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公開番号2025038730
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-19
出願番号2023145516
出願日2023-09-07
発明の名称グラフェン分散液およびその製造方法
出願人リックス株式会社
代理人個人,個人
主分類C01B 32/19 20170101AFI20250312BHJP(無機化学)
要約【課題】凝集しやすいナノマテリアルであるグラフェンの凝集や沈降を抑え、グラフェンの濃度が高い分散液を効率よく得ることができ、かつ、長期間、分散状態を保持できるグラフェン分散液の製造方法を提供する。
【解決手段】黒鉛と、有機酸塩とを、乾式またはペースト状で混合しながら粉砕する工程(A)と、前記工程(A)で得られた混合物を水洗し、黒鉛と有機酸塩との黒鉛複合体を得る工程(B)と、前記黒鉛複合体と、ポリマーが極性溶媒に溶解した分散溶液とを、剪断力を付与しながら混合し、前記分散溶液中で前記黒鉛複合体を層間剥離させる工程(C)と、を有し、前記分散溶液の粘度が、3.0mPa・s~25.0mPa・sであり、かつ、前記分散溶液の表面張力が、10mN/m~60mN/mである、グラフェン分散液の製造方法。
【選択図】 なし
特許請求の範囲【請求項1】
黒鉛と、有機酸塩とを、乾式またはペースト状で混合しながら粉砕する工程(A)と、
前記工程(A)で得られた混合物を水洗し、黒鉛と有機酸塩との黒鉛複合体を得る工程(B)と、
前記黒鉛複合体と、ポリマーが極性溶媒に溶解した分散溶液とを、剪断力を付与しながら混合し、前記分散溶液中で前記黒鉛複合体を層間剥離させる工程(C)と、
を有し、
前記分散溶液の粘度が、3.0mPa・s~25.0mPa・sであり、かつ、前記分散溶液の表面張力が、10mN/m~60mN/mである、グラフェン分散液の製造方法。
続きを表示(約 540 文字)【請求項2】
前記有機酸塩が、有機酸とリチウムイオンとの塩である、請求項1に記載のグラフェン分散液の製造方法。
【請求項3】
前記有機酸塩が、クエン酸塩である、請求項1または2に記載のグラフェン分散液の製造方法。
【請求項4】
前記ポリマーの重量平均分子量(Mw)が、600,000以上である、請求項1または2に記載のグラフェン分散液の製造方法。
【請求項5】
前記ポリマーが、フッ素系ポリマーであり、
前記極性溶媒が、アミド系溶媒である、請求項1または2に記載のグラフェン分散液の製造方法。
【請求項6】
前記極性溶媒に対する前記ポリマーの質量比が、0.2質量%~1.0質量%である、請求項1または2に記載のグラフェン分散液の製造方法。
【請求項7】
前記工程(C)において、前記分散溶液1Lに対して、前記黒鉛複合体が1g~50gとなるように混合する、請求項1または2に記載のグラフェン分散液の製造方法。
【請求項8】
クエン酸が結合したアニオン性の部位を有するグラフェンおよびカチオンを含む修飾グラフェンと、ポリマーと、極性溶媒とを含む、グラフェン分散液。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、グラフェン分散液およびその製造方法に関するものである。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
グラフェンは、熱伝導性、柔軟性、強靭性などの優れた性質を有するため、様々な分野で研究、応用がされている。一方で、グラフェンは、ナノマテリアルであるため凝集しやすい。そこで、グラフェンの分散性を高める技術も重要である。
【0003】
例えば、特許文献1には、無機粉体に、水溶性塩を加えて乾式またはペースト状で混合する工程(A)と、前記工程(A)の後に水洗して、前記水溶性塩由来の成分を含む無機粒子複合体を得る工程(B)とを含み、前記水溶性塩は、当該水溶性塩の対アニオンの酸の酸解離定数pKa(H
2
O)が0より大きい水溶性塩である無機粒子複合体の製造方法が開示され、無機粒子複合体の一つとしてグラフェンが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2019-147713号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1には、特許文献1に記載の方法で得られた無機粒子複合体を、アセトンや水/プロパノールといった極性溶媒に分散させるときの分散安定性に優れることが記載されている。しかしながら、特許文献1では、極性溶媒中の無機粒子複合体の濃度が高い場合における分散性の検討が十分とはいえなかった。グラフェンは、分散液中の濃度が高いほど、凝集や沈降をしやすいが、工業的な観点からは、グラフェンの濃度が高い分散液が求められている。そのため、グラフェン濃度が高い場合であっても、凝集や沈降を抑えて、長期間にわたって分散性を確保することが求められていた。
【0006】
かかる状況下、本発明の目的は、凝集しやすいナノマテリアルであるグラフェンの凝集や沈降を抑え、グラフェンの濃度が高い分散液を効率よく得ることができ、かつ、長期間、分散状態を保持できるグラフェン分散液およびその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、下記の発明が上記目的に合致することを見出し、本発明に至った。
【0008】
すなわち、本発明は、以下の発明に係るものである。
<1> 黒鉛と、有機酸塩とを、乾式またはペースト状で混合しながら粉砕する工程(A)と、前記工程(A)で得られた混合物を水洗し、黒鉛と有機酸塩との黒鉛複合体を得る工程(B)と、前記黒鉛複合体と、ポリマーが極性溶媒に溶解した分散溶液とを、剪断力を付与しながら混合し、前記分散溶液中で前記黒鉛複合体を層間剥離させる工程(C)と、を有し、前記分散溶液の粘度が、3.0mPa・s~25.0mPa・sであり、かつ、前記分散溶液の表面張力が、10mN/m~60mN/mである、グラフェン分散液の製造方法。
<2> 前記有機酸塩が、有機酸とリチウムイオンとの塩である、前記<1>に記載のグラフェン分散液の製造方法。
<3> 前記有機酸塩が、クエン酸塩である、前記<1>または<2>に記載のグラフェン分散液の製造方法。
<4> 前記ポリマーの重量平均分子量(Mw)が、600,000以上である、前記<1>から<3>のいずれかに記載のグラフェン分散液の製造方法。
<5> 前記ポリマーが、フッ素系ポリマーであり、前記極性溶媒が、アミド系溶媒である、前記<1>から<4>のいずれかに記載のグラフェン分散液の製造方法。
<6> 前記極性溶媒に対する前記ポリマーの質量比が、0.2質量%~1.0質量%である、前記<1>から<5>のいずれかに記載のグラフェン分散液の製造方法。
<7> 前記工程(C)において、前記分散溶液1Lに対して、前記黒鉛複合体が1g~50gとなるように混合する、前記<1>から<6>のいずれかに記載のグラフェン分散液の製造方法。
<8> クエン酸が結合したアニオン性の部位を有するグラフェンおよびカチオンを含む修飾グラフェンと、ポリマーと、極性溶媒とを含む、グラフェン分散液。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、凝集しやすいナノマテリアルであるグラフェンの凝集や沈降を抑え、グラフェンの濃度が高い分散液を効率よく得ることができ、かつ、長期間、分散状態を保持できるグラフェン分散液およびその製造方法が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明するが、以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施態様の一例(代表例)であり、本発明はその要旨を変更しない限り、以下の内容に限定されない。なお、本明細書において「~」という表現を用いる場合、その前後の数値又は物性値を含む表現として用いるものとする。
(【0011】以降は省略されています)

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