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公開番号2024125060
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-13
出願番号2023033138
出願日2023-03-03
発明の名称酸化物
出願人三井金属鉱業株式会社
代理人弁理士法人翔和国際特許事務所
主分類C01G 53/00 20060101AFI20240906BHJP(無機化学)
要約【課題】リチウムイオン伝導性が高い酸化物を提供する。
【解決手段】ペロブスカイト型結晶構造を有する酸化物である。リチウム元素と、第2族元素と、第10族元素及び第12族元素を除く少なくとも2種類の遷移金属と、第10族元素、第12族元素及び第15族元素から選ばれる少なくとも一種の添加元素とを含み、前記添加元素の含有量が0.020質量%以上0.40質量%以下である。遷移金属が、第4族元素と第5族元素であることが好適である。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
ペロブスカイト型結晶構造を有する酸化物であって、
リチウム(Li)元素と、第2族元素と、第10族元素及び第12族元素を除く少なくとも2種類の遷移金属と、第10族元素、第12族元素及び第15族元素から選ばれる少なくとも一種の添加元素とを含み、
前記添加元素の含有量が0.020質量%以上0.40質量%以下である酸化物。
続きを表示(約 540 文字)【請求項2】
Aサイト欠損ペロブスカイト型結晶構造を有する、請求項1に記載の酸化物。
【請求項3】
前記遷移金属が、第4族元素と第5族元素の双方を含む、請求項1又は2に記載の酸化物。
【請求項4】
リチウムイオン伝導率が0.10mS/cm超である請求項1又は2に記載の酸化物。
【請求項5】
結晶子径が100nm以上250nm以下である、請求項1又は2に記載の酸化物。
【請求項6】
断面組織における結晶粒径が7μm以上である、請求項1又は2に記載の酸化物。
【請求項7】
相対密度が96%以上である、請求項1又は2に記載の酸化物。
【請求項8】
前記第10族元素がニッケル(Ni)元素であり、前記第12族元素が亜鉛(Zn)元素であり、前記第15族元素がビスマス(Bi)元素である、請求項1に記載の酸化物。
【請求項9】
前記第4族元素がジルコニウム(Zr)元素であり、第5族元素がタンタル(Ta)元素である、請求項3に記載の酸化物。
【請求項10】
第13族元素を更に含む、請求項1又は2に記載の酸化物。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明はリチウムイオン伝導性を有する酸化物に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
リチウムイオン伝導性を有する固体電解質としては、例えば酸化物系固体電解質や硫化物系固体電解質が知られている。これらの固体電解質のうち、硫化物系固体電解質は、室温におけるリチウムイオン伝導性は高いものの、水分との接触によって硫化水素の発生の懸念がある。一方、酸化物系固体電解質にはそのような懸念はないものの、リチウムイオン伝導性は現在のところ硫化物系固体電解質には及ばない。したがって、酸化物系固体電解質のリチウムイオン伝導性の向上を目的とした技術が種々検討されている。
【0003】
例えば特許文献1には、Li



BO
3+α
{Aは、H、Na、K、Rb、Ca、Y等;BはMg、Al、Si、P、Fe、Cu、Ti、Hf、W等;xはB元素に対するLiの組成比、yはB元素に対するA元素の組成比で、0<x<1、0≦y<1、且つ0<(x+y)≦1}で表される酸化物からなるリチウムイオン伝導体が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2016-213178号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年の地球規模での気候変動問題への対策の一つとして、化石燃料を用いた内燃機関を備えた自動車から、電池により駆動する自動車への転換が急ピッチで進んでいる。車載用の電池には安全性や高エネルギー密度が要求されることから、固体電解質を用いた固体電池からなるリチウムイオン電池が注目されている。固体電池に用いられる固体電解質は、そのリチウムイオン伝導性が高ければ高いほど望ましい。そこで、特許文献1に記載のリチウムイオン伝導体よりも更にリチウムイオン伝導性が高い酸化物が期待されている。
したがって本発明の課題は、リチウムイオン伝導性が高い酸化物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記の課題を解決すべく本発明者が鋭意検討したところ、酸化物リチウムイオン伝導体中に複数の遷移元素を含有させ、当該遷移元素の内の少なくとも一つを酸化物として含有させることにより、該酸化物リチウムイオン伝導体のリチウムイオン伝導性を向上させることができることを知見した。
【0007】
本発明は前記の知見に基づきなされたものであり、ペロブスカイト型結晶構造を有する酸化物であって、
リチウム(Li)元素と、第2族元素と、第10族元素及び第12族元素を除く少なくとも2種類の遷移金属と、第10族元素、第12族元素及び第15族元素から選ばれる少なくとも一種の添加元素とを含み、
前記添加元素の含有量が0.020質量%以上0.40質量%以下である酸化物を提供するものである。
【0008】
また、本発明は、正極層と、負極層と、両層間に位置する固体電解質層とを備えた固体電池であって、
前記正極層、前記負極層又は前記固体電解質が前記酸化物を含む、固体電池を提供するものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、従来知られている酸化物よりもリチウムイオン伝導性が高い酸化物が提供される。この酸化物を固体電解質として用いたリチウムイオン電池はその性能が向上する。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の酸化物は、ペロブスカイト型結晶構造を有する酸化物であって、リチウム(Li)元素と、第2族元素と、第10族及び第12族を除く少なくとも2種類の遷移金属と、第10族元素、第12族元素及び第15族元素から選ばれる少なくとも一種の元素とを含む。該酸化物の内、リチウムがAサイトに存在することが好ましく、第10族及び第12族を除く少なくとも2種類の遷移金属と、第10族元素、第12族元素及び第15族元素から選ばれる少なくとも一種の元素がBサイトに存在することが好ましい。
当該酸化物は例えば、
組成式LixAy(M1、M2,M3)zO

(1)
で表すことができる。LiはAサイトに位置し、M1、M2,M3はBサイトに位置する。但し、上記組成式は一例であって、当該組成式に限定されるものではない。
本発明の酸化物がペロブスカイト型結晶構造を有していることは、例えばCuKα1線を用いたX線回折(以下「XRD」ともいう。)による測定によって確認できる。
(【0011】以降は省略されています)

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