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公開番号2024133381
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-01
出願番号2024117974,2020104442
出願日2024-07-23,2020-06-17
発明の名称高強度ゼオライト成形体及びその製造方法
出願人東ソー株式会社
代理人
主分類C01B 39/38 20060101AFI20240920BHJP(無機化学)
要約【課題】 バインダーの酸量が低く、高強度である、高強度ゼオライト成形体及びその製造方法を提供する。
【解決手段】 ゼオライト100重量部に対して、粘土10重量部以上40重量部以下を含み、かつ、耐圧強度が20N以上であるゼオライト成形体であって、当該ゼオライトが、Si/Al2が300以上100000以下で、25℃、相対圧0.5の条件で、水分吸着量が、10(g/100g)以下であるゼオライトを一種以上含み、当該粘土が、NH3-TPD法による固体酸量が0.15mmol/g以下である粘土を一種以上含む高強度ゼオライト成形体、及び、ゼオライト100重量部に対して、粘土10重量部以上40重量部以下、成形助剤1重量部以上5重量部以下、水溶性ナトリウム塩0.5重量部以上5重量部以下、水60重量部以上100重量部以下を混合した後に混練して、これらを含む混練物を得て、この混練物を成形した後に乾燥し、さらに得られたゼオライト成形体を破砕した後、400℃以上700℃以下で焼成するものであり、当該ゼオライトが、Si/Al2が300以上100000以下で、25℃、相対圧0.5の条件で、水分吸着量が、10(g/100g)以下であるゼオライトを一種以上含み、当該粘土が、NH3-TPD法による固体酸量が0.15mmol/g以下である粘土を一種以上含む高強度ゼオライト成形体の製造方法。
【選択図】 なし
特許請求の範囲【請求項1】
ゼオライト100重量部に対して、粘土10重量部以上40重量部以下を含み、かつ、耐圧強度が20N以上であるゼオライト成形体であって、当該ゼオライトが、Si/Al

が300以上100000以下で、であるゼオライトを一種以上含み、当該粘土が、NH

-TPD法による固体酸量が0.15mmol/g以下であり、なおかつ平均粒径が0.5μm以上30μm以下である粘土を一種以上含むことを特徴とする高強度ゼオライト成形体。
続きを表示(約 190 文字)【請求項2】
前記ゼオライトがZSM-5型ゼオライトである、請求項1に記載の高強度ゼオライト成形体。
【請求項3】
前記粘土が、ベントナイト粘土である請求項1又は2に記載の高強度ゼオライト成形体。
【請求項4】
前記ゼオライトが25℃、相対圧0.5の条件で、水分吸着量は、5(g/100g)以下である、請求項1乃至3に記載の高強度ゼオライト成形体。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、高強度ゼオライト成形体及びその製造方法に関するものであり、より詳細には、低酸量粘土バインダーを使用した高強度ゼオライト成形体及びその製造方法に関する。本発明の高強度ゼオライト成形体は、例えば、吸着分離剤などの用途に有用である。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
近年、浮遊粒子状物質や光化学オキシダントの原因物質の一つとされているVOCの排出規制が始まり、VOC排出の対策技術に注目が集まっている。VOC吸着剤としてはゼオライトが注目されている。熱に強い二酸化ケイ素からなる骨格であるため、高温でのVOCの吸脱着が容易かつ安全性が高く、高比表面積である。またゼオライトの細孔は均一であり、特定のVOCを吸着分離可能である。ゼオライトを吸着分離に使用する場合、粉末状では、ハンドリングが難しいため、ペレット状、ビーズ状、ハニカム状等に成形して利用される。ゼオライトを吸着分離目的に使用する場合は、カラムや流動層に充填して使用するので、十分な物理的強度を有する成形体にする必要がある。特に長期間の使用によって粉化をおこすような強度の弱い成形体は、装置の故障を招くので好ましくない。ゼオライト単体では可塑性が低く、所望の形に成形することや高強度の成形体を作製することが難しいため、バインダーを利用することが多い。バインダーとしては、粘土、シリカゾル、アルミナ等が利用される。これらバインダーは吸着分離には利用されないが、吸着分離能を下げる原因となることがある。例えば、芳香族炭化水素を吸着分離する場合、酸点を有する粘土やアルミナをバインダーとして使用すると芳香族炭化水素が反応し、所望の芳香族炭化水素を分離することができなくなる可能性がある。バインダーによる吸着分離能の低下を防ぐ方法として、成形体のバインダーレス化やバインダーのゼオライト化等の方法がとられてきた。例えば、特許文献1では、カオリン粘土バインダーとFAU型ゼオライトからなる成形体を調製した後、熱処理を施すことによりカオリン粘土バインダーをメタカオリン粘土バインダーに転換し、さらに水酸化物源を添加し、水熱処理を施すことで非ゼオライト成分をFAU型ゼオライトに転換することでバインダーレスゼオライト吸着材を得ている。
【0003】
また、特許文献2ではシリカ成形体にアルムニウム成分とアルカリ金属成分とテトラアルキルアンモニウム成分とを含む原料物質を担持した後、飽和水蒸気とゼオライト前駆体を接触させることでシリカ成分をゼオライトに転換させ、バインダーレスゼオライト成形体を得ている。
【0004】
しかしながら、これらの手法は、いずれも工程が著しく複雑であり、経済的にも不利であるという問題点がある。さらに、これらのバインダーレスゼオライト成形体は強度がバインダー含有ゼオライト成形体より低く、粉化による装置の故障を招く可能性もあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特表2019-501766号公報
特開2006-334454号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、従来の方法よりも簡便かつ安価な方法で作製可能な低酸量の粘土バインダーを使用した高強度ゼオライト成形体及びその製造方法を提供するものである。本発明の高強度ゼオライト成形体は、様々な吸着分離用途で使用することができる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、上記課題を解決できることを見い出し、本発明を完成したものである。すなわち、本発明は、ゼオライト100重量部に対して、粘土10重量部以上40重量部以下を含み、かつ、耐圧強度が20N以上であるゼオライト成形体であって、当該ゼオライトが、Si/Al

が300以上100000以下で、25℃、相対圧0.5の条件で、水分吸着量が、10(g/100g)以下であるゼオライトを一種以上含み、当該粘土が、NH

-TPD法による固体酸量が0.15mmol/g以下である粘土を一種以上含む高強度ゼオライト成形体、ゼオライト100重量部に対して、粘土10重量部以上40重量部以下、成形助剤1重量部以上5重量部以下、水溶性ナトリウム塩0.5重量部以上5重量部以下、水60重量部以上100重量部以下を混合した後に混練して、これらを含む混練物を得て、この混練物を成形した後に乾燥し、さらに得られたゼオライト成形体を破砕した後、400℃以上700℃以下で焼成するものであり、当該ゼオライトが、Si/Al

が300以上100000以下で、25℃、相対圧0.5の条件で、水分吸着量が、10(g/100g)以下であるゼオライトを一種以上含み、当該粘土が、NH

-TPD法による固体酸量が0.15mmol/g以下である粘土を一種以上含む高強度ゼオライト成形体の製造方法である。
【0008】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0009】
本発明の高強度ゼオライト成形体は、ゼオライト100重量部に対して、粘土10重量部以上40重量部以下を含むものである。
【0010】
高強度ゼオライト成形体に含まれるゼオライトは、Si/Al

が300以上100000以下で、25℃、相対圧0.5の条件で、水分吸着量が、10(g/100g)以下であるゼオライトであり、これを一種以上含むものである。Si/Al

が300未満の場合は、ゼオライトと水の親和性が高く、VOC等の吸着が阻害される可能性がある。25℃、相対圧0.5の条件で、水分吸着量が、10(g/100g)を超える場合は、ゼオライトと水の親和性が高く、VOC等の吸着が阻害される可能性がある。Si/Al

は、500以上10000以下が好ましく、1000以上2000以下がさらに好ましい。25℃、相対圧0.5の条件で、水分吸着量は、5(g/100g)以下が好ましい。ゼオライトの種類としては、例えば、ベータ型ゼオライト、Y型ゼオライト、L型ゼオライト、フェリエライト型ゼオライト、モルデナイト型ゼオライト、ZSM-5型ゼオライトなどが例示されるが、ZSM-5型ゼオライトが好ましい。
(【0011】以降は省略されています)

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