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公開番号2024175574
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-18
出願番号2023093459
出願日2023-06-06
発明の名称センサユニット
出願人住友理工株式会社
代理人個人,個人
主分類G01L 5/00 20060101AFI20241211BHJP(測定;試験)
要約【課題】簡単な構成で、衝撃の入力を検出することができるようにする。
【解決手段】センサユニット4は、左右方向へ延びるシート状で、下面に左右方向へ延びる1つの第1電極部12を有する第1電極シート10と、左右方向へ延びるシート状で、上面に左右方向へ延びる1つの第2電極部22を有する第2電極シート20と、第1電極シート10と第2電極シート20との間に介在され、左右方向に沿って形成されて第1電極部12と第2電極部22とを対向させる1つの開口部31を有する絶縁層30とを積層してなる。センサユニット4では、第1電極部12と第2電極部22とが開口部31を介して接触して導通することで衝撃入力が検出可能な検出領域Eが形成されている。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
水平である所定の第1方向に配列される複数のバッテリセルを有するバッテリモジュールと、前記バッテリモジュールの下面側に配置されるアンダー部材とを含むバッテリパックにおいて、前記バッテリモジュールの下面と前記アンダー部材の上面との間に配置されて前記バッテリモジュールへの衝撃入力を検出するセンサユニットであって、
前記第1方向へ延びるシート状で、下面に前記第1方向に沿って形成される1つの第1電極部を有する第1電極シートと、
前記第1方向へ延びるシート状で、上面に前記第1方向に沿って形成される1つの第2電極部を有する第2電極シートと、
前記第1電極シートと前記第2電極シートとの間に介在され、前記第1方向に沿って形成されて前記第1電極部と前記第2電極部とを対向させる1つの開口部を有する絶縁層と、を積層してなり、
前記第1電極部と前記第2電極部とが前記開口部を介して接触して導通することで衝撃入力が検出可能な検出領域が形成されていることを特徴とするセンサユニット。
続きを表示(約 820 文字)【請求項2】
前記検出領域は、少なくとも所定の第1検出領域と所定の第2検出領域とを含んでなり、前記第1検出領域は、前記第2検出領域よりも検出感度が小さく或いは検出感度が0に設定されていることを特徴とする請求項1に記載のセンサユニット。
【請求項3】
前記第1検出領域は、前記第1方向と直交する水平である第2方向での前記開口部の幅が、前記第2方向での前記第2検出領域の前記開口部の幅よりも小さく形成されることで検出感度が前記第2検出領域よりも小さく設定されていることを特徴とする請求項2に記載のセンサユニット。
【請求項4】
前記第1電極部及び前記第2電極部は、前記開口部と相似或いは同じ平面視形状であることを特徴とする請求項2又は3に記載のセンサユニット。
【請求項5】
前記絶縁層は、前記第1方向と交差する方向で前記開口部を部分的に塞ぐ橋掛部を有して、前記橋掛部により検出感度が0に設定されていることを特徴とする請求項2又は3に記載のセンサユニット。
【請求項6】
前記第2電極シートの下面に、前記絶縁層よりも小さい弾性率を有する弾性シートが配置されていることを特徴とする請求項2又は3に記載のセンサユニット。
【請求項7】
前記弾性シートは、前記第1検出領域の下方に位置する部分の厚みが、前記第2検出領域の下方に位置する部分の厚みよりも小さくなっていることを特徴とする請求項6に記載のセンサユニット。
【請求項8】
前記バッテリモジュールとの間に、前記バッテリモジュールの取付部材が設けられていると共に、前記取付部材の下面に、下方へ突出する凸部及び/又は上方へ凹む凹部が形成されており、
前記第1検出領域は、前記凸部の側面及び/又は前記凹部の側面を含む領域の下方に配置されていることを特徴とする請求項2又は3に記載のセンサユニット。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、自動車等の移動体に用いられるバッテリパックの変形を検出するためのセンサユニットに関する。
続きを表示(約 4,700 文字)【背景技術】
【0002】
例えば自動車では、ハイブリッド式や全電気式といった電動化が進み、各装置の駆動電源として、リチウムイオン電池等を用いたバッテリパックが搭載されている。このバッテリパックは、複数のバッテリセルを有するバッテリモジュールを有し、自動車のフレームの上側或いはフレームの下側に設置される。
バッテリパックがフレームの下側に設置される場合、路面との接触や飛び石等による衝撃から保護するために、バッテリパックの下面はアンダー部材で覆われる。
しかし、リチウムイオン電池は外部からの衝撃に弱く、変形等により爆発や火災の危険があり、路面からの衝撃によりアンダー部材が変形するとバッテリパックに衝撃入力が加わる。よって、バッテリパックへの衝撃入力をアンダー部材の変形を検出することで監視するセンサが用いられている。このセンサとして、例えば特許文献1には、バッテリパックの下面とアンダー部材との間に、冷却剤が通過する複数の冷却導管を配置し、路面からの衝撃により冷却導管が変形した際の冷却剤の流速又は圧力等を監視することでバッテリパックの損傷を検出するシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特許第5858123号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のシステムは、バッテリパックとアンダー部材との間に、冷却剤が通過する冷却導管を介在させるため、熱交換器やコンプレッサ等の供給システムが新たに必要となる。よって、厚みや重量が大きくなってコストアップに繋がる。
そこで、シート状のセンサをバッテリパックとアンダー部材との間に介在させれば、コンパクト化及び軽量化が達成できる。このセンサとして、例えば、絶縁層を挟んで一対の電極層を設けてなる静電容量型センサが挙げられる。この静電容量型センサをバッテリパックとアンダー部材との間に複数並べて配置すれば、アンダー部材に外力が作用した際の静電容量の変化から衝撃入力を検出することができる。
しかし、バッテリパックが複数配列される場合、複数の静電容量型センサを配置する必要があり、切替回路などを含め、回路構成が複雑になってしまう。
【0005】
そこで、本開示は、簡単な構成で、複数箇所の衝撃の入力を検出することができるセンサユニットを提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本開示は、水平である所定の第1方向に配列される複数のバッテリセルを有するバッテリモジュールと、バッテリモジュールの下面側に配置されるアンダー部材とを含むバッテリパックにおいて、バッテリモジュールの下面とアンダー部材の上面との間に配置されてバッテリモジュールへの衝撃入力を検出するセンサユニットであって、
第1方向へ延びるシート状で、下面に第1方向に沿って形成される1つの第1電極部を有する第1電極シートと、
第1方向へ延びるシート状で、上面に第1方向に沿って形成される1つの第2電極部を有する第2電極シートと、
第1電極シートと第2電極シートとの間に介在され、第1方向に沿って形成されて第1電極部と第2電極部とを対向させる1つの開口部を有する絶縁層と、を積層してなり、
第1電極部と第2電極部とが開口部を介して接触して導通することで衝撃入力が検出可能な検出領域が形成されていることを特徴とする。
本開示の別の態様は、上記構成において、検出領域は、少なくとも所定の第1検出領域と所定の第2検出領域とを含んでなり、第1検出領域は、第2検出領域よりも検出感度が小さく或いは検出感度が0に設定されていることを特徴とする。
本開示の別の態様は、上記構成において、第1検出領域は、第1方向と直交する水平である第2方向での開口部の幅が、第2方向での第2検出領域の開口部の幅よりも小さく形成されることで検出感度が第2検出領域よりも小さく設定されていることを特徴とする。
本開示の別の態様は、上記構成において、第1電極部及び第2電極部は、開口部と相似或いは同じ平面視形状であることを特徴とする。
本開示の別の態様は、上記構成において、絶縁層は、第1方向と交差する方向で開口部を部分的に塞ぐ橋掛部を有して、橋掛部により検出感度が0に設定されていることを特徴とする。
本開示の別の態様は、上記構成において、第2電極シートの下面に、絶縁層よりも小さい弾性率を有する弾性シートが配置されていることを特徴とする。
本開示の別の態様は、上記構成において、弾性シートは、第1検出領域の下方に位置する部分の厚みが、第2検出領域の下方に位置する部分の厚みよりも小さくなっていることを特徴とする。
本開示の別の態様は、上記構成において、 バッテリモジュールとの間に、バッテリモジュールの取付部材が設けられていると共に、取付部材の下面に、下方へ突出する凸部及び/又は上方へ凹む凹部が形成されており、
第1検出領域は、凸部の側面及び/又は凹部の側面を含む領域の下方に配置されていることを特徴とする。
なお、本開示において、「水平」は、厳密な水平を含むが、下方からの衝撃入力を検出できれば足りる趣旨から、厳密な水平からの多少の誤差(傾斜)は許容する。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、簡単な構成で、複数箇所の衝撃の入力を検出することができる。
本開示の別の態様によれば、上記効果に加えて、検出領域が、検出感度が異なる少なくとも第1、第2検出領域を含むことで、衝撃の入力位置に合わせて第1、第2検出領域を配置すれば、衝撃の入力位置による検出感度の調整を容易に行うことができる。
本開示の別の態様によれば、上記効果に加えて、第1検出領域は、第2方向での開口部の幅が第2検出領域の開口部の幅よりも小さく形成されることで検出感度が第2検出領域よりも小さく設定されているので、開口部の幅を設定する簡単な構造で検出感度の調整が行える。
本開示の別の態様によれば、上記効果に加えて、第1電極部及び第2電極部は、開口部と相似或いは同じ平面視形状であるので、各検出領域での検出精度を均一化することができる。
本開示の別の態様によれば、上記効果に加えて、絶縁層は、第1方向と交差する方向で開口部を部分的に塞ぐ橋掛部を有して、橋掛部により検出感度が0に設定されているので、衝撃入力を検出する必要のない位置での誤検出を防止することができる。
本開示の別の態様によれば、上記効果に加えて、第2電極シートの下面に、絶縁層よりも小さい弾性率を有する弾性シートが配置されているので、アンダー部材からの衝撃入力が緩衝されて過度の衝撃がセンサユニットに加わることを防止できる。
本開示の別の態様によれば、上記効果に加えて、弾性シートは、第1検出領域の下方に位置する部分の厚みが、第2検出領域の下方に位置する部分の厚みよりも小さくなっているので、検出感度に合わせた緩衝作用の調整が可能となる。
本開示の別の態様によれば、上記効果に加えて、第1検出領域は、取付部材に設けた凸部の側面及び/又は凹部の側面を含む領域の下方に配置されているので、剛性の高い凸部及び/又は凹部の側面に対応して検出感度の小さい第1検出領域を配置することができ、凹凸のある取付部材が用いられても検出精度を安定させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
バッテリパックの正面図である。
センサユニットの平面図である。
センサユニットの分解斜視図である。
(A)は図2のA-A線断面の後半分を拡大して示す説明図、(B)は図2のB-B線断面の後半分を拡大して示す説明図である。
(A)は、凸部がある取付部材の側面図、(B)は、凸部に対応した検出領域を有するセンサユニットの平面図である。
第1、第2電極部を開口部と同じ平面形状としたセンサユニットの平面図である。
橋掛部を設けたセンサユニットの平面図である。
弾性シートの厚みを変えた変更例を示す側面説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、バッテリパックの一例を示す正面図である。なお、説明の便宜上、図1の上側を上、左側を左として上下方向及び左右方向を規定する。センサユニットにおいては、長手方向を左右方向、短手方向を前後方向とする。
バッテリパック1は、自動車のフレームの下面に設置されている。バッテリパック1は、バッテリモジュール2と、バッテリモジュール2を収容するケース3と、センサユニット4とを備えている。
バッテリモジュール2は、左右方向に配列される複数のバッテリセル2a,2a・・を有している。
ケース3は、バッテリモジュール2を上方から保持して下面が開口するアッパー部材5と、アッパー部材5に下方から組み付けられて開口を閉塞するアンダー部材6とを備えている。アッパー部材5及びアンダー部材6は、何れも導電性材料で形成されて接地がなされている。バッテリモジュール2の下側には、バッテリモジュール2をアッパー部材5に取り付けるための取付部材7が設けられている。センサユニット4は、ケース3内で取付部材7の下側に取り付けられている。
【0010】
センサユニット4は、図2及び図3に示すように、上側の第1電極シート10と、下側の第2電極シート20と、第1、第2電極シート10,20の間に介在される絶縁層30と、第2電極シート20の下方に配置される弾性シート40とを積層してなる。第1、第2電極シート10,20及び絶縁層30、弾性シート40は、何れも左右方向に延びる平面視帯板状の外形を有している。
図4に、図2におけるA-A断面及びB-B断面を拡大して示している。但し、各断面では後半分のみを一部省略して示すと共に、積層構造を明確にするために後述する電極部及びカバーコート層の厚みを誇張して示している。
第1電極シート10は、樹脂製(例えばPET、PEN、PI)で平面視帯板状の第1樹脂フィルム11の下面に、導電インク(例えばカーボン、銀等)を印刷してなる第1電極部12を、所定の前後幅で左右方向へ帯状に形成したものである。第1電極シート10の左右方向の両端には、第1電極部12と電気的に接続するための第1配線部13,13が設けられている。第1樹脂フィルム11の下面には、樹脂製の第1カバーコート層14が形成されている。第1カバーコート層14は、第1樹脂フィルム11と同じ外形で形成され、内側には、第1電極部12の外形よりも一回り小さい相似形の第1内孔15が形成されている。よって、第1電極部12は、第1内孔15を介して下方に露出している。
(【0011】以降は省略されています)

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