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公開番号
2025068723
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-04-30
出願番号
2023178685
出願日
2023-10-17
発明の名称
酸化グラフェンの製造方法
出願人
三和油化工業株式会社
,
トヨタ自動車株式会社
,
国立大学法人信州大学
代理人
個人
,
個人
主分類
C01B
32/23 20170101AFI20250422BHJP(無機化学)
要約
【課題】従来の製造方法と比較して安全に酸化グラフェンを製造することが可能な、酸化グラフェンの製造方法を提供すること。
【解決手段】a)反応槽内の、酸化グラフェン生成時に発生する七酸化二マンガンガスを含む気体aを、過酸化水素水と混合せしめるための混合部と、b)かかる混合によって発生する酸素ガスを含む混合部内の気体bについて、その酸素ガス濃度を測定するための測定手段と、を備える監視機構を用いて、反応槽内の黒鉛及び硫酸を含む混合液に対する過マンガン酸塩水溶液の供給を実施する。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
反応槽内の黒鉛及び硫酸を含む混合液に対して過マンガン酸塩水溶液を供給する工程を有し、
a)前記反応槽内の、酸化グラフェン生成時に発生する七酸化二マンガンガスを含む気体aを、過酸化水素水と混合せしめるための混合部と、b)かかる混合によって発生する酸素ガスを含む前記混合部内の気体bについて、その酸素ガス濃度を測定するための測定手段と、を備える監視機構を用いて、前記過マンガン酸塩水溶液の前記反応槽内への供給が実施される、
ことを特徴とする酸化グラフェンの製造方法。
続きを表示(約 670 文字)
【請求項2】
前記混合部は、過酸化水素水を貯留する貯留槽と、気液混合器とを有し、
前記気液混合器において、前記貯留槽より導かれる過酸化水素水と、前記反応槽より導かれる前記気体aとを混合せしめた後、かかる過酸化水素水と気体aとの混合物が前記貯留槽に返戻され、
前記気体bが、前記反応槽内の気体aと過酸化水素水との混合により発生する酸素ガスを含む前記貯留槽内の気体である、請求項1に記載の酸化グラフェンの製造方法。
【請求項3】
前記測定手段にて測定される酸素ガス濃度が規定値以上となった場合に前記過マンガン酸塩水溶液の供給を停止させるための停止機構を、更に備える請求項1又は請求項2に記載の酸化グラフェンの製造方法。
【請求項4】
前記測定手段にて測定される酸素ガス濃度が既定値以上となった場合に作動する警告手段を更に備える請求項1又は請求項2に記載の酸化グラフェンの製造方法。
【請求項5】
前記貯留槽が、かかる槽内の液体の酸化還元電位を測定するための酸化還元電位計と、過酸化水素水を供給するための供給手段とを備える請求項1又は請求項2に記載の酸化グラフェンの製造方法。
【請求項6】
前記過マンガン酸塩が過マンガン酸ナトリウム又は過マンガン酸カリウムである請求項1又は請求項2に記載の酸化グラフェンの製造方法。
【請求項7】
前記過マンガン酸塩水溶液の濃度が30~50wt%である請求項1又は請求項2に記載の酸化グラフェンの製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、酸化グラフェンの製造方法に係り、特に、従来の製造方法と比較して安全に酸化グラフェンを製造することが可能な方法に関するものである。
続きを表示(約 2,800 文字)
【背景技術】
【0002】
酸化グラフェン(Graphene oxide:GO)は、sp
2
結合で炭素原子が平面的に並んだ層状構造を有するグラフェンに、水酸基やカルボキシル基等の酸素を有する官能基(酸素官能基)が導入された構造を呈している。そのような酸化グラフェンの特異な構造や物性等に着目して、近年では、その利用・活用に関する研究が様々な技術分野において進められているのであり、例えば、触媒材料、電池の電極活物質、キャパシタの電極材料、熱電変換材料、発光材料や潤滑材料等として、酸化グラフェンを利用・活用することが期待されている。
【0003】
そのように種々の技術分野において利用が期待されている酸化グラフェンについて、その製造方法としては、グラフェンに、酸化剤としての過マンガン酸カリウムを反応系内に氷冷下で添加して、グラフェンを酸化することにより製造する方法、所謂「ハマーズ法」が、従来より広く知られている(非特許文献1を参照)。また、近年では、製造時の安全性の向上や得られる酸化グラフェンの高品質化を図るべく、上記の如きハマーズ法を改良した製造方法や、ハマーズ法より派生した製造方法等も種々、提案されている(特許文献1~特許文献3を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2011-148701号公報
特開2002-53313号公報
特開2017-88450号公報
【非特許文献】
【0005】
William S. Hummers, et.al, Journal of American Chemical Society, 1958, 80, 1339
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、酸化グラフェンは、グラファイト(黒鉛)を七酸化二マンガン(Mn
2
O
7
)によって酸化することにより、合成(製造)可能であることが知られており、先に示した従来の製造方法においても、この酸化反応を利用して酸化グラフェンが製造されている。七酸化二マンガン(Mn
2
O
7
)は、過マンガン酸塩を濃硫酸にて脱水することによって生成されるものであるところ、脱水反応においては、その反応系内における水の存在が好ましくないとされているため、従来の酸化グラフェンの製造方法において用いられる過マンガン酸塩は、水溶液の形態ではなく、固体状のものが用いられることが一般的である。しかしながら、固体状の過マンガン酸塩は、強塩基性を示す危険物であり、そのような固体状の過マンガン酸塩を用いた従来の酸化グラフェンの製造方法においては、作業者の安全性を確保すべく様々な対応が求められているのである。
【0007】
そのような状況の下、従来の製造方法と比較して酸化グラフェンを安全に製造することが出来る方法について、本発明者等が鋭意、検討を進めたところ、過マンガン酸塩水溶液を用いた場合にあっても、固体状の過マンガン酸塩を用いた場合と比較して遜色のない程度に反応が進行し、酸化グラフェンを製造することが可能であることが確認され、また、濃硫酸による過マンガン酸塩の脱水反応についても、その際に発生する七酸化二マンガン(Mn
2
O
7
)ガスの量を把握することにより、かかる脱水反応を過剰に進行させることなく安全に酸化グラフェンの製造が可能ならしめられることを見出し、本発明を完成するに至ったのである。
【0008】
すなわち、本発明は、かかる事情の下に為されたものであって、その解決すべき課題とするところは、従来の製造方法と比較して安全に酸化グラフェンを製造することが可能な、酸化グラフェンの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そして、本発明は、上記した課題を解決するために、以下に列挙せる如き各種の態様において、好適に実施され得るものである。なお、本発明の態様乃至は技術的特徴は、以下に記載のものに何等限定されるものではなく、明細書全体の記載から把握され得る発明思想に基づいて、認識され得るものであることが、理解されるべきである。
【0010】
(1) 反応槽内の黒鉛及び硫酸を含む混合液に対して過マンガン酸塩水溶液を供給する工程を有し、
a)前記反応槽内の、酸化グラフェン生成時に発生する七酸化二マンガンガスを含む気体aを、過酸化水素水と混合せしめるための混合部と、b)かかる混合によって発生する酸素ガスを含む前記混合部内の気体bについて、その酸素ガス濃度を測定するための測定手段と、を備える監視機構を用いて、前記過マンガン酸塩水溶液の前記反応槽内への供給が実施される、
ことを特徴とする酸化グラフェンの製造方法。
(2) 前記混合部は、過酸化水素水を貯留する貯留槽と、気液混合器とを有し、
前記気液混合器において、前記貯留槽より導かれる過酸化水素水と、前記反応槽より導かれる前記気体aとを混合せしめた後、かかる過酸化水素水と気体aとの混合物が前記貯留槽に返戻され、
前記気体bが、前記反応槽内の気体aと過酸化水素水との混合により発生する酸素ガスを含む前記貯留槽内の気体である、前記態様(1)に記載の酸化グラフェンの製造方法。
(3) 前記測定手段にて測定される酸素ガス濃度が規定値以上となった場合に前記過マンガン酸塩水溶液の供給を停止させるための停止機構を、更に備える前記態様(1)又は前記態様(2)に記載の酸化グラフェンの製造方法。
(4) 前記測定手段にて測定される酸素ガス濃度が既定値以上となった場合に作動する警告手段を更に備える前記態様(1)又は前記態様(2)に記載の酸化グラフェンの製造方法。
(5) 前記貯留槽が、かかる槽内の液体の酸化還元電位を測定するための酸化還元電位計と、過酸化水素水を供給するための供給手段とを備える前記態様(1)又は前記態様(2)に記載の酸化グラフェンの製造方法。
(6) 前記過マンガン酸塩が過マンガン酸ナトリウム又は過マンガン酸カリウムである前記態様(1)又は前記態様(2)に記載の酸化グラフェンの製造方法。
(7) 前記過マンガン酸塩水溶液の濃度が30~50wt%である前記態様(1)又は前記態様(2)に記載の酸化グラフェンの製造方法。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)
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