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公開番号
2024144187
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-11
出願番号
2024033307
出願日
2024-03-05
発明の名称
電極
出願人
東ソー株式会社
代理人
主分類
C25B
11/081 20210101AFI20241003BHJP(電気分解または電気泳動方法;そのための装置)
要約
【課題】 電極引き上げ時の液の付着量を低減させつつ、高温かつ硫酸酸性の電解液に浸漬させても金属の脱落や溶出を伴わずに電解電圧を低減させる電解二酸化マンガン製造用に改質された電極を提供する。
【解決手段】黒鉛に白金が担持された構造であり、かつパラフィンを含有する電極。
【選択図】 なし
特許請求の範囲
【請求項1】
黒鉛に白金が担持された構造であり、かつパラフィンを含有する電極。
続きを表示(約 670 文字)
【請求項2】
前記電極が電解二酸化マンガン製造用電極である請求項1に記載の電極。
【請求項3】
前記黒鉛における、単位面積当たりの白金担持量が3μg/cm
2
以上500μg/cm
2
以下である請求項1又は2に記載の電極。
【請求項4】
前記パラフィンの含有量が電極の電解時に電解液中に浸漬する部位の重量に対し、1mg/g以上100mg/g以下である請求項1又は2に記載の電極。
【請求項5】
前記パラフィンの融点が40℃以上80℃以下である請求項1又は2に記載の電極。
【請求項6】
電極表面の純水に対する接触角が、90°を超え180°未満である請求項1又は2に記載の電極。
【請求項7】
請求項1又は請求項2に記載の電極を用いる、電解二酸化マンガンの製造方法。
【請求項8】
白金を黒鉛に担持し、白金担持黒鉛を得る白金担持工程、及び、白金担持黒鉛と、パラフィンとを接触させて、白金担持黒鉛にパラフィンを含有させるパラフィン含有工程、を有する請求項1又は2に記載の電極の製造方法。
【請求項9】
前記白金担持工程において、黒鉛に白金を担持させる方法がめっき法である、請求項8に記載の電極の製造方法。
【請求項10】
前記パラフィン含有工程が、白金担持黒鉛表面にパラフィンを付着させ、その後白金担持黒鉛内部に浸透させる方法である、請求項8に記載の電極の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は、電極に関し、より詳しくは、電解二酸化マンガン製造用の電極、例えば、マンガン乾電池、特にアルカリマンガン乾電池において、正極活物質として使用される電解二酸化マンガンの製造に用いる電極に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)
【背景技術】
【0002】
電解二酸化マンガンは、一般的に、100℃に近い温度の硫酸酸性の硫酸マンガン電解液中で、陽極と陰極の間に電流を流すことにより、陽極上に電解酸化析出させて製造される。電解二酸化マンガンの析出反応が進行する陽極に対し、水素発生反応が進行する陰極は、電解二酸化マンガンの品質に直接影響を与えない。そのため、これまで陰極は着目されておらず、過去に検討された例も少ない。
【0003】
陰極には、主に黒鉛が用いられるが、銅及び鋼も用いられる(特許文献1)。例えば、特許文献2では黒鉛に銅を被覆した陰極が検討されている。しかしながら、銅を含む陰極を、硫酸を含有する高温の電解液に浸漬させた場合、非通電時に電解液中に銅が溶出する。さらに、硫酸酸性かつ100℃に近い温度での電解においては、チタンやステンレスなど耐食性がある金属であっても、非通電時に腐食してしまう。一方、食塩電解用又は水電解用の陰極(特許文献3及び4)は、硫酸酸性かつ100℃に近い温度での使用を考慮して設計されていない。そのため、これらの電極は二酸化マンガンの品質に影響を与えかねない元素が使用され、なおかつ、製造コストが高く、二酸化マンガン電解用の陰極として使用することは難しい。
【0004】
ところで、電解二酸化マンガン製造時には、電解液を93℃~98℃の高温で保つ。そのため、パラフィンなどの沸点が高い油層を電解液の上に浮かべることで、電解液の蒸散を防いでいる。しかしながら、パラフィンは電解二酸化マンガンの製品品質に影響を与えるため、電解二酸化マンガンに取り込まれたパラフィンの除去や、パラフィンを取り込ませない電解方法が検討されている(特許文献2)。
【0005】
また、陰極や陽極などの電極は、電解時や洗浄時に電解槽及び洗浄槽の上部から出し入れされ、引き上げ時に電解液や洗浄液が付着する。電極に付着した電解液等はロスとなるため、電極への電解液等の水分付着量の低減が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
国際公開2000/037714号
特開2022-7926号公報
国際公開2020/110527号
特許6837342号公報
特開2001-247987号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本開示は、水溶液からの引き上げ時に付着する水分量が少なく、高温かつ硫酸酸性の電解液に浸漬させても金属の脱落や溶出を伴わずに電解電圧を低減させることを目的として改質された、電解二酸化マンガン製造用の電極を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示において、電解二酸化マンガン製造用の電極の性能発現と金属溶出について着目し、電極の改質について検討した。その結果、パラフィンを含有することで電極引き上げ時の水分付着量が減少すること、及び、黒鉛に白金を担持させることで高温かつ高濃度の硫酸酸性の条件下であっても電解時の浴電圧が上昇しないことを見出した。
【0009】
すなわち、本発明は特許請求の範囲の通りであり、また、本開示の要旨は以下の通りである。
[1]黒鉛に白金が担持された構造であり、かつパラフィンを含有する電極。
[2]前記電極が電解二酸化マンガン製造用電極である上記[1]に記載の電極。
[3]前記黒鉛における、単位面積当たりの白金担持量が3μg/cm
2
以上500μg/cm
2
以下である上記[1]又は[2]に記載の電極。
[4]前記パラフィンの含有量が電極の電解時に電解液中に浸漬する部位の重量に対し、1mg/g以上100mg/g以下である上記[1]~[3]のいずれかひとつに記載の電極。
[5]前記パラフィンの融点が40℃以上80℃以下である上記[1]~[4]のいずれかひとつに記載の電極。
[6]電極表面の純水に対する接触角が、90°を超え180°未満である、上記[1]~[5]のいずれかひとつに記載の電極。
[7][1]~[6]のいずれかひとつに記載の電極を用いる、電解二酸化マンガンの製造方法。
[8]白金を黒鉛に担持し、白金担持黒鉛を得る白金担持工程、及び、白金担持黒鉛と、パラフィンとを接触させて、白金担持黒鉛にパラフィンを含有させるパラフィン含有工程、を有する上記[1]~[6]のいずれかひとつに記載の電極の製造方法
[9]前記白金担持工程において、黒鉛に白金を担持させる方法がめっき法である、上記[8]に記載の電極の製造方法。
[10]前記パラフィン含有工程が、白金担持黒鉛表面にパラフィンを付着させ、その後白金担持黒鉛内部に浸透させる方法である、上記[8]に記載の電極の製造方法。
【発明の効果】
【0010】
本開示により、水溶液からの引き上げ時に付着する水分量が少なく、高温かつ硫酸酸性の電解液に浸漬させても金属の脱落や溶出を伴わずに電解電圧を低減させることを目的として改質された、電解二酸化マンガン製造用の電極を提供することができる。更には、本開示の電極は、二酸化マンガンの製造についての電解時に非通電時も電解液への極板からの金属溶出が発生せず、更に電解電圧を低減させることができる。また、電解槽や洗浄槽からの引き上げ時の付着液量を低減できるため、電解二酸化マンガンを効率的、かつ安定的に製造することができる。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
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