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公開番号2025050360
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-04
出願番号2023159110
出願日2023-09-22
発明の名称六方晶フェライト合成用非晶質体および六方晶フェライト磁性粉の製造方法
出願人DOWAエレクトロニクス株式会社
代理人個人
主分類C01G 49/00 20060101AFI20250327BHJP(無機化学)
要約【課題】従来よりも製造バッチ間での組成バラツキを低減する効果に優れた六方晶フェライト磁性粉の製造技術を提供する。
【解決手段】 六方晶フェライト合成用の非晶質体を形成するための成分を含む原料粉体と、水とを混練して、混練物を得る混練工程と、
前記混練物を造粒して粒状成形体を得る造粒工程と、
前記粒状成形体を加熱して溶融体を得る加熱溶融工程と、
前記溶融体を急冷することにより非晶質体を得る急冷工程と、
を含む六方晶フェライト合成用非晶質体の製造方法。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
六方晶フェライト合成用の非晶質体を形成するための成分を含む原料粉体と、水とを混練して、混練物を得る混練工程と、
前記混練物を造粒して粒状成形体を得る造粒工程と、
前記粒状成形体を加熱して溶融体を得る加熱溶融工程と、
前記溶融体を急冷することにより非晶質体を得る急冷工程と、
を含む六方晶フェライト合成用非晶質体の製造方法。
続きを表示(約 840 文字)【請求項2】
前記造粒工程で得られた粒状成形体を乾燥させる乾燥工程を、前記加熱溶融工程の前に有する、請求項1に記載の六方晶フェライト合成用非晶質体の製造方法。
【請求項3】
前記混練工程において、原料粉体100質量部に対し、水を20質量部以上35質量部以下の配合割合で混練する、請求項1に記載の六方晶フェライト合成用非晶質体の製造方法。
【請求項4】
前記原料粉体は、ストロンチウム含有六方晶バリウムフェライト合成用の非晶質体を形成するためのBaおよびSrを含有するものである、請求項1に記載の六方晶フェライト合成用非晶質体の製造方法。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載の六方晶フェライト合成用非晶質体の製造方法によって得られた非晶質体を加熱することにより六方晶フェライト結晶を合成し、六方晶フェライト含有粉体を得る焼成工程と、
前記六方晶フェライト含有粉体から、六方晶フェライト以外の残余成分を除去する残余成分除去工程と、
を有する、六方晶フェライト磁性粉の製造方法。
【請求項6】
請求項4に記載の六方晶フェライト合成用非晶質体の製造方法によって得られたBaおよびSrを含有する非晶質体を500℃以上570℃以下の温度範囲に加熱することにより中間体を得る予備熱処理工程と、
前記中間体を600℃以上670℃以下の温度範囲に加熱することにより六方晶フェライト結晶を合成し、六方晶フェライト含有粉体を得る焼成工程と、
前記六方晶フェライト含有粉体から、六方晶フェライト以外の残余成分を除去する残余成分除去工程と、
を有する、六方晶フェライト磁性粉の製造方法の製造方法。
【請求項7】
Sr/(Ba+Sr)モル比が0.01~0.30であるストロンチウム含有六方晶バリウムフェライト磁性粉を得る、請求項6に記載の六方晶フェライト磁性粉の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気記録媒体の高密度記録に適したマグネトプランバイト型(M型)六方晶フェライト磁性粉を合成するために使用する非晶質体の製造方法、および前記六方晶フェライト磁性粉の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
データアーカイブ用等の塗布型磁気記録媒体において優れた記録密度を実現できる磁性体として、六方晶フェライト磁性粉が用いられている。この六方晶フェライト磁性粉の代表的な製造方法として、六方晶フェライトの構成元素を含む非晶質体を加熱して六方晶フェライト結晶を合成する、いわゆるガラス結晶化法が知られている。
【0003】
特許文献1には、六方晶フェライトを合成するための非晶質体をガラス結晶化法で製造するに際し、原料物質を凝集状態に成形する工程を適用することが記載されている。ここで「凝集状態」とは、粒子同士の表面が接合し、2個以上の粒子の集合体となっている状態、または、粒子同士の表面が接触することなく、単に接近して2個以上の粒子の集合体となっている状態であるとされる(段落0031)。「凝集状態」に成形する具体的な実施例として、原料混合粉をパンペレタイザーに投入し、水を噴霧しながら転粒する手法が開示されている。パンペレタイザーにより、転がりながら原料粉同士が接合するように凝集することを繰り返し、次第に形状が球状化した成形体になるという(段落0072)。この手法により得られた非晶質体を用いて六方晶フェライトを合成することにより、組成バラツキの小さい六方晶バリウムフェライト磁性粉が得られるという。
【0004】
特許文献2には、六方晶フェライトを合成するための非晶質体をガラス結晶化法で製造するに際し、D90粒子径が1~200μmである原料粉を混合した材料を使用する手法が記載されている。この手法も、組成バラツキの小さい六方晶バリウムフェライト磁性粉を得る上で有効であるという。原料混合粉の成形に関しては、特許文献1と同様、パンペレタイザー等を用い、水を添加して凝集させる手法が望ましいと教示されている(段落0054、0083)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2014-199870号公報
特開2015-26790号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1、2に開示されるように、原料物質を凝集状態に成形する方法や粒度分布を調整した原料粉を使用する方法は、ガラス結晶化法を利用して組成バラツキの小さい六方晶バリウムフェライト磁性粉を得る上で有効である。しかしながら、磁気特性をより一層精度良くコントロールするためには、組成バラツキの更なる低減が求められる。特に昨今では、バリウムの一部を置換する元素として、例えばストロンチウムを少量添加した六方晶バリウムフェライトなどの開発が進められており、置換元素の配合組成によって磁気特性は大きく変動し得る。したがって、製造バッチ間での組成の均一化が従来にも増して重要になっており、組成バラツキの低減手法に関し、改善の余地が残されていることがわかってきた。
【0007】
本発明は、従来よりも製造バッチ間での組成バラツキを低減する効果に優れた六方晶フェライト磁性粉の製造技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的は以下の発明によって達成される。
[1]六方晶フェライト合成用の非晶質体を形成するための成分を含む原料粉体と、水とを混練して、混練物を得る混練工程と、
前記混練物を造粒して粒状成形体を得る造粒工程と、
前記粒状成形体を加熱して溶融体を得る加熱溶融工程と、
前記溶融体を急冷することにより非晶質体を得る急冷工程と、
を含む六方晶フェライト合成用非晶質体の製造方法。
[2]前記造粒工程で得られた粒状成形体を乾燥させる乾燥工程を、前記加熱溶融工程の前に有する、上記[1]に記載の六方晶フェライト合成用非晶質体の製造方法。
[3]前記混練工程において、原料粉体100質量部に対し、水を20質量部以上35質量部以下の配合割合で混練する、上記[1]または[2]に記載の六方晶フェライト合成用非晶質体の製造方法。
[4]前記原料粉体は、ストロンチウム含有六方晶バリウムフェライト合成用の非晶質体を形成するためのBaおよびSrを含有するものである、上記[1]~[3]のいずれかに記載の六方晶フェライト合成用非晶質体の製造方法。
[5]上記[1]~[4]のいずれかに記載の六方晶フェライト合成用非晶質体の製造方法によって得られた非晶質体を加熱することにより六方晶フェライト結晶を合成し、六方晶フェライト含有粉体を得る焼成工程と、
前記六方晶フェライト含有粉体から、六方晶フェライト以外の残余成分を除去する残余成分除去工程と、
を有する、六方晶フェライト磁性粉の製造方法。
[6]上記[4]に記載の六方晶フェライト合成用非晶質体の製造方法によって得られたBaおよびSrを含有する非晶質体を500℃以上570℃以下の温度範囲に加熱することにより中間体を得る予備熱処理工程と、
前記中間体を600℃以上670℃以下の温度範囲に加熱することにより六方晶フェライト結晶を合成し、六方晶フェライト含有粉体を得る焼成工程と、
前記六方晶フェライト含有粉体から、六方晶フェライト以外の残余成分を除去する残余成分除去工程と、
を有する、六方晶フェライト磁性粉の製造方法の製造方法。
[7]Sr/(Ba+Sr)モル比が0.01~0.30であるストロンチウム含有六方晶バリウムフェライト磁性粉を得る、上記[6]に記載の六方晶フェライト磁性粉の製造方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明のフェライト磁性粉の製造技術によれば、製造バッチ間での組成バラツキの低減に関して、従来よりも優れた効果を得ることができる。本発明は、特にバリウムの一部を他の元素(例えばストロンチウム)で置き換えた構造の六方晶フェライト磁性粉の製造において、組成を精度良くコントロールする上で有用であり、置換元素によって向上する磁気特性の均一性向上に寄与し得る。
【図面の簡単な説明】
【0010】
ガラス結晶化法により六方晶フェライト磁性粉を製造する場合の従来法における代表的な製造プロセスを例示した工程図。
ガラス結晶化法により六方晶フェライト磁性粉を製造する場合の本発明に従う代表的な製造プロセスを例示した工程図。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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