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公開番号
2024129545
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-09-27
出願番号
2023038834
出願日
2023-03-13
発明の名称
リン酸の製造方法
出願人
下関三井化学株式会社
代理人
弁理士法人エスエス国際特許事務所
主分類
C01B
25/237 20060101AFI20240919BHJP(無機化学)
要約
【課題】Si元素を含む廃リン酸水溶液から、高純度のリン酸を製造できる、リン酸の製造方法を提供する。
【解決手段】Si元素を含む廃リン酸水溶液(X)とフッ化水素とを混合して混合液(Y)を得る工程(A)、前記混合液(Y)を晶析して、リン酸の結晶を含む混合液(Z)を得る工程(B)、及び前記混合液(Z)からリン酸を固体として分離する工程(C)を含む、リン酸の製造方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
Si元素を含む廃リン酸水溶液(X)とフッ化水素とを混合して混合液(Y)を得る工程(A)、
前記混合液(Y)を晶析して、リン酸の結晶を含む混合液(Z)を得る工程(B)、及び
前記混合液(Z)からリン酸を固体として分離する工程(C)
を含む、リン酸の製造方法。
続きを表示(約 240 文字)
【請求項2】
前記廃リン酸水溶液(X)のSi元素の含有率が2ppm以上である、請求項1に記載のリン酸の製造方法。
【請求項3】
前記フッ化水素の量が、前記混合液(Y)におけるSi元素に対するF元素のモル比(F/Si)が5~500となる量である、請求項1に記載のリン酸の製造方法。
【請求項4】
さらに、前記工程(C)を行った後に得られた液体を水蒸気蒸留する工程(D)を含む、請求項1~請求項3のいずれか1項に記載のリン酸の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、リン酸の製造方法に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)
【背景技術】
【0002】
リン酸は、リン酸塩を含有するリン鉱石を原料として、リン鉱石を電気炉などで還元して得られる気体状のリンを酸化してP
2
O
5
とし、水に溶解して製造するいわゆる乾式法や、リン鉱石を硫酸で分解する湿式法などで製造されている。しかしながら、リン鉱石の需要が増大し、入手が困難になってきていることから、リン鉱石以外を原料としたリン酸の製造方法の開発が求められている。
【0003】
リン酸は、半導体の製造工程(特にエッチング工程)や液晶製造工程において、汎用されている。特に半導体製造用のリン酸は、電子工業用グレード(ELグレード)と言われ、工業用グレードよりもSi元素などの不純物量が少なく高純度である品質が求められる。半導体製造工程や液晶製造工程に用いられたリン酸は、繰り返し使用することで、Si元素の含有率が高くなり、やがて使用に適さなくなり、廃リン酸水溶液として廃棄されている。
【0004】
従来から、リン鉱石に変わる原料として、半導体工場の廃リン酸水溶液を用い、該廃リン酸水溶液に含まれるリン酸を再生して、リン酸を製造する試みがなれている。例えば、特許文献1には、「金属、リン酸およびリン酸以外の少なくとも1種の酸とを含む金属含有混酸水溶液からリン酸を回収する方法において、(1)前記混酸水溶液を蒸留することによりリン酸以外の酸と水を留出させ、(2)リン酸および水を含有する残液をリン酸が晶析する条件で溶融晶析させ、リン酸は固体として、金属は水溶液として、それぞれ分離することを特徴とする金属含有混酸水溶液からリン酸を回収する方法。」が記載されている。特許文献1には、該方法によれば、金属含有酸廃液のような金属含有混酸水溶液から、金属を分離できると記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2006-069845号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、本発明者は、特許文献1に記載された方法で得られたリン酸は、エッチング廃液に多く含まれているSi元素が充分には低減されていないことを見出した。すなわち、特許文献1に記載された方法により製造されたリン酸は、半導体製造には用いることができない品質であった。
そこで本発明では、Si元素を含む廃リン酸水溶液から高純度のリン酸を製造できるリン酸の製造方法を提供することを課題とする。
【0007】
以上のような背景技術を踏まえ、本発明は、Si元素を含む廃リン酸水溶液から、高純度のリン酸を製造できる、リン酸の製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは前記課題を解決すべく鋭意検討した。その結果、以下の構成を有することにより前記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、例えば、以下の〔1〕~〔4〕に関する。
〔1〕 Si元素を含む廃リン酸水溶液(X)とフッ化水素とを混合して混合液(Y)を得る工程(A)、
前記混合液(Y)を晶析して、リン酸の結晶を含む混合液(Z)を得る工程(B)、及び
前記混合液(Z)からリン酸を固体として分離する工程(C)
を含む、リン酸の製造方法。
〔2〕 前記廃リン酸水溶液(X)のSi元素の含有率が2ppm以上である、〔1〕に記載のリン酸の製造方法。
〔3〕 前記フッ化水素の量が、前記混合液(Y)におけるSi元素に対するF元素のモル比(F/Si)が5~500となる量である、〔1〕又は〔2〕に記載のリン酸の製造方法。
〔4〕 さらに、前記工程(C)を行った後に得られた液体を水蒸気蒸留する工程(D)を含む、〔1〕~〔3〕のいずれかに記載のリン酸の製造方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、Si元素を含む廃リン酸水溶液から、高純度のリン酸を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1は、マントルヒーターを用いた水蒸気蒸留の様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
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