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公開番号2025044320
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-02
出願番号2023151823
出願日2023-09-20
発明の名称ナノ中空粒子及びナノ中空粒子の製造方法
出願人国立大学法人東海国立大学機構,株式会社カワノラボ
代理人弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
主分類C01B 33/18 20060101AFI20250326BHJP(無機化学)
要約【課題】フレーム状のシリカ殻からなるナノ中空粒子とその製造方法を提供する。
【解決手段】ナノ中空粒子の製造方法は、炭酸カルシウム粒子の表面を有機酸で被覆してなる有機酸被覆炭酸カルシウム粒子を有機溶媒に分散させる分散工程と、分散液にシリコンアルコキシドおよび塩基触媒を混合し、ゾル-ゲル反応によりシリカ殻を形成する殻形成工程と、炭酸カルシウムを酸によって溶解させる酸処理工程と、を備えており、添加剤である界面活性剤および表面改質剤を用いない。ナノ中空粒子は、30nm~300nmの外径を有し、球状、回転楕円体状、円筒状、もしくは全体が六面で形成されるフレーム状のシリカ殻からなるナノ中空粒子であって、シリカ殻が、内部の中空と外部とを連通させる一以上の連通孔を有しており、且つ孔径2~20nmのメソ細孔構造を有しており、メソ細孔の数が、殻の内側から外側に向かうにつれてより多くなるように変化している。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
フレーム状のシリカ殻からなるナノ中空粒子の製造方法であって、
乾燥粉末状態の炭酸カルシウム粒子の表面を有機酸で被覆してなる有機酸被覆炭酸カルシウム粒子を有機溶媒に分散させる分散工程と、
前記分散工程後の分散液に、シリコンアルコキシドおよび塩基触媒を混合し、ゾル-ゲル反応によりシリカ殻を形成する殻形成工程と、
炭酸カルシウムを酸によって溶解させる酸処理工程と、
を備えており、
添加剤である界面活性剤および表面改質剤を用いないことを特徴とするナノ中空粒子の製造方法。
続きを表示(約 250 文字)【請求項2】
30nm~300nmの外径を有し、球状、回転楕円体状、円筒状、もしくは全体が六面で形成されるフレーム状のシリカ殻からなるナノ中空粒子であって、
前記シリカ殻が、内部の中空と外部とを連通させる一以上の連通孔であって、孔径が前記シリカ殻の10~90%である連通孔を有しており、
且つ前記シリカ殻が、孔径2~20nmの一以上のメソ細孔を有しており、
前記メソ細孔の数が、殻の内側から外側に向かうにつれてより多くなるように変化していることを特徴とするナノ中空粒子。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、外径が1μm未満、すなわちナノメートルサイズであるナノ中空粒子と、その製造方法に関する。特に、シリカ(二酸化ケイ素、SiO

)によって外殻が形成されて内部が空洞となっている粒子であって、外殻が内部の空洞と外部とを連通させる一以上の孔を備えている粒子に関する。
続きを表示(約 1,400 文字)【背景技術】
【0002】
シリカによって外殻が形成されたナノ中空粒子が、従来から知られている。ナノ中空粒子は、樹脂や溶剤に分散させることによって、透明断熱フィルム、防食塗料、滑り止めコーティング、光拡散フィルム、ガスセンサなどの用途に幅広く適用することができ、それぞれの用途に適した形状と特性の最適化が行われている。
【0003】
特許文献1には、シリカ殻からなる中空状粒子であって、粒子径が30~800nmであり、2~20nmの細孔が検出されないことを特徴とするシリカナノ中空粒子が開示されている。 特許文献1の中空状粒子は、炭酸カルシウムにシリカをコートし、炭酸カルシウムを溶解させることで、シリカ殻を得ている。
【0004】
特許文献2には、粒子径が30~800nmであり、2~20nmの細孔が検出されない緻密なシリカ殻を有する中空粒子の製造方法が開示されている。特許文献2に開示された製造方法は、水系媒質中にて、コロイド状炭酸カルシウム、シリコンアルコキシド及び塩基触媒を混合し、コロイド状炭酸カルシウム表面に、シリコンアルコキシドの加水分解反応により生成するシリカを析出させた後、酸処理により炭酸カルシウムを溶解させることを特徴としている。
【0005】
特許文献3には、外径が30nm~300nmで、全体が六面の立方体フレーム状で内部が空洞であり、フレームの各面に四辺形状の孔を有することを特徴とするスケルトンナノ粒子とその製造方法が開示されている。
【0006】
特許文献4には、外径が30nm~200nmの範囲内であるシリカ殻からなるナノ中空粒子であって、複数のミクロ細孔を有しており、シリカ殻のみの密度が0.5g/cm3 ~1.9g/cm

であり、シリカ殻の厚さが3殻10nmであることを特徴とする低密度シリカ殻からなるナノ中空粒子とその製造方法が開示されている。
【0007】
ナノ中空粒子は、特定の気体を選択的に吸着する吸着剤として、使用することができる。たとえば、孔径が50nm以上の連通孔の空洞を持つナノ中空粒子の壁部に3~4nmのメソ細孔を設けると、連通孔の存在によって、ガス分子の拡散速度が確保され効果的にガスが拡散する。同時に、メソ細孔にアセチレン分子を選択的に吸着することができる。
【0008】
同様に、ナノ中空粒子は、特定の固体を選択的に吸着する吸着剤として、使用することができる。たとえば、孔径が50nm以上の連通孔の空洞を持つナノ中空粒子の壁部に1~5nmの細孔を設けると、金粒子を単独で吸着することができる。金を吸着しているナノ中空粒子は、ガスセンサの部材に使用可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
特開2005-263550号公報
特開2006-256921号公報
国際公開2012/132757号
特開2010-215490号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、特定の物質を吸着する用途に特に適したナノ中空粒子の製造方法の提供を解決すべき課題としている。本発明はまた、特定の物質を吸着するために最適な形状を備えたナノ中空粒子の提供を、解決すべき課題としている。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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