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公開番号2025065014
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-17
出願番号2024167022
出願日2024-09-26
発明の名称結合交換型動的共有結合を有するシリコーンエラストマーおよびその製造方法
出願人住友理工株式会社
代理人個人,個人
主分類C08G 59/42 20060101AFI20250410BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】 架橋ゴムの特性と再成形性とを有するシリコーンエラストマー、およびその製造方法を提供する。
【解決手段】 結合交換型動的共有結合を有するシリコーンエラストマーは、(A)カルボキシル基変性シリコーンポリマー、(B1)エポキシ基を二つ以上有する化合物、および(C)エステル交換反応触媒を有するシリコーン組成物の架橋物からなる。当該シリコーンエラストマーの製造方法は、(A)、(B1)、(C)を合わせて撹拌してシリコーン組成物を調製するシリコーン組成物調製工程と、該シリコーン組成物を加熱して架橋反応を進行させる架橋工程と、を有する。
【選択図】 図2
特許請求の範囲【請求項1】
次の(A)、(B1)、および(C)を有するシリコーン組成物の架橋物からなることを特徴とする結合交換型動的共有結合を有するシリコーンエラストマー。
(A)カルボキシル基変性シリコーンポリマー。
(B1)エポキシ基を二つ以上有する化合物。
(C)エステル交換反応触媒。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
次の(A)および(B2)を有するシリコーン組成物の架橋物からなることを特徴とする結合交換型動的共有結合を有するシリコーンエラストマー。
(A)カルボキシル基変性シリコーンポリマー。
(B2)エポキシ基を二つ以上有し、かつ第三級アミン構造を有する化合物。
【請求項3】
前記シリコーン組成物は、さらに(D)補強材を有する請求項1または請求項2に記載の結合交換型動的共有結合を有するシリコーンエラストマー。
【請求項4】
前記(A)のカルボキシル基変性シリコーンポリマーは、カルボキシル基変性シリコーンオイルを有する請求項1または請求項2に記載の結合交換型動的共有結合を有するシリコーンエラストマー。
【請求項5】
前記(B1)の化合物は、エポキシ基変性シリコーンオイル、1,4-ブタンジオールジグリシジルエーテル、1、2、7、8-ジエポキシオクタン、およびネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルから選ばれる一種以上を有する請求項1に記載の結合交換型動的共有結合を有するシリコーンエラストマー。
【請求項6】
前記(C)のエステル交換反応触媒は、酢酸亜鉛、アセチルアセトン亜鉛(II)塩、トリフェニルホスフィン、1、5、7-トリアザビシクロ[4.4.0]デカ-5-エンから選ばれる一種以上を有する請求項1に記載の結合交換型動的共有結合を有するシリコーンエラストマー。
【請求項7】
前記(B2)の化合物は、4,4’-メチレンビス(N,N-ジグリシジルアニリン)、N,N’-[1,3-フェニレンビス(メチレン)]ビス[ビス(オキシラン-2-イルメチル)アミン]、1,3-ビス(N,N-ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、N-[2-メチル-4-(オキシラニルメトキシ)フェニル]-N-(オキシラニルメトキシ)オキシラニメタンアミン)から選ばれる一種以上を有する請求項2に記載の結合交換型動的共有結合を有するシリコーンエラストマー。
【請求項8】
前記(D)の補強材は、シリカおよびカーボンから選ばれる一種以上を有する請求項3に記載の結合交換型動的共有結合を有するシリコーンエラストマー。
【請求項9】
前記シリコーン組成物は、さらに(E)架橋反応触媒を有する請求項1または請求項2に記載の結合交換型動的共有結合を有するシリコーンエラストマー。
【請求項10】
前記(E)の架橋反応触媒は、第三級アミン、イミダゾールから選ばれる一種以上を有する請求項9に記載の結合交換型動的共有結合を有するシリコーンエラストマー。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、再成形性を有するシリコーンエラストマーおよびその製造方法に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
架橋ゴムは、高分子鎖間が連結された三次元網目構造を有することにより、弾性をはじめとするゴム特有の優れた性能を発揮する。例えば、主鎖にシロキサン結合(Si-O-Si)を有するシリコーンゴムは、耐熱性、耐低温性、耐水性などに優れ、シール材、接着剤、塗料などの材料として広く使用されている。
【0003】
近年、環境保護や省資源などの観点から、使用済み材料の再利用が望まれる。しかしながら、架橋ゴムの網目構造は、強い共有結合により形成されており、架橋点は不可逆である。このため、架橋ゴムは、再成形性、リサイクル性に乏しい。また、材料の長寿命化も望まれるが、架橋ゴムは自己修復性を有しないため、傷が生じたり破断したりすると目的の特性を発揮できなくなる。
【0004】
再成形性、傷修復性を有するポリマーとして、例えば特許文献1には、エステル結合とカルボン酸基を多点で含むポリエステル樹脂原料と、ジエポキシ架橋剤と、エステル交換反応触媒と、を混合し、加熱して架橋することにより得られる架橋ポリエステル樹脂が記載されている。この架橋ポリエステル樹脂は、エステル結合を多点で含む高分子主鎖と、エステル結合およびフリーOH基を含む多点の共有結合架橋部分と、を含むポリエステル樹脂と、エステル交換反応触媒と、を有する。この架橋ポリエステル樹脂を加熱すると、エステル交換反応触媒の作用により、フリーOH基が、付近に存在する一つのエステル結合のC-0結合をアタックしてエステル交換反応が起こり、各々の主鎖が入れ替わるようにして新たな結合が生成する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
国際公開第2020/045439号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載されている架橋ポリエステル樹脂のように、解離と再結合とが同時に起こる常結合性動的共有結合を架橋点に用いた材料は、「ビトリマー」と称されることがある。「ビトリマー」においては、加熱により結合交換が進行するが、高温下でも網目構造を形成する高分子鎖の連結性は失われず、架橋点は消失しない。よって、熱可塑性樹脂のように溶融することなく変形させることができるため、再成形性に優れる。しかしながら、同文献に記載されている材料は、樹脂である。このため、架橋ゴムが有する特性を発現させることは難しく、用途が限られる。また、樹脂は重縮合反応で合成されるため、重合度を上げることが難しく、物性を向上するにも限界がある。
【0007】
本開示は、このような実状に鑑みてなされたものであり、架橋ゴムの特性と再成形性とを有するシリコーンエラストマー、およびその製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)本開示の第一の態様に係る結合交換型動的共有結合を有するシリコーンエラストマーは、次の(A)、(B1)、および(C)を有するシリコーン組成物の架橋物からなることを特徴とする。
(A)カルボキシル基変性シリコーンポリマー。
(B1)エポキシ基を二つ以上有する化合物。
(C)エステル交換反応触媒。
【0009】
「結合交換型動的共有結合を有する」とは、シリコーンエラストマーの網目構造を形成する架橋鎖に、常結合性動的共有結合が用いられていることを意味する。本開示の第一の態様に係る結合交換型動的共有結合を有するシリコーンエラストマー(以下、第一、第二の態様を問わず、単に「本開示のシリコーンエラストマー」と称する場合がある)においては、(A)のカルボキシル基変性シリコーンポリマーと、(B1)のエポキシ基を二つ以上有する化合物と、を反応させて、カルボキシル基とエポキシ基との反応(エポキシ開環反応)により架橋させる。得られた架橋物の架橋鎖には、エステル結合と水酸基(OH基)とが生成される。架橋物中には、(C)のエステル交換反応触媒が存在するため、所定の温度に加熱すると、ある架橋鎖のOH基と別の架橋鎖のエステル結合との間でエステル交換反応が起き、主鎖が入れ替わるようにして新たな結合が生成する。
【0010】
このようにして、高分子鎖の連結性を失わずに新たな結合を生成させることができるため、本開示のシリコーンエラストマーは、再成形可能である。すなわち、本開示のシリコーンエラストマーは、常温ではゴム弾性を持ちながら、温度を加えると変形可能である。よって、従来は熱可塑性樹脂の成形法として用いられていたブロー成形なども可能になり、材料としての用途が広がる。また、リサイクル性も向上する。
(【0011】以降は省略されています)

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