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公開番号2025036305
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-14
出願番号2024146556
出願日2024-08-28
発明の名称カーボンナノチューブ分散組成物、合材スラリー、電極膜、および二次電池
出願人artience株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類C01B 32/158 20170101AFI20250306BHJP(無機化学)
要約【課題】 二次電池とした際のサイクル特性が良好であり、分散組成物の流動性と保存安定性とを両立するカーボンナノチューブ分散組成物、及び上記分散組成物を使用してサイクル特性とレート特性とを両立した二次電池を提供する。
【解決手段】 カーボンナノチューブ(A)と、分散剤(B)と、溶媒(C)とを含み、レーザー回折式粒度分布測定による体積累積50%における粒径D50が0.3~7μmであり、下記(1)および(2)を満たすことを特徴とするカーボンナノチューブ分散組成物。
(1)分散剤(B)は、重量平均分子量が5,000以上360,000以下であり、かつ(メタ)アクリル酸およびカルボキシル基を有する(メタ)アクリレートの少なくとも一方に由来するカルボキシル基含有構造単位を有する重合体であり、 前記カルボキシル基含有構造単位の含有率は、前記重合体の質量を基準として80質量%以上である。
(2)カーボンナノチューブ分散組成物の、レーザー回折式粒度分布測定による体積累積50%における粒径D50をX[μm]、pHをYとしたとき、XおよびYが下記(式a)および(式b)を満たす。
(式a)Y≧-0.149X+4.545
(式b)Y≦-0.134X+5.140
特許請求の範囲【請求項1】
カーボンナノチューブ(A)と、分散剤(B)と、溶媒(C)とを含み、
レーザー回折式粒度分布測定による体積累積50%における粒径D
50
が0.3~7μmであり、
下記(1)および(2)を満たすことを特徴とするカーボンナノチューブ分散組成物。
(1)分散剤(B)は、重量平均分子量が5,000以上360,000以下であり、かつ(メタ)アクリル酸およびカルボキシル基を有する(メタ)アクリレートの少なくとも一方に由来するカルボキシル基含有構造単位を有する重合体であり、
前記カルボキシル基含有構造単位の含有率は、前記重合体の質量を基準として80質量%以上である。
(2)カーボンナノチューブ分散組成物の、レーザー回折式粒度分布測定による体積累積50%における粒径D
50
をX[μm]、pHをYとしたとき、XおよびYが下記(式a)および(式b)を満たす。
(式a)Y≧-0.149X+4.545
(式b)Y≦-0.134X+5.140
続きを表示(約 770 文字)【請求項2】
塩基性化合物(D)をさらに含む、請求項1に記載のカーボンナノチューブ分散組成物。
【請求項3】
動的粘弾性測定による25℃における1Hzでの位相角が、3°以上60°未満である、請求項1又は2に記載のカーボンナノチューブ分散組成物。
【請求項4】
動的粘弾性測定による25℃における1Hzでの複素弾性率が、5Pa以上300Pa未満である、請求項1~3のいずれか1項に記載のカーボンナノチューブ分散組成物。
【請求項5】
前記分散剤(B)の含有量は、前記カーボンナノチューブ(A)100質量部に対して、15~160質量部である、請求項1~4のいずれか1項に記載のカーボンナノチューブ分散組成物。
【請求項6】
前記分散剤(B)の含有量は、前記カーボンナノチューブ(A)100質量部に対し、15~90質量部である、請求項1~5のいずれか1項に記載のカーボンナノチューブ分散組成物。
【請求項7】
前記カーボンナノチューブ(A)の窒素吸着測定によるBET比表面積が100m

/g以上1200m

/g以下である、請求項1~6のいずれか1項に記載のカーボンナノチューブ分散組成物。
【請求項8】
前記カルボキシル基含有構造単位は、(メタ)アクリル酸由来の構造単位である、請求項1~7のいずれか1項に記載のカーボンナノチューブ分散組成物。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか1項に記載のカーボンナノチューブ分散組成物と、活物質とを含む、合材スラリー。
【請求項10】
請求項9に記載の合材スラリーから形成してなる電極膜。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、カーボンナノチューブ分散組成物に関する。さらに詳しくは、カーボンナノチューブ分散組成物、カーボンナノチューブ分散組成物と活物質とを含む合材スラリー、合材スラリーから形成してなる電極膜、および該電極膜を備える二次電池に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
電気自動車の普及と携帯機器の小型軽量化および高性能化に伴い、高いエネルギー密度を有する二次電池、およびその二次電池の高容量化が求められている。このような背景の下、高エネルギー密度、高電圧という特徴から、非水系電解液を用いる二次電池、特にリチウムイオン二次電池が、多くの機器に使われるようになっている。
【0003】
リチウムイオン二次電池の容量は、主材料である正極活物質および負極活物質に大きく依存することから、これらの電極活物質に用いるための各種材料が盛んに研究されている。
しかし、実用化されている電極活物質を使用した場合に得られる充電容量は、いずれも理論値に近いレベルまで到達しており、電極活物質の改良は限界に近い。そのような状況下、負極活物質については、現行の黒鉛粉末に対して、可逆的により多くのリチウムイオンをドーピング可能なシリコン系活物質が期待されている。しかし、シリコン系活物質を使用した場合、充放電時にリチウムイオンを吸蔵および放出する際の体積変化によって、割れ又は粒子の孤立が生じやすく、充電および放電の繰り返しに伴い容量が減少する問題がある。
【0004】
また、電極の導電性を向上させるために、導電材としてカーボンナノチューブを用いる技術が検討されている。カーボンナノチューブを用いることで、電極抵抗を低減させる働きが期待できる。なかでも、カーボンナノチューブを負極に用いた場合、導電性の低いシリコン系活物質が、充電放電時にリチウムイオンを吸蔵および放出する際の体積変化によって電気的に孤立することを防ぎ、電池の寿命を向上させる働きが期待できる。
【0005】
近年、二次電池向けの合材スラリーに対してカーボンナノチューブを添加する方法としては、カーボンナノチューブ分散液を用いることが主流となっている。このようなカーボンナノチューブ分散液の分散粒径を適切な範囲とすることで、リチウムイオンを貯蔵する活物質同士の間に導電経路を張り巡らせることができる。
【0006】
そのため、例えば、特許文献1では、平均繊維外径が50~110nmの範囲である多層カーボンナノチューブのカルボキシメチルセルロースナトリウム水分散液であって、特定の粒度分布特性によって、カーボンナノチューブ分散液を分散安定化して、導電性を改善し、二次電池とした際のサイクル特性を向上させる方法を開示している。
特許文献2では、BET比表面積値が70~250m

/gのカーボンナノチューブ粉末を2~15重量%含有した分散液であって、温度25℃、ずり速度383s
-1
における粘度値が2~110mPa・sであり、さらには分散粒子径d50が100~600nmであるように調整することで、サイクル特性に優れたカーボンナノチューブ分散液を提供する方法を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2016-028109号公報
特開2015-195143号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
これらの方法によれば、カーボンナノチューブ同士の絡まり合いによる電極中での導電材の局在を抑制し、導電パスを維持してサイクル特性を改善することができる。
しかしながら、カーボンナノチューブは、通常、ナノサイズの外径を有する炭素繊維が絡み合って凝集体となっている。この凝集体を解繊させ、分散するのは非常に困難であるため、初期の流動性が高く、かつ分散安定性に優れたカーボンナノチューブ分散組成物を得ることは難しい。また、流動性の悪いカーボンナノチューブ分散組成物を用いた場合には、さらに活物質を添加して得られる合材スラリーにおいて、導電材の拡散が不十分となり、塗膜を形成した際に、高レートでの内部抵抗が上昇し、レート特性が問題となってくる。
【0009】
したがって、本発明は、二次電池とした際のサイクル特性が良好であり、すなわち、寿命性能に優れるカーボンナノチューブの分散状態となる粒径範囲において、分散組成物の流動性と保存安定性とを両立するカーボンナノチューブ分散組成物を提供する。また、上記カーボンナノチューブ分散組成物を用いることで、サイクル特性とレート特性とを両立した二次電池を提供する。
【0010】
さらには、負極活物質として黒鉛粉末とシリコン系活物質を用いた場合であっても、レート特性に優れた二次電池を提供する。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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