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公開番号
2024125146
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-09-13
出願番号
2023142017
出願日
2023-09-01
発明の名称
リン酸鉄リチウム電池をリサイクルする方法
出願人
優勝新能源再生科技股ふん有限公司
代理人
個人
,
個人
,
個人
主分類
C01B
25/45 20060101AFI20240906BHJP(無機化学)
要約
【課題】リン酸鉄リチウム電池をリサイクルする方法を提供する。
【解決手段】方法は、i)リン酸鉄リチウム電池廃棄物を含む第1の粉末を提供する工程と、ii)前記第1の粉末から銅及びアルミニウムを除去して、第2の粉末を得る工程と、iii)工程ii)において得られる前記第2の粉末を硝酸に溶解して、溶液を得る工程と、iv)工程iii)において得られる前記溶液に炭酸を添加して、炭酸リチウムの沈殿を分離する工程と、v)工程iv)の残りの溶液を真空蒸留によって除去して、硝酸第二鉄結晶を得る工程と、を備える。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
リン酸鉄リチウム電池をリサイクルする方法であって、
i)リン酸鉄リチウム電池廃棄物を含む粉末を提供する工程と、
ii)前記粉末から銅とアルミニウムとを除去する工程と、
iii)工程ii)の前記粉末を硝酸に溶解して、溶液を得る工程と、
iv)工程iii)の前記溶液に炭酸を添加して、炭酸リチウムの沈殿を分離する工程と、
v)工程iv)の残りの前記溶液を真空蒸留によって除去して、硝酸第二鉄結晶を得る工程と、を備えるリサイクル方法。
続きを表示(約 780 文字)
【請求項2】
前記銅は、工程ii)において、比重選別によって工程ii)の前記粉末から除去される、請求項1に記載のリサイクル方法。
【請求項3】
前記アルミニウムは、ソーティンガー磁力選別機によって工程ii)の前記粉末から除去されて、前記アルミニウムは、工程ii)において前記銅が除去された後に除去される、請求項1又は2に記載のリサイクル方法。
【請求項4】
工程iii)において、前記硝酸の濃度は1M~10Mの間であり、前記硝酸の前記第2の粉末に対する液体-固体比(mL:g)は、1:1~5:1の間であり、工程iii)において、溶解温度は、15℃~90℃の間である、請求項1に記載のリサイクル方法。
【請求項5】
工程iii)の前記粉末におけるリチウム及び鉄の抽出率は、99重量%より大きい、請求項4に記載のリサイクル方法。
【請求項6】
前記炭酸リチウムの沈殿を金属リチウムに還元する工程である工程iv-1)をさらに備える、請求項1に記載のリサイクル方法。
【請求項7】
工程iv)は、50℃~80℃の間の温度において実行される、請求項1に記載のリサイクル方法。
【請求項8】
工程iv)のリチウムリサイクル率が94重量%以上である、請求項7に記載のリサイクル方法。
【請求項9】
前記硝酸第二鉄結晶を金属鉄に還元する工程v-1)をさらに備える、請求項1に記載のリサイクル方法。
【請求項10】
工程v)の前記真空蒸留は、約-93.33kPa~約-99.99kPa(-700Torr~-750Torr)の真空度、及び50℃~90℃の温度において実行される、請求項1に記載のリサイクル方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、リン酸鉄リチウム電池をリサイクルする方法に関し、特に、リン酸鉄リチウム電池廃棄物における銅、アルミニウム、リチウム、及び鉄等の有価金属をリサイクルする方法に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)
【背景技術】
【0002】
リン酸鉄リチウム(LiFePO
4
、リン酸鉄リチウム、リチウム鉄リンとしても知られており、LFPと略される)は、リチウムイオン電池の正極/カソード材料である。リン酸鉄リチウムを正極材料として、炭素を負極材料として使用する電池は、リン酸鉄リチウム電池又はリチウムイオン電池と称されている。そうした電池の特性は、コバルト等の貴金属を含まないことである。さらに、リン及び鉄は、地球に多量に存在し、それらの価格は低く、それらは不足問題を有しない。リン酸鉄リチウム電池は、使用電圧が3.3V、電池容量が170mAh/gであり、放電電力が高く、急速充電特性を有し、サイクル寿命が長く、高温における安定性が高い。
【0003】
リン酸鉄リチウム電池は、コストが低く(コバルトなし)、安全性が高いという利点のために、電気自動車のパワー電池において広範に使用されている。使用量が増加するにつれて、大量の廃棄物が自ずと発生する。SDGs(sustainable development goals)を達成するとともに、原鉱の採掘が環境を損壊することを避けるために、リサイクルされた材料を電池製品に使用することに関する基準が国際的に策定され始めている。現在、リン酸鉄リチウム電池廃棄物をリサイクルする一般的な方法は、燃焼法及び湿式法を含む。燃焼法は、廃棄物を1000℃~2000℃の高温において燃焼させて、溶融して金属合金にして、次いで、様々な金属を分離するとともにリサイクルする。燃焼法は、全体のリサイクル率がわずか32%-50%であり、プロセスが煩雑であり、エネルギーを消費する。これに加えて、プロセス中に大量の二酸化炭素又は有毒ガスが生成され得る。湿式法は、リン酸鉄リチウム電池の正極材料を分解して、リン酸、塩酸、及び過酸化水素等の溶媒を用いて電極からリチウムイオン及び鉄イオンを溶解して、次いで、それらを沈殿法によってリサイクルするものである。湿式法は、リサイクル率が高い(<70%)が、電池廃棄物を分解するために余分な工程を必要とする。余分な工程は、追加の労力を必要とし、非常に時間がかかる。さらに、湿式法においては、リン酸、塩酸及び過酸化水素等の溶媒が大量に使用され得る。溶解プロセス中に、大量の有毒な刺激性のガスが生成され得、これは環境に優しくない。
【0004】
したがって、操作が容易で、安全で、環境に優しく、リサイクル率が高い、リン酸鉄リチウム電池をリサイクルする方法を提供する必要がある。
【図面の簡単な説明】
【0005】
本発明の一実施形態に従った、リン酸鉄リチウム電池をリサイクルする方法を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本発明の一実施形態によれば、リン酸鉄リチウム電池をリサイクルする方法が提供される。リサイクル方法は、i)リン酸鉄リチウム電池廃棄物を含む粉末を提供する工程と、ii)前記粉末から銅とアルミニウムとを除去する工程と、iii)工程ii)の前記粉末を硝酸に溶解して、溶液を得る工程と、iv)工程iii)の前記溶液に炭酸を添加して、炭酸リチウムの沈殿を分離する工程と、v)工程iv)の残りの前記溶液を真空蒸留によって除去して、硝酸第二鉄結晶を得る工程と、を備える。
【0007】
一実施形態では、前記銅は、工程ii)において、比重選別によって工程ii)の前記粉末から除去される。
一実施形態では、前記アルミニウムは、ソーティンガー(Sortinger)磁力選別機によって工程ii)の前記粉末から除去されて、前記アルミニウムは、工程ii)において前記銅が除去された後に除去される。
【0008】
一実施形態では、工程iii)において添加される前記硝酸の濃度は、1M~10Mの間であり、前記硝酸の前記第2の粉末に対する液体-固体比(mL:g)は、1:1~5:1の間であり、工程iii)において、溶解温度は、15℃~90℃である。
【0009】
一実施形態では、工程iii)の前記粉末におけるリチウム及び鉄の抽出率は、99重量%より大きい。
一実施形態では、前記リサイクル方法は、前記炭酸リチウムの沈殿を金属リチウムに還元する工程である工程iv-1)をさらに備える。
【0010】
一実施形態では、工程iv)は、50℃~80℃の間の温度において実行される。
一実施形態では、工程iv)のリチウムリサイクル率が94重量%以上である。
一実施形態では、前記リサイクル方法は、前記硝酸第二鉄結晶を金属鉄に還元する工程v-1)をさらに備える。
(【0011】以降は省略されています)
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