TOP
|
特許
|
意匠
|
商標
特許ウォッチ
Twitter
他の特許を見る
公開番号
2025031500
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-03-07
出願番号
2024064120,2023137030
出願日
2024-04-11,2023-08-25
発明の名称
シリカ粉末
出願人
デンカ株式会社
代理人
個人
主分類
C01B
33/18 20060101AFI20250228BHJP(無機化学)
要約
【課題】樹脂に配合したときの低誘電正接および充填性に優れたシリカ粉末を提供する。
【解決手段】本発明のシリカ粉末は、共振法により測定される樹脂シートサンプルの40GHz時の誘電正接が2.0×10
-3
以下であり、カールフィッシャー法により測定される、200℃になるまでに発生した水分量が500ppm以下、窒素ガス吸着によるBET1点法により測定される比表面積が0.2m
2
/g以上5.4m
2
/g以下、および、湿式でのレーザー回折散乱法で測定される体積頻度粒度分布における小粒子側からの累積体積が90%となる点の粒子径をD
90
としたとき、D
90
が3.0μm以上75μm以下である。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
下記の手順に従って測定される樹脂シートサンプルの40GHz時の誘電正接が2.0×10
-3
以下であるシリカ粉末であって、
カールフィッシャー法により測定される、200℃になるまでに発生した水分量が500ppm以下、
窒素ガス吸着によるBET1点法により測定される比表面積が0.2m
2
/g以上5.4m
2
/g以下、および、
湿式でのレーザー回折散乱法で測定される体積頻度粒度分布における小粒子側からの累積体積が90%となる点の粒子径をD
90
としたとき、D
90
が3.0μm以上75μm以下である、
シリカ粉末。
(手順)
当該シリカ粉末を充填量が40体積%となるようにポリエチレン粉末と混合し、得られた混合粉末を用いて前記樹脂シートサンプルを成形する。得られた前記樹脂シートサンプルを用いて、共振法により、40GHz時の誘電正接を測定する。
続きを表示(約 950 文字)
【請求項2】
請求項1に記載のシリカ粉末であって、
湿式でのレーザー回折散乱法で測定される粒子径頻度分布における最頻径が2.5μm以上40μm以下である、シリカ粉末。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のシリカ粉末であって、
湿式でのレーザー回折散乱法で測定される粒子径頻度分布における最大ピークの頻度が10%以下である、シリカ粉末。
【請求項4】
請求項1又は2に記載のシリカ粉末であって、
湿式でのレーザー回折散乱法で測定される粒子径頻度分布における最頻径の値をDm(μm)、前記比表面積の値をS(m
2
/g)としたとき、Dm/Sが0.6以上である、
【請求項5】
請求項1又は2に記載のシリカ粉末であって、
湿式でのレーザー回折散乱法で測定される粒子径頻度分布における15.7μm以上の粒子径の粒子の頻度が50%以下である、シリカ粉末。
【請求項6】
請求項1又は2に記載のシリカ粉末であって、
湿式でのレーザー回折散乱法で測定される粒子径頻度分布における0.5μm未満の粒子径の粒子の頻度が15%以下である、シリカ粉末。
【請求項7】
請求項1又は2に記載のシリカ粉末であって、
湿式でのレーザー回折散乱法で測定される体積頻度粒度分布における小粒子側からの累積体積が10%、50%、100%となるそれぞれの点の粒子径をD
10
、D
50
、D
90
としたとき、(D
90
-D
10
)/D
50
が10以下である、シリカ粉末。
【請求項8】
請求項1又は2に記載のシリカ粉末であって、
平均球形度が0.85以上である、シリカ粉末。
【請求項9】
請求項1又は2に記載のシリカ粉末であって、
非晶質率が95.0%以上である、シリカ粉末。
【請求項10】
請求項1又は2に記載のシリカ粉末であって、
ウラン元素およびトリウム元素の含有率が20ppb以下である、シリカ粉末。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、シリカ粉末に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、通信分野における情報通信量の増加に伴い、電子機器や通信機器等において高周波数帯の活用が広がっている。高周波は、広帯域性、直進性、透過性等の特徴があり、特に、周波数が10
9
以上であるGHz帯の使用が盛んに行われている。
【0003】
高周波帯の適用に伴い、回路信号の伝送損失が大きくなる問題が生じている。伝送損失は、大別して、配線の表皮効果による導体損失と、基板等の電気電子部品を構成する絶縁体の誘電体材質の特性による誘電体損失からなる。誘電体損失は、周波数の1乗、絶縁体の誘電率の1/2乗および誘電正接の1乗に比例するため、高周波帯用のデバイスに用いられる材料に関して、誘電率および誘電正接が共に低いことが求められている。
【0004】
シリカ(SiO
2
)は、誘電率が小さく(3.7)、品質係数指標Qf(誘電正接の逆数と測定周波数を掛けた値)が約12万であり、低誘電率かつ誘電正接を有するフィラーの材料として有望である。
しかしながら、シリカの粒子の表面には、吸着水やシラノール基といった極性官能基等が多く存在し、特に、誘電正接が焼結された基板としての特性よりも悪化するという問題点がある。
【0005】
これに対して、非特許文献1では、フィラー粒子の表面の吸着水や極性官能基の低減方法として、シランカップリング剤により表面処理する方法が検討されているが、1~10MHzでは誘電正接はほとんど低減しておらず、効果は不十分であり、GHz帯の効果は明記されていない。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
IEEE Transactions on Dielectrics and Electrical Insulation Vol. 17、No. 6(2010)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、本発明者が検討した結果、上記非特許文献1に記載のシリカ粉末において、樹脂に配合したときの低誘電正接および充填性の点で改善の余地があることが判明した。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者はさらに検討したところ、シリカ粉末において、所定の「カールフィッシャー法により測定される水分量」とともに、「BET比表面積」および「湿式レーザー法により測定される90%累積体積時の粒子径D
90
」等の粒度特性を適切に調整することにより、樹脂に配合したときの誘電正接を低くしつつ、樹脂への充填性が改善されることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
本発明の一態様によれば、以下のシリカ粉末が提供される。
1. 下記の手順に従って測定される樹脂シートサンプルの40GHz時の誘電正接が2.0×10
-3
以下であるシリカ粉末であって、
カールフィッシャー法により測定される、200℃になるまでに発生した水分量が500ppm以下、
窒素ガス吸着によるBET1点法により測定される比表面積が0.2m
2
/g以上5.4m
2
/g以下、および、
湿式でのレーザー回折散乱法で測定される体積頻度粒度分布における小粒子側からの累積体積が90%となる点の粒子径をD
90
としたとき、D
90
が3.0μm以上75μm以下である、
シリカ粉末。
(手順)
当該シリカ粉末を充填量が40体積%となるようにポリエチレン粉末と混合し、得られた混合粉末を用いて前記樹脂シートサンプルを成形する。得られた前記樹脂シートサンプルを用いて、共振法により、40GHz時の誘電正接を測定する。
2. 1.に記載のシリカ粉末であって、
湿式でのレーザー回折散乱法で測定される粒子径頻度分布における最頻径が2.5μm以上40μm以下である、シリカ粉末。
3. 1.又は2.に記載のシリカ粉末であって、
湿式でのレーザー回折散乱法で測定される粒子径頻度分布における最大ピークの頻度が10%以下である、シリカ粉末。
4. 1.~3.のいずれか一つに記載のシリカ粉末であって、
湿式でのレーザー回折散乱法で測定される粒子径頻度分布における最頻径の値をDm(μm)、前記比表面積の値をS(m
2
/g)としたとき、Dm/Sが0.6以上である、
5. 1.~4.のいずれか一つに記載のシリカ粉末であって、
湿式でのレーザー回折散乱法で測定される粒子径頻度分布における15.7μm以上の粒子径の粒子の頻度が50%以下である、シリカ粉末。
6. 1.~5.のいずれか一つに記載のシリカ粉末であって、
湿式でのレーザー回折散乱法で測定される粒子径頻度分布における0.5μm未満の粒子径の粒子の頻度が15%以下である、シリカ粉末。
7. 1.~6.のいずれか一つに記載のシリカ粉末であって、
湿式でのレーザー回折散乱法で測定される体積頻度粒度分布における小粒子側からの累積体積が10%、50%、100%となるそれぞれの点の粒子径をD
10
、D
50
、D
90
としたとき、(D
90
-D
10
)/D
50
が10以下である、シリカ粉末。
8. 1.~7.のいずれか一つに記載のシリカ粉末であって、
平均球形度が0.85以上である、シリカ粉末。
9. 1.~8.のいずれか一つに記載のシリカ粉末であって、
非晶質率が95.0%以上である、シリカ粉末。
10. 1.~9.のいずれか一つに記載のシリカ粉末であって、
ウラン元素およびトリウム元素の含有率が20ppb以下である、シリカ粉末。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、樹脂に配合したときの低誘電正接および充填性に優れたシリカ粉末が提供される。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPatで参照する
関連特許
デンカ株式会社
シリカ粉末
2日前
デンカ株式会社
シリカ粉末
2日前
東ソー株式会社
ホウ素粉末の製造方法
2日前
中外炉工業株式会社
アンモニア分解装置
1か月前
多木化学株式会社
ジルコニウム修飾ニオブ酸ゾル
2日前
JFEスチール株式会社
リンの製造方法
1か月前
国立大学法人東海国立大学機構
炭素材料の処理方法
2日前
信越化学工業株式会社
固相反応によるフッ化物の合成法
9日前
富士通商株式会社
積層コンデンサ用電極とその製造方法
20日前
三菱鉛筆株式会社
電極形成用スラリー
16日前
三菱重工業株式会社
炭化水素の直接分解方法
24日前
株式会社IHI
炭素生成システム及び炭素生成方法
9日前
株式会社IHI
炭素生成システム及び炭素生成方法
9日前
東レ株式会社
グラフェン粉末、グラフェン分散液、組成物および形成物
9日前
多木化学株式会社
アミン化合物安定型ジルコニウム修飾ニオブ酸分散液
2日前
キオクシア株式会社
硫酸回収装置及び硫酸回収方法
2日前
三友工学株式会社
リチウム回収方法又は中和残渣からの金属回収方法。
23日前
京都府公立大学法人
水素の生産方法、及び水素生産システム
1か月前
多木化学株式会社
ヒドロキシカルボン酸安定型ジルコニウム修飾ニオブ酸ゾル
2日前
三菱重工業株式会社
熱分解制御装置、および熱分解制御システム
1か月前
日本電気株式会社
ナノカーボン生成装置及びナノカーボン製造方法
20日前
株式会社長岡生コンクリート
炭酸カルシウム粉体の製造方法
1か月前
デンカ株式会社
シリカ粉末
2日前
デンカ株式会社
シリカ粉末
2日前
株式会社櫻製作所
ドライアイスブロックの製造装置
1か月前
日本ゼオン株式会社
カーボンナノチューブ分散液の製造方法
16日前
株式会社半導体エネルギー研究所
負極
1か月前
花王株式会社
表面に有機基を有する中空シリカ粒子の製造方法
1か月前
学校法人東京理科大学
水素生成燃料体、及び水素発生装置
2日前
住友化学株式会社
リチウム金属複合酸化物の製造方法及び圧粉体
23日前
住友金属鉱山株式会社
無機酸化物粒子合成装置、及び無機酸化物粒子の合成方法
10日前
住友金属鉱山株式会社
無機酸化物粒子合成装置、及び無機酸化物粒子の合成方法
10日前
デンカ株式会社
凝集粒子及び凝集粒子を含む、組成物、塗料及び化粧料
2日前
株式会社中央エンジニアリング
水素製造装置、水素の製造方法及び発電装置
6日前
国立大学法人東海国立大学機構
アンモニア分解装置及び水素製造方法
24日前
ジカンテクノ株式会社
シリカの製造方法
2日前
続きを見る
他の特許を見る