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公開番号2024125792
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-19
出願番号2023033858
出願日2023-03-06
発明の名称シリカ含有組成物の製造方法
出願人UBE三菱セメント株式会社
代理人個人,個人
主分類C01B 33/18 20060101AFI20240911BHJP(無機化学)
要約【課題】NaOH消費を削減するシリカ含有組成物の製造方法の提供。
【解決手段】ケイ素含有廃棄物とNaOH水溶液とを混合してスラリーを調製するスラリー調製工程と、スラリーからケイ酸塩を含む抽出液と残渣を分取する工程と、ケイ酸塩含有液とCO2含有ガスを接触させてシリカ粒子を含む第1懸濁液を得る工程と、シリカ粒子を含む第1固相とNa2CO3を含む第1液相に分離する工程と、第1固相を水で洗浄してシリカ粒子を含むシリカ含有組成物を得る工程と、第1液相又は第1固相を洗浄して得られる洗浄排水を含む回収液に、Ca/Naのモル比が0.7~2.0となるようにカルシウム系薬剤を添加し、NaOHとCaCO3を含む第2懸濁液を得る工程と、第2懸濁液をNaOHを含む第2液相とCaCO3を含む第2固相に分離し、第2液相から得られる再生NaOH水溶液をスラリー調製工程で使用する工程を有する、シリカ含有組成物の製造方法。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
ケイ素含有廃棄物とNaOH水溶液とを混合し、ケイ酸塩を含むスラリーを調製するスラリー調製工程と、
前記スラリーから前記ケイ酸塩を含む抽出液と残渣とを分取する分取工程と、
前記抽出液を含むケイ酸塩含有液とCO

含有ガスとを接触させてシリカ粒子を含む第1懸濁液を得る晶析工程と、
前記シリカ粒子を含む第1固相とNa

CO

を含む第1液相とに分離する固液分離工程と、
前記第1固相を水で洗浄して前記シリカ粒子を含むシリカ含有組成物を得る洗浄工程と、
前記第1液相、及び前記第1固相を洗浄して得られる洗浄排水の少なくとも一方を含む回収液にカルシウム系薬剤を添加し、NaOHとCaCO

を含む第2懸濁液を得る再生工程と、
前記第2懸濁液を、NaOHを含む第2液相とCaCO

を含む第2固相に分離し、前記第2液相から得られる再生NaOH水溶液を前記スラリー調製工程で前記NaOH水溶液の少なくとも一部として使用するリサイクル工程と、を有し、
前記再生工程では、Ca/Naのモル比が0.7~2.0となるように前記カルシウム系薬剤を前記回収液に添加する、シリカ含有組成物の製造方法。
続きを表示(約 840 文字)【請求項2】
前記スラリー調製工程において、前記NaOH水溶液の濃度が1~24質量%である、請求項1に記載のシリカ含有組成物の製造方法。
【請求項3】
前記スラリー調製工程では、前記スラリーを50~200℃に加熱して前記ケイ素含有廃棄物と前記NaOHとを反応させる、請求項1又は2に記載のシリカ含有組成物の製造方法。
【請求項4】
前記分取工程では、前記スラリーからNa

Oの含有量が0.01~5質量%である残渣を得る、請求項1又は2に記載のシリカ含有組成物の製造方法。
【請求項5】
前記晶析工程において、前記ケイ酸塩含有液1LあたりのCO

の接触量が120~700Lとなるように、前記ケイ酸塩含有液と前記CO

含有ガスとを接触させる、請求項1に記載のシリカ含有組成物の製造方法。
【請求項6】
前記晶析工程において、前記ケイ酸塩含有液と前記CO

含有ガスとを30~90℃の温度で接触させる、請求項1又は5に記載のシリカ含有組成物の製造方法。
【請求項7】
前記晶析工程で得られる前記第1懸濁液を50~90℃に保持する熟成工程を有する、請求項1又は2に記載のシリカ含有組成物の製造方法。
【請求項8】
前記洗浄工程は、前記水で洗浄した後、酸及び水をこの順に用いて前記第1固相をさらに洗浄することを含む、請求項1又は2に記載のシリカ含有組成物の製造方法。
【請求項9】
前記再生工程では、前記回収液を70℃以上且つ100℃未満の温度に加熱して前記第2懸濁液を得る、請求項1又は2に記載のシリカ含有組成物の製造方法。
【請求項10】
前記ケイ素含有廃棄物が石炭灰を含む、請求項1又は2に記載のシリカ含有組成物の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、シリカ含有組成物の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
石炭灰、焼却灰、スラグ及び廃ガラス等のケイ素含有廃棄物は、年間数千万トン発生しており、リサイクルしきれないものは埋め立てにより最終処分されている。廃棄物において多量に含まれるケイ素は、産業上有用な成分であるため、これらの廃棄物からケイ素が再利用可能な形態で回収できれば、最終処分量の削減及び循環型社会の形成への貢献が期待される。
【0003】
ケイ素含有廃棄物からシリカを回収する技術として、例えば特許文献1、2には、石炭灰を原料とし、70~150℃の加熱条件下、40質量%以上又は25質量%以上といった高濃度のNaOH水溶液を用いてシリカ成分を抽出した後、抽出液に炭酸ガスを通気して得られるシリカ晶析液を固液分離することでシリカを回収する技術が開示されている。
【0004】
特許文献1は、アルミナ分に富む残渣から人工骨材を製造することを目的としており、石炭灰からシリカ成分を抽出した後の残渣の処理方法として、加熱固化して成形するか、又はセメント及び水を添加し造粒成型する技術が開示されている。特許文献2は、シリカ成分を抽出した後の残渣からAl



を生成させるとともに、残渣をフィラー材又はセメント原料として利用する技術が開示されている。また、炭酸化法によりシリカを生成した後のNa

SiO

溶液を、CaO又はCa(OH)

で塩基化してNaOH溶液を再生することが開示されている。
【0005】
特許文献3では、石炭灰と水酸化ナトリウム水溶液とを混合し、ケイ酸塩を含むスラリーを調製し、スラリーからケイ酸塩を含む抽出液と残渣とを分取した後、抽出液とCO

含有ガスとを接触させてシリカ粒子を晶析させる技術が開示されている。また、固形分離でシリカが回収されたアルカリ溶液から炭酸ナトリウム成分を回収し、抽出工程で原料の一部として再利用してもよいことが開示されている。一方、特許文献4では、炭酸ナトリウム水溶液に消石灰を加えて水酸化ナトリウムの水溶液を再生する技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2015-067526号公報
特表2009-519829号公報
特開2022-131418号公報
特開昭58-204820号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述の従来方法では、シリカの収率を高くするために、多量のNaOHが必要である。一方で、NaOHをリサイクルすることについては、例えば特許文献2に開示があるものの、どのような条件で回収されるのかは明らかではない。そこで、本発明は、シリカ含有組成物の製造に用いるNaOHの消費量を削減することが可能なシリカ含有組成物の製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一側面は、ケイ素含有廃棄物とNaOH水溶液とを混合し、ケイ酸塩を含むスラリーを調製するスラリー調製工程と、前記スラリーから前記ケイ酸塩を含む抽出液と残渣とを分取する分取工程と、前記抽出液を含むケイ酸塩含有液とCO

含有ガスとを接触させてシリカ粒子を含む第1懸濁液を得る晶析工程と、前記シリカ粒子を含む第1固相とNa

CO

を含む第1液相とに分離する固液分離工程と、前記第1固相を水で洗浄して前記シリカ粒子を含むシリカ含有組成物を得る洗浄工程と、前記第1液相、及び前記第1固相を洗浄して得られる洗浄排水の少なくとも一方を含む回収液にカルシウム系薬剤を添加し、NaOHとCaCO

を含む第2懸濁液を得る再生工程と、前記第2懸濁液を、NaOHを含む第2液相とCaCO

を含む第2固相に分離し、前記第2液相から得られる再生NaOH水溶液を前記スラリー調製工程で前記NaOH水溶液の少なくとも一部として使用するリサイクル工程と、を有し、前記再生工程では、Ca/Naのモル比が0.7~2.0となるように前記カルシウム系薬剤を前記回収液に添加する、シリカ含有組成物の製造方法を提供する。
【0009】
上記製造方法では、シリカ含有組成物を製造する際に生じるNa

CO

を含む第1液相及び洗浄排水の少なくとも一方を含む回収液に、カルシウム系薬剤を添加する際に、Ca/Naのモル比が所定の範囲になるようにカルシウム系薬剤を添加する。このため、カルシウム系薬剤を添加して得られる回収液から効率的にNaOHを再生することができる。再生したNaOHをスラリー調製工程で用いることによって、NaOHの消費量を抑制することができる。したがって、シリカ含有組成物の製造に必要なNaOH量を削減することができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、シリカ含有組成物の製造に用いるNaOHの消費量を削減することが可能なシリカ含有組成物の製造方法を提供することができる。この製造方法によれば、NaOH試薬の製造の際に生じるCO

排出量を低減でき、環境負荷を抑制することもできる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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