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公開番号2025042610
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-27
出願番号2024158125
出願日2024-09-12
発明の名称種粒子とコバルトフェライト粒子の複合粒子及びその製造方法
出願人日鉄鉱業株式会社
代理人弁理士法人 もえぎ特許事務所
主分類C01G 49/00 20060101AFI20250319BHJP(無機化学)
要約【課題】粒子径が特定の範囲内であり、所定の平均円形度を有する丸みを帯びた形状で、かつ、特定の磁気特性を持つ、種粒子とコバルトフェライト粒子の複合粒子を、より低いエネルギーで合成することができる製造方法及び、これにより製造された、所定の平均円形度を有する丸みを帯びた形状で、かつ、特定の磁気特性を持つ、粒子径のそろった種粒子とコバルトフェライト粒子の複合粒子を提供する。
【解決手段】水溶液中において二価鉄塩とコバルト塩を錯化剤により安定化してフェライト前駆体を調製する工程と、フェライト前駆体に球状又は略球状の種粒子を添加する工程と、さらにフェライト前駆体を加熱処理する工程とを備える、種粒子とコバルトフェライト粒子の複合粒子の製造方法を提供する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
水溶液中において二価鉄塩とコバルト塩を錯化剤により安定化してフェライト前駆体を調製する工程と、
前記フェライト前駆体に球状又は略球状の種粒子を添加する工程と、
さらに前記フェライト前駆体を加熱処理する工程とを備える、種粒子とコバルトフェライト粒子の複合粒子の製造方法。
続きを表示(約 850 文字)【請求項2】
前記加熱処理が、圧力容器中で130℃~260℃の温度範囲において、水熱条件で行なう請求項1に記載の種粒子とコバルトフェライト粒子の複合粒子の製造方法。
【請求項3】
前記加熱処理が、圧力容器中で190℃~240℃の温度範囲において、水熱条件で行なう請求項2に記載の種粒子とコバルトフェライト粒子の複合粒子の製造方法。
【請求項4】
前記加熱処理する工程の時間が、1~50時間である請求項2又は3に記載の種粒子とコバルトフェライト粒子の複合粒子の製造方法。
【請求項5】
前記加熱処理が、190℃~210℃の温度範囲まで加熱しその第一到達温度で保持し、
さらに210℃~240℃の温度範囲まで加熱しその第二到達温度で保持することによる水熱条件で行う請求項3に記載の種粒子とコバルトフェライト粒子の複合粒子の製造方法。
【請求項6】
前記第一到達温度で1~14時間保持する請求項5に記載の種粒子とコバルトフェライト粒子の複合粒子の製造方法。
【請求項7】
前記第二到達温度で0.5~12時間保持する請求項5又は6に記載の種粒子とコバルトフェライト粒子の複合粒子の製造方法。
【請求項8】
前記種粒子として、鉄、鉄系合金、酸化鉄、スピネルフェライト又はシリカから選択された少なくとも1つを使用する請求項2又は3に記載の種粒子とコバルトフェライト粒子の複合粒子の製造方法。
【請求項9】
前記二価鉄塩と前記コバルト塩が、硫酸鉄(II)と硫酸コバルト(II)である請求項2又は3に記載の種粒子とコバルトフェライト粒子の複合粒子の製造方法。
【請求項10】
前記二価鉄塩と前記コバルト塩が、塩化鉄(II)と塩化コバルト(II)である請求項2又は3に記載の種粒子とコバルトフェライト粒子の複合粒子の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、種粒子とコバルトフェライト粒子の複合粒子及びその製造方法に関する。本発明は、粒子径が特定の範囲内であり、所定の平均円形度を有する丸みを帯びた形状で、かつ、特定の磁気特性を持つ、種粒子とコバルトフェライト粒子の複合粒子を提供するものである。
続きを表示(約 4,200 文字)【背景技術】
【0002】
フェライト粒子は、高透磁率材料や永久磁石材料として知られ、今日では磁性粉体はコピー用トナー、磁性インク、MR流体等の新たな素材に用いられるようになり、その品質や性能の向上が期待されている。
特にコバルトフェライトは、スピネル型フェライトの中でも結晶磁気異方性が大きく、保磁力の大きい磁性材料として知られている。また、コバルトは鉄と化学的な挙動が似ているため、その製造工程において各種制御が容易にできるという利点がある。
【0003】
フェライト粒子の製造方法としては、共沈法、湿式酸化法、水熱法などの方法が知られている。
共沈法は、二種類以上のイオンを同時に沈殿させる反応で、コバルトフェライト粒子を製造する場合、Fe
3+
とCо
2+
イオンを含む水溶液にアルカリを投入後、加熱することで反応を促進させてナノサイズのフェライト粒子を得る。この方法では、80~100℃の温度で反応をおこない、得られた粒子の平均粒子径は20~50nm程度で、比較的粒度分布の広い粒子しか得られない(特許文献1)。
【0004】
湿式酸化法は、Fe
2+
とCо
2+
イオンを含む原料水溶液に加熱しながら空気等の酸化剤を反応させる方法である。酸化剤として空気を使用した場合には、反応温度は60~100℃程度で、0.05~0.3μm程度の粒子を得ている(特許文献2、特許文献3)。また、原料水溶液と酸化剤液との反応を連続的におこなう方法では、30~100℃の温度で反応をおこない、3~20nmのフェライト粒子を得ている(特許文献4)。
【0005】
水熱法は、Fe
2+
イオンを含む水溶液にCо
2+
イオンを含む水溶液を混合し、オートクレーブ中で水熱合成する方法で、160~300℃という高温反応により、0.3~8μmという比較的大きな粒子径のフェライト粒子を製造している(特許文献5)。
【0006】
従来技術によりフェライト粒子を製造する場合、共沈法や湿式酸化法によれば、比較的低い温度で製造することができるが、得られたフェライト粒子はnmオーダーの微細な粒子しか得られない。また、水熱法によればμmオーダーの比較的大きな粒子を得ることができるが、高温高圧で水熱反応(シッコール反応)を行なわせる必要があり、設備やコストの面で問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特許第4138344号公報
特公平3-24412号公報
特公昭60-47722号公報
特許第5504399号公報
特開平5-275224号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
これまでのコバルトフェライト粒子の製造では、粒子径を小さくすると丸みがなくなり、形がいびつになっていた。コピー用トナー、磁性インク、MR流体にコバルトフェライト粒子を用いる際に、粒子の表面が丸みを帯びていると、表面処理剤を必要最低限の量で粒子の表面に均一に被覆することができる。しかし、粒子の表面がいびつであると、表面処理剤の使用量が増え、余計なコストが掛かっていた。
粒子表面の丸みの度合いを評価する尺度の一つとして、粒子の平均円形度が考えられる。したがって、所定の平均円形度を有し、粒子の表面が丸みを帯びていることで、表面処理剤を必要最小限の量で均一に被覆することができるコバルトフェライト粒子又はコバルトフェライトを含む複合粒子が求められていた。
以上より、本発明は、従来の技術の問題点を克服し、粒子径が特定の範囲内であり、所定の平均円形度を有する丸みを帯びた形状で、かつ、特定の磁気特性を持つ、種粒子とコバルトフェライト粒子の複合粒子を、より低いエネルギーで合成することができる製造方法を提供するものである。また、本発明は、上記製造方法により製造された、粒子径が特定の範囲内であり、所定の平均円形度を有する丸みを帯びた形状で、かつ、特定の磁気特性を持つ、種粒子とコバルトフェライト粒子の複合粒子を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するための手段として、本発明では、次の構成からなる手段を採用する。
(1) 水溶液中において二価鉄塩とコバルト塩を錯化剤により安定化してフェライト前駆体を調製する工程と、フェライト前駆体に球状又は略球状の種粒子を添加する工程と、さらにフェライト前駆体を加熱処理する工程とを備える、種粒子とコバルトフェライト粒子の複合粒子の製造方法。
(2) 加熱処理が、圧力容器中で130℃~260℃の温度範囲において、水熱条件で行なう(1)に記載の種粒子とコバルトフェライト粒子の複合粒子の製造方法。
(3) 加熱処理が、圧力容器中で190℃~240℃の温度範囲において、水熱条件で行なう(2)に記載の種粒子とコバルトフェライト粒子の複合粒子の製造方法。
(4) 加熱処理する工程の時間が、1~50時間である(2)又は(3)に記載の種粒子とコバルトフェライト粒子の複合粒子の製造方法。
(5) 加熱処理が、190℃~210℃の温度範囲まで加熱しその第一到達温度で保持し、さらに210℃~240℃の温度範囲まで加熱しその第二到達温度で保持することによる水熱条件で行う(3)に記載の種粒子とコバルトフェライト粒子の複合粒子の製造方法。
(6) 第一到達温度で1~14時間保持する(1)~(5)のいずれか一項に記載の種粒子とコバルトフェライト粒子の複合粒子の製造方法。
(7) 第二到達温度で0.5~12時間保持する(1)~(6)のいずれか一項に記載の種粒子とコバルトフェライト粒子の複合粒子の製造方法。
(8) 種粒子として、鉄、鉄系合金、酸化鉄、スピネルフェライト又はシリカから選択された少なくとも1つを使用する(1)~(7)のいずれか一項に記載の種粒子とコバルトフェライト粒子の複合粒子の製造方法。
(9) 二価鉄塩とコバルト塩が、硫酸鉄(II)と硫酸コバルト(II)である(1)~(8)のいずれか一項に記載の種粒子とコバルトフェライト粒子の複合粒子の製造方法。
(10) 二価鉄塩とコバルト塩が、塩化鉄(II)と塩化コバルト(II)である(1)~(8)のいずれか一項に記載の種粒子とコバルトフェライト粒子の複合粒子の製造方法。
(11) 錯化剤として、クエン酸塩、ニトリロ三酢酸塩、又はリンゴ酸塩から選択された1つを使用する(1)~(10)のいずれか一項に記載の種粒子とコバルトフェライト粒子の複合粒子の製造方法。
(12) 加熱処理する工程を、錯化剤に加えてさらに酸化剤の存在下でおこなう(1)~(11)のいずれか一項に記載の種粒子とコバルトフェライト粒子の複合粒子の製造方法。
(13) 酸化剤が、硝酸塩である(12)に記載の種粒子とコバルトフェライト粒子の複合粒子の製造方法。
(14) フェライト前駆体を含む水溶液に、さらに三価鉄塩を添加する(1)~(13)のいずれか一項に記載の種粒子とコバルトフェライト粒子の複合粒子の製造方法。
(15) フェライト前駆体を含む水溶液に、さらにpH緩衝剤を添加する(1)~(14)のいずれか一項に記載の種粒子とコバルトフェライト粒子の複合粒子の製造方法。
(16) 加熱処理する工程の途中又は終了後に、圧力容器中に、アルカリ水溶液又はフェライト前駆体を圧入し、さらに加熱処理を行う(1)~(15)のいずれか一項に記載の種粒子とコバルトフェライト粒子の複合粒子の製造方法。
(17) 平均円形度が0.7~1.0である丸みを帯びた形状であり、粒子径分布に基づく累積値50%に相当する粒子径が1~30μm、粒子径分布に基づく累積値95%に相当する粒子径が5~50μmである、種粒子とコバルトフェライト粒子の複合粒子。
(18) 残留磁気モーメントが10emu/g以上であり、保磁力が100~1000Oeである(17)に記載の種粒子とコバルトフェライト粒子の複合粒子。
(19) (18)に記載の種粒子とコバルトフェライト粒子の複合粒子からなるコピー用トナー。
(20) (18)に記載の種粒子とコバルトフェライト粒子の複合粒子からなる磁性インク。
(21) (18)に記載の種粒子とコバルトフェライト粒子の複合粒子からなるMR流体。
(22) (18)に記載の種粒子とコバルトフェライト粒子の複合粒子の表面に、酸化チタン膜と金属銀膜とをこの順に有する白色粉体。
(23) 明度L*が75以上である(22)に記載の白色粉体。
【発明の効果】
【0010】
本発明の製造方法を採用することにより、従来方法で製造された磁性粒子と比較して、より低いエネルギーで、粒子径が特定の範囲内であり、所定の平均円形度を有する丸みを帯びた形状で、かつ、特定の磁気特性を持つ、種粒子とコバルトフェライト粒子の複合粒子からなる磁性粒子を製造することができる。
本発明の製造方法で得られた種粒子とコバルトフェライト粒子の複合粒子は、丸みを帯びた形状で粒子径がそろっているので、コピー用トナー、磁性インク、MR流体としての用途が期待される。また、本発明の種粒子とコバルトフェライト粒子の複合粒子は、公知の方法で白色化することにより、白色、あるいはさらに着色層を設けて、明度の高い白色粉体あるいは鮮やかな色に着色されたカラー粉体とすることができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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