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公開番号2025039502
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-21
出願番号2024034991
出願日2024-03-07
発明の名称金属酸化合物分散液およびその製造方法
出願人三井金属鉱業株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類C01B 25/45 20060101AFI20250313BHJP(無機化学)
要約【課題】水への分散性が高く、溶解性も良好で、また保存安定性に優れる金属酸化合物分散液及びその製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の金属酸化合物分散液は、ニオブ、タンタル、モリブデン、タングステン、チタンからなる群より選択される2種以上の金属種Mを含有する金属酸化合物分散液であって、アルカリ金属元素、およびまたは、アルカリ土類金属元素からなる群から選択された1種以上の元素Xと、リン化合物およびまたは塩素化合物と、を含有し、動的光散乱法による前記金属酸化合物分散液中の粒子の粒子径(D50)が1000nm以下である。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
ニオブ、タンタル、モリブデン、タングステン、チタンからなる群より選択される2種以上の金属種Mを含有する金属酸化合物分散液であって、
アルカリ金属元素、およびまたは、アルカリ土類金属元素からなる群から選択された1種以上の元素Xと、
リン化合物およびまたは塩素化合物と、
を含有し、
動的光散乱法による前記金属酸化合物分散液中の粒子の粒子径(D50)が1000nm以下であることを特徴とする金属酸化合物分散液。
続きを表示(約 930 文字)【請求項2】
ニオブ、タンタル、モリブデン、タングステン、チタンからなる群より選択される2種以上の金属種Mを含有する金属酸化合物分散液であって、
アルカリ金属元素、およびまたは、アルカリ土類金属元素からなる群から選択された1種以上の元素Xと、
リン化合物およびまたは塩素化合物と、
を含有し、
波長400nm~760nm領域の透過率の最大値が70%T以上であることを特徴とする金属酸化合物分散液。
【請求項3】
前記金属種Mが、タンタルを含有することを特徴とする請求項1、又は2に記載の金属酸化合物分散液。
【請求項4】
前記元素Xが、Liを含有することを特徴とする請求項1、又は2に記載の金属酸化合物分散液。
【請求項5】
前記リン化合物が、無機リン化合物、有機リン化合物、およびその塩から選択された1種以上を含有することを特徴とする請求項1、又は2に記載の金属酸化合物分散液。
【請求項6】
前記リン化合物が、リン酸、縮合リン酸、ピロリン酸、ポリリン酸、亜リン酸、次亜リン酸、リン酸アンモニウム、リン酸第一アンモニウム、リン酸第二アンモニウム、ピロリン酸アンモニウム、ポリリン酸アンモニウムから選択された1種以上を含有することを特徴とする請求項5に記載の金属酸化合物分散液。
【請求項7】
さらに過酸化水素を含有することを特徴とする請求項1、又は2に記載の金属酸化合物分散液。
【請求項8】
さらにアンモニア、およびまたは、有機窒素化合物を含有することを特徴とする請求項1、又は2に記載の金属酸化合物分散液。
【請求項9】
前記金属酸化合物分散液中の前記金属種M含有量が金属種M原子換算で0.01質量%以上30質量%以下であることを特徴とする請求項1、又は2に記載の金属酸化合物分散液。
【請求項10】
前記金属酸化合物分散液中のリン含有量がP原子換算で0.01質量%以上10質量%以下であることを特徴とする請求項1、又は2に記載の金属酸化合物分散液。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、金属酸化合物分散液およびその製造方法に関する。
続きを表示(約 3,100 文字)【背景技術】
【0002】
金属酸化合物として、ニオブ、タンタル、モリブデン、タングステン等の金属元素とアルカリ金属元素であるリチウムを複合化させた金属酸リチウムは、非線形光学材料、圧電素子、電池材料などに利用されている。例えば、全固体リチウムイオン電池に生じる電池抵抗を低下させることが可能な複合活物質粒子において、その複合活物質粒子の表面の少なくとも一部を被覆するリチウムイオン伝導性酸化物として、金属酸リチウムが挙げられている。また、例えば、特許文献1には、圧電センサの基材層上にニオブ酸リチウム粉体を含む圧電膜層が形成された圧電センサが開示されている。特許文献1に開示された圧電センサは、ニオブ酸リチウム粉体とゾルゲル溶液とを混合した混合物をスプレー塗布し、その後焼結することにより、当該圧電膜層が形成されるものである。また、特許文献2に開示された酸化タンタルゾル、具体的にはタンタル酸リチウムは、光学特性、非線形特性、電気光学特性に優れており、圧電素子などに利用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2023-63187号公報
特開平8-143315号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示された圧電センサにおいては、ニオブ酸リチウム粉体とゾルゲル溶液とを混合した混合物をスプレー塗布する際、ニオブ酸リチウム粉体の溶媒に対する分散性や、溶解性が低いと、均一な圧電膜層を形成することは困難となる。また、ニオブ酸リチウム粉体と溶媒との混合物の保存安定性が悪ければ、スプレー塗布作業が煩雑となる。さらに、特許文献2に開示された酸化タンタルゾルは、しゅう酸といった、揮発し難い有機成分を含んでいることから、当該有機成分が均一な製膜の形成を妨げる要因となり、触媒の添加剤に使用する際には触媒作用を阻害する要因となり得る。また、タンタル酸リチウムは、ニオブ酸リチウムと比して、水への分散性や、溶解性が悪く、経時変化によって、沈殿物が生じやすく、保存安定性に優れたものではなかった。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みて、極性溶媒、とりわけ水への分散性が高く、水に対する溶解性が良好で、且つ保存安定性に優れた金属酸化合物分散液及びその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するためになされた本発明の金属酸化合物分散液は、ニオブ、タンタル、モリブデン、タングステン、チタンからなる群より選択される2種以上の金属種Mを含有する金属酸化合物分散液であって、アルカリ金属元素、およびまたは、アルカリ土類金属元素からなる群から選択された1種以上の元素Xと、リン化合物およびまたは塩素化合物と、を含有し、動的光散乱法による前記金属酸化合物分散液中の粒子の粒子径(D50)が1000nm以下であることを特徴とする。
本発明の金属酸化合物分散液は、ニオブ、タンタル、モリブデン、タングステン、チタンからなる群より選択される2種以上の金属種Mを含有し、アルカリ金属元素、およびまたは、アルカリ土類金属元素からなる群から選択された1種以上の元素Xと、リン化合物およびまたは前記塩素化合物と、を含有し、動的光散乱法による前記タンタル酸化合物分散液中の粒子の粒子径(D50)が1000nm以下であると、極性溶媒、とりわけ水への分散性及び溶解性が向上する点で好ましい。
【0007】
本発明の金属酸化合物分散液は、ニオブ、タンタル、モリブデン、タングステン、チタンからなる群より選択される2種以上の金属種Mを含有する。金属種Mは、本発明の金属酸化合物分散液中で酸化物として存在するものと考えられる。具体的には、ニオブは、NbO


のような陰イオンや、複数のニオブ原子と酸素原子とが結合したポリオキソメタレート(ポリ酸)イオンとして存在するものと考えられる。また、タンタルは、TaO


のような陰イオンや、複数のタンタル原子と酸素原子とが結合したポリオキソメタレート(ポリ酸)イオンとして存在するものと考えられる。さらに、モリブデンはMoO

2-
のような陰イオンか、複数のモリブデン原子と酸素原子とが結合したポリオキソメタレート(ポリ酸)イオンとして存在していると考えられる。さらに、タングステンは(W




2-
や、(W
12

10

8-
のような陰イオンか、複数のタングステン原子と酸素原子とが結合したポリオキソメタレート(ポリ酸)イオンとして存在していると考えられる。さらに、チタンは(Ti




2-
のような陰イオンか、複数のチタン原子と酸素原子とが結合したポリオキソメタレート(ポリ酸)イオンとして存在していると考えられる。
【0008】
さらに、前記金属種Mが、タンタルを含有するものであると好ましい。具体的には、金属種Mは、タンタルと、ニオブ、モリブデン、タングステン、或いはチタンから選ばれた1種の金属種との2種の金属種であってもよく、タンタルと、ニオブ、モリブデン、タングステン、或いはチタンから選ばれた2種の金属種との3種の金属種であってもよく、タンタルと、ニオブ、モリブデン、タングステン、或いはチタンから選ばれた3種の金属種との4種の金属種であってもよく、タンタル、ニオブ、モリブデン、タングステン、及びチタンの5種の金属種を全て含むものであってもよい。なお、金属種Mは、タンタルを除く、ニオブ、モリブデン、タングステン、或いはチタンから選ばれた2種の金属種であってもよく、ニオブ、モリブデン、タングステン、或いはチタンから選ばれた3種の金属種であってもよく、ニオブ、モリブデン、タングステン、及びチタンのうちから選ばれた4種の金属種であってもよい。
【0009】
本発明の金属酸化合物分散液は、アルカリ金属元素、およびまたは、アルカリ土類金属元素からなる群から選択された1種以上の元素Xを含有する。すなわち、本発明の金属酸化合物分散液中の金属酸は、アルカリ金属元素、およびまたは、アルカリ土類金属元素からなる群から選択された1種以上の元素Xのイオンとイオン結合した状態のイオンとして当該分散液中に存在するものと推測する。本発明の金属酸化合物分散液には、陰イオンとして水酸化物イオンは存在する一方、フッ化物イオンおよび塩化物イオンなどのハロゲン化物イオンはほとんど存在せず、アルカリ金属元素や、アルカリ土類金属元素は陽イオンとして存在すると考えられる。
【0010】
さらに、前記元素Xは、Liを含有するものであると好ましい。また、元素Xは、Liの1種のアルカリ金属元素だけに限定されるものではなく、LiとNa、或いはKとの2種のアルカリ金属元素や、Li、Na、及びKの3種のアルカリ金属元素であると好適である。さらに、元素Xは、Na、或いはKの1種のアルカリ金属元素、又はNaとKとの2種のアルカリ金属元素であってもよい。
(【0011】以降は省略されています)

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