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公開番号
2025036872
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-03-17
出願番号
2023143483
出願日
2023-09-05
発明の名称
複層化グラフェンの製造方法
出願人
株式会社タカギ
,
国立大学法人信州大学
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
C01B
32/184 20170101AFI20250310BHJP(無機化学)
要約
【課題】従来よりも簡便な方法で、積層化グラフェンを製造可能な製造方法を提供すること。
【解決手段】本開示は、樹脂層及び上記樹脂層上に設けられた単層グラフェンを有する積層フィルムと、金属層及び上記金属層上に設けられたグラフェン層を有する積層体と、を用意し、アルコール水溶液中で、上記積層フィルムを上記単層グラフェン側から、上記積層体の上記グラフェン層側に積層し、積層物を得る工程と、上記積層物をアルコール水溶液から取り出し、上記積層物中のアルコール水溶液の含有量を低減して、複層化グラフェン層を形成する工程と、を備え、上記アルコール水溶液におけるアルコールの含有量が13~40質量%であり、上記アルコールは、炭素数が1~4の脂肪族アルコールである、複層化グラフェンの製造方法を提供する。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
樹脂層及び前記樹脂層上に設けられた単層グラフェンを有する積層フィルムと、金属層及び前記金属層上に設けられたグラフェン層を有する積層体と、を用意し、アルコール水溶液中で、前記積層フィルムを前記単層グラフェン側から、前記積層体の前記グラフェン層側に積層し、積層物を得る工程と、
前記積層物をアルコール水溶液から取り出し、前記積層物中のアルコール水溶液の含有量を低減して、複層化グラフェン層を形成する工程と、を備え、
前記アルコール水溶液におけるアルコールの含有量が13~40質量%であり、
前記アルコールは、炭素数が1~4の脂肪族アルコールである、
複層化グラフェンの製造方法。
続きを表示(約 430 文字)
【請求項2】
複層化グラフェン層を形成した後に、前記樹脂層を除去する工程をさらに備える、請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
複層化グラフェン層を形成した後に、前記金属層を除去する工程をさらに備える、請求項1又は2に記載の製造方法。
【請求項4】
前記複層化グラフェン層は、532nmの測定光源を用いたラマン分光分析によって得られるラマンスペクトルにおいて、1575~1595cm
-1
の範囲に観測されるGバンドの強度をI
G
とし、2600~2800cm
-1
の範囲に観測される2Dバンドの強度をI
2D
としたときに、I
G
に対するI
2D
の比が1.3未満となる部分と、I
G
に対するI
2D
の比が1.3以上となる部分と、を有する、請求項1又は2に記載の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は、複層化グラフェンの製造方法に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)
【背景技術】
【0002】
グラフェンは、炭素原子のsp
2
結合で形成された単分子層構造を有する材料であり、導電性や化学的安定性に優れた単分子膜として知られている。グラフェンは一般に空乏サイトなどの欠陥を有する。このような欠陥を利用し、分子やイオンの透過を調整することよって、海水の淡水化及びガス分離等への応用が検討されている。グラフェンは、例えば、複数のグラフェンが積層し結晶化したような構造を有するグラファイトから取り出す調製方法、又は、化学気相成長法などを用いて直接調製する調製方法などによって得られる。
【0003】
特許文献1は、基板上にグラフェン層を形成する段階と、上記グラフェン層上に、保護層及び接着層を順次に形成する段階と、上記基板を上記グラフェン層から除去する段階と、転写基板上に、上記グラフェン層が接触するように、上記グラフェン層を整列する段階と、上記接着層及び保護層を順次に除去する段階と、を含む大面積グラフェン転写方法が記載されている。特許文献1ではグラフェンを複数積層することについては検討されていない。
【0004】
特許文献2には、単結晶基板の表面にエピタキシャルな金属膜を成膜した基板に、炭素含有分子を含有する原料ガスを供給して化学気相成長(CVD)により、上記エピタキシャルな金属膜の表面にグラフェン薄膜を成長させる工程を含むグラフェン薄膜の製造方法において、二層グラフェンの核を生成する条件でガス供給を行う第1の原料ガス供給工程と、生成した上記二層グラフェンの核から二層グラフェンを成長させる条件でガス供給を行う第2の原料ガス供給工程と、を含むことを特徴とするグラフェン薄膜の製造方法が記載されている。特許文献2では二層グラフェン又は多層グラフェンを部分的に有するグラフェン薄膜を調製できるとの記載があるものの、その層数の制御は容易ではない。
【0005】
特許文献3には、グラフェンと溶媒とを含む容器を準備する準備工程と、上記溶媒に磁場をかけ、上記グラフェンを上記溶媒の中で分散させる磁場印加工程と、上記グラフェンが分散しているうえ記溶媒を基材へ塗布する塗布工程と、を含むグラフェン層形成方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2011-105590号公報
特開2013-177273号公報
特開2015-003833号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献2のように直接グラフェン薄膜を成長させる方法では、結晶性に優れるグラフェンの積層構造を形成可能ではあるものの、単層グラフェンの積層数の制御や積層構造の大面積化の点では改善の余地がある。特許文献3のような、グラフェン片が分散した溶液を基材上に塗布してグラフェン層を形成する場合、グラフェン片同士を隙間なく敷き詰めることは困難であり、グラフェン層には欠陥が発生し得るなど、単層で欠陥なくグラフェンの層を大きな面積で調製することは極めて困難である。また単にグラフェンを重ねることができたとしても、グラフェンの層間の結合が緩く、グラフェン同士の層間が分子やイオンの移動する経路となりえ、多層で重ねたグラフェンをイオン不透過性のフィルターとして利用しようとしても、グラフェン層間を分子やイオンが通過可能となることで分離能の低下を招き得る。
【0008】
本開示は、従来よりも簡便な方法で、積層化グラフェンを製造可能な製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示は、下記[1]~[4]を提供する。
【0010】
[1]
樹脂層及び前記樹脂層上に設けられた単層グラフェンを有する積層フィルムと、金属層及び前記金属層上に設けられたグラフェン層を有する積層体と、を用意し、アルコール水溶液中で、前記積層フィルムを前記単層グラフェン側から、前記積層体の前記グラフェン層側に積層し、積層物を得る工程と、
前記積層物をアルコール水溶液から取り出し、前記積層物中のアルコール水溶液の含有量を低減して、複層化グラフェン層を形成する工程と、を備え、
前記アルコール水溶液におけるアルコールの含有量が13~40質量%であり、
前記アルコールは、炭素数が1~4の脂肪族アルコールである、
複層化グラフェンの製造方法。
[2]
複層化グラフェン層を形成した後に、前記樹脂層を除去する工程をさらに備える、[1]に記載の製造方法。
[3]
複層化グラフェン層を形成した後に、前記金属層を除去する工程をさらに備える、[1]又は[2]に記載の製造方法。
[4]
前記複層化グラフェン層は、532nmの測定光源を用いたラマン分光分析によって得られるラマンスペクトルにおいて、1575~1595cm
-1
の範囲に観測されるGバンドの強度をI
G
とし、2600~2800cm
-1
の範囲に観測される2Dバンドの強度をI
2D
としたときに、I
G
に対するI
2D
の比が1.3未満となる部分と、I
G
に対するI
2D
の比が1.3以上となる部分と、を有する、[1]~[3]のいずれかに記載の製造方法。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)
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