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公開番号
2024145344
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-15
出願番号
2023057653
出願日
2023-03-31
発明の名称
積層体、構造体及び半導体デバイス
出願人
東ソー株式会社
,
国立研究開発法人産業技術総合研究所
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
C23C
14/06 20060101AFI20241004BHJP(金属質材料への被覆;金属質材料による材料への被覆;化学的表面処理;金属質材料の拡散処理;真空蒸着,スパッタリング,イオン注入法,または化学蒸着による被覆一般;金属質材料の防食または鉱皮の抑制一般)
要約
【課題】窒化ガリウム層の上にCVD法によって窒化ガリウム膜を形成する場合に、その表面を鏡面にすることができる積層体、構造体及び半導体デバイスの少なくともいずれかを提供すること。
【解決手段】シリコン基板と、窒化アルミニウム層と、窒化ガリウム層とをこの順に備え、窒化ガリウム層の(10-12)面のX線ロッキングカーブ測定における回折ピークの半値幅が14°未満である、積層体。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
シリコン基板と、窒化アルミニウム層と、窒化ガリウム層とをこの順に備え、
前記窒化ガリウム層の(10-12)面のX線ロッキングカーブ測定における回折ピークの半値幅が14°未満である、積層体。
続きを表示(約 250 文字)
【請求項2】
前記窒化ガリウム層が、スパッタリング法で成膜してなるスパッタリング膜からなる層である、請求項1に記載の積層体。
【請求項3】
前記シリコン基板の表面の結晶面が(111)面である、請求項1に記載の積層体。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか一項に記載の積層体と、
前記積層体のうち前記窒化ガリウム層の上にCVD法で形成してなる窒化ガリウム膜を備える、構造体。
【請求項5】
請求項4に記載の構造体を備える、半導体デバイス。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は、積層体、構造体及び半導体デバイスに関する。
続きを表示(約 2,400 文字)
【背景技術】
【0002】
窒化ガリウム薄膜は、高いエネルギー効率をもち、省エネデバイスとしてLEDやACアダプタなどで実用化されている。また、窒化ガリウム薄膜は、次世代パワーデバイスとしてのHEMT(High Electron Mobility Transistor)デバイスに応用することも期待されている。
このような窒化ガリウム薄膜を用いた積層体として、例えば下記特許文献1に記載のものが知られている。下記特許文献1では、バッファー層及び窒化ガリウム系膜をこの順に含む積層膜であって、積層膜全体の圧縮応力が-2.0GPa以上5.0GPa以下である積層膜によって、クラックのない積層膜を提供することが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
国際公開第2021/200836号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記のような積層体を用いて半導体デバイスを作製する場合、その過程で、積層体の窒化ガリウム系膜の上にCVD法によって窒化ガリウム膜(以下、「CVD窒化ガリウム膜」ともいう)が形成される場合がある。この場合、フォトリソグラフィで使用されるマスクの位置合わせのために、CVD窒化ガリウム膜の表面にマーキングが行われる場合があり、その場合には、CVD窒化ガリウム膜の表面が、マーキングを行いやすくするために鏡面であることが望ましい。
また、CVD窒化ガリウム膜には、デバイスを製造するために微細加工が必要になることもある。そのためには、CVD窒化ガリウム膜の表面が、光が乱反射しない程度の凹凸を有する面、すなわち鏡面であることが望ましい。
【0005】
しかし、上記特許文献1に記載の積層膜は、窒化ガリウム系膜の上にCVD法によって窒化ガリウム膜を形成する場合に、その表面を鏡面にする点ではいまだ改善の余地を有していた。
【0006】
本開示は、窒化ガリウム層の上にCVD法によって窒化ガリウム膜を形成する場合に、その表面を鏡面にすることができる積層体、構造体及び半導体デバイスの少なくともいずれかを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の発明者らは、シリコン基板と、窒化アルミニウム層と、窒化ガリウム層とをこの順に備える積層体において、窒化ガリウム層の上にCVD法によって窒化ガリウム膜(CVD窒化ガリウム膜)を形成する場合にそのCVD窒化ガリウム膜の表面を鏡面にするべく検討した。その結果、積層体のうちCVD窒化ガリウム膜の下地層になる窒化ガリウム層の結晶性を高めれば、CVD窒化ガリウム膜の結晶性を向上させることができ、その表面を鏡面にすることが可能になるのではないかと発明者らは考えた。下地層になる窒化ガリウム層の結晶性は、結晶軸の成長方向の傾き(チルト)の度合いと、結晶成長方向を軸とした結晶の捻じれ(ツイスト)の度合いとによって評価することが可能である。窒化ガリウム層の結晶の(000-1)面を成長面とする場合、チルトの度合いは、X線ロッキングカーブ測定(以下、「XRC測定」ともいう)で例えば(0002)面の回折ピークの半値幅を測定することによって評価可能であり、ツイストの度合いは、XRC測定で(10-12)面の回折ピークの半値幅を測定することによって評価可能である。チルト及びツイストのいずれの場合も、回折ピークの半値幅が狭い程、結晶性が高い。
そこで、まず、CVD窒化ガリウム膜の表面が鏡面になる場合と、鏡面にならない場合について、積層体の窒化ガリウム層のチルトの度合いを、XRC測定で(0002)面の回折ピークの半値幅を測定することによって評価した。しかし、その場合、CVD窒化ガリウム膜の表面が鏡面である場合でも鏡面でない場合でも回折ピークの半値幅の値に大きな差は見られなかった。これに対し、CVD窒化ガリウム膜の表面が鏡面である場合と、鏡面でない場合について、XRC測定で(10-12)面の回折ピークの半値幅を測定することによって積層体の窒化ガリウム層のツイストの度合いを評価したところ、半値幅の値に大きな差が見られることが判明した。こうして、本開示の発明者らは、本開示に至ったものである。
【0008】
本発明は特許請求の範囲に記載のとおりであり、また、本開示の要旨は以下のとおりである。
(1) シリコン基板と、窒化アルミニウム層と、窒化ガリウム層とをこの順に備え、前記窒化ガリウム層の(10-12)面のX線ロッキングカーブ測定における回折ピークの半値幅が14°未満である、積層体。
(2) 前記窒化ガリウム層が、スパッタリング法で成膜してなるスパッタリング膜からなる層である、(1)に記載の積層体。
(3) 前記シリコン基板の表面の結晶面が(111)面である、(1)又は(2)に記載の積層体。
(4) (1)~(3)のいずれかに記載の積層体と、前記積層体のうち前記窒化ガリウム層の上にCVD法で形成してなる窒化ガリウム膜を備える、構造体。
(5) (4)に記載の構造体を備える、半導体デバイス。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、窒化ガリウム層の上にCVD法によって窒化ガリウム膜を形成する場合に、その表面を鏡面にすることができる積層体、構造体及び半導体デバイスの少なくともいずれかが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本開示の積層体の一実施形態を示す断面図である。
本開示の構造体の一実施形態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
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