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公開番号2024149110
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-18
出願番号2023062796
出願日2023-04-07
発明の名称高分子型紫外線吸収剤を含むポリエチレン樹脂組成物
出願人東ソー株式会社
代理人
主分類C08L 23/04 20060101AFI20241010BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】340nm付近の長波紫外線領域での紫外線吸収性と透明性に優れ、かつ、高湿度下でもブリードアウトしにくいポリエチレン樹脂組成物を提供する。
【解決手段】
ベンゾトリアゾール基またはベンゾフェノン基を含み、かつアクリル基を含む、重量平均分子量15000g/mоl以上、ガラス転移温度40℃以上の高分子型紫外線吸収剤0.5~3.0質量%とポリエチレン97.0~99.5質量%を含むポリエチレン樹脂組成物。
【選択図】 なし
特許請求の範囲【請求項1】
ベンゾトリアゾール基またはベンゾフェノン基を含み、かつアクリル基を含む、重量平均分子量15000g/mоl以上、ガラス転移温度40℃以上の高分子型紫外線吸収剤0.5~3.0質量%とポリエチレン97.0~99.5質量%を含むポリエチレン樹脂組成物。
続きを表示(約 800 文字)【請求項2】
前記ポリエチレンが、下記特性(a)~(d)を満足する直鎖状低密度ポリエチレン(A)40~90質量%、下記特性(e)~(g)を満足する高密度ポリエチレン(B)10~60質量%である、請求項1に記載のポリエチレン樹脂組成物。
(a)JIS K6922-1に準拠して密度勾配管法で測定した密度が890~915kg/m

である。
(b)JIS K 6922-1に準拠し、190℃、荷重21.18Nで測定したメルトマスフローレート(以下、MFRという)が0.1~15g/10分である。
(c)ゲルパーミエションクロマトグラフィー(以下、GPCという)で測定した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が3.0以下である。
(d)50℃におけるn-ヘプタン抽出量が1.5質量%以下である。
(e)JIS K6922-1に準拠して密度勾配管法で測定した密度が940~970kg/m

である。
(f)JIS K 6922-1に準拠し、190℃、荷重21.18Nで測定したMFRが0.1~15g/10分である。
(g)GPCで測定した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が3.0以下である。
【請求項3】
ポリエチレン樹脂組成物を厚み100μmのフィルムにしたときに、波長340nmにおける紫外線透過率が5%以下、波長450nmでの可視光透過率が70%以上であり、かつ温度が40℃であり、相対湿度が75%の雰囲気で28日間保管した場合に紫外線吸収剤がブリードアウトしない、請求項1に記載のポリエチレン樹脂組成物。
【請求項4】
請求項1~3のいずれかに記載のポリエチレン樹脂組成物からなる医療容器。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、高分子型紫外線吸収剤を含むポリエチレン樹脂組成物に関するものである。
続きを表示(約 2,800 文字)【背景技術】
【0002】
薬液、血液等を包装する医療用フィルムおよび、食材を包装する食品用フィルムには、内容液ないし内容物の存在および異物の有無を目視確認するための透明性、また内容液ないし内容物中の有効成分の劣化防止のための紫外線バリア性などが要求される。フィルムに紫外線バリア性を付与するためには、通常、紫外線吸収剤や光安定剤が添加されており、該紫外線吸収剤や光安定剤として多様な化学構造のものが市販されている。特に紫外線吸収剤としては、無機系紫外線吸収剤と有機系紫外線吸収剤を用いる場合がある。無機系紫外線吸収剤(例えば、特許文献1~3等を参照。)では、耐光性や耐熱性などの耐久性に優れている反面、吸収波長が化合物のバンドギャップによって決定されるために選択の自由度が少なく、320~400nmの長波紫外線(UV-A)領域まで吸収できるものはなく、長波紫外線を吸収するものは可視域まで吸収を有するために着色を伴ってしまう。これに対して、有機系紫外線吸収剤は、吸収剤の構造設計の自由度が高いために、吸収剤の構造を工夫することによって様々な吸収波長のものを得ることができる。これまでに、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、トリアジン系、シアン系といった様々な有機系紫外線吸収剤を用いた系が検討されており、長波紫外線領域まで吸収する場合には、極大吸収波長が長波紫外線領域にあるものを用いるか、濃度を高くするかの2通りが考えられている。しかし、特許文献4及び5等に記載された極大吸収波長が長波紫外線領域にあるものは、耐光性が悪く、吸収能が時間とともに減少するという課題があった。
【0003】
これに対してベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤は比較的耐光性も良く、濃度を高くすれば長波長領域まで比較的クリアにカットできる(例えば特許文献6を参照。)。しかし、一般的にこれらの紫外線吸収剤は低分子量であるため、高濃度に添加した場合、製品表面から経時的にブリードしたり、高圧蒸気滅菌処理など水などが触れる環境下でブリードし、製品の透明性や外観を損ねたりすると同時に製品に長期間光安定性を付与することが困難であることが知られている。
【0004】
このような問題を解決するものとして、ビニル基等の二重結合を有する基を付与した紫外線吸収剤を高分子量化し、紫外線吸収剤の揮散、熱分解、滲出等を防止しようとする試みがなされている(特許文献7~9)。しかし、これらの高分子型紫外線吸収剤においても、ポリエチレンなどでは透明性の低下や、長期的な耐光性の点で劣るという課題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開平5-339033号公報
特開平5-345639号公報
特開平6-56466号公報
特開平6-145387号公報
特開2003-177235号公報
特開2005-517787号公報
特開昭60-38411号公報
特開昭62-181360号公報
特開平3-281685号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、上記問題に鑑みなされたものであり、340nm付近の長波紫外線領域での紫外線吸収性と透明性に優れ、かつ、高湿度下でもブリードアウトしにくいポリエチレン樹脂組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は鋭意検討を行なった結果、特定の紫外吸収剤とポリエチレンを特定量配合したポリエチレン樹脂組成物が上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、以下の発明に係るものである。
[1]ベンゾトリアゾール基またはベンゾフェノン基を含み、かつアクリル基を含む、重量平均分子量15000g/mоl以上、ガラス転移温度40℃以上の高分子型紫外線吸収剤0.5~3.0質量%とポリエチレン97.0~99.5質量%を含むポリエチレン樹脂組成物。
[2]前記ポリエチレンが、下記特性(a)~(d)を満足する直鎖状低密度ポリエチレン(A)40~90質量%、下記特性(e)~(g)を満足する高密度ポリエチレン(B)10~60質量%である、上記[1]に記載のポリエチレン樹脂組成物。
(a)JIS K6922-1に準拠して密度勾配管法で測定した密度が890~915kg/m

である。
(b)JIS K 6922-1に準拠し、190℃、荷重21.18Nで測定したメルトマスフローレート(以下、MFRという)が0.1~15g/10分である。
(c)ゲルパーミエションクロマトグラフィー(以下、GPCという)で測定した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が3.0以下である。
(d)50℃におけるn-ヘプタン抽出量が1.5質量%以下である。
(e)JIS K6922-1に準拠して密度勾配管法で測定した密度が940~970kg/m

である。
(f)JIS K 6922-1に準拠し、190℃、荷重21.18Nで測定したMFRが0.1~15g/10分である。
(g)GPCで測定した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が3.0以下である。
[3]ポリエチレン樹脂組成物を厚み100μmのフィルムにしたときに、波長340nmにおける紫外線透過率が5%以下、波長450nmでの可視光透過率が70%以上であり、かつ温度が40℃であり、相対湿度が75%の雰囲気下で28日間保管した場合に紫外線吸収剤がブリードアウトしない、上記[1]又は[2]に記載のポリエチレン樹脂組成物。
[4]上記[1]~[3]のいずれかに記載のポリエチレン樹脂組成物からなる医療容器。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一態様であるポリエチレン樹脂組成物は、340nm付近の長波紫外線領域での紫外線吸収性と透明性に優れ、かつ、高湿度下でブリードアウトしにくいため、長期間、高い紫外線吸収性と良好な外観を維持することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本発明を詳細に説明する。
【0010】
本発明の一態様であるポリエチレン樹脂組成物は、ベンゾトリアゾール基またはベンゾフェノン基を含み、かつアクリル基を含む、重量平均分子量15000g/mоl以上、ガラス転移温度40℃以上の高分子型紫外線吸収剤0.5~3.0質量%とポリエチレン97.0~99.5質量%を含むものである。
(【0011】以降は省略されています)

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