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公開番号2024124196
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-12
出願番号2023032196
出願日2023-03-02
発明の名称被覆粒子及び被覆粒子の製造方法
出願人積水化学工業株式会社,国立大学法人山形大学
代理人個人,個人
主分類C01B 32/28 20170101AFI20240905BHJP(無機化学)
要約【課題】樹脂と複合化した際に、粘度が低く、かつ熱伝導率が高くなる被覆粒子を提供する。
【解決手段】ダイヤモンドの表面がポリマーで被覆された被覆粒子であって、前記ポリマーは親水性官能基Xを有し、前記ポリマー主鎖と親水性官能基Xとの間、及び、前記ポリマー主鎖とダイヤモンドとの間には、それぞれアミド結合を有する、被覆粒子。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
ダイヤモンドの表面がポリマーで被覆された被覆粒子であって、
前記ポリマーは親水性官能基Xを有し、
前記ポリマー主鎖と親水性官能基Xとの間、及び、前記ポリマー主鎖とダイヤモンドとの間には、それぞれアミド結合を有する、被覆粒子。
続きを表示(約 720 文字)【請求項2】
前記ポリマーは以下の式1で示される構造を有する、請求項1に記載の被覆粒子。
JPEG
2024124196000012.jpg
91
77
(式1において、Rは炭素数1~20の有機基であり、Xは親水性官能基であり、m及びnはそれぞれ1以上の整数であり、mに対するnの比(n/m)が1以上40以下であり、*はダイヤモンド表面と結合する結合手を示す)
【請求項3】
前記親水性官能基Xは、ヒドロキシ基、カルボキシル基、アミノ基、シアノ基、エポキシ基及びアジリジニル基からなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1又は2に記載の被覆粒子。
【請求項4】
前記被覆粒子100質量%中において、ポリマー被覆量が、0.05質量%以上1質量%以下である、請求項1又は2に記載の被覆粒子。
【請求項5】
請求項1又は2に記載の被覆粒子を含む熱伝導性フィラー、母材樹脂、及び前記母材樹脂とは異なる構造を有する分散剤を含む、樹脂組成物。
【請求項6】
2-オキサゾリン系モノマーを必須の構成単位として有するポリマーによってダイヤモンドを被覆する第1の工程、及び
求核性の反応剤により前記ポリマーの開環反応を行う第2の工程、
を有する被覆粒子の製造方法。
【請求項7】
前記求核性の反応剤が、カルボキシル基を有する化合物、フェノール性水酸基を有する化合物、有機マグネシウム化合物、有機リチウム化合物、及び有機スズ化合物からなる群から選択される少なくとも1種である、請求項6に記載の被覆粒子の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は被覆粒子及び被覆粒子の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
電子機器においては、集積された電子部品が熱を発生し、故障の原因となるため、電子部品から発生する熱を機器外部に放熱するための放熱部材が設けられることがある。放熱部材は、例えば、電子部品と、筐体やヒートシンクなどの間に配置される。放熱部材は、樹脂に、熱伝導性フィラーが配合された樹脂組成物から形成されることが一般的である。
【0003】
熱伝導性フィラーとして、ダイヤモンドなどの炭素系フィラーが知られている。炭素系フィラーは、金属や金属酸化物のフィラー(例えば、銅、アルミナ、シリカ等)と比べて、表面に存在する活性官能基量が少なく、また活性官能基の種類も限定的であるため、樹脂との複合化が難しい。
そのため、炭素系フィラー表面の官能基の変換、表面への官能基の導入、又は官能基量の増量を行う手法が検討されている。例えば、金属酸化物による被覆(官能基の変換・増量を行う手法)、酸処理(官能基の導入・増量を行う手法)、シランカップリング剤による処理(官能基の変換・導入を行う手法)などが知られている。
【0004】
特許文献1では、特定構造のオルガノポリシロキサンを含有する表面処理剤、及び、該表面処理剤により表面が処理されたフィラー(充填材)を含む樹脂組成物に関する発明が開示されており、フィラーを樹脂に高充填できること、取扱作業性に優れることなど記載されている。
特許文献2では、カーボンナノチューブ被覆砥粒に関する発明が開示されており、砥粒としてダイヤモンド等を使用することや、カーボンナノチューブ被覆砥粒の表面にオキサゾリン基などの官能基を有することが記載されている。そして、該カーボンナノチューブ被覆砥粒は、フェノール樹脂などの樹脂材料に対して複合化しやすくなることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特表2016-534161号公報
特開2019-006902号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の表面処理剤では、フィラーとしてダイヤモンドを使用した場合、フィラー表面への表面処理剤の吸着量が少ないため、フィラーと樹脂との相溶性が低く、その結果、界面抵抗が生じてしまう。界面抵抗が生じると、フォノン散乱の発生に伴い、熱伝導率が低下(放熱性が低下)する。また、樹脂中におけるフィラーの流動性が低くなり、粘度が増大するという問題が発生する。そのため、ダイヤモンドと樹脂との複合化が難しいという現状がある。
特許文献2においては、ダイヤモンドを樹脂と複合化する際に、ダイヤモンド表面の被覆の態様と、複合化のし易さの関係については、詳細な検討はなされていない。
【0007】
そこで本発明は、ダイヤモンドの表面をポリマーで被覆した被覆粒子であって、樹脂と複合し易い被覆粒子を提供すること、より詳細には、樹脂と複合化した際に、樹脂組成物の粘度が低く、かつ熱伝導率が高くなる被覆粒子を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、ダイヤモンドの表面がポリマーで被覆された被覆粒子であって、前記ポリマーが特定の構造を備える被覆粒子によって、上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、下記[1]~[7]に関する。
【0009】
[1]ダイヤモンドの表面がポリマーで被覆された被覆粒子であって、前記ポリマーは親水性官能基Xを有し、前記ポリマー主鎖と親水性官能基Xとの間、及び、前記ポリマー主鎖とダイヤモンドとの間には、それぞれアミド結合を有する、被覆粒子。
[2]前記ポリマーは以下の式1で示される構造を有する、上記[1]に記載の被覆粒子。
JPEG
2024124196000001.jpg
91
77
(式1において、Rは炭素数1~20の有機基であり、Xは親水性官能基であり、m及びnはそれぞれ1以上の整数であり、mに対するnの比(n/m)が1以上40以下であり、*はダイヤモンド表面と結合する結合手を示す)
[3]前記親水性官能基Xは、ヒドロキシ基、カルボキシル基、アミノ基、シアノ基、エポキシ基及びアジリジニル基からなる群から選択される少なくとも1種である、上記[1]又は[2]に記載の被覆粒子。
[4]前記被覆粒子100質量%中において、ポリマー被覆量が、0.05質量%以上1質量%以下である、上記[1]又は[2]に記載の被覆粒子。
[5]上記[1]又は[2]に記載の被覆粒子を含む熱伝導性フィラー、母材樹脂、及び前記母材樹脂とは異なる構造を有する分散剤を含む、樹脂組成物。
[6]2-オキサゾリン系モノマーを必須の構成単位として有するポリマーによってダイヤモンドを被覆する第1の工程、及び求核性の反応剤により前記ポリマーの開環反応を行う第2の工程、を有する被覆粒子の製造方法。
[7]前記求核性の反応剤が、カルボキシル基を有する化合物、フェノール性水酸基を有する化合物、有機マグネシウム化合物、有機リチウム化合物、及び有機スズ化合物からなる群から選択される少なくとも1種である、上記[6]に記載の被覆粒子の製造方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ダイヤモンドの表面をポリマーで被覆した被覆粒子であって、樹脂と複合化した際に、樹脂組成物の粘度が低く、かつ熱伝導率が高くなる被覆粒子を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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