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公開番号2024128933
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-24
出願番号2023205825,2023037367
出願日2023-12-06,2023-03-10
発明の名称カーボンナノチューブ分散組成物およびその利用
出願人artience株式会社
代理人
主分類C01B 32/174 20170101AFI20240913BHJP(無機化学)
要約【課題】導電性が高く、流動性および貯蔵安定性の良好なカーボンナノチューブ分散組成物、並びにこれを用いた電極用合材スラリー、および電極膜により、優れたレート特性およびサイクル特性を有する非水電解質二次電池を提供すること。
【解決手段】平均外径3nm以下のカーボンナノチューブと、高分子成分と、溶媒とを含むカーボンナノチューブ分散組成物であって、前記高分子成分は、置換基を有してもよいポリフッ化ビニリデン樹脂を主成分として含み、前記カーボンナノチューブ分散組成物は、レーザー回折法によって測定した粒度分布の体積累積90%における粒径D90が2.0μm以上20.0μm未満、かつpHが7.5以上である、カーボンナノチューブ分散組成物により解決される。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
平均外径3nm以下のカーボンナノチューブと、高分子成分と、溶媒とを含むカーボンナノチューブ分散組成物であって、
前記高分子成分は、置換基を有してもよいポリフッ化ビニリデン樹脂を主成分として含み、
前記カーボンナノチューブ分散組成物は、レーザー回折法によって測定した粒度分布の体積累積90%における粒径D
90
が2.0μm以上20.0μm未満、かつpHが7.5以上である、
カーボンナノチューブ分散組成物。
続きを表示(約 630 文字)【請求項2】
前記置換基を有してもよいポリフッ化ビニリデン樹脂の含有量は、前記平均外径3nm以下のカーボンナノチューブ100質量部に対し、30質量部以上270質量部以下である、請求項1記載のカーボンナノチューブ分散組成物。
【請求項3】
前記平均外径3nm以下のカーボンナノチューブ、および前記高分子成分の合計含有率は、前記分散組成物の不揮発成分の合計質量を基準として80質量%以上である、請求項1記載のカーボンナノチューブ分散組成物。
【請求項4】
さらに塩基性化合物を含み、
前記塩基性化合物の含有率は、前記分散組成物の質量を基準として0.01質量%以上0.2質量%以下である、請求項1記載のカーボンナノチューブ分散組成物。
【請求項5】
前記置換基を有してもよいポリフッ化ビニリデン樹脂の含有率は、前記高分子成分の質量を基準として87質量%以上である、請求項1記載のカーボンナノチューブ分散組成物。
【請求項6】
請求項1~5いずれか1項記載のカーボンナノチューブ分散組成物と、活物質を含む、合材スラリー。
【請求項7】
請求項6記載の合材スラリーから形成してなる電極膜。
【請求項8】
正極および負極を備える非水電解質二次電池であって、
正極および負極の少なくとも一方が、請求項7記載の電極膜を有する、非水電解質二次電池。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、カーボンナノチューブ分散組成物に関する。さらに詳しくは、カーボンナノチューブ分散組成物、カーボンナノチューブ分散組成物と活物質とを含む合材スラリー、合材スラリーから形成してなる電極膜、および該電極膜を備える非水電解質二次電池に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
電気自動車の普及や携帯機器の小型軽量化および高性能化に伴い、高いエネルギー密度を有する二次電池、さらに、その二次電池の高容量化が求められている。このような背景の下で高エネルギー密度、高電圧という特徴から非水系電解液を用いる非水電解質二次電池、特に、リチウムイオン二次電池が多くの機器に使われるようになっている。
【0003】
リチウムイオン二次電池の容量は、主材料である正極活物質および負極活物質に大きく依存することから、これらの電極活物質に用いるための各種材料が盛んに研究されている。しかし、実用化されている電極活物質を使用した場合の充電容量は、いずれも理論値に近いところまで到達しており、電極活物質の改良は限界に近い。そこで、電極膜内の電極活物質の充填量が増加すれば、単純に充電容量を増加させることができるため、充電容量には直接寄与しない導電材およびバインダー樹脂の添加量を削減することが試みられている。
【0004】
導電材としては、一般的に微細な炭素材料が使用されており、近年ではカーボンナノチューブが用いられることが多くなっている。特に、電極抵抗を悪化させずに極限まで導電材の添加量を削減する目的で、最も外径が小さい単層カーボンナノチューブへの期待が高まっている。しかし、単層カーボンナノチューブは、非常に凝集力が強く使いこなしが難しいため、各種検討がなされている。
【0005】
例えば、特許文献1~3には、各種分散剤を用いてカーボンナノチューブを予め微細に分散してから、電極用合材スラリーを製造することにより、特性が良好な非水電解質二次電池を提供する方法が提案されている。また、特許文献4には、2~5,000個の単層カーボンナノチューブ単位体が互いに結合したカーボンナノチューブ構造体を含む電極、および該電極を含む電池が記載されている。特許文献1~3は、カーボンナノチューブを解繊させ、電極中で発達した細かな導電ネットワークを形成することによって、また、特許文献4は、単層カーボンナノチューブを束状の構造体として分散させ、太くて長い導電ネットワークを形成することによって、いずれも特性が良好な非水電解質二次電池を提供することを目的としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特許第7107413号公報
特許第7109632号公報
特開2022―063234号公報
特表2021―517352号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1~3は、分散剤を必須成分としており、高濃度でも流動性および貯蔵安定性が良好な分散組成物が得られる。また、一般にカーボンナノチューブの外径が小さくなる
ほど比表面積が大きくなることから、理想的には効率的に導電ネットワークを形成させることができるため、平均外径3nm以下のカーボンナノチューブを用いた分散組成物が検討されている。しかし、本発明者が検討したところによると、平均外径3nm以下のカーボンナノチューブの場合には、分散能が高い分散剤を十分量含有させて解繊させると、解繊に伴いカーボンナノチューブが切断されて元の長さより短くなるため、接触抵抗が増大して、結果的に電極の抵抗が悪化する場合があることを見出した。
【0008】
一方、特許文献4は、分散能の高い分散剤を用いずに単層カーボンナノチューブとポリフッ化ビニリデン樹脂とを混合しており、カーボンナノチューブの元の長さは適度に維持されていると推定されるが、カーボンナノチューブの濃度が低いこと、および高粘度で流動性が悪いことに加え、貯蔵中にカーボンナノチューブが凝集し、沈降して相分離が起こる、といった貯蔵安定性の問題がある。また、カーボンナノチューブの濃度が低い分散組成物では、活物質等の材料を配合した際の設計自由度が低くなること、および不揮発分あたりの輸送コストが高くなることといった問題がある。さらに、流動性が悪いと、輸送または貯蔵の際にタンクからの取り出しが困難になり、貯蔵安定性が悪いと、使用期限が短くなる、または品質の安定性が悪くなることがある。
【0009】
したがって、平均外径の小さいカーボンナノチューブを高濃度で安定に分散させることが要求されており、なかでも単層を中心としたカーボンナノチューブを束状の構造体として高濃度で分散させ、流動性および貯蔵安定性が優れた分散組成物を得ることが急務となっている。
【0010】
すなわち、本発明が解決しようとする課題は、導電性が高く、流動性および貯蔵安定性の良好なカーボンナノチューブ分散組成物であり、該カーボンナノチューブ分散組成物を用いた電極用合材スラリー、および電極膜により、優れたレート特性およびサイクル特性を有する非水電解質二次電池を提供することである。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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