固定部材およびその製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)上記課題を解決するため、本開示の水分解用光触媒固定部材は、金属多孔質体と、該金属多孔質体に固定される複合めっき皮膜と、を備え、該複合めっき皮膜は、金属成分とめっき用光触媒粒子とを含むめっき液を用いためっき処理により形成され、該金属成分の金属を含む皮膜部と、該めっき処理において共析した該めっき用光触媒粒子を有する水分解用光触媒粒子と、を有することを特徴とする。
【0008】
本開示の水分解用光触媒固定部材においては、基材として金属多孔質体を用いる。金属多孔質体によると、水分解用光触媒粒子(以下、単に「光触媒粒子」と称する場合がある)をその表面だけでなく多数の孔にも固定することができるため、光触媒粒子の固定量が増加する。また、水の分解時に水が金属多孔質体の孔を通過することにより、光触媒粒子と水との接触面積も増加する。これにより、水の分解効率を高めることができる。また、金属多孔質体によると、めっき処理による皮膜形成が容易であり、金属多孔質体自身と、形成される複合めっき皮膜と、の両方において、光触媒粒子同士を接続する導電パスが十分に形成される。これにより、水の分解効率を高めることができる。
【0009】
めっき処理においては、金属とめっき用光触媒粒子とが共析される。形成される複合めっき皮膜においては、金属を含む皮膜部にめっき用光触媒粒子が取り込まれて固定化される。めっき用光触媒粒子は、そのまま水分解用光触媒粒子として用いてもよく、さらに助触媒などを担持させて水分解用光触媒粒子を構成してもよい。このように、めっきという固定化方法を採用することにより、水分解用光触媒粒子の脱落を抑制し、耐久性を向上させることができる。
【0010】
(2)上記構成において、前記水分解用光触媒粒子のうちの少なくとも一部の粒子は、前記皮膜部で被覆されない露出部を有する構成としてもよい。本構成によると、水分解用光触媒粒子に対して十分な光を照射することができ、水分解用光触媒粒子と水との接触面積も大きくなるため、水の分解効率を高めることができる。
(【0011】以降は省略されています)
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